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寄稿文  統一教会と系列国会議員の「日韓海底トンネル」という巨大利権

2022-10-07 | 小日向白朗学会 情報
 国会議事録が政治問題を解明するためには非常に有益な方法であるという研究がある。折角であるから、この寄稿文も同手法を活用して「日韓海底トンネル」について検証してみる。

 「日韓海底トンネル」建設を解明する手掛かりは「亜細亜技術協力会」である。では「亜細亜技術協力会」とはなにか。平成2年6月20日開催の衆議院建設委員会で同協会が議論となった。(第118回国会 衆議院 建設委員会 第11号 平成2年6月20日)
 ○飯村説明員 お答え申し上げます。 先生ただいま御質問のありました亜細亜技術協力会は、御指摘のとおり外務省の認可の公益法人でございます。  右公益法人は、昭和四十九年十月二日に外務省が設立を許可しておりまして、十月十五日に設立されております。  財団の設立の目的といたしましては、「日本及び韓国等アジア諸国との近隣友好を基調にし、アジア諸国の経済発展に必要な人材育成と技術水準向上」を図るというのが財団の設立の目的になっております。  役員につきましては、五月三十一日現在、理事長として金山政英そのほか十五名の役員がおります。この十五名につきましては今御報告申し上げてもよろしゅうございますが、あるいは後ほど……(土肥委員「ざっと読んでいただけますか」と呼ぶ)  私ども承知しておりますのは、植木光教、許弼セキ、金鶴鎮、古田元男、小柳定夫、重光武雄、金海坤、金坪珍、李基寿、李承魯、佐々保雄、梶栗玄太郎、大江益男、金容太、以上十五名でございます。
 同協力会の所管は外務省で、その設立目的は「日本及び韓国等アジア諸国との近隣友好を基調にし、アジア諸国の経済発展に必要な人材育成と技術水準向上」とある。次に、その役員構成であるが、特に目を引くのは、役員15名の氏名である。中でも梶栗玄太郎(かじくり げんたろう)は統一教会の大幹部である。各理事の簡単な経歴を追いかけてみる。
 梶栗は、世界平和統一家庭連合の日本統一教会第12代会長、世界日報社社長、国際勝共連合会長、世界平和連合会長などを歴任している。そして日韓海底トンネルに関する経歴は、昭和57(1982)年4月に「国際ハイウェイ建設事業団」を設立するが、その時の会長が久保木修己(初代日本統一教会会長)、理事長に梶栗が就任している。その後「国際ハイウェイ建設事業団」は2009(平成21)年に「一般財団法人国際ハイウェイ財団」と大幅に組織変更をおこなって、初代理事長に梶栗が就任している。財団の設立目的は次の通りである。
 1981年11月10日、韓国・ソウルにおいて第10回「科学の統一に関する国際会議」(ICUS)が開催された。同会議には,全世界からノーベル受賞者をはじめとする各分野の自然科学者、人文・社会科学系学者、文化人など総勢720名が参加した。その全体会議において、同会議の創設者である文鮮明師が「アジア大ハイウェイおよび日韓トンネル構想」を提唱された。
この一文からわかる通り、同財団は文鮮明の指示による「アジア大ハイウェイ」であり「日韓海底トンネル」を実現させるために設立された財団なのである。
 次いで古田元男は、ハッピーワールド初代社長である。ハッピーワールドは、ご存じの昭和61(1986)年5月15日に警察庁が厳しく取り締まると明言した霊感商法の総元締めである。その会社の代表を務めた人物が平成2(1990)年には日韓海底トンネル案件に絡んでいたのである。
 小柳定夫は、古田と同様にハッピーワールドの代表取締役を務めたことがあり、平成6年に福岡地方裁判所で行われた判決(福岡地方裁判所 平成6年(ワ)1578号 判決)で、いわゆる、不当な販売を行ったとして賠償命令がだされた人物である。その判決文の中でハッピーワールドを「……被告ハッピーワールドは、被告統一教会の資金集めのために、同被告により、商品の販売組織、集金組織、人員の供給組織構築を目的として設立された会社である。したがって、被告ハッピーワールドは、被告統一教会と主観的かつ客観的に共同して原告A野及び原告B山に対する違法な各販売行為をしたものであるから、共同不法行為責任を負う。……」とハッピーワールドの違法性を認めている。
 大江益男は、早稲田大学出身で、学生時代に大学祭で勝共研究会の発表をするなどしていた活動をおこなっている。後に、統一教会の広報部長でその後に国際ハイウェイ財団理事長を務めている。
 李承魯(日本名:松本祐正)は、平成11年には薬事法違反で株式会社ソウルトレーディングに三〇〇万円の罰金が科せられるとともに同社の社長であった李承魯には懲役二年六月が言い渡されている。さらには、李は東京商銀信用組合の理事であったが、自身が取締役となっている松本祐商事株式会社およびその関連会社に対して東京商銀が実行した融資が回収不能になるという事件を起こしている(東京商銀信用組合事件(東京地判平成13年5月31日判時1759号131頁)。
 重光武雄(辛格浩)は、ご存じロッテの会長である。岸信介と、韓国大統領の朴正煕とをつなぐ役目であったようだ。そのためロッテは統一教会と非常に親しい関係にある会社であると昔から指摘されているのだ。
金鶴鎮(日本名:金子鶴)は、他の在日韓国人と同様に所得税法違反事件を起こして昭和四〇年八月三〇日東京地方裁判所が言いわたされたが不服として高等裁判所に上告したが却下されている(東京高等裁判所 昭和40年(う)2089号 判決)。
 植木光教は、京都府京都市を地盤とした自民党国会議員で、総理府総務長官と沖縄開発庁長官を歴任していた。植木は、国会議員のほかに世界連邦運動協会会長といい肩書を持っていた。この世界連邦運動であるが、現在国家単位で与えられている国際連合への参加資格を個人単位に移すことを主眼としており、これらは即ち、事実上の「単一世界国家(単一世界政府)」の建設を目指しているとされている。現在の世界連邦日本国会委員会会長は第17代として衛藤征士郎が就任している。
 金山政英であるが、昭和43(1968)年7月15日から昭和47(1972)年2月まで3年7か月の間、第2代韓国駐在大使を務めた。金山の在任中のソウル地下鉄建設の入札が行われた時の大使である。そのソウル地下鉄建設は、宇都宮徳馬によれば「ソウル地下鉄建設のような明瞭な目的でも、三分の一は韓国の関係者に、三分の一は日本の関係者にまわり、実質使われるのは残りの三分の一にすぎないといわれるのだから、対韓援助は汚職の巣窟といわれても仕方がない。」とまで極言する疑惑の多いODAであった。
その後の金山は、日本で統一教会による合同結婚式が問題となっていた平成4(1992)年8月12日、産経新聞の紙面に「国際合同結婚式を支持する学者・文化人の会」が合同結婚式を賛成する意見広告を掲載したが、その時の世話人が金山政英であった。
以上が簡単な略歴である。

 御覧の通り外務省の外郭団体「亜細亜技術協力会」は、設立から八年後に統一教会と在日実業家に組織ごと置き換わっていたのだ。そして「亜細亜技術協力会」の中に「日韓トンネル委員会」を設けていた。これは文鮮明の思い付きで始まった「日韓海底トンネル」の調査費や工事費として、外務省の政府開発援助(ODA、Official Development Assistance)を利用するつもりでいたことは明らかであろう。
 その受け皿はといえば、これも手回しよく統一教会が準備していた。それが「国際ハイウェイ建設事業団」のちの「一般財団法人国際ハイウェイ財団」なのである。「国際ハイウェイ建設事業団」は、設立は昭和57(1982)年4月1日で、会長は久保木修己(初代日本統一教会会長)、理事長が梶栗であった。そして、この「国際ハイウェイ建設事業団」の中に日韓トンネル委員会を設けていた。つまり「亜細亜技術協力会」日韓トンネル委員会が、「国際ハイウェイ建設事業団」日韓トンネル委員会に資金を流そうとしていたのだ。
しかし、この構図では、流石にその意図が見え見えで、在日韓国人実業家と統一教会による利権とする心算でいたが、頓挫することになった。
 そして再び「日韓海底トンネル」が動きだすのは2009年1月8日に「国際ハイウェイ建設事業団」が「一般財団法人国際ハイウェイ財団」に組織変更してからである。
「一般財団法人国際ハイウェイ財団」のホームページには、事業は継続したことを公表している。
1981年の提唱以来、本プロジェクトは国際ハイウェイ建設事業団の指揮・監督のもと執り行われてきたが、2009年1月をもって、新に一般財団法人 国際ハイウェイ財団が事業を継承した。
 統一教会が、再び動き出す大きな要因は、安倍晋太郎を応援することを公言していた文鮮明であるが、その安倍晋太郎が死去したことで中心人物を失っていたが、継続したのが息子の安倍晋三で、その動きは総裁選に向けて活発に動きだしていたことが大きく作用したと考えられる。その安倍晋三が、平成18(2006)年9月26日に、統一教会の焼き写しと考えられる「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」をスローガに掲げて第90代内閣総理大臣に任命された。ついに統一教会は、行政機関の最高責任者の地位を獲得することができたのである。それは、統一教会がふたたび強力な政治力を手にいれたことと同義である。
 統一教会と安倍晋三がタッグを組んだことで、再び動き出したのが平成20(2008)年である。この年、自民党の衛藤征士郎を中心として超党派国会議員で「日韓海底トンネル推進議員連盟」を結成している。この超党派が曲者である。日韓海底トンネルが文鮮明の思い付きであることなどの由来を表に出さずに国会議員の中にトンネル建設を総論賛成にしてしまったのだ。「日韓海底トンネル推進議員連盟」は次の段階として地方組織の整備を開始した。この動きに合わせるように「国際ハイウェイ建設事業団」は「一般財団法人国際ハイウェイ財団」に組織変更をおこなった。その活動が「日韓トンネル推進△△県民会議」なのである。
 幾つかの地域の「日韓トンネル推進△△県民会議」を見てみる。その例として鳥取を見てみる。文鮮明と「日韓海底トンネル推進議員連盟」の関係について鳥取地区の担当者が自身のブログで明らかにしている。鳥取は、九州以外で比較的早い時期に県民会議ができた件で「日韓トンネル推進鳥取県民会議」という。設立は平成23(2011)年3月6日である。発会式には、講師には国際ハイウェイ財団執行理事が、議長には鳥取県議会議員上村忠史で執り行われている。この発会式から一年後に、「日韓トンネル推進会議結成1周年」とするブログを書いた鳥取県会議員がいる[1]。その中に「平成24年4月22日に県立福祉人材センター大ホールに於いて盛大な結成1周年大会を催した」とある。
また鳥取に推進会議ができたのは次のような経緯であったとしている。
 日韓トンネル構想の経緯は1981年11月、「科学の統一に関する国際会議」に於いて文鮮明総裁が提唱したことに始まり、日本では佐賀県に於いて調査斜抗起工式・自民党での「国づくり夢実現検討委員会」の立ち上げ・アジア欧州首脳会議での森総理「日韓トンネル・ASEM鉄道」演説等々の経緯を踏まえ今日に至っている。
 この県議は、正直に鳥取に「日韓トンネル推進鳥取県民会議」が設立された経緯を述べている。それは文鮮明の発案で始まった「日韓海底トンネル」は、ついに佐賀県で調査斜抗起工式を行うに至ったことと、総理大臣森喜朗が自民党内に設けた「国づくり夢実現検討委員会」の提言でトンネル建設に動き出しているというのである。つまり、森喜朗も日韓海底トンネルが文鮮明の発案であることを知っていて、そこに資金を投入できるように自民党内に「国づくり夢実現検討委員会」なるものを設け、あたかも論議と研究を重ねた結果であるという体裁を繕ったうえで、それを地方党員に協賛させていく。それが「日韓トンネル推進鳥取県民会議」だったということになる。
 もうひとつ、県民会議の例をあげてみる。そこは韓海底トンネルとは縁もゆかりもない北海道に「日韓トンネル推進北海道民会議」が結成されている。設立は平成29(2017)年10月29日である。その北海道から平成28(2016)年参議院選挙に自民党から出馬し落選したK候補は、平成29(2017)年8月4日付けの自身のブログに「7月29日 日韓トンネル推進北海道民会議設立拡大世話人会(札幌市)」と記載されている[2]。つまり、各都道府県で次期国政選挙を狙う県議や市議などが「日韓トンネル推進△△県民会議」を行うことで自民党安倍派が中心として全国組織を作り上げていたのである。自民党の活動に、ピタリと統一教会が後ろで指南していた。その方法は、国会議員を目指す県議や市議の選挙活動を支援することで、国会内に統一教会直結の国会議員を増やして文鮮明の究極の目的である国会内に統一教会の礼拝堂を作る予定で進んでいた。
 そして安倍晋三が第96、97、98代内閣総理大臣を就任すると「日韓トンネル推進△△県民会議」の設立が相次ぐようになった。最後に、日韓トンネル推進山梨県民会議結成大会/2018年5月20日を設立したことで全都道府県に設立が終了することになる。
 ところで、自民党は全各都道府県に地方組織である「都道府県支部」を組織している。しかし自民党地方組織と統一教会の運動組織「日韓トンネル推進△△県民会議」は必ずしも重複していない。つまり、統一教会は、国会では内閣総理大臣と衆議院議員議長のポストを掌握したものの自民党内には未だ心ある国会議員もいることから、自民党の中に「日韓トンネル推進△△県民会議」という党中党を作って統一教会系国会議員数をさらに増やすことと、国会議員と同様に県議会議員などの選挙を支援することで地方議会にも介入していったと考える方が妥当である。そのため統一教会系県会議員が全国まんべんなく生まれてきた現象が説明できるはずである。
                            以上
P.S.
なるほど国会議事録は、現在の政治状況を俯瞰するうえで抜群の切れ味であることを実感できた。

[1] http://blog.livedoor.jp/nodaosamu/archives/51833383.html。

[2] https://www.facebook.com/kakikikatsuhiro/posts/1719204515040590/

                            (寄稿:近藤雄三氏)


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