小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

宗主国アメリカからみた現地政権「自由民主党」の衰退と荒廃 -アメリカの意向は「自衛隊海外派兵を可能にする」政権に再編すること-

2023-11-26 | 小日向白朗学会 情報
 1、はじめに
 自由民主党の衰退と荒廃が止まらない。
 自由民主党は、宗主国アメリカの指示に従い、財政規律と云う虚偽のデータで国民生活を犠牲にして軍拡を進めてきたが、それでも不足する費用を賄うためさらなる増税を進めようとしたことで国民の怒りは爆発寸前となってきた。
ところで宗主国アメリカは、このまま自由民主党が国民から愛想をつかされ下野することを黙認するのだろうかという非常に単純な疑問が浮かぶ。なぜならば宗主国アメリカは、「現地政府自由民主党」がわざわざ献上してくれた日本の国家主権である「自衛隊指揮権、電波権、航空管制権」という極上の特権を持っている。
 ところが、その「現地政府自由民主党」は、長期政権で利権まみれとなり、政権を維持するために無理に集めた国会議員は、質の劣化がすさまじく、まともな論議ができる知的レベルすら疑わしいことから、国民から政権能力が欠如していることを見抜かれてしまった。そのため、早晩、自由民主党は下野する以外に選択肢はない。これは宗主国アメリカが持っている極上の特権を、唯々諾々と献上する現地政府が消滅し、その後も引き続き権益を享受できるかどうかが不透明となることを意味しているのだ。
 かかる事態に、宗主国アメリカは、如何なる対応をするか。
 答えは、日本の国会を「極上の特権をアメリカに献上してくれる政権」に再編成してしまうことである。
 これ以外に無い。
 もしも、アメリカが、このオペレーションに失敗すると、日本の電波を利用して構築しているミサイル防衛網の機能を失い、アメリカの防衛圏は一挙に縮小してアメリカ西海岸まで後退してしまう可能性があるという非常にまずい状況が生まれることになる。

2、アメリカが日本政治に介入した事例
2─1 1955年保守合同
 吉田茂は、サンフランシスコ講和条約締結と同時に日米安保条約を締結する。その後、昭和27(1952)年2月28日に「行政協定(日米地位協定)」、昭和29(1954)年2月19日に「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」を結ぶことにより、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡してきた。アメリカは、日本を冷戦構造の極東部分として保持し続けるために、CIAが資金を提供して昭和30(1955)年11月15日、日本の保守政党であった自由党と日本民主党とを合同、自由民主党を結成することに成功している。この裏では、アメリカCIAが緒方竹虎(コードネーム:POCAPON)を通して保守合同を働きかけていたことが吉田則昭著『緒方竹虎とCIA』(平凡社, 2012.5)などで明らかにされている。
その直接の原因は、社会党左右両派が昭和30(1955)年10月13日に社会党(鈴木茂三郎委員長、浅沼稲次郎書記長)を再統一したことであった。
 昭和26(1951)年当時の社会党は、サンフランシスコ講和条約を巡って、講和条約賛成派の社会党右派と講和条約反対派の社会党左派に分裂していた。その後、保守政権による再軍備や改憲に対抗するために反対運動を推進した社会党左派が選挙毎に議席をのばしていたが、社会党右派は党内の対立があって明確な主張を出せないまま議席を伸ばせないでいた。ところが昭和30年に社会党が再統一を成し遂げたことで、いよいよ、社会党を中心とする野党が政権を奪取する可能性が生まれてきた。
 この状況変化が意味するところは、社会党が政権を取った場合に、日米安全保障条約は期限が到来するまで継続するものの、国内法である行政協定は政権移譲と同時に破棄、若しくは段階的解消することで「日本の国権を取り戻す」政策に転じることは明白であった。
 かかる事態を避けるためアメリカが採用した方法は、日本の国内政治に干渉し、分裂している保守二党を合同させてアメリカが制御可能な政権与党を早急に準備することであった。
つまり内政干渉である。
 そこまでアメリカが日本の国内政治に深く介入したのは、折角、日米安保条約で獲得した自衛隊の指揮権を最大限に利用して第二次朝鮮戦争で自衛隊を朝鮮半島に出兵させるため様々な方法を通じて自衛隊の戦力増強を図ってきたこと、その努力がすべて徒労に帰すことになるからであった。
加えてアメリカ軍の指揮下で自衛隊を海外に派兵するにあたり最大の問題点は、アメリカの占領施政下で制定した日本国憲法が、皮肉にもアメリカの極東戦略とは相いれないばかりか阻害要因となっていたからであった。この点についても、保守合同で出来た政党は、行政協定を継続的に容認し順守することは当たり前で、さらに憲法を改正して自衛隊の海外派兵を可能にする政策を実施することであった。これらのアメリカの要望に沿って出来上がった政党の党是は改憲と海外派兵なのだ。自由民主党にとってアメリカの軍事的な要求を満足させることが党の存続条件なのである。別な言い方をするならば、アメリカは、自民党が自衛隊の指揮権をアメリカに売り渡すことと、改憲の二点を政策から外した時は、自民党の利用価値は終了することになる。
 
2─2 鳩山政権成立とその後の民主党分裂
 唯一、アメリカが協定の延長に不安を抱えた政権があった。それは鳩山由紀夫の時である。鳩山はアメリカに対等な立場を要求したことから、アメリカにとって自衛隊を安定的に傭兵として利用することが困難になってしまうのではないかとの懸念が十分に予想されたのである。そこでアメリカの意をくむ外務省は、日米防衛委員会に出席した須川内閣官房専門調査員、船越外務省日米安保条約課長、芹澤防衛省日米防衛協力課長が「「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として「六十五海里以内」」とする偽文書を作成して時の鳩山政権を窮地におとしめた。これによって鳩山は政権を崩壊させるに至ったことは周知の事実である。
 政権を降ろされた理由は、やはり、鳩山内閣がアメリカの安全保障にとって最も好ましくない政権であったからである。その後においても、「対等な立場を要求する」政権を崩壊させるため刺客として利用したのが財務省と連携して消費税増税をすすめてきた野田佳彦元首相だったのだ。
 最近、野田元首相は、頻繁にマスコミに登場して、消費税の正当性を主張しているが、その動きはアメリカが考える「極上の特権を献上し続ける」政界に再編成することに同調するだけではなく、積極的に推し進めるアナクロニズム(anachronism)以外の何もでもない。
その後の民主党であるが劇的な政界再編劇が起こす。
 安倍晋三政権が、平成29(2017)年に森友学園問題及び加計学園問題で窮地に陥ると「国難突破解散」と称して同年9月28日に衆議院を解散した。絶対絶体絶命の危機の陥った安倍晋三を助けたのは、幸福実現党と深い関係がうわさされていた小池百合子であった。
小池は同年9月25日に「希望の党」の結党を宣言した。小池が発表した新党の政治理念として次の三つを掲げた。
(1)希望の政治
(2)希望を守る環境・エネルギー
(3)憲法改正の三つであった。
 これに同調した9名の民主党国会議員(衆議院議員木内孝胤(比例東京)、長島昭久(比例東京)、細野豪志(静岡5区)、松原仁(比例東京)、笠浩史(神奈川9区)、若狭勝(東京10区)、参院議員は行田邦子(埼玉)、中山恭子(比例)、松沢成文(神奈川))が合流することになった。これを受けて、同年9月26日夜、小池百合子、民進党代表前原誠司、連合会長の神津里季生の三者は極秘に会談し、民進党と希望の党の合流することを協議し、最終調整に入ることで合意がなされた。同年9月28日に野党第一党であった民進党は希望の党へ合流することを決定した。その時の踏み絵が、10項目の政策協定書であった。10項目の踏み絵を飲むことができない民進党議員は同年10月3日には立憲民主党を結党することになった。
 小池が三番目に掲げた憲法改正であるが、日本は国家主権がない中で憲法を改正するということであって、それは、日本を永遠にアメリカの属国とすることである。小池は、日本がアメリカの属国であることを言わず、あたかも日本が主権国であるかの如く思わせる非常に狡猾な方法を使い、民進党を分割して、弱体化した自由民主党が下野しないように野党分断を図った。これも「国家主権をアメリカに献上する」政権党が下野することを恐れたアメリカの意向であったと考えて間違いない。

3、政界再編「第二の1955年体制」の動き
その後、自由民主党は、自党が衰退していることを悟って単独での政権を維持することをあきらめて国会再編の動きを加速させていった。2021年11月12日付け、読売オンラインに「自民、憲法改正に積極的な維新に接近」が掲載された。
「……
自民党が、衆院選で躍進した日本維新の会に接近している。憲法改正や防衛力強化に積極的な維新との連携で議論の前進を図るためだ。同様に国民民主党との連携も模索する。自民の改憲案の実現や防衛力強化に消極的な公明党をけん制する思惑もある。
国民民主との連携も模索
自民党の茂木幹事長は9日夜、維新の馬場幹事長と東京都内の中国料理店で会食した。茂木氏は「国民投票法を何としても一度は国民の手に委ねたい。国民に憲法を触らせたい」と述べ、改憲の国会発議と国民投票実施に意欲を見せた。馬場氏は「(国会で)憲法審査会をしっかり動かしてほしい」と要請した。
会合は、自民側が持ちかけた。両党の国会対策委員長らも同席し、国会で連携して改憲議論を進める方針を確認した。
衆参両院の憲法審査会では、野党第1党の立憲民主党などが開催を拒み、今年1~6月の通常国会では、衆院で4回、参院で6回の開催にとどまった。状況打開のため、自民は国民にも触手を伸ばす。自民党憲法改正推進本部の衛藤征士郎本部長は8日、国民の玉木代表に電話し、改憲論議で協力を要請。玉木氏は「憲法の議論は、どんどん進めなければいけない」と応じた。
自民内には「維新、国民を巻き込めば、与党だけで議論を進めていると批判されずに済む。今が改憲のチャンスだ」(幹部)との見方が広がる。与党に維新、国民を加えると、衆参両院で改憲の国会発議に必要な3分の2以上に達する。
維新と国民は衆院で計52議席を持ち、公明の32議席を上回る。自民党幹部は、「維新、国民と話をまとめれば公明は改憲の議論に乗らざるを得ない」と皮算用をする。維新は「野党として是々非々で付き合っていく」(松井代表)としながら、改憲論議ではむしろ加速に向けて自民に圧力をかける構えだ。
……』
 この記事にあるように、自民党と国民民主党そして維新の会は、既に、「日本に国家主権が無い」中で改憲することに合意が成り立っているのだ。つまり、日本を永遠にアメリカの属国とすることで合意したという売国奴なのだ。最近ではトリガー条項で自由民主党と厳しく対立しているように振舞っているが、あれはフェークである。裏では国民民主党は「永遠に日本をアメリカに売飛ばす」ことに同意しているのだ。

4、立憲民主党首脳部と国民民主党代表代行前原誠司

2023年11月10日、共同通信『立民、消費減税を見送り 「責任政党」アピール』という記事に立憲民主党の向かおうとしている方向が明らかになる記事を配信している。
「……
立憲民主党の泉健太代表は10日の記者会見で、次期衆院選の政権公約の柱に位置付ける中長期的な経済政策を発表した。消費税の軽減税率廃止を提起。直近2回の国政選挙で掲げた消費税減税の明記は見送った。所得に応じて給付や控除を実施する「給付付き税額控除」の導入を主張した。財政規律を重視する姿勢を示し、責任政党だとアピールする狙いがある。  立民は2021年衆院選、22年参院選で新型コロナウイルス禍を理由に「税率5%への時限的な消費税減税」を唱えた。党幹部は、両選挙で議席を減らしたとして「公約はリセットされた。経済情勢を見ながら消費税減税の是非について議論を続ける」と説明している。
……』
 この記事を読んで即座に了解できることは、立憲民主党は、財務省と綿密な協議を行っていることである。特に「所得に応じて給付や控除を実施する「給付付き税額控除」」とは消費税をエンゲル係数分だけ還付しようという政策であって、税を徴収する財務省が合意していなければ持ち出せない政策なのだ。
還付するならば、徴収しなければよいはずである。
 立憲民主党の中でも消費税減税もしくは廃止を求める議員もいるが、この政策を強行しているのは泉健太代表執行部である。現行の執行部の顔ぶれをみて気が付くことがある。それは国民民主党代表代行前原誠司との関係であるとともに、「日本の主権がないままで改憲」という、ここでも小池百合子東京都知事と同様に狡猾なすり替えをおこなった改憲論を展開していることだ。そして、前原誠司国民民主党代表代行は、既に根拠を失っている「防衛三文書」を絶賛しているだけでなく、自ら作成に尽力したことを公言してはばからない人物なのである。従って、同氏は「日本の主権がないままでの改憲」論者である。つまり、国民民主党代表代前原誠司は、日本が永遠にアメリカの属国となることを喜んでいる人物なのである。

5、まとめ
 宗主国アメリカは、現地政権「自由民主党」の衰退と荒廃によって危機にひんしたことから、「極上の特権をアメリカに献上してくれる政権」を樹立するために、これまでの与野党の枠組みを超えて再編成しようとしている。その手口はアメリカが宗主国で日本は属国であることを伏せたまま「日本に主権がないなかでの改憲」を行い、強力な装備をそろえるようになった自衛隊を海外に派遣できるようにすることである。
 このアメリカによる日本政界再編の範囲を峻別する方法は「日本に主権がない」という前提条件をうやむやにしたままで「改憲」を主張する勢力すべてである。それは、自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、立憲民主党首脳、日本保守党そして連合である。(ただし、参政党の主張する改憲は意味が不明なため現在は判断を控える。)
 「日本に主権がない改憲」か「主権回復後の改憲」か、その違いは天と地ほどもあって、「永遠にアメリカの属国」か「完全な主権国家」かの選択となるのだ。
 日本は、国家主権回復後において、「右でも左でも」「赤でも白でも」「核武装でも永久中立でも」・・・心行くまで充分な論議を展開して欲しいと願うばかりである。(寄稿:近藤雄三)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「無知は罪なり」氏の指摘す... | トップ | 「自由民主党は売国政党だ!... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小日向白朗学会 情報」カテゴリの最新記事