ハンターにとっては待ちに待った解禁の日を迎える。猟は日出から日没迄で新聞
やTVで言われるその時刻になる。1分でも1秒でも過ぎてから発射すると狩猟法違
反で免許取消しと罰金または懲役になるから趣味の中で違反に対する処罰が一番
厳しい。だから日の入り時刻丁度に目の前に獲物が出てきても撃つことは出来ない。
法律を破った為の過ちは人身に危険を及ぼすから当然のことだと思う。
私とYさんは二人で松江巿近郊の古江の池に鴨を狙って出かけた。子前6時50何分
が日出で、現地には1時間前に行き場所取りをすることにした。私たちが車の中で待
っていると数人のハンターがやってきて、同じように待っている。どの人も昨夜はグッ
スリと眠れたのだろうか?
やがて、パトカーまで駆け付けて動向を窺っている。時刻の違反取締りの為かと思っ
ていたらこちらにきて、銃の所持許可証、狩猟登録証等の検査を始め出した。やが
て、日の出時間がやってきた。土手に向いながら銃に散弾を詰め込む。自動銃で薬
室に一発、薬倉に二発入り発射すると薬室の空薬莢は横に押し出され薬倉の散弾が
自動的に薬室に持ち上げられ次の弾が発射可能になる。
土手から覗くと真鴨が一杯いる。一団が気配を知り奥に飛び立つ。それを契機に一
斉射撃が始まった。ババーン、すぐ近くでYさんも鴨めがけて撃っている。
奥から数え切れないほどの鴨が飛び出してくるがここからは高すぎて命中の確率が悪
そうだ。たまに鴨が落ちる。誰の弹が当たったのかは判らない。自分だぞと意思表示し
た人のものになってしまう感じだ。
その場は近くの人と言うことにして治まった。私たちも2人で1羽の真鴨を獲物にできた。
この池は大きい池で一番奥は歩いて行くと15分はかかる。池にいた鴨が逃げた後にも
別の池で追われた鴨が次から次へと出入りしてくるがい所を飛んでいるのに撃つ奴
がいるので猟にならない。私たちは2人とも弾を使い果たしてしまったので八雲で兎猟
をすることにして池を後にした。
パピーはビーグルで白と黒が主体でちょっとだけ茶がある四つ目だ(目の上に茶色の
盾毛みたいな模様があり目にみえるので四つ目と言う)。この年の春に友人の紹介でも
らった犬でこの日まで休みの度、山に行き訓練を重ねてきた。兎なら兎の縄張の中を
1〜2周くらいは回す(追跡)し山鳥も臭いがあれば追い出す。家から15分の所に前から
兎の訓練に行き兎がいることを確認してある場所があり、そこを選んだ。犬は主の長靴
姿を見ると条件反射し『山に行ける』と思いワンワンと大騒ぎを始める。喜び勇んで車に
乗る。猟犬は子供の頃から車に乗せ酔わないように訓練しておく。車酔いする犬は乗
用車には乗せられない。そうかと言って犬用の車を買えないし。
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