KONASUKEの部屋

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映画「筑波海軍航空隊」観てきたよ!~英雄じゃない等身大の特攻隊員~

2015年09月12日 | 映画
本日公開された映画「筑波海軍航空隊」を観てきました。
全編、完全ドキュメンタリーです。
筑波海軍航空隊から特攻隊に入り、生き残った数少ない方々の証言などを軸に構成されています。

地元にも戦争があったという事実を、丁寧に掘り起こされた、皆さんの努力。
特攻隊に「志願」せざるをえない時代の空気の中で、散っていった隊員の手記。
生き残ったことに後ろめたさを感じながら、それでも真実を語ろうとされる生き残りの皆さん。
まぁ、地味ですが、その分、リアリティがありますね。
「永遠の0(ゼロ)」なんかと違って、英雄じゃない、美化されていない、等身大の特攻隊員の実像が、淡々と描き出されています。

文通相手に贈られた風防製のペンダントトップの逸話とか、花婿が戦死している中での結婚式など、普通の青年の日常の中に、戦争が当たり前にあった時代なのだな、と感じました。

本編の中で、スタッフの中の若い母親が言っていた言葉が印象に残っています。
「どうしてゼロ戦が敵の船に突っ込んでいくの? 死んでしまうのに。」
と幼い娘に問われて、答えに窮した、と。
戦争がなぜいけないのか?
ここに答えがあるのではないでしょうか?

また、特攻機によって壊滅的な打撃を受けた米空母バンカーヒルの悲惨な現実についても描き出します。
証言者の言葉が思い出されます。
「・・・まあ、戦争はやっちゃいけませんな。
戦争をやっちゃいけないというのは、大所高所から見て、勝ったものも、負けたものも、みんな損しているんだ。
勝ったものがですね、それでもって得をしたなんてことはないんですもの。」
言葉の重みが違いますね。

私の祖父は、私が小4で他界しましたが、生きていれば90代後半でしょうか?
戦争については、暗いエピソードを全く語らなかったと言いますが、それは、どんな思いからだったのか。
今はもう、確かめる術もありません。
多くの証言者が亡くなる中で、貴重な声に耳を傾ける最後のチャンスを、私たちは迎えているのではないでしょうか。

その意味で、「筑波海軍航空隊記念館」の役割は、ますます増していると思うのです。
見学に訪れた子ども達の感想が胸を打つ。
「若い人が、すごい簡単に命を落としたから、今の時代でも、戦争にならないように、考えて生活しなくてはいけないっていうことが分かりました。」
「零戦に乗って死んだ人たちは、一生懸命、訓練したけど、1回の戦いで死んじゃうのが、何か悲しい。」
この瑞々しい感性を育てたいものですね。
今日は、茨城県で最初の公開ということで、監督も出席して、舞台挨拶、サイン会が行われました。
若月治監督。
戦争を語り継ぐための活動を行う大学生を代表して。
展示を見に訪れた老夫婦の言葉が忘れられないと。
「今の若い人達はかわいそうね。」
「なぜですか?」
「命をかけるべきものが見つけられないから。」
自分の普段の生活を考えさせられたそうです。

よろしければ、過去の関連記事をご覧ください。
→筑波海軍航空隊記念館~ロケ地編~
→筑波海軍航空隊記念館~その他編~
→筑波海軍航空隊記念館ふたたび~地下戦闘指揮所編~
→筑波海軍航空隊記念館ふたたび~記念館編~
→笠間市関係のニュース二つ

筑波海軍航空隊記念館
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
多賀康紀さんへ (KONASUKE)
2020-04-06 07:11:15
コメントありがとうございます。

ロンドン郊外にそんな遺構があるんですか。
初めて知りました。
もし今後、ロンドンに行く機会があったら、行ってみたいです。

戦争をどう語り継ぐのか、私たちは伝えて行けるギリギリのところにいると思います。
国民的議論が必要ですね。
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Unknown (多賀康紀)
2020-04-01 23:42:55
ロンドンの郊外に、ドイツ軍の爆撃からロンドンを守った航空隊の地下司令部があります。ロンドンに駐在していた当時、その近くに住んでいたので、見学をしました。 ボランティアによる管理で、一般公開されていましたが、最近、地元の市に管理が移管されました。戦争に勝ったから、負けたから ではなく、戦争をどう位置づけ、どう後世に語りつぐかの国民の共通認識が必要だと痛感し
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