『ひばりタイムス』の連載に「みどりの喪失に歯止めはかけられるか」をアップしました。
「緑」がウリで新住民が増えているのに、その結果「緑」がどんどん無くなっていく。これは、市街化地区の農業・農地が減っていることによっている。
国は、それに歯止めをかけようと、おそまきながら法律改正に取り組み始めたけれど、本当にこれで歯止めがかけられるか心配だ。・・・というような内容です。
「見のがしてたね、西東京市」
西東京市は平成28(2016)年度に「見のがしてたね、西東京市」というやや自虐的なキャッチコピーを打ち出し、西武鉄道の中吊り広告や市内商店街にフラッグを掲げた。その心は、「合併で市の名称が変わり、知名度がいまひとつだけれど、世界有数のプラネタリウムを備えた多摩六都科学館や国史跡下野谷遺跡などの文化的資源があり、農地や屋敷林などの緑も多く、都心からの交通が便利で住みやすい魅力的なまちですよ」と市内外にアピールしたいというものだ。
(出所)西東京市のHPより
既に住んでいる市民の多くも、交通が便利なうえに緑が多く、おまけに23区内より不動産価格が相対的に安く、住みやすいまちであると感じている。
しかしながら、システム思考で言うところの「共有地の悲劇」ではないが、「売り(魅力)」である緑(林や畑)がどんどんつぶされ、そこに生まれた建売住宅やマンションがすぐに売れることで、結果として魅力がどんどん減ってしまっている。
「共有地の悲劇」というのは、生きていくのに必要な量だけ魚を取っているうちは、豊かな海であったのに、売れるのでどんどん乱獲してしまうと、気が付いたら魚が枯渇し元も子もなくなってしまったといったようなイメージだ。このため、漁業界では、稚魚は捕獲しない、漁業をする期間を限定する、漁獲量に上限を設ける等々のルールをつくり、それを守ることによって豊穣の海を維持しようという努力がなされてきた。あるいは、鮭を人工孵化させて、回帰率を増やすなどのイノベーションが行われてきた。
つまり、豊穣の海も、緑も、私たちは、「いつもそこにあるもの」と思いがちだが、「タダ乗り」していては、いつか失われてしまう。海の例でみたように、緑も、それを維持する、あるいは増やす努力をしないことには、失われてしまうのだ。
緑被率の低下
緑を残すための様々な施策
異端者扱いだった都市農業
都市農業の振興と都市農地の保全
農業者の育成、支援
農地の保全と農地の多面的活用
緑の喪失に歯止めはかけられるか
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