スーパーマグナムのマフラ内の状況
前回は10日間の離島遠征で実使用が6日、純運転時間10時間だったS.マグナムの簡易整備というか、塩抜き程度の作業を紹介した。
マフラ残滓は大いに気になっていながら、ガソリンでマフラ内を濯ぐだけにしてしまった。空吹かししても排液が出なくなり、内部はきれいになったと感じたのだが、同時にマフラ固定ネジを抜くと、残滓がべったり付着することから、内部状況は疑問だった。
気温が上がり、遠征の疲労も癒え、大型魚に折られた銛やウエットスーツの修理整備も済み、やっとその気になってマフラを分解してみた。
全体をばらさず、マフラ後ろ半分のみ外そうとしたが、どっこい後ろには上部タンク取付ブラケットがあるのでタンクを外さねばならず結局は面倒な作業だ。治具は仲間がアングル材を切抜いて作ってくれた物。
プロペラは通常外すが、少しでも楽をしようと今回はそのまま作業した。
シャフト・回転機構全体が本体内部で前方へずれて不具合を起さぬよう、プロペラと本体との間に、「コの字」形の板を挿込み治具のネジで押すのだが、この板が作業後行方不明になってしまった。それでこんな見辛い写真を紹介するのだが、もしやマフラ内に紛れて落込んだのではないかと心配している。
万一そうだとしても、回転部がないことから機能的に危険はないので、不明のままとした。
***組立後に本機全体を振ってみたが、何の反応も無かった。しかし数日経って再度試すと、マフラ内からカチャカチャという音と振動とが感じられる!!!
どうやらプロペラを取外さず作業したのが仇で、その陰になってこの板が落込んだのが見えなかったらしい。
排気ポートからピストンに接触したりすれば大変だが、寸法的にその可能性はないだろう。しかし次回の点検を早めるにしくはない。作業の手間を厭ってはいけないか。
マフラ後半部が外れ掛かったところで排液が垂れ出し、内部にはまたしても呆れるほどの残滓
マフラ後半部には残滓が少な気味で、これはホース排気式にしたため、保管時に前傾姿勢になってしまいがちだからだろう。意識的に30度ほど後傾姿勢にしておくべきだ。
やっと清掃済ませたが、どうやらガソリンを注いで濯ぐ程度では落ち辛いことが判る。
やはり仲間の様に、毎回使用後に溶剤・ガソリンで濯ぐのが正解なのだろう。
徹底的にするなら、マフラを下にして本体を立て、プラグ孔からシリンダの排気ポート経由で溶剤をたっぷり、溢れるまで流し込み、長時間放置してから濯いで捨てるというような作業が必要だろう。
また、一つの方法としてはマフラ内に何かの玉でも入れておくのはどうだろう。ペンキのスプレー缶などに入っているのと同じで、溶剤を入れ、振り動かして残滓を浮かせ、排出する。排気ポートより大きく、シリンダに逆流しない大きさにする必要がある。
まあ、現実には残滓でマフラが一杯でも、殆どの場合始動は可能だからあまり心配しなくとも良いか・・・・
なお、本国のイタリアPescaSubApneaフォーラムでも、排液・残滓の問題は ”Mulga”としてかなり取り上げられているので、あながち私だけの悩みではないと感じている。
マフラ後半部内の襞というか隔壁に以前は穴があけてあり、後傾姿勢でも多少は排液が下へ流れる感じだったが、今その穴は廃止されている。なぜそうしたかを仲間が気にしていたが、穴の効果は小さいと思われるので、単に工数を削減しただけではないだろうか。
この奥の穴はマフラ取付けネジ穴
Oリングを清掃し、マフラを組付ようとしたが、ネジが途中で重くなって巧くいかない。見ると2本あるうちの外側のOリングがはみ出している。見た感じでも緩く浮き上がっているので、手持ちの新品及び以前取外したものと比べると明らかに直径が違う。伸びたようだ。この品は仲間の融通品で、コメル純正品の筈だ。組立時に使ったシリコーングリスが原因だろうか。
耐油性の筈だが、シリコーンと云っても物により違いがあるので、膨潤を起してしまったか?
交換した新品はNOKの航空機用。
Oリング交換後は簡単に組付出来た。はみ出して噛んでいないか様子を確認しながら取付けネジを締付けた。
形どおりに水密検査をし、水中での運転をして異常の無いことを確かめた。
次週あたり遠征予定あり、そこでこのS.マグナムに変調が無ければ、次回投稿までは間が空くと思います。
以上
Blog 第70回 マフラ残滓 Muffler Waste / Residue 終り=小坂夏樹=
前回は10日間の離島遠征で実使用が6日、純運転時間10時間だったS.マグナムの簡易整備というか、塩抜き程度の作業を紹介した。
マフラ残滓は大いに気になっていながら、ガソリンでマフラ内を濯ぐだけにしてしまった。空吹かししても排液が出なくなり、内部はきれいになったと感じたのだが、同時にマフラ固定ネジを抜くと、残滓がべったり付着することから、内部状況は疑問だった。
気温が上がり、遠征の疲労も癒え、大型魚に折られた銛やウエットスーツの修理整備も済み、やっとその気になってマフラを分解してみた。
全体をばらさず、マフラ後ろ半分のみ外そうとしたが、どっこい後ろには上部タンク取付ブラケットがあるのでタンクを外さねばならず結局は面倒な作業だ。治具は仲間がアングル材を切抜いて作ってくれた物。
プロペラは通常外すが、少しでも楽をしようと今回はそのまま作業した。
シャフト・回転機構全体が本体内部で前方へずれて不具合を起さぬよう、プロペラと本体との間に、「コの字」形の板を挿込み治具のネジで押すのだが、この板が作業後行方不明になってしまった。それでこんな見辛い写真を紹介するのだが、もしやマフラ内に紛れて落込んだのではないかと心配している。
万一そうだとしても、回転部がないことから機能的に危険はないので、不明のままとした。
***組立後に本機全体を振ってみたが、何の反応も無かった。しかし数日経って再度試すと、マフラ内からカチャカチャという音と振動とが感じられる!!!
どうやらプロペラを取外さず作業したのが仇で、その陰になってこの板が落込んだのが見えなかったらしい。
排気ポートからピストンに接触したりすれば大変だが、寸法的にその可能性はないだろう。しかし次回の点検を早めるにしくはない。作業の手間を厭ってはいけないか。
マフラ後半部が外れ掛かったところで排液が垂れ出し、内部にはまたしても呆れるほどの残滓
マフラ後半部には残滓が少な気味で、これはホース排気式にしたため、保管時に前傾姿勢になってしまいがちだからだろう。意識的に30度ほど後傾姿勢にしておくべきだ。
やっと清掃済ませたが、どうやらガソリンを注いで濯ぐ程度では落ち辛いことが判る。
やはり仲間の様に、毎回使用後に溶剤・ガソリンで濯ぐのが正解なのだろう。
徹底的にするなら、マフラを下にして本体を立て、プラグ孔からシリンダの排気ポート経由で溶剤をたっぷり、溢れるまで流し込み、長時間放置してから濯いで捨てるというような作業が必要だろう。
また、一つの方法としてはマフラ内に何かの玉でも入れておくのはどうだろう。ペンキのスプレー缶などに入っているのと同じで、溶剤を入れ、振り動かして残滓を浮かせ、排出する。排気ポートより大きく、シリンダに逆流しない大きさにする必要がある。
まあ、現実には残滓でマフラが一杯でも、殆どの場合始動は可能だからあまり心配しなくとも良いか・・・・
なお、本国のイタリアPescaSubApneaフォーラムでも、排液・残滓の問題は ”Mulga”としてかなり取り上げられているので、あながち私だけの悩みではないと感じている。
マフラ後半部内の襞というか隔壁に以前は穴があけてあり、後傾姿勢でも多少は排液が下へ流れる感じだったが、今その穴は廃止されている。なぜそうしたかを仲間が気にしていたが、穴の効果は小さいと思われるので、単に工数を削減しただけではないだろうか。
この奥の穴はマフラ取付けネジ穴
Oリングを清掃し、マフラを組付ようとしたが、ネジが途中で重くなって巧くいかない。見ると2本あるうちの外側のOリングがはみ出している。見た感じでも緩く浮き上がっているので、手持ちの新品及び以前取外したものと比べると明らかに直径が違う。伸びたようだ。この品は仲間の融通品で、コメル純正品の筈だ。組立時に使ったシリコーングリスが原因だろうか。
耐油性の筈だが、シリコーンと云っても物により違いがあるので、膨潤を起してしまったか?
交換した新品はNOKの航空機用。
Oリング交換後は簡単に組付出来た。はみ出して噛んでいないか様子を確認しながら取付けネジを締付けた。
形どおりに水密検査をし、水中での運転をして異常の無いことを確かめた。
次週あたり遠征予定あり、そこでこのS.マグナムに変調が無ければ、次回投稿までは間が空くと思います。
以上
Blog 第70回 マフラ残滓 Muffler Waste / Residue 終り=小坂夏樹=