Walbro社ビデオ
「ダイアフラム式キャブレタの検査と整備」その他について
現在ネットの youtube に同社の技師と営業担当による作業説明ビデオが投稿されている。
我々一般人には専門的過ぎる内容と思われるが、当Blogではキャブレタ関係のページが最も多く閲覧されているようなので、このビデオも紹介したい。実は日本ウォルブロ社にこのビデオの日本語版はないのかと問合せしたが、無視されてしまった。
私は直接のリンクは貼らない主義だが、今回はクリックで直接移動とした。飛ばぬ場合はやはり、改めて検索して欲しい。
各作業内容はこれまで本Blogの整備編で紹介したこともあり、見た目で理解出来ると思う。喋っている内容は言葉を吹替してしまえば最良だが、何せ著作権などうるさい国の事なので、ごくごく大雑把に以下説明する。こんないい加減な説明で役に立つかどうか怪しいが、一応参考まで。
なお、ここでは膜(ダイアフラム)式のキャブのうちで、アクアスクータに使われているバタフライバルブ式の部分だけを取上げ、ロータリーバルブ式に関しては省略する。
=Walbro Carburetor Service/ウォルブロ・キャブレタ整備ビデオ=
https://www.youtube.com/watch?v=cDaOcNrS6BM
最近はエタノール混合ガソリンが使われ、またキャブレタの調整禁止方式が導入されたので、その点も含めての説明がある:
第1課 基本動作の説明
キャブには3機能がある:
①燃料をタンクから取入れる
②エンジン回転数と負荷に応じた燃料流量の調整(メータリング)
③混合気を生成し必要な時期にクランクケースに供給
キャブの作動はピストンの上下動により、クランク室の圧力が正負に脈動することによる。
脈動圧は(赤矢印で示した)小さな孔でキャブに伝わり、燃料ポンプを駆動する。
第2課 検査
キャブ不調時の点検方法は?
機器メーカー指定の、正しい新鮮な燃料を使うこと。
プラグの劣化、マフラの詰まり、圧縮圧低下の場合でも、キャブのせいにされてしまうことがあるから、先ずこれらを確認しておく。
燃料タンクの通気口と燃料フィルタが汚れていたらばらして掃除する。 キャブというものは適正な空気流によって作動するので、空気フィルタが詰まると燃料過多になる。
プライミング(呼び水ならぬ呼び燃料)・・略・・
燃料経路の圧力検査としてニードル(針弁)の動作状態を検査する。
燃料流路のチューブに圧力計を接続し、ゆっくり加圧する。15~50PSI ≒100~350Pa でニードルが塞いでいた座から離れる(バルブが開く)。これをポップオフ(開弁)圧といい、その後低下して最低5PSI ≒30Pa でニードルが戻り(閉じる)圧は保たれる。正しく動かなければ外して掃除する。
またキャブの燃料入口にも直接チューブを接続して同じ検査をする。
キャブが正常ならその取り付け部を点検する。
脈動圧通路は油を垂らしてロープを引いて詰まっていないか点検する。リードバルブ付きの場合はそちらも点検する。
以上は膜式キャブ全般に共通の点検だ。
Walbroでは形式の異なる膜式キャブを作っているが、部品は殆ど同じ様なものだ。
第3課 バタフライバルブ式キャブの動作
キャブは燃料ポンプ、流量調整部、スロットル/チョークバルブ部の3部分からなる。
・・・・それぞれの構成を説明・・・・
第4課 バタフライバルブ式キャブの点検
点検前にポンプ部、流量調整部は全ての部品を取外す。
アイドリングの通路をいじるには、キャブ本体のめくら栓を外す必要がある。
表示したWalbro純正工具を軽く叩き込んでこじるのだが、本体のアルミに触れないこと。
部品を取外したら溶剤で洗い、すべての穴を清掃して乾燥する。エアで吹く時は25PSI以下とする。
ノズルの1方向弁/チェックバルブがある場合はホースを当てて数回口で吹いて確認する。金属針などで突いたりしないこと
組立するには、めくら栓を嵌めて指定の純正工具で叩いて平らにし、流量調整ゴム・ダイアフラムが当たらないようにする。
以前は樹脂のめくら栓を使ったが、エタノール燃料のせいで、金属に替へた。
流量調整部ではニードルレバー(連結稈)の高さを確認し、調整する。Walbro のレバー高さ調整ゲージは、キャブの機種に合わせてレバーの高さが正しいか確認できるような形状になっているがこれまでBlogで繰り返したように、アクアスクータのキャブでは普通の直線定規で事足りる。
ここでまた圧力検査をし、だめなら部品を外して洗浄する。
ニードルが当たる座、全体の表面などを十分点検して組立てる。
第5課 エタノール燃料、キャブの組立
・・・国内では現在使われていなので無関係・・・・?
エタノール燃料は膜やガスケットなどを傷めるのでWalbro としては耐久性を上げる努力をしている。柔軟部材だけでなく、アルミ自体もエタノールに含まれる水分で損傷する。
従って、機器メーカー指定の燃料を使うこと。6週間以上経過した燃料は本機からは排出し、使わぬこと。
キャブ内部の燃料フィルタを指定工具で取付し、全体を組み立てる。
Walbro Com に展開図などの情報がある。
機器に取付ける前には最初にやったように、圧力検査をする。
第6課 キャブ調整禁止機能について
排気ガス規制の観点から、一般使用者がキャブをいじらぬよう導入された方式だが、AS650以降用の HDA233BもL/H ねじをいじれない様な形状にされてしまった。しかし、本機の場合はそれでは現実に対処できないとして専用ねじ回しを付属することにしたのだろう。これも省略する。
=以下ロータリーバルブ式キャブの説明なので省略する。
ざっと以上のような内容の会話で説明と作業が行われている。
その他・アクアスクータ整備の動画紹介
最近気付いたYoutubeの動画に、未だ視聴回数が少ないものがあったので一応紹介したい:
言葉はさっぱり解らないが、基本的な整備作業の幾つかが Divemarket という隣国ギリシャの業者からupされている。我慢して見ていると、いかにも手慣れた作業なので、頻繁にこの関係を扱っていることが想像される。
なお、divemarket.gr でHPを開くと、部品販売もしているが、ドイツの業者より価格が高く、また国内向けのみの様だ。
以下、2016年5月現在のものだが、消されてしまう事もしばしばあるから今の内の視聴を進める。なお、上記HPを開いてから入る手もある。
プラグ交換とプラグキャップ キャップがへたってゆるくなっているのも解る。
Aqua Scooter -"Αλλαγή Μπουζί"
排気バルブ交換と廃液の排出 やはりマフラ内を濯いで排出するような動作をしている。
Aqua Scooter -"Αλλαγή Τάπας Εξάτμισης"
スタータロープ交換 「ダイニーマ」と言っているような??
Aqua Scooter -"Αλλαγή Σχοινιού Μίζας"
簡易気密・漏洩試験 口でスノーケルを吹いているだけで、排気口を塞がずにやっているから、そこから泡が出ている。
Aqua Scooter -"Μερικό Tεστ Στεγανοποίησης"
これ等の他にも、時々でアクアスクータ関係のビデオが投稿され、また消されていく。時々は Youtubeで Aquascooter動画を検索すると役立つものに当たることがある。
今回はこんなビデオの簡単な紹介のみで終り、仲間のスーパーマグナム修理状況などは、写真などの情報が揃った段階で別途紹介の積りです。
以上
Blog第38回 Walbroキャブ整備ビデオなど 終り =小坂夏樹=
「ダイアフラム式キャブレタの検査と整備」その他について
現在ネットの youtube に同社の技師と営業担当による作業説明ビデオが投稿されている。
我々一般人には専門的過ぎる内容と思われるが、当Blogではキャブレタ関係のページが最も多く閲覧されているようなので、このビデオも紹介したい。実は日本ウォルブロ社にこのビデオの日本語版はないのかと問合せしたが、無視されてしまった。
私は直接のリンクは貼らない主義だが、今回はクリックで直接移動とした。飛ばぬ場合はやはり、改めて検索して欲しい。
各作業内容はこれまで本Blogの整備編で紹介したこともあり、見た目で理解出来ると思う。喋っている内容は言葉を吹替してしまえば最良だが、何せ著作権などうるさい国の事なので、ごくごく大雑把に以下説明する。こんないい加減な説明で役に立つかどうか怪しいが、一応参考まで。
なお、ここでは膜(ダイアフラム)式のキャブのうちで、アクアスクータに使われているバタフライバルブ式の部分だけを取上げ、ロータリーバルブ式に関しては省略する。
=Walbro Carburetor Service/ウォルブロ・キャブレタ整備ビデオ=
https://www.youtube.com/watch?v=cDaOcNrS6BM
最近はエタノール混合ガソリンが使われ、またキャブレタの調整禁止方式が導入されたので、その点も含めての説明がある:
第1課 基本動作の説明
キャブには3機能がある:
①燃料をタンクから取入れる
②エンジン回転数と負荷に応じた燃料流量の調整(メータリング)
③混合気を生成し必要な時期にクランクケースに供給
キャブの作動はピストンの上下動により、クランク室の圧力が正負に脈動することによる。
脈動圧は(赤矢印で示した)小さな孔でキャブに伝わり、燃料ポンプを駆動する。
第2課 検査
キャブ不調時の点検方法は?
機器メーカー指定の、正しい新鮮な燃料を使うこと。
プラグの劣化、マフラの詰まり、圧縮圧低下の場合でも、キャブのせいにされてしまうことがあるから、先ずこれらを確認しておく。
燃料タンクの通気口と燃料フィルタが汚れていたらばらして掃除する。 キャブというものは適正な空気流によって作動するので、空気フィルタが詰まると燃料過多になる。
プライミング(呼び水ならぬ呼び燃料)・・略・・
燃料経路の圧力検査としてニードル(針弁)の動作状態を検査する。
燃料流路のチューブに圧力計を接続し、ゆっくり加圧する。15~50PSI ≒100~350Pa でニードルが塞いでいた座から離れる(バルブが開く)。これをポップオフ(開弁)圧といい、その後低下して最低5PSI ≒30Pa でニードルが戻り(閉じる)圧は保たれる。正しく動かなければ外して掃除する。
またキャブの燃料入口にも直接チューブを接続して同じ検査をする。
キャブが正常ならその取り付け部を点検する。
脈動圧通路は油を垂らしてロープを引いて詰まっていないか点検する。リードバルブ付きの場合はそちらも点検する。
以上は膜式キャブ全般に共通の点検だ。
Walbroでは形式の異なる膜式キャブを作っているが、部品は殆ど同じ様なものだ。
第3課 バタフライバルブ式キャブの動作
キャブは燃料ポンプ、流量調整部、スロットル/チョークバルブ部の3部分からなる。
・・・・それぞれの構成を説明・・・・
第4課 バタフライバルブ式キャブの点検
点検前にポンプ部、流量調整部は全ての部品を取外す。
アイドリングの通路をいじるには、キャブ本体のめくら栓を外す必要がある。
表示したWalbro純正工具を軽く叩き込んでこじるのだが、本体のアルミに触れないこと。
部品を取外したら溶剤で洗い、すべての穴を清掃して乾燥する。エアで吹く時は25PSI以下とする。
ノズルの1方向弁/チェックバルブがある場合はホースを当てて数回口で吹いて確認する。金属針などで突いたりしないこと
組立するには、めくら栓を嵌めて指定の純正工具で叩いて平らにし、流量調整ゴム・ダイアフラムが当たらないようにする。
以前は樹脂のめくら栓を使ったが、エタノール燃料のせいで、金属に替へた。
流量調整部ではニードルレバー(連結稈)の高さを確認し、調整する。Walbro のレバー高さ調整ゲージは、キャブの機種に合わせてレバーの高さが正しいか確認できるような形状になっているがこれまでBlogで繰り返したように、アクアスクータのキャブでは普通の直線定規で事足りる。
ここでまた圧力検査をし、だめなら部品を外して洗浄する。
ニードルが当たる座、全体の表面などを十分点検して組立てる。
第5課 エタノール燃料、キャブの組立
・・・国内では現在使われていなので無関係・・・・?
エタノール燃料は膜やガスケットなどを傷めるのでWalbro としては耐久性を上げる努力をしている。柔軟部材だけでなく、アルミ自体もエタノールに含まれる水分で損傷する。
従って、機器メーカー指定の燃料を使うこと。6週間以上経過した燃料は本機からは排出し、使わぬこと。
キャブ内部の燃料フィルタを指定工具で取付し、全体を組み立てる。
Walbro Com に展開図などの情報がある。
機器に取付ける前には最初にやったように、圧力検査をする。
第6課 キャブ調整禁止機能について
排気ガス規制の観点から、一般使用者がキャブをいじらぬよう導入された方式だが、AS650以降用の HDA233BもL/H ねじをいじれない様な形状にされてしまった。しかし、本機の場合はそれでは現実に対処できないとして専用ねじ回しを付属することにしたのだろう。これも省略する。
=以下ロータリーバルブ式キャブの説明なので省略する。
ざっと以上のような内容の会話で説明と作業が行われている。
その他・アクアスクータ整備の動画紹介
最近気付いたYoutubeの動画に、未だ視聴回数が少ないものがあったので一応紹介したい:
言葉はさっぱり解らないが、基本的な整備作業の幾つかが Divemarket という隣国ギリシャの業者からupされている。我慢して見ていると、いかにも手慣れた作業なので、頻繁にこの関係を扱っていることが想像される。
なお、divemarket.gr でHPを開くと、部品販売もしているが、ドイツの業者より価格が高く、また国内向けのみの様だ。
以下、2016年5月現在のものだが、消されてしまう事もしばしばあるから今の内の視聴を進める。なお、上記HPを開いてから入る手もある。
プラグ交換とプラグキャップ キャップがへたってゆるくなっているのも解る。
Aqua Scooter -"Αλλαγή Μπουζί"
排気バルブ交換と廃液の排出 やはりマフラ内を濯いで排出するような動作をしている。
Aqua Scooter -"Αλλαγή Τάπας Εξάτμισης"
スタータロープ交換 「ダイニーマ」と言っているような??
Aqua Scooter -"Αλλαγή Σχοινιού Μίζας"
簡易気密・漏洩試験 口でスノーケルを吹いているだけで、排気口を塞がずにやっているから、そこから泡が出ている。
Aqua Scooter -"Μερικό Tεστ Στεγανοποίησης"
これ等の他にも、時々でアクアスクータ関係のビデオが投稿され、また消されていく。時々は Youtubeで Aquascooter動画を検索すると役立つものに当たることがある。
今回はこんなビデオの簡単な紹介のみで終り、仲間のスーパーマグナム修理状況などは、写真などの情報が揃った段階で別途紹介の積りです。
以上
Blog第38回 Walbroキャブ整備ビデオなど 終り =小坂夏樹=