2015年2月に開始した本ブログは20回程度で終了の積りだったが、19年間も使っていながら、それでも使えば使うほど問題続出で、とうとう年が改まってしまった。
何か起きた時だけ更新すればよいではないかとの仲間の意見で気紛れにだらだら続けているが、新たな記事が有るかと覗いてくれる諸兄には迷惑な話だろうと感じる。
今月は更新なしの積りだったが冬籠中の暇に任せ、きっちりとした主題も無しに気付いたことを紹介したい:
1、キャブ膜の互換品
Blog第30回でキャブ周りのガスケットの失敗を紹介したが、その折交換した(取外した)キャブの状況はごく正常だった。念のためその流量調整膜の状態を比較したのが次の写真だ。
中央が、取付けていた調整膜(互換品)
左2個は Walbroの純正品で、以前一旦取付けたがすぐに取外してあったもの
前にも記したとおり純正品の表面は艶があり、凹凸がはっきりしている。
それに対し、右は互換品で、新品でも凹凸があまりはっきりしない。
この感じだと互換品がへたるのは速そうな気がする。今まで寿命を比較したことは無いが、はっきりするまで互換品は時々点検をするべきかと私は感じる。面倒だが価格の開きが大きいので安価な方を使い、整備を兼ねて頻繁に点検するのは悪くないと思う。なにせ、ヤフオクなどで見ると互換品(社外品と表示されている)の価格は単品でも半額以下で、複数セットで購入すれば数分の1になってしまう。
なお、流量調整膜だけの点検は上部四隅のネジが外せるなら、タンクなど他をいじらないで済む。そこでネジを6角穴ネジなどに換へて横から廻そうとしたが、このネジは2.6mmφでピッチが特殊?な≒0.6(3山で≒2mm)だ。ISOネジは0.45mmピッチでこれには合わない。インチネジとも違う様な感じだ。別の規格があるのか、私が知らぬだけか?
手持の3φ ピッチ0.5のタップで加工してしまおうか、アルミボディーに無理に2.6φのISOネジをねじ込もうか、或いはネジ頭に何か加工しようか等と考えつつ、時が経ってしまっている。
ポンプ膜の方は、そもそも脈動圧連結孔が塞がれて燃料が満足に送られなかったので、きれいだ。
2、米国販売業者ページ
前回 Blog第30回で紹介した米国事情だが、久々に当の輸入業者 =aquascooter.com のHPを閲覧したところ、「環境局の排気規制が課せられた」とだけ表記されていて、これでは何のことやら判らない状態だ。
ついでながら、同HPには使用上のヒントが記述されており、以前とは少し違っているようなので紹介したい。HPを開いて自動翻訳させれば出て来るだろうが・・・・
=以下は簡単な引用=括弧内は私の感想
注意事項
直射日光下とか、車のトランクなど高温になるところに放置すると、ガソリンが気化してエアタンクに溜まることがある。このまま始動ロープ引くと燃料過剰になってしまう。
始動できない時は先ずこの点を確認しよう。出来れば空気を吹き込んでガソリン蒸気を排出しよう。
エアタンクにガソリンが溜まる原因は他にも、燃料タンクの一方向バルブの故障などだが、タンク内のチューブが劣化して穴が開いたりと言う事もある。
チューブの交換は難しいから当社に任せて欲しい・・・・・
(気化したガソリンはキャブからエアタンクに逆流する場合と、一方向バルブを超えて逆流する場合とがあるのだろう。
あまり気にしてこなかったが、もしそれ程影響するものなら、現地到着後に頻発する、プラグ被りで始動しない原因の一つかもしれない。それなら、車での移動時はエアタンクのキャップを外しておくか、スノーケルを取付けたままにしておく手がある。尤も、派手にガソリンが気化したらトランクや車内が危険な状態になってしまうから、配慮が必要だろう。
試しに、始動前にエアタンクを覗いてみると良いかもしれない。
燃料タンク内のチューブ交換は、私は未経験だがタンク下側のチューブ挿し口から針金を通して給油口から外まで伸ばし、それ伝いに新しいチューブを送り込む。内部の突起にチューブを嵌めるには長いピンセットなどを使って可能だとのこと。)
混合オイル
唯一水に浸かって低温で作動するエンジンなので、アクアスクータ特製オイルを使わないと潤滑が正しく行われない。
(オイルの事は全く迷いが消えない。しかし低温で作動するから潤滑不足になり易いというのは事実だろうか?
一般には高温になるとオイルはサラサラになって潤滑性能が低下し、オイル膜は薄くなり、もっと高温になれば焼付を起こすと聴いている。
低温と言っても内部は周囲水温より低いわけではないので、オイルの流動性が低下するようなことはないと思うのだが??
一々専用オイルを購入と言う訳にもいかない。何が適切なオイルか、私には判らぬままだ)
排気バルブ
1年に1回は新替すること。
(Comer社に製造が替ってからなのか、現在はタンクの尻に貼ったラベルに年2回交換せよと有る。またすでに記した如く、使用後は必ずバルブを外して保管すれば、寿命はかなり伸ばせる)
プラグキャップ
浸水で漏電せぬよう、必ずゴムキャップ内にグリスを塗布する事
(大分昔に、グリスを塗布すると、温度変化で逆に海水が吸込まれる事が有るとのノリモノランド情報があった。密着が不均一の場合にそんな可能性はもあるかと、それ以来私はグリスを殆ど使わないが、漏電経験は無い。輪ゴムや粘着テープで緩みが無いよう押へたりしている)
チョーク
チョークを掛けるのは3~5回始動ロープを引いても巧く始動せぬ時だけにすること。
(この点は全く同感)
=米国業者情報終り=
3、ホース排気式・その後
ホース排気に改造後、ホース接続が緩んで浸水気味の事が有った。ネジ締付式のホースバンドでは振動でネジが緩んでしまうようだ。そこでバンドを曲げて緩み止めにしたが、もう1台は針金を巻付け、捩じって留めた。バネ性のあるバンドなら振動にも問題ないかもしれない。
それ以後はこの部分を含めて改造に因るトラブルは無く、なおかつ始動が簡単で私は元の排気弁方式に戻す気は無い。
また、加圧して浸水試験をする時に、この排気ホースに簡易ポンプを直接接続すると非常に扱い易いことにも最近気が付いた。スノーケル先端は掌で簡単に塞げる。
欠点としては既に記したが、兎角排気ガスが自分にまとわり付き、吸込んでしまうことが多い。
多分本来の排気孔の辺りで排気すれば、オリジナルと同じく水流と良く混ざって直ちには周囲に漂わないだろう。しかしホースの水中部分を長くすると、その中の水が抵抗となって、1発始動がしづらいのだ。2~3回引くと水が排出されて始動し易くなるが、それも辛い。
本拠地イタリアでは小形消音器を通してスノーケルの上部から横へ向けての空中排気が主流になってきたようなので、ガスを吸込まずに済むのか、廃液がひどく飛び散るのではないかなど、近い内に私も試してみる積りだ。
4、魚突きでの本機の引込まれ防止
大物を突くとアクアスクータごと全てを水面下へ引込まれて失うことがある。引込まれた物を何とか回収できても、すでに内部に浸水しており事後の整備が大変だ。
水面で対抗する体力には限界があるし、梵天を大きな物にするにも限度がある。ロープの途中にも梵天を追加して抵抗にするのは有効だが、少々邪魔とも感じる。
私の対策としては梵天と本機とをつなぐロープを1.5m以上と長くしておき、梵天が沈んでも本機を掴んで対抗する。可能ならエンジンを掛けて頑張る。それで耐えられなければ咄嗟にロープを外すかナイフで切断して本機だけは確保する。
ボディボードの場合は安心感がある割に浮力はせいぜい20kg以下だ。30kg級のイソマグロに、あっという間にボディボードごと本機を引きずり込まれたとの実話がある。
こんな場合は本機をボードに繋がず、ただ載せておく手がある。本機だけは回収しようとの魂胆だ。
しかし近年の様に、本機より高価なカーボン強化銛が出回るようになると、扱いは面倒だが、離脱式の仕掛にして銛だけは回収するなどの策が必要かもしれない。
この写真は、小笠原の-20mで16kgのカンパチを突き、梵天ロープから手を離して浮上中のもの。ボードが引込まれてしまったが、本機の浮力でどうやら持ち堪へていた。小笠原のカンパチは、何故か伊豆七島のものより強力なので魚がもう少し大きければ危ないところだった。大慌てでボードを掴み、耐へることが出来たが、その程度のカンパチでこんなことが起きるとは予想もしていなかった。
その後は上記の様に、ロープを長めにしたり、咄嗟にロープを外してボードに載せて置くだけにしている。
ロープをボードに引掛けながら獲物を引揚つつ、岩場に近付かぬようにもがく。引揚には現在は海外ページを参考にした戻止めを利用している。
以上
Blog 第31回 キャブ膜、業者ページ、大形魚対策など =小坂夏樹= 終り
次回は2月遠征での使い心地など投稿する積りです。
何か起きた時だけ更新すればよいではないかとの仲間の意見で気紛れにだらだら続けているが、新たな記事が有るかと覗いてくれる諸兄には迷惑な話だろうと感じる。
今月は更新なしの積りだったが冬籠中の暇に任せ、きっちりとした主題も無しに気付いたことを紹介したい:
1、キャブ膜の互換品
Blog第30回でキャブ周りのガスケットの失敗を紹介したが、その折交換した(取外した)キャブの状況はごく正常だった。念のためその流量調整膜の状態を比較したのが次の写真だ。
中央が、取付けていた調整膜(互換品)
左2個は Walbroの純正品で、以前一旦取付けたがすぐに取外してあったもの
前にも記したとおり純正品の表面は艶があり、凹凸がはっきりしている。
それに対し、右は互換品で、新品でも凹凸があまりはっきりしない。
この感じだと互換品がへたるのは速そうな気がする。今まで寿命を比較したことは無いが、はっきりするまで互換品は時々点検をするべきかと私は感じる。面倒だが価格の開きが大きいので安価な方を使い、整備を兼ねて頻繁に点検するのは悪くないと思う。なにせ、ヤフオクなどで見ると互換品(社外品と表示されている)の価格は単品でも半額以下で、複数セットで購入すれば数分の1になってしまう。
なお、流量調整膜だけの点検は上部四隅のネジが外せるなら、タンクなど他をいじらないで済む。そこでネジを6角穴ネジなどに換へて横から廻そうとしたが、このネジは2.6mmφでピッチが特殊?な≒0.6(3山で≒2mm)だ。ISOネジは0.45mmピッチでこれには合わない。インチネジとも違う様な感じだ。別の規格があるのか、私が知らぬだけか?
手持の3φ ピッチ0.5のタップで加工してしまおうか、アルミボディーに無理に2.6φのISOネジをねじ込もうか、或いはネジ頭に何か加工しようか等と考えつつ、時が経ってしまっている。
ポンプ膜の方は、そもそも脈動圧連結孔が塞がれて燃料が満足に送られなかったので、きれいだ。
2、米国販売業者ページ
前回 Blog第30回で紹介した米国事情だが、久々に当の輸入業者 =aquascooter.com のHPを閲覧したところ、「環境局の排気規制が課せられた」とだけ表記されていて、これでは何のことやら判らない状態だ。
ついでながら、同HPには使用上のヒントが記述されており、以前とは少し違っているようなので紹介したい。HPを開いて自動翻訳させれば出て来るだろうが・・・・
=以下は簡単な引用=括弧内は私の感想
注意事項
直射日光下とか、車のトランクなど高温になるところに放置すると、ガソリンが気化してエアタンクに溜まることがある。このまま始動ロープ引くと燃料過剰になってしまう。
始動できない時は先ずこの点を確認しよう。出来れば空気を吹き込んでガソリン蒸気を排出しよう。
エアタンクにガソリンが溜まる原因は他にも、燃料タンクの一方向バルブの故障などだが、タンク内のチューブが劣化して穴が開いたりと言う事もある。
チューブの交換は難しいから当社に任せて欲しい・・・・・
(気化したガソリンはキャブからエアタンクに逆流する場合と、一方向バルブを超えて逆流する場合とがあるのだろう。
あまり気にしてこなかったが、もしそれ程影響するものなら、現地到着後に頻発する、プラグ被りで始動しない原因の一つかもしれない。それなら、車での移動時はエアタンクのキャップを外しておくか、スノーケルを取付けたままにしておく手がある。尤も、派手にガソリンが気化したらトランクや車内が危険な状態になってしまうから、配慮が必要だろう。
試しに、始動前にエアタンクを覗いてみると良いかもしれない。
燃料タンク内のチューブ交換は、私は未経験だがタンク下側のチューブ挿し口から針金を通して給油口から外まで伸ばし、それ伝いに新しいチューブを送り込む。内部の突起にチューブを嵌めるには長いピンセットなどを使って可能だとのこと。)
混合オイル
唯一水に浸かって低温で作動するエンジンなので、アクアスクータ特製オイルを使わないと潤滑が正しく行われない。
(オイルの事は全く迷いが消えない。しかし低温で作動するから潤滑不足になり易いというのは事実だろうか?
一般には高温になるとオイルはサラサラになって潤滑性能が低下し、オイル膜は薄くなり、もっと高温になれば焼付を起こすと聴いている。
低温と言っても内部は周囲水温より低いわけではないので、オイルの流動性が低下するようなことはないと思うのだが??
一々専用オイルを購入と言う訳にもいかない。何が適切なオイルか、私には判らぬままだ)
排気バルブ
1年に1回は新替すること。
(Comer社に製造が替ってからなのか、現在はタンクの尻に貼ったラベルに年2回交換せよと有る。またすでに記した如く、使用後は必ずバルブを外して保管すれば、寿命はかなり伸ばせる)
プラグキャップ
浸水で漏電せぬよう、必ずゴムキャップ内にグリスを塗布する事
(大分昔に、グリスを塗布すると、温度変化で逆に海水が吸込まれる事が有るとのノリモノランド情報があった。密着が不均一の場合にそんな可能性はもあるかと、それ以来私はグリスを殆ど使わないが、漏電経験は無い。輪ゴムや粘着テープで緩みが無いよう押へたりしている)
チョーク
チョークを掛けるのは3~5回始動ロープを引いても巧く始動せぬ時だけにすること。
(この点は全く同感)
=米国業者情報終り=
3、ホース排気式・その後
ホース排気に改造後、ホース接続が緩んで浸水気味の事が有った。ネジ締付式のホースバンドでは振動でネジが緩んでしまうようだ。そこでバンドを曲げて緩み止めにしたが、もう1台は針金を巻付け、捩じって留めた。バネ性のあるバンドなら振動にも問題ないかもしれない。
それ以後はこの部分を含めて改造に因るトラブルは無く、なおかつ始動が簡単で私は元の排気弁方式に戻す気は無い。
また、加圧して浸水試験をする時に、この排気ホースに簡易ポンプを直接接続すると非常に扱い易いことにも最近気が付いた。スノーケル先端は掌で簡単に塞げる。
欠点としては既に記したが、兎角排気ガスが自分にまとわり付き、吸込んでしまうことが多い。
多分本来の排気孔の辺りで排気すれば、オリジナルと同じく水流と良く混ざって直ちには周囲に漂わないだろう。しかしホースの水中部分を長くすると、その中の水が抵抗となって、1発始動がしづらいのだ。2~3回引くと水が排出されて始動し易くなるが、それも辛い。
本拠地イタリアでは小形消音器を通してスノーケルの上部から横へ向けての空中排気が主流になってきたようなので、ガスを吸込まずに済むのか、廃液がひどく飛び散るのではないかなど、近い内に私も試してみる積りだ。
4、魚突きでの本機の引込まれ防止
大物を突くとアクアスクータごと全てを水面下へ引込まれて失うことがある。引込まれた物を何とか回収できても、すでに内部に浸水しており事後の整備が大変だ。
水面で対抗する体力には限界があるし、梵天を大きな物にするにも限度がある。ロープの途中にも梵天を追加して抵抗にするのは有効だが、少々邪魔とも感じる。
私の対策としては梵天と本機とをつなぐロープを1.5m以上と長くしておき、梵天が沈んでも本機を掴んで対抗する。可能ならエンジンを掛けて頑張る。それで耐えられなければ咄嗟にロープを外すかナイフで切断して本機だけは確保する。
ボディボードの場合は安心感がある割に浮力はせいぜい20kg以下だ。30kg級のイソマグロに、あっという間にボディボードごと本機を引きずり込まれたとの実話がある。
こんな場合は本機をボードに繋がず、ただ載せておく手がある。本機だけは回収しようとの魂胆だ。
しかし近年の様に、本機より高価なカーボン強化銛が出回るようになると、扱いは面倒だが、離脱式の仕掛にして銛だけは回収するなどの策が必要かもしれない。
この写真は、小笠原の-20mで16kgのカンパチを突き、梵天ロープから手を離して浮上中のもの。ボードが引込まれてしまったが、本機の浮力でどうやら持ち堪へていた。小笠原のカンパチは、何故か伊豆七島のものより強力なので魚がもう少し大きければ危ないところだった。大慌てでボードを掴み、耐へることが出来たが、その程度のカンパチでこんなことが起きるとは予想もしていなかった。
その後は上記の様に、ロープを長めにしたり、咄嗟にロープを外してボードに載せて置くだけにしている。
ロープをボードに引掛けながら獲物を引揚つつ、岩場に近付かぬようにもがく。引揚には現在は海外ページを参考にした戻止めを利用している。
以上
Blog 第31回 キャブ膜、業者ページ、大形魚対策など =小坂夏樹= 終り
次回は2月遠征での使い心地など投稿する積りです。