Aquascooter Maintenance for Spearfishing アクアスクーターで魚突き 全76回

使いこなそう、アクアスクーター整備ノートby KosakaNatsuki

**全76回で終了済み**

Blog 第50回 スーパーマグナムの簡易点検=小坂夏樹=Super Magnum Check

2017年02月27日 | マニュアル
慣らし運転完了後の状況
新品を持っての離島3週間の遠征では、第47回で記載の通り燃料に海水が混入し後半ではエンストを繰り返した。その為キャブレタ内に塩が付着している不安があった。
そこで遠征後2週間以上経ってしまったがやっと簡単な点検をした。
クランク室も気になるが、そちらは適宜始動して今のところは誤魔化している。


ところで、今回の水混入は、タンクキャップからじわじわと吸込まれ、点検せず毎回燃料を補充するだけにした怠慢が原因だと私的には結論付けた。
通常は長くて5日連続使用で遠征を終えるので、ある程度は混入しても悪影響が出る前に燃料を抜いてしまう。・・・・タンクの底にフィルタ付きの燃料吸込口が転がっている訳だが、僅かの水であれば、軽くて粘度の低い燃料のほうが専ら吸込まれて運転に影響しないのだろうとこれまた素人なりに想像している。

本機のフィルタは20ミリ径でチューブ差込口=吸込口は6ミリ程タンク底より高くなるから、かなりの水が溜まっても大丈夫・・・・なのだが、実際の海では振動と姿勢の変化でより少ない状態でも水が吸い込まれてしまう。


また、これまでの使用機種では、キャップには見掛は情ないがビニール片を噛ませて漏れを防いでもいた。それなのに新品だからと油断して何の対策もしなかったのも失敗だった。

それで思い出したが、離島の仲間でも、タンク内を明るいところで見ると底部に何となくモヤモヤしたものが見えるなどと呑気なことを言う者がいる。タンクの底からライトで照らせばよりはっきりするだろうが、毎週末使うので、ついつい燃料を注ぎ足すだけに終始してしまうのだろう。
こんな場合、いつも触れているが、スポイトでちょいと吸って観察するのがお奨めだ。
耐ガソリン性から適当とは言えないが、遠征先ではペットボトルを切取って透明なオイル(燃料)ジョッキとして短時間使用するのも便利だ。

以前記したが、何にも無い遠征先とか岩場によじ登って応急処置という場合の荒業としては・・・・全体をひっくり返し、水がキャップの辺りに集まったなと想像できたらキャップをちょっと緩めて排出する。そんな経験もある。


なお、抜出した燃料をどうするか?
私は少々ためらいながらも、遠征終了時には車輛に補充してしまう。わずかにオイル由来の白煙が発生することがあるが、数十リットルに最大40cc程度のオイルが混入するだけなので触媒なども大丈夫だろうと勝手に解釈している。
勿論、水が混入していては困るので、その都度確認はしっかりしている。
但し4ストバイクはタンク容量が数リットルしかないので白煙が目立つなど影響大で、好ましくないようだ。


簡単な点検をしたら
エアタンクとエルボ接続部はしっかり嵌っている。新品のうちは当然だ。


エルボを外してみると、3週間に約20時間しか使用しなかったが(その後20日間放置)タンク側のアルミ口金に塩が付着し、ひどく錆びている。今まで使った物とまったく同じで、耐銹性は低く、今後短時間にボロボロに錆び切れてしまうだろう。
また、派手に浸水させた訳でもないが、タンク内壁にも塩が付着しているのはいつもの通りで、水洗いしても簡単には除けない。


とりあえず口金を抜取り、水で塩を洗い流し、シリコーングリスを塗っておいた。ほんの気休めだ。
真鍮などでコピーを作って交換したいが、吸気抵抗を増さぬ様、薄く削る加工が必要であまり自信はない。
この口金は無くても使えるのだが、ホースバンドでどんどん締めるとタンク口が微妙にテーパ状に縮んでエルボが抜けやすくなる。
今まで私は液体ガスケットなどで封止してこの問題を凌いできたが、面倒なことだ。


なお、この口金の寸法は、私の計測では外径24.5ミリ。 
内径は21.4ミリで、吸気抵抗を増さぬ様テーパ付。
鍔部の直径は28.6ミリ、厚さ1.8ミリ
全体の高さは8.4ミリ
また、エアタンク接続口は外径29.5ミリ 内径24ミリだった。

25Φ程度のパイプがあれば、鍔は必ずしも必要とは思われないので、何とかなるかもしれない。・・・・いや、それよりはComer社の方で、材質をアルミからステンレスなどに変更して欲しいものだ。


エルボにもかなりの塩が析出していたが、外して水洗しそのまま装着し直した。


キャブの上部燃料溜まりと流量調整膜には塩は殆ど無い。写真を拡大してみると結晶が付着しているようにも見えるがごく微量だ。


なお、キャブの入口側を見る限りでは空気流路に塩の付着は無かった。



運転中は常に気流があり、僅かでも侵入した海水・しぶきは蒸発を繰り返して塩が析出・乾燥する。かと言って毎回タンクを外して水洗・錆止めと言う訳にも行くまい。
付着した塩は簡単には取れないが、次回使う頃には潮解してキャブへ吸込まれ易くなってしまうかもしれない。

塩分が本機全体へどれほど影響するかは解らないが、キャブの詰まり、プラグの絶縁低下、ベアリング類の錆など、良いことは無さそうだ。
使用上しぶきは浴び続けるし、ちょっとしたことで少量の海水が入ってしまうなど塩分は避け難い問題だ。
私は実行していないが、スノーケルの延長パイプは常に装着して少しでも波しぶきの少ない空気を吸入させるべきかもしれない。
そう言えば脱塩剤というものもあるが、どんなものだろう。


キャブの燃料ポンプ側も点検すべきだろうが、今回は省略した。



始動ロープ
これは点検ではなく、安心料として切れる心配のないダイニーマ紐に交換しただけだ。しかし原品を見ると紐が3ミリ径と細目で、リール内で一部噛み合って巻かれていた。こうした状態ではうっかりすると紐がお互いの摩擦で切れ易くなるというので要注意だ。尤も、紐が濡れた状態であれば潤滑されて深刻な問題にはならないかもしれない。


今回は4ミリ径のダイニーマ(青色)で、原品と同じ長さの紐を巻込んだ。





なお、これから1~2カ月は水温上昇を待ち、それから本機使用を再開および詳細な点検をしたいと思う。その間にホース排気方式への改造などを予定している

すっかり懲りているので、今後毎月の遠征前には、自宅で必ず簡易ポンプでの加圧検査をすることにした。そういえば、最近の遠征中に気が付けば、海水やら砂を吸込んで簡易ポンプ内のバネが錆びてしまっていた。ゴムボート型の梵天(ブッシャー・ガーディアン)にも必需品だが、安価なものだけに余り多くは要求できないようだ。

以上

Blog 第50回 スーパーマグナムの簡易点検 終り =小坂夏樹=

Blog 第49回 イタリア PescaSubApnea.net の掲載写真=小坂夏樹=Photos from PescaSubApnea net

2017年02月23日 | マニュアル
イタリアなど海外での本機改造例
寒さ冷たさが堪えるこんな時期には、出漁はせず各種資料でも漁るのが気楽だ。
そんなことで長期遠征の疲れが回復してきた最近も、ネットを検索してみるが、相変らず国内からの情報提供は殆どない。しかし流石に地元イタリアの掲示板には膨大な投稿が集積されている。

潜水の総合ネット PescaSubApnea.net の Aquascooter Comer-Arkosフォーラムがその代表例で、写真も沢山投稿されている。しかし閲覧するだけで投稿しない私には制限が掛り、開けないものが多い。そこで、簡単に閲覧できる範囲で、「他人は何をやっているか、見るだけでヒントになりそうなもの」を探してみた。

一部とは言え勝手に転載しては問題だろうが、とにかくPescaSubApnea.netからの引用であることを明記して、紹介する。苦情があればすぐ削除する積りだ。
単純なものばかり紹介するが、諸兄にも参考になるものがあるかもしれない。
なお、前にも記したが、興味があれば同netにログインしネット翻訳を駆使して閲覧して欲しい。


Oリング付スノーケル製作
これは口ゴムは原品通りで、先の方に2重にOリングを嵌めたもの。この部分の防水には皆悩まされているのだろう、すでに紹介した様に、販売されているものもある。













水密検査用冶具
排気孔をねじでしっかり閉じ、エアタンクのキャップにタイヤ空気バルブを嵌めて加圧する。
1気圧まで加圧しているから、完全な水密検査ができるという。
しかしこの場合はいつもながら、最も浸水の可能性が高い排気バルブの気密性能は判らない。
空気室キャップには自動車タイヤの空気バルブを取り付ける。


排気弁の押へ栓にボルトをはめ込む


排気孔を円板とボルト締めで塞ぐ 太いボルトで栓が拡がり固定出来るのか




タンクキャップをしっかり締めてポンプで加圧する




旗の取付も様々な方法が提案されている。私自身の方式は第47回で紹介した。






スノーケルカバー
同じような例が沢山あるようだ。私はこういったものより、本体が倒れたり沈んだ時に直接水を吸込巻ぬような工夫があればと思う






スノーケル途中に閉じ弁
これは急激にエンジン停止しないように考えたという。古いキャブレタのバタフライバルブ軸を利用し、フランスの20セント硬貨を嵌めてぴったり出来たという。再始動も容易だというが、関係あるのだろうか?








チョークレバに取っ手を付けた。停止する時に手探りが容易だが、ぶつけると悲惨な事になりそうだ?




尻ばさみ方式
本機を股に挟み押して貰う形で操縦している人が相当の割合で居るようだ。獲物を探すには都合が良い。
イタリアでもそうした使い方は多いらしくYouTubeへの投稿もある。掲示板には残念ながら写真は無いが、こんな記事があった:
①腿で挟んでいるが、長時間では疲れるので、タンク固定ねじの部分に横の突出を取り付けて足を掛ける様にしている。
②自転車のサドルを本機に取り付けて尻に当てている。

詳細は不明だが容易に想像できるだろう。仲間の場合はアクセル固定金具+尻ばさみで両手を自由にして魚を探している。




増設燃料タンク
この投稿はかなり前のものだが、現在も使い続けているのかどうかは判らない。容量は1.5㍑で全体で3.5リットルになる。初めは数センチ喫水が下がるが、燃料が減るにつれて戻る。前にも触れたが、私は必要に応じて0.5㍑缶を携行している。










スタータケース
高圧部浸水の問題も深刻で、かなりの投稿があるようだ。このピンボケ写真は、中古品のスタータケースに(点検口の)ねじが取り付けてあったというもの。茶色に見えているものがそれだ。 
これに対し、振動でケースが割れる可能性があり、危険だとの意見がある。私は問題ないと思うのだが。






取っ手
スタンドでの給油時に、キャップを外しているので取っ手がすっぽ抜けて慌てることがある。そんなことが防げるが、単にロープでこんな形にしても充分だろう




チューブの抜け止め 
上の写真ではタイラップで抜け止めにしているが、ドリルで針金を巻取ってコイルを作る手もある。




ドリル刃の中指の辺りにコイルが見える






マフラ止めねじからの浸水封止に液体ガスケット塗布 私もここからの浸水を経験し、同じ事をしている。




教えて・・・・という投稿も多く、編集委員が答へている。
例えば:
マフラ内部をガソリンで洗浄し、このような廃液・残滓に驚き、使っているこのオイルは駄目なのか?との問合せ。委員からは毎回バルブを外して廃液を捨てるようにとの助言
100%合成油なら1%でもOKとも述べられている。それは廃液が減るようにとの考えからだが、潤滑剤を減らすのは構わぬといわれても少々心配だ。


使ったのはカストロールの船外機用オイル




ホース排気エルボの保護枠
ホース排気方式は益々拡がっているようだ。消音器を含めて沢山の写真があるので紹介したいとも思うが、単純な作りなのでそんな必要はないか?

ホースを接続するためには、それぞれ接着またはねじ止め方式でエルボを排気孔に固定しているが、これはエルボを衝撃から保護するための枠で、本体のアルミ台座にねじ止めしている。私の場合は、保護枠は接着だけで済ませているが、接着面を大きくしてあるので、今のところ脱落せず使へている。




ハンドルに下駄
下駄も死語になりそうだが、ホース排気で排気孔にエルボなどを取り付けると尻高になるから、ハンドルにこんな足とか、円筒状など何らかの下駄を履かせて調整するのも多い。



この機種は何か、部品の互換性は?との問い合わせ。
委員から、これはAS36、 360型であり、最初に市販されたアクアスクータで、博物館モノだとの返事。当時ドイツのロックウエル社製か。

ヤフオクにも同じ?様なものがたまに出品されるが、私に骨董趣味はなく実戦の道具として興味はない。




キャブはフロート式で、運搬時は燃料を抜いておかぬとニードルがぶつかってトラブルになると言うような記述がある。

40年以上前の物を今更使いたいという根性は立派だが、どうなることやら。


この掲示板には「フォトアルバム」の様なページがないので写真だけ見るのも大変だ。
たまたま面白いものに気が付いたらまた紹介したい。
以上


Blog 第49回 PescaSubApnea.net Forum の写真紹介 終り=小坂夏樹=

Blog 第48回 スーパーマグナムのトラブル情報追加 スタータ軸=小坂夏樹=Starter Axle Slip

2017年02月15日 | マニュアル
スーパーマグナム(別品)のスタータ軸不良
前回は新品処女航海時のトラブルを紹介したが、それとは別の、こちらは半年ほど経過した(まだ十分新しい!)物の深刻なトラブルを記載し忘れていた。取急ぎ追加として紹介します。

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最近離島の仲間が、沖の根から戻ってきて、岸近くで急に再始動が出来なくなったという。購入してまだ半年、始動等は至って快調だったスーパーマグナムだ。
始動ロープを引くと、ゴロゴロという音と感触があるのだが、さっぱり始動できない。遠い沖でなくて幸いだった。
上陸後の点検でも始動せず、ロープを引く時の感触が妙だ。他には特段悪い点はない。プラグを抜いてロープを引いてみると普通にピストンも上下している。プロペラを抑へて引いてみたりあれこれやって、これはスタータの異変だろうということになった。
そして分解してみて、驚くべき不良が判明・・・・

スタータ駆動軸(スタータアクスル)に完全に固定されている筈の、爪付の樹脂円盤が緩んでずれ動いてしまうのだ。次の写真は動画の一部だが、一人がプライヤで軸を固定し、もう一人が爪部をねじると円盤全体が回ってしまうではないか。この爪はフライホイルの爪に噛み合う部分で、相当の負荷が掛かるが、水中では水の抵抗も加わる。これでガンとロープを引けば、駆動軸だけが空回りすることになる。

私はイタリアの PescaSubApnea フォーラムでもこんな事例は見た事がない。


プレス機でこのスタータ軸を抜き取ってみたところ、軸にはギザギザの刻みがあり、余程過大な負荷を掛けぬ限り、樹脂部品とずれる筈のない構造だ。

このギザギザでゴロゴロという音・感触があったのだろう。

第44回で紹介した如く、スタータケース先端の割れも有ったし、ブラケットの割れも有る。一体Comer社のプラスチック成型品質はどうなっているのだろうか。呆れるしかない。私の新品にしても同じことが起きないという保証はないし、自動車の世界ならリコールものではないのか?!
いつも離島で長距離のポイントへ移動している身としては、怖い話だ。

まあ多少なりとも用心するとすれば、始動時は内部の爪が噛み合うまで少し引き、ロープの遊びをとり、そこからガンと引くようにする。爪や軸に急激な負荷を掛けぬようにするのだが、気休めの感も無い訳ではない。

以上、こんなトラブルも発生し得ると云う事を諸兄にも理解して欲しくて急遽追加する次第です。

Blog 第48回 スーパーマグナムのトラブル情報追加 スタータ軸 終り =小坂夏樹=

Blog 第47回 スーパーマグナムもトラブル =小坂夏樹=New SuperMagnum Trouble

2017年02月13日 | マニュアル
スーパーマグナムの処女航海
本ブログは3年目に突入してしまい、我ながら驚きつつまだ当分は愚痴に近い情報を記録していく気になっています。

さて、前回第46回で紹介した、AS650の高圧部浸水は原因がはっきりせず、また、もう1台(=主機)も調子が今一なので、長期遠征に備えて急遽スーパーマグナムを購入した。


後々を考え、圧縮比を計測 暖機後、10回始動ロープを引いた状態で約900kPa


初始動(数秒間)を確認し、プラグを見ると既にかなり燻ぶっていた。工場出荷時からこんな状態だったとは。


このプラグを掃除してみたがきれいになったようには見えない。


いつも排気口周りの台座が摩耗するので、ゴム板を貼り付けてみた。


前方のみ接着剤を塗布してあり、バルブ交換などは普通に出来る。



遠征での実使用
陸上では調子が良いので、何ら疑問を持たなかったのだが・・・・・小笠原方面へ3週間の遠征で新旧2台を持参し、処女航海と洒落込んで、また慣らし運転としてこればかり使用したものの、苦労の多いスーパーマグナムだった。

陸上では1~2度引きで始動する。ところが特に初期は、海での再始動はまるで内部浸水したかと思う程ガシッと始動ロープが止まってしまうことが多かった。仕方なくボードなどに載せて試すと簡単に掛かる。勿論のこと内部浸水はない。

ここで初めに見たプラグの汚損が気になり、BP2HSに交換したところ、急に調子は良くなった。

2週目には1発始動できることが多くなって内部が馴染んできたと安心したのだが・・・・3週間目には、今度は突然エンストしたり、ボード上でも始動しないことが増えた。それでも、陸上では簡単に始動する。

ところが、たまたまスポイトで吸い出した燃料でマフラと排気口回りの廃液を掃除しようとして、燃料に水が混入していることに気が付いた。

1.5ℓペットボトルを切り取ったジョッキに移して見ると海水が大量に混入して底に溜まっている。

この状態では、本機の姿勢によってはキャブに水が回ってエンストするだろう。誠に迂闊だったと言うより愚かだった。しかし何故これほどの混入があったのか?

遠征後に加圧検査をしてみると、燃料タンクキャップからも、スノーケル基部からも幾らしっかり締めても空気が漏れてくる。実際にはスノーケルはオリジナルを使わず、自作Oリング式に替えているので空気室に浸水はなかったが、燃料タンクは問題だ。

想像するに、エンジン回転中は、空気室は多少だが負圧になる。燃料タンクも燃料消費に伴い負圧になるが、空気室につながる右舷のチューブから空気が入って平衡圧力になる。そうでなければ燃料が出ていかない。しかしタンクキャップの密閉状態が悪ければ、空気室より気圧の高い外部空気を直接吸い込んで平衡する。この時水面では当然ながら一緒に水を吸い込んでしまう。これが少しづつ溜まり、3週目にはエンストする程の量に達してしまったのだろう。
我ながら、過去に残燃料を点検せよと本ブログに記しながら、それを怠っていた。
新品の美しい本機に騙されていた訳だ。
残燃料、残念だ。

結局、これまでの機種と同様、写真の如くタンクキャップには必ずビニール片などを噛ませて密閉性を上げる注意が必要と分かった。

この部分もスノーケル同様、Oリング式に出来れば安心だが、耐ガソリン性の検討が必要だ。
なお、取っ手にリピートタイで止めてあるのは排気バルブの抑えばねと栓で、バルブのへたりを防ぐため、使わぬ時はこれらを外し、バルブが浮いた状態にしている。
尤も、私はこのスーパーマグナムも近々ホース排気式に改造の積りだ。


・・・というわけで、誠に不安な3週間の遠征だった。 仲間からは、新品などと信用しては駄目で、必ず各部の締付など、密閉性を確認しなければならぬと今更ながらの注意を受ける始末。
以前は欧州車などは、新車の内は組付不良などあれこれトラブルがあり、それを順次直して2年目位に本調子になるものだった。まさかアクアスクータでそんな事は無いと信じたいが、これから購入する諸兄も、いきなり遠征に持って行かず、事前点検を十分したほうが身の為だ。


この海水混入ではキャブレタをかなりの海水が通過した筈なので、キャブ点検も近々実施する積りだ。
また、始動ロープをいつもの通り、ダイニーマの強力紐に替えるなどあれこれと作業が待っている。


たまには獲物の写真など・・・・

11㎏のカンパチ


12.5㎏のカンパチ


安全旗の取付について
上の写真で本機のスノーケルに取付けた赤旗だが、横棒を使うことなく、簡単な構造なので、紹介しておく。実は30年前に米国の店で購入したダイビング旗を真似しただけだ。
これは斜めに針金の突っ張りを入れることで、無風でも常に展開しており、またそのまま丸めて簡単に収納できる。


これは拾った釣竿で40㎝程の旗竿を作りスノーケルにビニテープとリピートタイで取り付けるもの。


こちらは左上の曲げたばね材の針金をスノーケルの口に引掛て下のリピートタイで締め付けるだけ。しかしスノーケルの下段だけを使い、これを取り付けると旗の上端でも水面上50㎝程度しかないので、船舶からはともかく、水面での仲間同志では意外に視認しづらい。延長スノーケルパイプを使えば改善されるのだが


以上、今回は僅かな情報の投稿となりました。なお、近々イタリアのフォーラムに掲載されている、整備に関する写真情報などを(勝手に!)転載したいと考へています。


Blog 第47回 スーパーマグナムもトラブル  終り =小坂夏樹=