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#MeToo 広がる世界、でも日本では(NHK クロ現)1月22日放送 / 伊藤詩織さんの勇気ある告発 [記事一覧]

2018-01-22 16:00:11 | 命 人権 差別

本日、放送です。 1月22日(月)PM10時

MeToo 広がる世界 でも日本では(NHK クロ現)

ハリウッドの大物映画プロデューサーによるセクハラや性的暴行を、女優やモデルが告発したことをきっかけに、女性達が次々と「#MeToo(私も)」と発信するうねりが世界中に広がり、その波は日本にも及んでいる。

NHKだから、山口氏と詩織さんの件は取り上げないんだろうな…


#MeToo 広がる世界 でも日本は... - NHK クローズアップ現代+2018年1月22日(月)放送。

 
<追記2018.1.23> さく@Sacklaver
#クロ現プラス #MeToo が広がる世界の特集やってて、日本の現状として はあちゅうさんと伊藤詩織さんが実名で声をあげたことに触れてるんだけど、「山口敬之」氏という名前はあげず「知り合いの男性」とだけ(もちろん安倍首相と親しいジャーナリストとは書くわけもなくて)。

画像に含まれている可能性があるもの:1人 画像に含まれている可能性があるもの:1人、立ってる

 
NHK現場職員にエール!!世界の#Metooの動きを受けて。クロ現チーム負けるな

 

 

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伊藤詩織さんが告発した事件に関するすばらしいサイト。アメリカ在住の女性が英文メディアの記事を和訳してくれています ニューヨーク・タイムズ紙: “She Broke Japan’s Silence on Rape” (和訳)


日本でも「#MeToo(私も)」の声 伊藤詩織さんの話

  • BBC newsjapan http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42526640
  • 2017年12月31日
伊藤詩織さんImage copyrightSONO AIDAImage caption伊藤詩織さん


暴行や虐待、そして強姦について被害者が話をするのは、どのような状況だろうと辛く、困難なことだ。警察や司法の手続きを通じて正義を獲得しようとしても、被害者がほとんど乗り越えがたい障害に直面する国もある。

日本もそうした国の一つだ。

「強姦」という言葉そのものを公の場で使うことさえ憚(はばか)られる日本社会は、根強い慣習や社会の規範によって、被害に遭った女性をほとんど、ことごとく沈黙させてきた。

しかし、1人の女性が今年5月、知り合いのジャーナリストに強姦されたと名乗りを上げて発言した。ジャーナリストの伊藤詩織さんだ。相手の男性は、一切の違法行為を否定している。

BBCラジオ番組「Business Matters」が、伊藤詩織さんに話を聞いた(英語インタビュー)。


伊藤: 私は2年前の2015年にレイプされました。私をレイプした男性は、日本の大手テレビ局のワシントン支局長だったので、私にワシントンでの仕事のオファーをしてくれました。

就労ビザの話をする必要があったので、その男性と会いました。信頼し、尊敬する人があんなことをするなんて思いもよらず、とても辛く、混乱しました。

有力な政治家たちと深い親交のある人なので、とても怖かった。なので、名乗りを上げることが正しいのか、自分を信じてくれる人いるのか、かなり悩みました。

それでも結局、「警察に行こう」と決心しました。有名なジャーナリストを告訴すれば、日本でジャーナリストとして働くのが難しくなるのは分かっていました。

何度も違う警察官に話し、ようやく担当してくれるという捜査員にたどり着くと、その人は「こういうのはよくあることで、捜査できない。まず起訴されないし、有罪にならない。ただの時間の無駄だ」と言いました。

でも私が、「どのホテルから出てきたか分かっているんです。ホテルには防犯カメラがあるはず。少なくとも、それを確認してもらえませんか」と言うと、その人は数日後に確認してくれました。

映像で、相手の男性が私をタクシーから引きずり出す様子が見えました。なので捜査員は「なるほど。これは使える」と言いました。なので、事件を受理してもらって、立件してもらえると思いました。

すると捜査員は、「いいですか、大手テレビ局の支局長を告訴するんだ。あなたはもう絶対、日本では記者になれない」と言いました。

BBC: 捜査員、あるいは刑事がそう言ったんですね?

伊藤: 捜査員です。

BBC: どう感じましたか?

伊藤: 決断するのはかなり大変でした。でも、やるしかありませんでした。自分自身の真実に自分でふたをしてしまったら、私はジャーナリストにふさわしくありません。それに、いろいろな疑問が湧いてきたので。「なぜ、捜査できないのか」と。

やがてついに、捜査員から立件すると連絡がありました。事件から2カ月後に、裁判所から逮捕状が出ました。

取り調べは、大変でした。捜査員が変わるたびに、私は処女かと質問されました。どうして何回もそんな質問をするんでしょうか。

仕事にも行かなくなりました。街中で同じような背格好の男の人を見るたびに、パニックしました。そのせいで、「日本から出た方が良いかもしれない」と考えるようになったんです。

BBC: 話を戻すと、その加害者がまだ米国にいる時に、逮捕状が出たんですね。

伊藤: そうです。

BBC それからどうなったんですか。

伊藤: 成田空港で待機して、着陸したらすぐに逮捕するというのが捜査方針でした。しかし逮捕の予定日に捜査員から電話があり、「上からの命令があった」と言われました。逮捕は中止されました。

とてもショックでした。裁判所の逮捕令状が一旦出たら、捜査員がそれを取り消すなんてありえないので。だからどうして中止なのか、どういう経緯なのか尋ねましたが、捜査員は教えてくれませんでした。「ともかく異常で珍しい事態だ」と言われました。

BBC あなたは日本で初めて本名を名乗って、「強姦されました。日本で私にあったことです」と公言した人だと、その理解で合っていますか?

伊藤: 家族や恋人でも見知らぬ相手でもない、仕事上の知人から強姦されたと、顔を出し、名乗りを上げて話をしたのは私が最初だと、人から聞きました。

BBC これまでの経験から、自分の国について何を学びましたか? 発言して以来、周りから何を言われましたか。

伊藤: とてもがっかりしました。その後の反応で外出できなくなりました。どうしても外出する必要がある時は、変装しなくてはなりませんでした。私の個人的な生活や家族について色々書いてあるウェブサイトも、目にするようになりました。家族の写真が載っていたので、家族や友達と出かけたら、その人たちに何があるか分からないと怖くなり、家から出られなくなりました。

勤務先のメディアを辞め、フリーランスで活動することを決め、英国のメディアで働くようになりました。この夏に英国に引っ越す機会があり、外出できる人間に戻ることができたと感じました。

BBC 私たちは今、ここ東京で話をしているわけですが、今では日本や東京についてどう感じますか。少しでも変わったと思いますか。

伊藤: やっとですが、小さな小さな変化を感じます。今では、政治家の人たちも制度を変えよう、真実を追求しようと動いています。そして110年ぶりに強姦に関する法律が改正されました。

ジャーナリストとして、メディアを通して色々な形で自分の経験について語ろうとしたんですが、どれもうまくいかなかった。だから最終的には個人として声を上げるしかありませんでした。

性暴力は突然、いつ誰に起きるか分からない。世界のどこでも。でも私には、その後の展開の方がショックでした。本当に絶望的になりました。自分はこんな社会で暮らしているんだと、それまで気づいていなかったので。

法制度の変革には時間がかかります。けれども、社会の仕組みも変わることができます。被害者を支援して、手を差し伸べるようにすれば、被害者が次の一歩を踏み出せるようになる。それは暴力を生き延びたサバイバーにとって、とても大きな変化となります。いい変化がいくらか起きているので、私はとても前向きです。

(英語記事 Japan's #MeToo Moment



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Shiori-Black-Box

逮捕状が出た事件がなぜか直前に逮捕執行停止となった。

http://shioriblackbox.stopgenpatsu.com/archive

勇気ある詩織さんの告発    この事件を一人でも多くの方に知ってもらうために
 

記事一覧

 

 

 

 

 


伊藤詩織さんの事件を海外メディアが大々的に報道! ~安倍政権にとって致命傷になり得る水爆級の事件~2018.1.07 shanti-phula

2018-01-09 13:22:49 | 命 人権 差別
「森友・加計学園の問題よりもっと深刻なのは、伊藤詩織さんの事件。官邸と警察権力が結びついて、犯罪を無かったことにするなんてことがもしあったとしたら、恐ろしい国だ。」(M・I氏)


 
2018/01/07 7:35 PM
 
 竹下雅敏氏からの情報です。

 海外メディアが、詩織さんの事件を大きく取り上げているようです。日本での報道とは、対照的です。

 この件は、安倍政権にとっての致命傷になり得る事件なので、メディアに対して、相当な圧力がかかっているのだろうと思います。この件は、当時の刑事部長だった中村格が事件をもみ消したということでしたが、彼は危機管理の専門家で、現在は、安倍政権で、共謀罪摘発を統括する警察庁組織犯罪対策部長です。古賀重明氏やクローズアップ現代の国谷氏に圧力をかけたのも、この男だと言われています。

 安倍政権は、よく一強多弱と言われますが、実際には安倍政権の権力基盤は脆弱です。ごく一部の熱狂的信者とその取り巻きが居るだけです。政権が強固に見えるのは、メディアコントロールのおかげだと思います。真相が暴露されれば、一瞬で吹き飛ぶでしょう。

 伊藤詩織さんの件は、まさにその意味で水爆級であり、政権側もそのことをよく理解しているため、非常に警戒しているのだと思います。しかし、外堀から徐々に埋められている感じです。近く始まる国会のために、準備を整えている感があります。
                                                                                (竹下雅敏) 
 
 Articolo Img
 
  umekichi  1月5日
 
 フランスのCamp des recrues紙も伊藤詩織さん事件を報道日本ー国を揺るがすレイプ事件安倍晋三の名前も出てくる。
http://campdesrecrues.com/2018/01/laffaire-de-viol-qui-embarrasse-le-pays-japon/ 
 
 
 米国の女性雑誌Bustleが伊藤詩織さん事件を紹介
どのように日本で#METOOが始まったのか。声は小さいが強力な変化の種を植え付けている。安倍晋三の名前も出ているttps://www.bustle.com/p/how-did-metoo-start-in-japan-these-voices-are-planting-small-yet-powerful-seeds-of-change-7770062 
 
 フランスのBFMテレビ、伊藤詩織さん事件を紹介。レイプ事件が国を揺さぶっている。 安倍晋三の名前が出ている。
 
  フランスのラジオネット、franceinfoも伊藤詩織さん事件を紹介:ジャーナリストたちが首相の親しい関係者のレイプを厳しく糾弾。国が揺れている。https://www.francetvinfo.fr/societe/violences-faites-aux-femmes/japon-une-journaliste-accuse-de-viol-un-proche-du-premier-ministre-et-ebranle-le-japon_2535515.html 
 
 
 フランス語の無料情報紙、20minutesでも紹介。安倍晋三首相の親友が、ひとりのジャーナリストからレイプで糾弾されている。
http://www.20minutes.fr/monde/2194339-20171228-japon-affaire-viol-impliquant-proche-premier-ministre-embarrasse-pays  
 
 
 スウェーデン紙も伊藤詩織さん事件を詳しく紹介。もちろん山口敬之、安倍晋三の名前も出てくる。
https://www.dn.se/nyheter/varlden/hon-vagar-ga-forst-i-japans-metoo/ 
 
 米国の政治紙、ポリティコも写真入りで伊藤詩織さん事件を報道している。山口敬之は安倍晋三と密接な関係を持つこと、警視庁刑事部長が逮捕をキャンセルしたことが書いてある。
https://www.politico.eu/article/metoo-sexual-assault-women-rights-japan/  
 
 
フランスのレクスプレス誌も紹介。タイトルに首相という言葉が入っている。さらに安倍晋三と近い警察の刑事部隊から電話がかかってきて、逮捕寸前で逮捕が取り消しになったとある。https://www.lexpress.fr/actualite/monde/asie/le-japon-secoue-par-l-affaire-shiori-ito-qui-accuse-de-viol-un-proche-du-premier-ministre_1972222.html  
 

  伊藤詩織さん事件、イタリアでも写真入りで紹介山口敬之は安倍晋三の紹介本作家と紹介されている。
http://www.corriere.it/esteri/17_dicembre_28/shiori-giornalista-che-denuncia-stupro-sfida-tabu-giappone-c84951aa-ebd1-11e7-9a7e-4e4374b5613e.shtml?refresh_ce-cp 
 
 
 
現在、最もつぶやかれている記事(Most Tweeted)の3位です!
 
 
2018.1.09<追記>
ついにアラビア語圏でも報じられる!

http://www.almaghribtoday.net/327/064633-%D9%81%D8%AA%D8%A7%D8%A9-%D9%8A%D8%A7%D8%A8%D8%A7%D9%86%D9%8A%D8%A9-%D8%AA%D8%AA%D9%87%D9%85-%D9%85%D8%AF%D8%B1%D8%B3%D9%87%D8%A7-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D8%A7%D8%A8%D9%82-%D9%81%D9%8A-%D8%A7%D9%84%D8%B5%D8%AD%D8%A7%D9%81%D8%A9-%D8%A8%D8%A7%D8%BA%D8%AA%D8%B5%D8%A7%D8%A8%D9%87%D8%A7






ニューヨークタイムズ一面掲載の伊藤詩織さんの記事、最もつぶやかれている記事の三位に! 2018.1.1 /毎日新聞、時事通信が記事に

2018-01-03 22:21:22 | 命 人権 差別

【山口敬之レイプ容疑もみ消し疑惑】ニュヨークタイムズが長文の詳しい内容(訳)を一挙掲載 2017.12.31 Hikaruの井戸端放送局~フランスでも!

 

 She Broke Japan’s Silence on Rape

 

 

 

伊藤詩織さんをすごく応援する会 @ouenshiori 1月1日

 


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元旦の毎日新聞に掲載「詩織さんの訴え、米紙が紹介」(2018/1/1)

元旦の毎日新聞は、伊藤詩織さんの告発を1面で取り上げた12月30日のNew York TImes記事について「詩織さんの訴え、米紙が紹介」として社会面に掲載している。朝日新聞と同文。時事通信の配信をそのまま掲載か。

 

 

時事通信が報道(2017/12/30)

時事通信が、伊藤詩織さんの告発を1面で取り上げた12月30日のNew York TImes記事についていち早く紹介した。
「レイプに対する沈黙破った」=伊藤詩織さんの訴え報じる-米紙

 

「#MeToo、日本でも ツイッターでセクハラ告発」(毎日新聞)

2017年12月28日の毎日新聞。2面の半分を使った大きな記事で、「#MeToo、日本でも ツイッターでセクハラ告発」が掲載。山口敬之氏からの準強姦事件について告発している伊藤詩織さんについても

「日本ではジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が5月、記者会見で元TBS記者からの性暴力被害を訴えた。元TBS記者は犯罪性を否定し、双方の主張に隔たりがある。伊藤さんは10月に手記を出版し、社会の一連の動きの象徴的存在となっている。はあちゅうさんも、ツイッターで「詩織さんの告発に勇気をもらった」と投稿している。

 

と紹介し、また伊藤さんからの直接のコメントとして下記を紹介している。

問題を解決していくには声を上げ、話し合わなければいけません。性暴力について話せる社会にしたい、というのが私の本来の願いでした。#MeTooはその思いが一つになったムーブメントだと思います。

 しかし、日本で私が感じたのは、性暴力の話をすると声を上げた方が責められる、または男女の問題として片付けられてしまうということです。これは暴力の問題であり、個人の問題ではなく多くの人に共通する社会問題です。

 #MeTooが社会を変えるきっかけになると信じて、これからも声を上げ続けていこうと思います。
https://mainichi.jp/articles/20171228/ddn/002/040/004000c

  

伊藤詩織さん「常に疑問感じている」 国会内で訴え(朝日新聞)

望まない性行為で精神的苦痛を受けたとして、元TBS記者の男性ジャーナリストを訴えているジャーナリストの伊藤詩織さんが6日、国会内で開かれた超党派の国会議員の会合に出席した。伊藤さんは自身の体験を振り返りながら、性被害を訴えた場合の捜査や支援のあり方を見直すよう訴えた。
https://www.asahi.com/articles/ASKD63VWCKD6UTFK005.html

 

 

 

 


【山口敬之レイプ容疑もみ消し疑惑】ニュヨークタイムズが長文の詳しい内容(訳)を一挙掲載 2017.12.31 Hikaruの井戸端放送局~フランスでも!

2018-01-01 16:31:58 | 命 人権 差別

山口レイプ事件!
これはすごい!ニュヨークタイムズが長文の詳しい内容を一挙掲載。

2017年12月29日、米大手メディアのNYタイムズが「詩織さん事件」を大々的に特集。
事件の詳細な経緯と、日本国内でこれがほとんど報道されない実情を山口敬之氏の写真と共に紹介し、世界的に話題になっている。

 She Broke Japan’s Silence on Rape

Photo
 
Shiori Ito told the police she had been raped by Noriyuki Yamaguchi, then the Washington bureau chief for the Tokyo Broadcasting System and a biographer of Prime Minister Shinzo Abe. Credit Jeremie Souteyrat for The New York Times
 
 
 
 画像に含まれている可能性があるもの:1人、立ってる
 
 
 
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31/12/2017
 
12月29日、New York Times紙が1面と8面を使って、長文の記事 "She Broke Japan’s Silence on Rape" を掲載した。
記事中にもあるように、日本の主要なメディアが黙殺している事件についてのものである。すべての心ある日本人が読むべき内容であるので、ここで全文を翻訳して転載させていただく。
なお全ての著作権は New York Times紙に帰属し、誤訳の責任は私にあることを明らかにしておきたい。また誤訳やタイポなどがあった場合、コメント欄にてご指摘いただければ有難い。
原文は、こちらの "She Broke Japan’s Silence on Rape" で確認いただきたい。
日本の有名なテレビジャーナリストの一人が伊藤詩織を飲みに誘ったのは、春のある金曜日の晩のことだった。東京のニュースサービスでのインターンシップは終了しようとしており、彼女は彼のネットワークで新たなインターンシップを探していた。

彼らは東京の中心にあるバーで焼き鳥とビールを取り、その後夕食に出かけた。後に警察で述べたように、彼女が最後に記憶しているのは、めまいを感じてトイレに行き、そこで気を失ったことだった。
夜あけまでの間に、彼は彼女を自分のホテルの部屋に連れて行き、彼女が無意識のうちに強姦したと、彼女は主張している。

当時のTBSワシントン支局長で、安倍晋三首相の伝記の著者であったジャーナリストの山口敬之氏は、この告訴を否定し、2ヶ月の捜査の結果、検察は告訴を棄却した。

そして、伊藤さんは、日本の女性が決してしないことを実行する決心をした。声に出して言ったのだ。

5月の記者会見と10月に出版された本で、警察がホテルの防犯カメラの映像を入手していたと彼女は話している。ホテルのロビーを歩いている間に、山口氏が気を失った伊藤さんを支えていることを示すものだ。警察はまた、タクシー運転手を特定して事情聴取した。タクシー運転手は、彼女が気を失っていたことを証言した。警察は山口氏を逮捕しようとしていたが、彼女によれば、突然中止となったのだ。

他の場所では、彼女の主張が大騒動を引き起こしたかもしれない。しかし、ここ日本では、わずかな注目を集めたにすぎなかった。

米国では、性的不祥事の噴出が、議会、ハリウッド、シリコンバレーやニュースメディアを揺れ動かしている。一方、伊藤さんの件は日本において性的暴行は未だに避けるべき話題であるという、米国とは対照的な事例となった。女性が強姦を警察に通報するのは稀であり、そうした訴えで逮捕されたり、起訴されることはほとんどないのだ。

日本では性的暴行の率が比較的低いと言われている。2014年に政府・内閣府が実施した調査では、米国で5人の女性のうち1人がレイプされている一方、日本では15人の女性のうちの1人がレイプを経験していると報告された。

しかし、学者たちは、日本の女性は、西洋の女性よりも、合意のない性行為をレイプとして表現する可能性がはるかに低いと述べている。日本の強姦罪は同意について言及しておらず、デートレイプは本質的に外国の概念であり、そして性的暴力に関する教育は最小限にすぎない。

むしろ強姦は、性的教育の重要なチャネルであるべき文化において、性的満足の延長線として漫画やポルノに描かれている。

警察や裁判所は、強姦を狭義に定義する傾向があり、一般的に事件を追求するのは物理的な力と自衛の両方が認められる場合のみであり、加害者あるいは犠牲者のどちらかが飲酒している場合は告発を抑えにかかる。

先月、横浜の検察は、一人の学生にアルコールを飲ませた後、性的暴行を加えて告発された6人の大学生に対する告訴を棄却した。

そして日本では、強姦犯が起訴され有罪判決を受けた時でさえ、懲役刑が執行されない場合もある。法務省の統計によると、約10人に1人が執行猶予だけになっているのだ。

例えば今年、東京近郊の千葉大学の2人の学生が酩酊した女性を輪姦した件で、被告の一部は懲役刑となったものの、他の共犯者は執行猶予で釈放された。昨年秋、別件の輪姦で有罪判決を受けた東京大学の学生にも執行猶予が与えられた。

上智大学の法学部教授、三浦まり氏は、「活動家たちが “ノー・ミーンズ・ノー” キャンペーンを開始したのは極めて最近のことだ。日本の男性は、同意とは何かという意識の欠如から、いいようにしていると思う」と語っている。

内閣府調査によると、強姦を経験した女性のうち3分の2以上が、友人や家族を含め決して誰にも言わなかったと答えている。そして、わずか4%が警察へ行ったと述べている。対照的に米国では、司法統計局によると、約3分の1の強姦が警察に報告されている。

早稲田大学でジェンダー法の講師である谷田川知恵氏は「女性に対する偏見は根強く深刻であり、性犯罪による被害はまったく考慮されていない」と語っている。

山口氏に対する民事訴訟を提起した伊藤さん(28)は、日本で性的暴行を受けている女性が直面する課題を強調するため、事件について本紙と詳細に話し合うことで合意した。

「私が話をしなかった場合、性的暴行のこの恐ろしい空気は絶対に変わらないことを判っている」と彼女は語る。

山口氏(51)もこの記事で発言することに同意した。彼はレイプを否定した。「性的暴行はなかった」と彼は言う。「あの晩、犯罪行為はなかった。」
「勝つチャンスはない」
2015年4月3日に会う以前、伊藤さんはニューヨークでジャーナリズムを学んでいる間に山口氏に2回会っている。

彼女が東京で再び彼に連絡したとき、彼は自分の局で仕事を見つけることを手助けできるかもしれないと示唆した、と伊藤さんは語る。彼は流行りの恵比寿地区の寿司店「喜一」で飲食に誘った。

彼女が驚いたことに、店は貸し切り状態で、ビールの後に酒を飲んだという。ある時点で、彼女はめまいを感じ、トイレに行って、トイレのタンクに頭を置いたまま気を失ったと彼女は言う。

彼女が目を覚ましたとき、伊藤さんはホテルのベッドで山口氏の下におり、裸で、痛みを伴ったと語る。

日本の法律では「意識の喪失や抵抗できないことを利用」した女性との性行為を「準強姦」罪と規定している。一方、米国では法律は州ごとに異なるが、一部の州では同じ犯罪を第2度の強姦もしくは性的暴行として取り扱う。

警察は後にタクシー運転手を特定し聴取した。彼は、伊藤さんと山口氏を乗せ、山口氏が宿泊していた近くのシェラトン都ホテルに連れて行ったことを記憶していた。

運転手との聴取の記録によると、伊藤さんは当初意識があり、地下鉄の駅に連れて行くよう求めたという。しかし山口氏はホテルへ連れて行くよう指示した。

運転手は山口氏に、もっと話し合うべきだと言ったことを思い出した。彼はまた、山口氏が「何もするつもりはない」と言ったかもしれないと述べている。

運転手がホテルに到着したところ、伊藤さんは約5分間「沈黙していた」と話し、また後部座席で嘔吐していることを発見したという。

「男性は彼女をドアに向かって動かそうとしたが、動かなかった」と運転手は話す。「そこで彼は最初に降りて、鞄を地面に置き、自分の肩を女性の腕の下に滑り込ませ、彼女を車から引き抜こうとしたんです。彼女は自分自身で歩けなかったようです。」

警察が入手したホテルの防犯カメラの映像でも、伊藤さんは脱力状態に見えた。ニューヨークタイムズ紙が確認した映像の写真では、山口氏は午後11時20分ごろ、ロビーを抜けて彼女を支えている。

伊藤さんが目覚めたのは午前5時ごろだったという。彼女は山口氏の下からようやく抜け出し、バスルームに走った。彼女が戻った時、「彼は私をベッドに押しつけようとしました。彼は男性です。彼はかなり強く私を押しつけたので、私は彼に叫んだんです。」

彼女は何が起こったのか、そして彼がコンドームを使用していたのかを尋ねた。彼は落ち着くように彼女に言った、経口避妊薬を買うことを申し出た。

しかし、彼女は服を着てホテルを逃げだした。

伊藤さんは、彼女が薬を盛られたと信じているが、彼女の疑惑を裏付ける証拠はない、と彼女は語る。

山口氏は、彼女が単に飲み過ぎただけだと言う。「寿司屋では、彼女はとても早く飲んでました。実際、私は彼女に「大丈夫か」と尋ねたんです。しかし彼女は「私はすごく強いし、喉が渇いている」と言ったのです。」

彼は続ける。「彼女は子供ではありません。彼女が自分自身をコントロールできたなら、何も起こらなかったでしょう。」

山口氏は、彼女が帰宅しないことが心配だったので、ホテルに連れて行ったという。ワシントンでの締め切りに間に合わせるために、部屋に戻らなければならなかった、と彼は言う。

山口氏は、伊藤さんを部屋に連れて行くことは「不適切だった」と認めたが、「駅やホテルのロビーに彼女を放置するのも不適切だっただろう」と言う。

彼は、彼の弁護士のアドバイスに従って、次に何が起こったのか述べることを拒んだ。しかし、伊藤さんの民事訴訟で提起された裁判所の書面では、彼は彼女をきれいにするために服を脱ぎ、彼の部屋のベッドの1つに彼女を置いたという。その後、彼女はベッドで目を覚まし、ひざまずいて謝罪したと付け加えた。

山口氏は書面で、彼女にベッドに戻って座り、セックスを開始するよう促したと語っている。彼女は意識があり抗議も抵抗もしていないと言う。

しかし、その夜の後、伊藤さんとやり取りしたメールでは、彼は若干異なる言及をしている。彼女がベッドに上っていたと書いているのだ。

「意識不明のあなたに私が勝手に行為に及んだというのは全く事実と違います。」と彼は2015年4月18日付のメッセージで語っている。「私もそこそこ酔っていたところへ、あなたのような素敵な女性が半裸でベッドに入ってきて、そういうことになってしまった。私たちはどちらも自分自身を調べなければならないと思う。」

別のメールでは、伊藤さんの強姦疑惑を否定しながら、双方が弁護士に相談すべきであると提案している。「準強姦だと主張しても、勝つチャンスはありません」と彼は書いている。

メールについて質問されたとき、山口氏は、伊藤さんとの会話と対応の記録は、彼女を誘惑するために自分の立場を使う意思がなかったことを実証するものだと話した。

「私は彼女に悩まされたほうだ」と彼は付け加えた。
恥と躊躇
伊藤さんは、ホテルを出た後、家に帰ってきて体を洗ったと言う。彼女は現在、それを間違いだったとみなしている。「警察に行くべきだったんです」と彼女は話す。

彼女の躊躇は典型的だ。お茶の水女子大学のジェンダー研究の名誉教授である戒能民江氏は「暴行された多くの日本人女性は「おそらく私のせいだ」と自分自身を非難するのです。」と語る。

東京都の性暴力救援センターのレイプカウンセラーである田辺久子氏は、ホットラインに電話して警察に行くように勧められている女性でさえ、警察がそれらのことを信じるとは期待していないため、しばしば拒否するという。

「彼女たちは、間違ったことをしたと言われると考えているのです」と彼女は語る。

伊藤さんは、恥ずかしく感じ、静かにし続けることも考え、日本の男性主導のメディア業界で成功するためには、そのような扱いを容認することが必要かどうか悩み続けたと話す。しかし、彼女は5日後に警察へ行くことを決心した。

彼女は「真実に直面しなければ、私はジャーナリストとして働くことはできないだろう」と考えたことを思い出した。

彼女が泣かずに話したため、最初に彼女が話した警察官は、告訴をあきらめるよう促し、彼女の話に関して疑念を示した、と伊藤さんは話す。ある警察官は、山口氏の地位が事件追求を困難にするだろうと付け加えたという。

しかし、伊藤さんがホテルの警備映像を見て欲しいと訴えた後、結果的に警察は真剣に受け取ったという。

2ヶ月の捜査が続いた後、フリーランスとしてのプロジェクトに取り組んでいたベルリンで、刑事が彼女に電話をかけてきたという。彼はタクシー運転手の証言、ホテルの防犯ビデオ、そして彼女の下着に山口氏のDNAを検出したとの証拠の強さで、山口氏を逮捕する準備をしていると話した。

2015年6月8日、ワシントン発の飛行機で東京に到着する山口氏を空港で逮捕するので、日本に帰国するよう刑事が伊藤さんに話したという。

しかし、その日になり、刑事は再び電話をかけてきた。彼は空港にいると言うのだが、上司が彼に電話をして逮捕しないよう命じたという。伊藤さんは言う。

「私は彼に尋ねたのです、「どうしてそんなことができるの?」と。しかし彼は私の質問に答えることができませんでした。」

伊藤さんは、刑事を特定することを拒否した。刑事を保護したいと言うのだ。警視庁は、山口氏の逮捕計画が不調に終わったかどうかについては言及しなかった。「すべての法律に照らして必要な調査を行い、すべての文書と証拠を東京地方検察庁に送りました」と広報担当者は話す。
「私は強くなければならない」
2016年、政府の最新の統計が入手できる年度に、警察は日本でレイプ989件、すなわち女性10万人につき約1.5件を確認している。FBIの統計によると、米国では114,730件のレイプがあり、男女ともに住民10万人あたり約41件が確認されている。

学者たちは、被害者の過少な報告や日本の警察や検察官の態度を反映した統計よりも、実際の日米の犯罪率の差は小さいと話す。

この夏、国会は、110年間で初めて刑法の性犯罪規定への最初の変更を受け入れ、レイプに口腔および肛門性交を含むように定義し、潜在的な犠牲者として男性を含めるようにした。議員たちはまた、懲役刑の最短期間を長くした。しかし、法律は依然として同意については言及せず、裁判官は執行猶予にすることができる。

最近の事件にもかかわらず、大学での性犯罪に関する教育はまだほとんどない。千葉大学では、新入生のためのコースで、最近の輪姦を「不幸なケース」と呼んでおり、犯罪をしないように漠然と促すだけだ。

伊藤さんの場合、山口氏が首相との関係で好意的な扱いを受けたのかどうかという疑念もある。

日本のジャーナリスト、田中あつし氏は、伊藤さんの告発を受けて、警視庁に立ち向かった。

元内閣官房長官秘書官の中村格氏は、調査官が山口氏を逮捕する用意があったことを確認した。そして彼が逮捕を中止したのだと、田中氏は週刊新潮で報告している。

この疑惑は、TBSでの山口氏の立場には影響しなかったが、昨年、議論の対象となった記事が発表された後、ネットからの圧力で辞任した。彼は日本でフリーランスのジャーナリストとして仕事を続けている。
伊藤さんは10月に彼女の経験についての本を出版した。しかし日本のメジャーなニュースメディアではさほど注目されていない。

伊藤さんの主張を調査する数少ないジャーナリストの一人である望月衣塑子氏は、伊藤さんが直ちに病院へ行かなかったという理由で事態を軽んじた男性の同僚からの抵抗に直面したと述べている。

「報道は性的暴行をまったくカバーしていない」と彼女は語った。

伊藤さんは、それが正に声に出して言う理由だと語る。

「私はまだ強くなければならないような気がします」と彼女は言う。「そして受け入れてはいけない理由を話し続けるのです。」
 
 

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Japon: l'affaire de viol qui embarrasse le pays

Une journaliste japonaise de 28 ans accuse un proche du Premier ministre Shinzo Abe de l'avoir violée en 2015. L'agresseur présumé est toujours libre, malgré la plainte de la jeune femme.

Son cas personnel "peut changer la société", explique-t-elle au Figaro. Shiori Ito, journaliste japonaise indépendante de 28 ans, accuse un proche du pouvoir de l'avoir droguée puis violée, il y a deux ans. Son agresseur présumé n'a pourtant pas été inquiété par la justice.
Au moment où l'Occident vit le mouvement #MeToocontre le harcèlement sexuel, Shiori Ito évoque son combat dans le livre Black Box, publié en octobre dernier. Elle y raconte sa version des faits, les réticences de la police et les humiliations qu'elle aurait subies pendant la procédure japonaise.
 
 

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Retweeted 藤原直哉 (@naoyafujiwara):

スウェーデン紙も伊藤詩織さん事件を詳しく紹介。

もちろん山口敬之、安倍晋三の名前も出てくる。

Shiori Ito satte allt på spel när hon anklagade en hög mediechef för att ha våldtagit henne.
dn.se
 

 

 


#MeToo:伊藤詩織さん「社会変わると・・・声あげ続ける」 2017.12.27 毎日新聞

2017-12-31 07:34:56 | 命 人権 差別

 

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#MeToo:伊藤詩織さん「社会変わると・・・声あげ続ける」

毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20171227/mog/00m/040/006000c

2017年12月27日

 自身のレイプ被害をもとに、日本の性犯罪を取り巻く事情を取材した手記「Black Box(ブラックボックス)」を出版した伊藤詩織さん。
毎日新聞のインタビューに対して、作家でブロガーのはあちゅうさんの告発で広がったセクハラ告発キャンペーン#MeTooへの思いを初めて語った。【中村かさね/統合デジタル取材センター】

性暴力について話せる社会にしたい
--日本でも#MeTooの動きが広がっています。詩織さんの告発に背中を押された人も多いようです。

...

 「ブラックボックス」を出版した同時期に#MeTooのムーブメントが起こりました。公で自らの体験を語ってから同じ苦しみを抱えている人がこんなにもいることを知り、また#MeTooで世界中からのさまざまな人の声を聞き、何かが変わらなくてはいけない時がきたのだと感じました。

 問題を解決していくには、声を上げ、話し合わなければいけません。性暴力について話せる社会にしたい、というのが私の本来の願いだったので、MeTooはその思いが世界中の人々と一つになったムーブメントだと思います

  日本で当初、私が感じたのは性暴力の話をすると声を上げた人が責められる、または男女の問題として片付けられてしまうということです。しかし、これは暴力の問題です。個人の問題ではなく、多くの人に共通する社会問題として捉えていくべきです。

 スウェーデンではこの運動が男女平等担当大臣に届き、システムが変わるきっかけになろうとしています。日本でも#MeTooが社会を変えるきっかけになると信じて、これからも声をあげ続けていこうと思います。

--5月に司法記者クラブ、10月に日本海外特派員協会で記者会見を行いました。周囲の反応や気持ちの変化は?

 5月の会見の後は、批判や脅迫のメッセージが続き10日ほど食べ物が喉を通らず、起き上がることができませんでした。でも日本海外特派員協会での会見後は、海外のメディアに取り上げてもらい、日本国内外から応援メッセージをいただいた。出版後は伝えたかったことについて理解していただき、たくさんの応援コメントも受け取っています。

--「ブラックボックス」では、会見前からメディア取材を受けてきたのに一切報道されなかったことを明かしています。海外特派員協会での会見は、背景に日本のメディアへの失望感もあった?

 そうですね、それはとても大きかった……。10月の会見は(メディアに対して)何度も同じ話を繰り返しているのにまた同じ話をすべきか悩みました。「会見がないと報道しづらい、報道のきっかけがほしい」という日本メディアの声も聞いていて、それに応えることにも葛藤があった。

 ただ今年1世紀ぶりに刑法が改正された背景には、国連から何度も意見表明があったこともあり、日本は外から問題を相対的に可視化されると動くんだな、と感じていた。海外メディアに自分の声で伝えるということは必要だと思っていたので、実現できてよかったです。

「少しずつ、すべてを変える必要がある」
--執筆に当たり、スウェーデン・ストックホルムをはじめ、海外の性被害サポート体制についても取材しています。

 一番訴えたかったのは、今の日本の社会システムを見直し、変える必要があるということ。当時、相談窓口、病院、警察、報道、一つ一つに落胆し、社会のシステムに疑問がわきました。いろんな壁がありました。その壁がなければ、事実関係をもっと明らかにできただろうし、ここまで深く傷つくこともなかった。少しずつ、でもすべてを変えなければいけない。

 例えば私が被害に遭ったとき、まず最初に何をしなければいけないのかすら分かりませんでした。自分の無知に驚きました。情報が欲しくて電話した相談窓口には「面接に来てくれ」と言われたけれど、本来なら検査ができる病院を紹介してくれるべきですよね。決して近くはない場所に面接に行かなければ情報が得られないのでは、ホットラインの意味がありません。例えばストックホルムなら、カウンセリング、検査、治療がワンストップでできる施設が24時間365日稼働している。男性専用の施設もある。「被害に遭ったらここに行けばいい」とみんなに周知もされています。

 性暴力被害は誰にでも、どこでも、どんな時でも起こり得ます。でもその後、社会がどう動くか、どうサポートできるか。その点で日本は欠けているところがたくさんある。一つ一つの壁を可視化する必要があります。そのために、海外ではどんな取り組みがあって、何が効果的なのかを知りたかったし提案したかったのです。

--本書で「勝手に決められた『被害者』のイメージの中で生きたくない」と書かれています。そう感じる#MeToo発信者は多いようです。

 被害者だったら「泣いているはず」「白いシャツで、ボタンは一番上まで留めているはず」というようなステレオタイプにはめられ、被害者とキャラクターづけられて生きることは絶対に嫌だったんです。

 そこから外れた行動を取ると「本当に被害者なのか」と証言の信頼性と関連付けて批判される。そのイメージを壊したくて、会見にはリクルートスーツを来てくるようにとアドバイスされましたが、受け入れることができませんでした。

 被害を受けてもその後の人生は続きます。 笑っていることを批判されたこともありますが、私は今でもよく笑います。ステレオタイプに当てはまらなければ信じてもらえないのは、おかしいと思います。