http://blogos.com/article/200921/より転載
記事 田野幸伸
2016年12月08日 07:40
熊本地震の報道をすっかり見なくなったので、どこまで復興が進んでいるのか自腹で確かめてきた
そう、熊本地震です。
2016年4月14日、熊本県熊本地方を震源とする、M6.5の地震が起きました。しかしこれは前震にすぎず、4月16日にはM7.3の本震が発生。九州地方に大きな損害をもたらしました。
熊本県西原村と益城町では震度7を記録。熊本県・大分県で18万棟を超える家屋が被害を受け、熊本県では18万人を超える避難者が出ましたが、復興はどこまで進んだのでしょうか。
自分の目で確かめるべく、ジェットスターのセールで1990円の成田ー熊本のチケットを確保。有給休暇を使って熊本県益城町へ行ってきました。(2016年11月9日・10日取材)
熊本空港も復旧工事中
成田空港から朝イチの便で熊本に到着。熊本空港も震災の被害を受けており、復旧工事のため空港の一部が通れなくなっています。
空港でレンタカーを借りて車を走らせること10分。熊本県益城町の中心部に到着しました。
益城町内はまだまだ瓦礫の山
震災から7ヶ月…。まだまだ瓦礫だらけじゃないですか…。
街道沿いは片付いているものの、路地を一歩入れば解体待ちの家がズラリ。
東日本大震災の取材で東北へは何度も行きましたが、まさか熊本が半年以上経ってこの景色とは…。
地盤沈下も激しく、川の周辺には土のうを積んで水害に備えています。
こちらの建物をよく見ると、崩れた2階部分をキャンピングカーが支えています。
車がなければビルはどうなっていたことやら…。
あちこちで鉄骨が崩れています。
地面の揺れがそのままアスファルトに残っている益城町総合体育館前。
運転中に震災に遭った方によると、道路がまさに「波打って」いたそうです。
こちらは益城町内の木山神宮。
鳥居は崩れ、狛犬もこの通り。
何より衝撃的だったのが、完全にぺしゃんこになってしまった本殿。
立派な屋根の重みに、柱が耐えきれなかったのでしょうか。
神社だけではなく、多くのお寺も被害に遭いました。
心無い落書きでは逮捕者も出ました。お寺ですよここ。
仮設商店街の応援メッセージ
近隣の商店が集まってできた仮設の商店街「益城復興市場・屋台村」にやってきました。こちらは6月25日からオープンしています。
飲み屋さんから床屋さんまで、15のテナントがあるようです。
中はプレハブとテントづくり。
美容室のウィンドウにはEXILEの「HERO」の歌詞が。
飲食スペースには復興メッセージボードが用意されていました。
身につまされるメッセージも…。
仮設住宅で年越し
こちらは熊本県内最大の仮設住宅「テクノ仮設団地」。熊本空港からすぐのところにあり、2016年12月5日現在で、503世帯1329人の方が暮らしています。
バスも通っているんですね!
益城町全体では、仮設住宅の入居数は1496戸。家屋の解体と瓦礫の処理に2年はかかる、という話もあり、仮設住宅での生活は長期化してしまいそうです。
9月には仮設商店街もオープン。イオンも出店していました。
報道されなくなったので、復興は進んでいると思ってた
毎日ニュースに触れる仕事をしていますが、ここ数ヶ月「熊本地震」の記事を目にすることがめっきりなくなったので、だいぶ片付いていろいろと進んでいるんだろうな、と勝手に思っていました。
でも、現実は違いました。正直ここまで瓦礫の山を目にするとは考えてもいませんでしたし、仮設に暮らす人の数も想像以上です。2日間行っただけで偉そうなことは言えませんが、これだけは言いたい。
「熊本地震からの復興はまだまだですよ」と。