「安倍辞めろ」で逮捕も 東京版治安維持法、都議会で委員会可決
官邸前デモが、権力監視の張り込み取材が、取り締まりの対象になる。逮捕、起訴され有罪となれば「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」だ―
戦前戦中の治安維持法を再現する東京都の条例案がきょう、都議会の警察・消防委員会で可決された。共産党を除く、全会派(自民、民進、都民ファ、公明)が賛成した。正式名称は「東京都迷惑防止条例の改正案」。
表向きは「ストーカーの規制強化」となっていて、安倍広報のマスコミもそっちで報道する。
だが実態は言論表現の自由をガチガチに縛る内容だ。キモは「つきまとい行為における『行為類型』の追加」である。東京都(警視庁)が追加したがっている類型は―
・監視していると告げること
「安倍首相が記者クラブや与党の政治家と今、赤坂の日本料理店で会食している」とツイートしようものなら、まさに これに かかる。
首相動静も対象になりかねない。事実、小池都知事は国会議員時代の2013年、秘密保護法に関する質問でこう述べている。“新聞各紙の「首相動静」は知る権利を越えている。見直すべきだ”。
・名誉を害する事項を告げること
安倍晋三が中学生以下の知的レベルしかないことを指摘したら、これに該当する。「安倍ヤメロー」もアウトだ。
・みだりにうろつくこと
抗議行動が目的で官邸前や安倍邸前に集まれば、これにあたる。
決定的に恐ろしいのは、被害者の告訴がなくても取り締まり可能なため、現場警察官の裁量で逮捕できることだ。
官邸前やアキバで安倍首相に向かって「お前が国難」と書いたプラカードを掲げたら、即お縄となる可能性が出てきた。
警察は予行演習を行ったフシがある。昨年10月の総選挙だった。安倍首相の演説があった秋葉原で、「森友疑惑・徹底究明を」と書いたプラカードを掲げていた男性(60代・世田谷)が、警察官に両脇を抱えられて、会場外に連れ出されたのである。
この男性がきょうの都議会を傍聴に訪れた。男性は条例案が可決されるや「ふざけるな」と言い捨てて退席した。
「警察と都議会は一体化して、市民の表現の自由、意思表明の自由を抑制する内容の法律を通そうとしている。市民の意見を無視して決めた」。男性は激しく憤った。
昨年10月、秋葉原でプラカードを掲げていただけで警察に強制排除されたことについて触れると、男性は「今度は逮捕される」と言って表情を引き締めた。
改正条例案がもたらす委縮効果は抜群だ。罰則も強化される。現行「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」→「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となる。
東京都版の治安維持法は29日に本会議で採決され、可決成立すれば、7月に施行される。
〜終わり~
=====================