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新しいシニアを目指して素敵に老いる。高齢社会というけれど、高齢者が何を考えているかわかりますか?老いる力と幸せを考える

人生の締めくくり方の学び その6

2020-05-19 08:58:00 | 高齢文化 高齢者の学び シニアライフ


10年以上前の話です。


亡くなる2年位前に、私の父親が私に一冊の大学ノートをくれました。


父は、その頃から体調を崩して、入退院を繰り返していました。


そのノートには、


親戚のこと、保険のこと、土地の境界線のこと、


父が亡くなったときに連絡をする人たちの名前、お墓のこと、


などなどが細かく書かれていました。


これは、今、流行のエンディングノートだったのです。



父の場合、「備忘録」というタイトルでしたが・・・。

 

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エンディングノートの目次や構成を読んだだけで、今までの自分の人生の未熟さが浮かび上がってきます。


同時に、まだ、死ねないなあ、という新たな気持ちも出てきます。


エンディングノートは、その人の過去、現在、そして、残された未来を考えるための


ずいぶん上等な方法だと思います。


ですから、死に至る準備としてのエンディングノートは、


「人生の締めくくり方の学び」の中の一コマに、積極的に取り入れるべき内容だと思います。


ただ、どう活用すればよいのかを考えると、難かしくて思わず考え込んでしまいます。


エンディングノートの雛形を見ると、ほぼ次のように書かれています。


思いやりを「カタチ」にするエンディングノート。


残された人たちが困らないように、「あなたの言葉」で「あなたの思い」を伝えましょう。



目次や構成は、次ぎのようになっています。

[新月]私のこと

[新月]自分史 

[新月]親戚・友人 ・知人リスト

[新月]ペットについて

[新月]私の財産について

[新月]保険 ・私的年金

[新月]介護 ・告知や延命治療 ・献体など

[新月]葬儀のこと

[新月]お墓のこと

[新月]携帯電話、会員サービスなど(解約をお願いしたいもの)

[新月]形見分け 遺品の整理(処分品リスト)

[新月]遺言書や依頼 相談先リスト

[新月]大切な人へのメッセージ


なるほどなあ、と思うポイントがほどんど入っています。


これを、自分で納得いくように考えながら書き込んでいくのは、結構なエネルギーと時間が必要です。


しかし、書き終えた時には、ある種の感動が待っているかも知れません。


このポイント(項目)を誠実に埋めていくだけで、全体として


『残された人たちが困らないようなノート』になっていると思います。


素晴らしいと思います。


しかし、これだけでは、何か足りないような気がしてしょうがありません。


多分、このエンディングノートだけでは、


自分が何を目指して、どう生き、何を考え、


今、死に至る段階で、何をどうしようとしているかという


『生き様』『ライフワーク』『自己の人生への自己評価』が載っていないからだと思います。


つまり、「人生の締めくくり方の学び」には、


一方に、エンディングノートに代表される重要な連絡という輪、


もう一方に死に至る段階でしか出てこない『人生観』『死生観』の振り返りという輪、


という両輪があって『学び』になるのだと思います。


だから、抽象的な言い方になってしまいますが、


その両輪の誠実な回転をどう促していくかが、


カリキュラムの大きな柱になるのだと思います。


ですから、当面の私の目標は


①「人生の締めくくり方の学び」の具体的なカリキュラムをつくること。


②それを、シニアと一緒に具体的に実践すること。


③プロセスや結果を、まだ見ぬみなさんに具体的に報告すること。


そのようになるのかな、と考えています。


しかし、難かしいですね。





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