人生の締めくくり方の学びは、
実は、
幼児期から始まる生涯学習として考えていくことが大事なんだろうと思うのです。
生涯学習に関しては、
小中高等学校教育の中でも「学校教育と生涯学習」という視点で考えられてきました。
また、「命の大切さ」ということで言えば、
就学時前から幼稚園や保育園でも指導されてきているのです。
高齢者になったから、急に、さあ、人生の締めくくり方を考えましょう、
ではだめなんじゃないかと思うのです。
例えば、義務教育で行われている、
体育嫌いをなくす、理科離れを防ぐ、算数のつまづきを解消するなどという実践は、
将来の生涯学習の基礎になるはずだ、という仮定も入っています。
また、どの園(幼稚園・保育園)でも行われている
「生きものを大事に」「命を大事に」という教えや、
小中高等学校の「命の大切さを実感させる教育プログラム」なども、
究極のところ、人生の締めくくり方の学びにつながっていくのだと思うのです。
人生の締めくくり方の学びは、高齢者になったから始まるのではなく、
小さい頃からずっと続いてきている「生」を、
自分のオリジナルな生き様プロセスの中で考えて行く。
そのことによって、より濃密な締めくくり方を考えられるようになる。
そう、思うのです。
日本の国では、いじめ・不登校が激増し、自殺者が増えるのと併行して
「いのちの教育」の必要性が、より強く叫ばれるようになりました。
また、老若男女合わせた自殺者の数が、交通事故死よりも多いという現実も、
「命」や「生きていくことの価値」を、もっと考えなければいけなのだ、という流れをつくってきました。
これから生の頂点に向かう命の教育(幼児期、若者層)と
すぐそこにある死を意識した命の教育(高齢期層)とが、
人生の後半期の大きなうねりとなって、
『人生の締めくくり方の学び』の重要な構成要素になっていくのだと思います。
そうすることによって、自分だけの狭い個人史ではなく、
社会の大きな流れの中に身を置いた個人史を再創造しながら、
かけがえのない
「自分のダイナミックな人生の締めくくり方の学び」
が成立していくのだと思います。
どの時代の、どこの、だれの人生にも、
ダイナミックで、独自で、貴重な物語が存在するのだと思います。