あたたかな春の空気が満ちるなか、県立高校各校で1日、卒業式が行われた。まだ続くコロナ禍のなか、各校では来賓を招かず、マスク着用、検温、手指消毒、会場換気など感染防止策を徹底。管内の日高、紀央館、南部の3校(分校、定時制含む)からは628人が青春あふれる3年間を過ごした学び舎を巣立ち、進学、就職などそれぞれの新しい道に向かって歩みはじめた。
日高 本校の卒業式は体育館で行い、普通科から196人、総合科学科から38人が卒業した。胸に花を飾った卒業生らは、拍手のなか晴れがましい表情で入場。担任教諭から一人ひとり名を呼び上げられた後、村岡宏起校長から、青木裕也君と湯峯光亮君が普通、総合科学の各科を代表して卒業証書を受け取った。
村岡校長は「これまでみなさんが尽くされた努力と研さんを心からたたえたい」と式辞。「高校生活での一つひとつの体験がみなさんの成長に繋がり、これからの人生をたくましく生き抜くための糧となる。卒業後、困難な場面に遭遇しても、これまでの経験を活かして創造的発想によって、前例にとらわれずに乗り越えて行ってほしい」と卒業生を激励し、アップル社の創業者スティーブ・ジョブズ氏の「点と点が将来どこかでつながると信じよ」との言葉を贈った。
生徒会長の中村光希君は、卒業生ともに過ごした日々を振り返り、送辞。「先輩方が引き継いでこられた日高高校の伝統を引き継ぎ、前進していきます。今までたくさんのことを教えて下さってありがとうございました」と続けた。
卒業生を代表して、橋本昴君は答辞。「コロナは私達からたくさんのものを奪った」とこの1年の制限された高校生活を嘆きつつも「何気ない日常の幸せを初めて知った。さまざまな人に支えられた」と深く感謝。「コロナ禍も前向きに捉え、これからも日々成長していきます」と誓った。
紀央館 新型コロナ対策で卒業生、保護者(人数制限)、教員が出席、時間短縮で行われた。
体育館で挙行し、保護者や教員の拍手に迎えられ卒業生192人(普通科157・工業技術科35)が入場。国歌や校歌を静聴した後、久原享校長が代表生徒に卒業証書を授与した。
久原校長は式辞で「三年間の高校生活で身につけた知識や忍耐力を生かして、解決法を見つけるとともに、新たな価値を創造していってください」と述べ、新たな一歩を踏み出す卒業生へ(1)温かい思いやりの心を大切にし、感謝の気持ちを忘れないで(2)生まれ育った故郷を大切に(3)コミュニケーションを大切に-の3つの願いをはなむけに贈った。
卒業生の塩谷拓哉君(工業技術科)が在校生へ記念品(製氷器)の目録を校長に贈呈。続いて代表の藤原風輔君(普通科)が登壇し3年間の高校生活や部活動の思い出、両親や恩師への謝辞、コロナ禍で大変だった一年を振り返り「私達はコロナを乗り越えた世代です。胸を張ってそれぞれの道を歩んでいきましょう。三年間で深めた絆を大切にし、ずっと皆とつながっていたい。令和という新しい時代とともに、私達が新しい未来を切り開いていきましょう」と呼びかけ「三年間で学んだことを深く胸に刻み、紀央館高校の卒業生としての誇りを持って、社会でも活躍することを誓います」と力強く述べた。
南部 体育館で行い、普通科94人、食と農園科67人の計161人が学び舎を後にした。
新型コロナウイルス感染拡大防止へ在校生の参加は取り止め(代表生徒1人出席)、式典時間を短縮した。
式では普通科、食と農園科の各代表生徒が神藤恭光校長から卒業証書を受けた。神藤校長は式辞で卒業生の3年間の努力をたたえるとともに良き社会人となることを願って〝高い志を持って主体的に行動し社会に貢献する努力をする〟〝互いに尊重し合う人間になる〟〝何事にも前に踏み出す勇気を持つ〟の3つのヒントを送った。その上で「辛いことがあってもくじけず負けず、ピンチはチャンスと何事もプラス思考で取り組むことが大切。一度しかない人生。夢と希望を語り、努力を惜しまず自分がこれだと思うことには周りに流されず、迷わず挑戦してほしい。今後の人生を精いっぱい歩むことを願う」とエールを送った。在校生代表で小山潤成君が送辞を述べ、卒業生を代表して野見山あかりさんが答辞で「私たちはそれぞれの道に進むことになるが、多くの人々への感謝の気持ちを忘れず、人との出会いやつながりを大切にしながら困難を乗り越えていこう。明日から制服で校門をくぐることはなく、できることならこのままここでいたい。素敵な先生や仲間たちと出会えたおかげで〝南部高校に来てよかった〟と心から思う。その思いを胸に前に進んでいきたい」と語った。
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