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画家、宮本秀信さん(日高町小浦出身)絵画寄贈 感謝込め故郷に自作の7点 〈2021年3月11日〉

2021年03月11日 08時30分00秒 | 記事


日高町中央公民館に設置した大作


 令和2年度日高町文化賞に選ばれた小浦出身の画家、宮本秀信さん(75)=東京都=が、受賞を機に故郷の人々へ感謝の気持ちを込めて、自作の絵画7点を寄贈した。50年余りに及び「人間のいる絵」「生活のある絵」の理想を追い求めて描き続けてきた宮本さんは「今ある活動の起点は故郷の自然美。少しでも見てもらうことで、故郷とのつながりを持っていたい」と話した。

 宮本さんは日高高校、武蔵野美術大学卒業。森芳雄氏、麻生三郎氏という戦後の洋画界を代表する画家の薫陶を得て基礎を築いた。絵画教室で生計を立てながら、ひたむきに絵に向かい、時にはスランプに陥りながらも、麻生氏の言葉「人間のいる絵」「生活のある絵」を自己の理想として追求した。
 個展を開いたり、第12回新作家展で協会賞受賞、日韓美術交流展2006京都出品など功績を残し、2017年には初画集を出版。古希を過ぎても変わらずに、希望と絶望の中で生きる人間の営みや、安らぎをもたらす自然へのつきぬ思いを描き続けている。
 約50年間の活動、功績が認められ、昨年、町文化賞を受賞。この機会に感謝の気持ちを届けられないかと、12月23日に現地を訪れて絵画を設置できる場所からイメージして画集の中から油絵7点を選んだ。今月6日に「子供の情景」(縦90・9センチ、横116・7センチ)は役場1階ロビー入り口付近、「母と子」(縦100センチ、横80・3センチ)は農村環境改善センター事務所横、「花の空」(116・7センチ、横116・7センチ)は町中央公民館1階ロビー、「カタストロフィ」(縦162・1センチ、横227・3センチ)は同館2階に続く階段横壁、「無何有の郷」(同)は日高中2階から3階に続く階段横壁、「白い室内」(縦116・7センチ、横116・7センチ)と「少女とすいか」(縦72・7センチ、横90・9センチ)は同校長室に設置した。
 9日に従兄弟の井口健さん(66)=日高川町玄子=が設置場所の確認で日高町を訪れ「まさかここまでの画家になるとは思っておらず、親戚としても誇り」と感無量。新型コロナウイルス感染拡大のため来町できなかったが、宮本さんは「故郷の海や山など自然と東京のエネルギーが合わさった感覚が、今の自身の画風に出ている。私の絵を見て、子ども達が将来描きたいと思ったり、成長していく中で自分が住む日高町を大事に思ってもらえたら。地元の方々が目に止めて興味をもってもらえたらうれしい。新型コロナウイルス感染の状況によりますが、4月末ごろにまた来町したい」と話した。


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