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御坊市認知症基本計画策定 〈2021年3月7日〉

2021年03月08日 08時30分00秒 | 記事


全国市町村に先駆けて総活躍希望大使任命


 全国で初めて認知症当事者の視点に立った「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を制定、施行している御坊市が、新たに認知症施策推進基本計画を策定。「認知症、認知症の人への先入観の払拭」を最大のテーマに据え、認知症当事者の視点に立った各種施策、市民への分かりやすい情報発信等を進め、地域協働による「よりよい暮らし」の実現、日常生活でのさまざまなバリア解消等などに取り組み、誰もが活躍できる「総活躍のまち」をめざす。

 国会で継続審議中の認知症基本法案に、市町村の努力目標として認知症施策推進計画策定が盛り込まれたことから、全国トップランナーの御坊市として「法案の成立を待つのではなく、全国に先駆けて計画をつくろう」と、医師や介護事業所、認知症本人らで構成する認知症施策推進協議体会議で条例を具現化するための計画案をまとめ、近く策定する。計画期間は3年間で3年ごとに更新。
 7つの指針として(1)認知症、認知症の人への先入観の払拭(2)認知症の人を起点とした地域協働による「よりよい暮らし」の実現(3)認知症の人にとっての暮らしやすさの向上(さまざまなバリアの解消)(4)地域ぐるみの暮らしの支え合いの質の確保と向上(5)アクションプラン実施のためのフォーメーションづくり(6)市民に分かりやすい情報発信(7)柔軟な評価と実践-を掲げている。
 このうち、最大のテーマに掲げたのは「認知症、認知症の人への先入観の払拭」。全国市町村に先駆けて任命した「あがらの総活躍希望大使」の山際裕三さん(81)=薗=、塩路京さん(94)=藤田町吉田=が特技や趣味を生かし、いきいきと暮らしている姿を発信し、正しい理解の普及に努め、地域に元気や希望を届ける。
 このほか、認知症の人自身が持つ先入観の払拭▽ごぼう総活躍のまち講座の開催▽認知症の人が気づいたことを言える環境づくり▽認知症の人の日常的な声に耳を傾け、施策に生かすための取り組みを進める。
 バリア解消に向けては周囲の人が日常の暮らしでできる「ちょいサポ」(ちょっとしたサポート)のアイデア収集と発信のほか、認知症の人の視点でバリアを知り、環境改善等につなげていく取り組みや認知症の人が安心して外出できる方策を検討する。
 市民に分かりやすい情報発信では「ごぼう総活躍のまち講座」のオンライン化、広報やホームページ・SNSを活用した本人の活躍や活動を写真や動画等で発信する。


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