関西シリーズ戦(写真)開幕戦を日高川河川敷で
御坊市は、野口橋~野口新橋間の日高川右岸河川敷(低水護岸、約3・2ヘクタール)の利活用に向けた社会実験事業の民間実施事業者に一般社団法人「京都車連」=熊本彰廣代表、京都府=を選定した。京都車連は、不整地コースを競走する自転車競技「シクロクロス」の関西シリーズ戦(年間10レース)を長年実施しており、全国から1戦あたり平均600人参加。その2022~23シリーズ戦の開幕第1戦(10月23日予定)を社会実験事業として河川敷で実施する。県内では過去に紀ノ川筋で行われたことがある。
県が実施した樹木伐採事業で、きれいに整地された河川敷環境を維持し、魅力ある空間づくりをめざそうと、昨年10月に県、日高振興局、市、藤井区、出島区、日高川漁協、御坊商工会議所、市観光協会で協議会をつくり、今年2月に国の「かわまちづくり」支援制度を活用した整備計画をまとめた。多目的、アウトドア、駐車場、親水の4ゾーンに分け、アウトドアゾーンは民間が事業主体となり整備する方針。
当初は年内に国制度への登録申請を行う予定だったが、整備に参入する民間事業者が現れるか未知数だったため、国の助言を受け、社会実験事業を行った上で計画実現の可能性を検証することにした。社会実験の事業主体となる民間事業者は7月から8月にかけて公募。応募は京都車連のみで、8月下旬に提案内容のヒアリングを行い、特に問題がないことから事業者に選定した。
シクロクロスは、自転車で不整地コースを競走する競技。陸上競技のクロスカントリーのようなもの。未就学児から60歳以上の壮年まで実力や年齢で細かくクラス分けし、競技レベルに応じた競技を楽しめる。京都車連は、年間10レース実施する関西シクロクロスシリーズ戦を運営し、今年で28年目。1戦あたりの平均参加者は600人。関西一円のほか東海、北陸、中国、四国からも参加。女性は1割程度、小学生は80人程度参加し、家族単位の参加が多いのも特徴。
その関西シクロクロスシリーズ戦2022~23シーズンの開幕第1戦を社会実験事業として日高川河川敷で実施。藤井多目的グラウンドから旧野口橋付近にかけて最大2・5キロのコースを設け、キッズ、ショート、ミドル、ロングのレースを予定。コースの幅員は3~5メートル、現状の不整地をそのままコースとして利用。運営費は参加費を充てている。飲食・物販ブースもあり、帯同する店舗以外に地元の出店(地元は出店料無料)も歓迎。
全国から約600人が訪れるため、宿泊、野口オートキャンプ場など観光面での連携、地元の魅力発信などが期待できる。市都市建設課は「一過性の利用ではあるが、実際ににぎわいを創出した際の人や車の流れなど問題点、課題を抽出できる。利用者へのアンケート調査も行ってもらうので利活用の参考にしたい」としている。社会実験の結果を検証し、計画実現のメドが立てば令和5年度に国へ登録申請する予定。
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