白崎海岸の画像をバックに仮想空間で買い物ができる(写真:左)
道成寺の絵解き説法も現地を訪れたような疑似体験(写真:右)
2019年から県内10数社の異業種事業者が参画し、県産品の販路拡大などに取り組むプロジェクト「OTERA MAE ANCHIN」は2月、IOT技術を活用してマレーシアの首都クアラルンプールを結び、VR(ヴァーチャルリアリティ)で県産品を販売する。VRを活用した海外に向けた販売システムは国内初の試みで、和歌山の魅力や県産品を海外に販売PRしていく。
同プロジェクトは、国の共同協業販路拡大支援事業として4年前にスタート。日高川町鐘巻、道成寺山門前「レストランあんちん」1階にマーケティング拠点「OTERA MAE ANCHIN」を置いて県の観光や産品の販路拡大につなげる取り組みを3期にわたって続けている。
第1、第2期には統一ブランド設立などで、異業種が一体となって販路拡大に務め、昨年の第3期では、コロナ禍を踏まえてVRで東京と和歌山を繋ぎ、現地を訪れなくてもその魅力に触れてもらえるシステムを実現。仮想空間には、高野山や道成寺、三段壁などが映し出される紀北、中、南に分かれたブースの中に19の事業者が店舗を構え、釣鐘まんじゅうなどの和菓子や梅干し、梅酒、みそなど県産品を来店した感覚で購入できるようにした。
このVRショッピングをさらに活用して海外に挑戦しようと、昨年7月から第4期プロジェクトを始動させた。ターゲットをマレーシアに絞り、2月23日から3日間、首都クアラルンプールにあるショッピングモールでVR物産展を開き、26日からは現地の高級スーパーで実際の物産展も行って県産品を販売。仮想空間には道成寺や白崎海岸などの画像が映し出されて日高地方を訪れる疑似体験で魅力を伝えている。
同プロジェクト代表の石倉大裕さんは「どこもやったことがない画期的な取り組み。どのような県産品が売れるかどうか分からないが、海外をターゲットに広げて、和歌山の魅力と県産品を売り込みたい。参加する業者みんなで力をつけて、将来的にはさらに中国や米国、欧州などにも広げたい」と話した。
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