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美浜町「常徳寺」本堂改修と庫裏の新築工事完了 〈2024年9月6日〉

2024年09月06日 08時30分00秒 | 記事


真新しい姿で蘇った常徳寺(左が本堂、右が庫裏)


 美浜町和田、浄土真宗本願寺派「常徳寺」の本堂改修と庫裏の新築工事が、完了した。築150年を経過した本堂、戦前まで境内にあった日高地方初の中等学校「常磐義塾」の校舎を取り込んだ庫裏とも老朽化が著しく課題となっていたが、総代らの熱意と努力によって真新しい姿で蘇った。門信徒らにとって寺の再興は念願だっただけに安堵と喜びもひとしお。23日午後1時30分から落慶法要を行い、修復完了と再興を祝う。

 寺は約350年前の江戸時代中期に「念仏の道場」として建立。築150年の本堂は、長年の風雨で屋根瓦や木材の損傷などが全体に及び、壁が崩れ落ちたり雨漏りもするなど法座活動に支障をきたしていた。庫裏・書院は、先々代住職・湯川浄暢氏が明治41年に創設し多くの学びの子どもたちで栄えた「常磐義塾」の校舎を利用しており、傷みが深刻化。機能を果たせない事態に陥り、これらの修復は課題になっていた。
 2020年6月、住職・暢夫氏が死去。寺の整備に取り組むことが暢夫氏の願いに応えると考え、寺の再興を進めることを決定。塩崎治さん、出口和幸さん、志賀由紀緒さんの3人の総代と、住職代務となった入山・三宝寺住職の湯川逸紀さんが中心となって寺の立て直しを図ってきた。
 まず境内に生い茂っていた木々を伐採し21年夏から土塀を一新。本堂の改修は一昨年12月から行い昨年8月に完成。庫裏は取り壊し工事のあと、新築工事に取り掛かりこのほど完了。
 163平方メートルある本堂は柱や梁、天井などの骨組みは以前のままで歴史ある姿を残しながら老朽したところを一新。屋根の葺き替えを行い、屋根瓦や野路板などすべて取り替えたほか、室内も床や壁、畳を張り替えるなど修復。入口となる縁側は畳から床にリニューアルした。庫裏は木造平屋で150平方メートルで新築。入口はバリアフリー化し、高齢者や車椅子利用者らが庫裏を通じて本堂まで階段を使うことなく行くことが可能に。山門の屋根瓦も取り替え、木々を伐採したことで駐車場も完備した。寺は真新しい姿に生まれ変わり再興を遂げた。
 設計は(有)北田設計=美浜町和田=、施工は(株)西峰工務店=白浜町=。
 23日の落慶法要では、湯川住職代務が導師、常徳寺と関係が深い明鏡寺、常福寺、光徳寺、光明寺の各住職を招いて法要と慶祝行事を行い、アトラクションとして津軽三味線「龍翔天舞」の演奏会を開催する。
 住職代務の湯川さん、総代の出口さんは「門信徒らの皆さんが、気持ちよくお勤めできる寺になりました。うれしい限りです。門信徒一同、“こころのふるさと”として皆さんに愛され、親しまれる寺であり続けるよう努めていきたい」と話している。


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