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「熊野古道 紀伊路」官民連携協定締結 〈2025年1月12日〉

2025年01月12日 08時30分00秒 | 記事


協定を締結した管内7市町長ら関係者
(前列中央が今村代表取締役)


 管内7市町と日高広域観光振興協議会は10日、紀伊路から中辺路に続く熊野参詣道を15日間で完歩する「熊野街道事業」に取り組んでいる(株)ユニスト・ホールディングスと「熊野古道紀伊路を通じた地域振興に関する連携協定」を締結した。同事業グランドデザインの一角を占める「紀伊路SCAPEプロジェクト」における日高地方での地元産品を活用した食事や土産品の開発、空き家を活用した宿泊施設の確保などに取り組み、地域活性化の起爆剤として国内外からの誘客促進をめざす。
 紀伊路は熊野詣の参詣道の一つで、畿内と熊野を結ぶメインルートを担ってきた。日高地方には紀伊路最大の難所「鹿ヶ瀬峠」をはじめ、国史跡に指定されている道成寺や塩屋王子、愛徳山王子跡参詣道、切目王子があり、太平洋の絶景を望める斑鳩王子、千里の浜など見どころはたくさんあるが、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定されていないため、知名度が低く、中辺路や大辺路に比べて訪れる観光客は少ないのが現状。
 県教委が紀中、紀北への世界遺産指定範囲拡大に取り組んでいる中、紀伊路の価値を高め、将来に渡り誇れる財産とするとともに多くの観光客らが訪れる魅力的な観光資源にしようと、管内7市町と日高広域観光振興協議会が、紀伊路の歴史的・文化的な価値を活かした新たな観光商品の提案や開発に取り組んでいる(株)ユニスト・ホールディングスと連携、協力する。
 紀伊路SCAPEプロジェクトは大阪市内をスタートし、9泊目の田辺市内まで8泊分の宿を用意し、歴史や文化にふれる紀伊路を旅してもらうもので、日高地方は6、7、8泊目のエリアあたる。
 今後、官民連携で地元産品を活用した食事メニューや土産品の開発(宿泊場所での宿飯、出発時の弁当、疲れを癒やす甘味物、特産品を使用した土産品など)、空き家を活用した宿泊施設の確保(日高、切目、岩代を中心に古民家をリノベーションした古民家宿の提供)をはじめ紀伊路の整備、地域でのイベントPRに取り組む。今年度までに基礎調査を終え、2025年度から28年度にかけて商品開発、27年度から商品販売を始める計画。
 調印式は10日に日高振興局で行い、管内7市町長と金崎昭仁・日高広域観光振興協議会長、今村亙忠・(株)ユニスト・ホールディングス代表取締役が協定書に署名捺印。今村代表取締役は「地方が誇れる未来をつくるため、2030年、熊野街道に30億円商圏をつくっていきたい。地方に経済を運ぶきっかけとなる事業をどんどん生み出していきたい。紀伊路SCAPEプロジェクトのファーストモデルを日高地方から進めることは大きな意義がある」と意気込みを話した。
 三浦源吾御坊市長は「日高地方に人を呼び込む絶好のチャンス。地域活性化の起爆剤となるよう大いに期待している。実現を目指し、我々も最大限協力したい」と話したほか、各町長らも「地域のさらなる発展、活性化につながるよう期待している」「今後の取り組み、展開にワクワクしている。成功させるため、一緒に頑張りたい」とエールを送り、今村代表取締役は「歓迎していただき、うれしい。コロナ禍で取り組みを中断したが、耐えて頑張ってきて良かった。和歌山のために頑張る第一歩としたい」と応えた。


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