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日高川河川敷整備 今秋着工、10年度中供用開始 〈2025年1月22日〉

2025年01月22日 08時30分00秒 | 記事


アウトドア、親水利用ゾーンのイメージ(野口新橋から下流)


 県、御坊市、藤井区、出島区、日高川漁協、御坊商工会議所、市観光協会で構成する「日高川かわまちづくり協議会」は20日に市役所で開き、野口橋~野口新橋下流の日高川右岸河川敷(低水護岸、約5ヘクタール)を利活用する日高川かわまちづくり整備事業の基本計画を承認した。早ければ今年10月に着工し、令和10年度中の供用開始をめざす。年間利用者4000人を目標に、にぎわい創出を図る。
 対象エリアの河川敷は草木で生い茂っていたが、県が令和2年度に樹木伐採事業を行い、きれいに整地された。河川敷環境を維持し、魅力ある空間づくりをめざそうと3年10月に同協議会を設置し、国の制度を活用した「かわまちづくり計画」の登録に向けて取り組みを進め、5年8月に国交省から新規登録された。
 野口新橋上流に駐車場を整備し、そこから上流を多目的利用ゾーン、下流をアウトドアゾーンや親水ゾーンと位置づける。県が高水護岸や階段護岸、親水護岸、河川管理用通路、河川内整地など、市が多目的広場や駐車場、園路、インフラ(水道、電気、トイレ)などを整備。アウトドアゾーンの整備エリアは当初計画より下流側に拡張する。
 県が5年8月から基本計画策定業務((株)建設技術研究所和歌山事務所、1204万3790円)を行い、有識者との意見交換や担当者レベルでの検討を進め、この日の協議会に最終案を提示し、承認を得た。今後、詳細設計業務(テクノ富貴(株)、994万9475円)に入り、早ければ今年10月に着工。工事は(1)護岸(2)駐車場(3)園路(4)アウトドアゾーン(5)トイレなどインフラの順に進め、令和10年度中に完了、同年度中の供用開始を目指す。
 護岸整備は環境配慮型の低水護岸、自然石を利用した高水護岸や階段護岸を整備し、高水護岸には張芝も行う。野口新橋下流の中洲はワンド(鳥類や昆虫類にとって良好な環境)を保全しつつ、防災治水面で堆積土砂も掘削する。親水エリアにはスロープ、緩勾配階段護岸を整備し、同護岸前面は捨石工で水深の浅い箇所を設けてカヌーやサップなど水上スポーツを楽しめるように工夫する。
 整備エリア全体を周遊できる園路(幅2メートル)を整備するほか、トイレは循環式で移動できる最新型を設置予定。排水処理や汲み取り不要、太陽光パネルと蓄電池完備で2~3台の設置を考えているが、1台3000万円するため、今後の普及、値下がりを期待。
 概算事業費は県が5億円程度、市が1億円程度を想定しているが、詳細設計で増減がある。整備にあたっては国の交付金や補助金を活用する。
 整備後の維持管理は市が行い、野口オートキャンプ場など既存施設と連携し、令和4年から継続開催中の自転車競技「シクロクロス」や季節ごとのイベントを定期的、継続的に行いながら年間利用者4000人を目標に、にぎわい創出、地域活性化を図る。市都市建設課は「将来的には企業、団体等に指定管理してもらえる魅力ある親水空間にしたい」としている。


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