ソニー・デジタルエンタテインメントの携帯サイト『まんちゅ』『全力書店』『ヒトコト』などで
連載中のコミック『Lolly Lolly』、
キャラクター紹介第8弾目です。
『魔王青鬼(せいき)』
若き魔王。音の世界をつかさどる悪魔。
(だけど今回はローリィが一応主役なのでその辺関係ないですね)
分身ともいえる子鬼のてぴぃと水晶の山奥でひっそりと世を避けて暮らしています。
まだ魔王になって1000年のピチピチなので、修行とかしているんだと思います。
彼はここ1000年、心から笑ったことがおそらくないでしょう。
無垢な愛情を思い切り注いでくれる、てぴぃがいるから、彼女と一緒になら微笑んだり怒ったりできて、
何とか先に進めるのだと思います。
青鬼がまだセーキ青年だった時、もし彼が天使サフランと戦わなければ、
大切なデヴィは恋に酔いしれる中でサフランに殺されてしまっていたわけですし、
自分のデヴィを守るための捨て身の攻撃を、まさか彼女が身をもって受けとめるとは思いもしなかった。
どう転んでも何度思い返してもどうしようもない状況が起こる時、
運命という名の世界と自己が引き裂かれてしまい、血と涙で生きざるを得なくなる、
その時、セーキの心はデヴィと共に死んでしまい、地獄の魔王青鬼がてぴぃと共に世に現われました。
1000年の時を得て、デヴィの妹ローリィが姉と同じ道を行こうとしているのに偶然立ち会ってしまうことは、
青鬼にとっては大変な皮肉というか何と言うかで、クールな顔に隠れた内心は複雑な思いが取り巻いていることでしょう。
ローリィは魔王嫌いなので、どんな魔王も関心ゼロですが、青鬼はローリィが誰なのか一目でわかったと思います。
姉もロクに魔術を使えない困った部分を持った少女だったけど、妹は妹で本当しょうもないとも思いつつ、
顔に出さずとも、似てない姉妹でもかつてのデヴィを重ね合わせて何とかしてあげたい思いは一杯でしょう。
姉デヴィの美化された輝かしい光の部分のみに浮かれて憧れるローリィと、
デヴィの血と苦悩を、その爪の記憶に残している青鬼が出合ってしまったさてその先は…
******
青鬼が魔王になったいきさつは大変辛い事件もきっかけになっていますが、
変態大魔王もそうですが、悲惨な出来事をきっかけに魔王の力に目覚める悪魔も少なくはないようです。
順調にエリートコースまっしぐらタイプもいますが、
長い長い悪魔の時間、結局はどこかで彼なり彼女なりの壁にぶつかったりはします。
ローリィやバルバットは、前の世代(前の物語)よりも苦悩や犠牲をより少なく、
同じ物やそれ以上のものを幸せに得てもらいたい、
そんな個人的な願いが(多分デヴィや青鬼たちの願いも)あって、今回『デヴィラヴ』続編の『ローリィ』を描いています。
青鬼は元々別のアニメの企画で作ったキャラクターで、そっちの方がワイルドでした。
『デヴィラヴ』では、女の子向けなのと私の画力も多少は上がったのもあって、よりイケメンになりました。
アジアンクールっぽいからか、読んでくれた方々からのご支持も多くて有難かったのですが、
作者としては全く予期していなくて、ライバルサフランと五分五分のバランスで行こうと思っていましたので、
デヴィがサフランと結ばれ、セーキの涙で終わるラストでがっかりなさった方も私の予想よりずっと多かったのです。
こういう時は読者の失望を感じて作者も大変辛いのです。
だけど私はこうも思っていました。
セーキは彼の担う大きな役割があって、悲惨すらも受け入れられる度量の大きさを持っているからこそ、
誰もが背負いたくも無いような運命とだって生きられる、
幸せ対不幸の概念を超えた、壮絶な凄さを持った偉大な悪魔なのだ、
たとえデヴィとセーキが結ばれなくて、魔王になった今の青鬼ですらそう思うことができなかったとしても、
デヴィとセーキは、生と死や、殺し殺される関係、次元の違い、そんなものすら超えた、
恋愛なんか目じゃない、もっと大きな絆で結ばれている、
もしかしたらデヴィとサフランの関係よりも深いのかもしれない、時空と次元を超えたスーパースーパーカップル!
こんな気持ちもあったのです。
設定の一つで彼は青い肌をしていますが、
自分脳内設定では、青鬼の肌色は地獄では非常に美しくて好まれるタイプという裏設定が当初からありました。
これはインドの宗教画でクリシュナやシヴァが青い肌で描かれていることに大変不思議を感じ、
インドには肌の美しさを表わす言葉に「青」が使われるというような話を聞いて、
つまり美少年のクリシュナを青く描くことで、それを表現しているのでしょうけど、
異文化の予想もつかない美的表現と絵画表現に大きな違和感&面白さを感したことから頂いたアイデアです。
その時の私の美体験が、言葉で説明はされなくとも青鬼という悪魔の持つ美しさを背景として支えています。
青い肌を塗る時に、「これは地獄では大変美しいとされる肌」と、自分は今でも心に美を持ち彼を仕上げています。
青鬼のように大変若くして魔王になった、しかもクールなルックスなのですから、
バルバットが将来の夢を投影して憧れているのも無理はありません。
青鬼の方は、自分は魔王になりたてのヒヨコみたいな感覚でいると思います。
それが何時になるかは判りませんが、彼はデヴィと自分とに起こった運命の悲惨を受け入れ、
いつか心から笑うでしょう。
そして魔王としてもいよいよ花開き、大きな活躍をしていく事と思います。
姉デヴィを真似た恋の夢を観るローリィ同様、青鬼も今はまだデヴィという名の過去の夢を観ているのかもしれません。
画像は『Lolly Lolly』魔王青鬼。(C)ソニー・デジタルエンタテインメント
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なるほど、そんなバックがあったんですか?
スパンが長いですね~。
作品に賭ける気迫や一枚一枚のイメージの強さがなんとなく判ってきたような、、。
まだまだ止められないし、どこまで飛んでいける方か見させて(応援させて)もらっていす。
画像は『Lolly Lolly』魔王青鬼:
うちも外も青一色ですね、秋のバッカパレの青とは違うあおたち(注いだ美)がPCのTFTからでも伝わります。
勿論、私も嬉しいです。今回はセーキに幸せになって欲しいと思いつつ、でもあの哀愁に満ちた横顔がたまらんのですよねえ。
ところで、ローリィの髪は何だか生クリームみたいで美味しそうです。
応援ありがとうございます。
ファンタジーとはいえ、文にすると仰々しい話だけど、
結構楽しい気持ちで描いています。
この青はピカソの「青の時代」とかからイメージした青かもしれません。
自分でも今回絵をアップして「全て青だなぁ」と思いました。
水底のような深く静かで美しい悲しみの色なのかも。
バカッパレの青も大好きです。最近そんな空が続きますね。
青は見上げる空の色ほど多彩です。
〒ミミさんへ
コメントありがとうございます。
そうですね。私も幸せになって欲しいですが、
セーキは賢いと思うので、運命にも負けず、自分の力で必ず幸せになれると信じています。
スポンジにバラの砂糖づけを散らしたホイップクリームケーキでしょうか。
テピイのえも涙の粒?があおですね。
泣きながらなんかうったえていたシーンだったんでしょうか?
最終表現メデアとオリジナルのもどかしさなんか沢山あるのでしょうね。
これは離れた場所から千里眼で主役のローリィの危機を察知してしまい、
青鬼に助けを求めて泣いているシーンなんです。
今はまだ携帯メディアでしか見ることができないので、
パケット使い放題にでもしていないと、
読むことができない限界もあるし、
携帯は画面は綺麗ですが、とにかく小さいので絵や表情がわかりにくい点もあります。
画面が小さくても文字の大きさがある程度は欲しいし、
色々な制約の中で本人なりには工夫を繰り返しています、
デジタルなので、将来電子書籍などでも流せるチャンスがあることを願い、
携帯サイズだけではなく、原寸サイズでも見劣りしないレベルの画像は目指して描いています。
大きく綺麗で、小さくてもわかりやすい、
そういう画面作りは結構難しいです。