前回の記事では主にネットで読んだ内容を書きましたが、そもそも国語辞典では『卵』と『玉子』はどう扱われているのでしょう?例えば手持ちの辞書を引いてみると、【卵・玉子】が同時に書いてあって、意味は
(1)食用にする、鳥や魚、特に鶏のたまご。けいらん。
とあります。う〜ん。用例を見ても『卵』と『玉子』を使い分ける基準がわかりません。それにタマゴ全体=食用に意味が限定されてますし。ならば食用以外のタマゴはひょっとしてランと呼ぶのか?と同じ辞書で卵の音読みであるランを引いてみると
(1)雌性の配偶子。特に精子に対応する生殖細胞(卵細胞)およびその付属物の総体。
と、生物学の学術用語としての『卵』の説明がなされていました。う〜ん。
次に別の国語辞書でタマゴを引いてみると
(1)鳥・魚・昆虫などの雌の生殖細胞。
(2)鶏の卵。鶏卵。
(3)まだ一人前にならない修行中の人。
と記載されていますが、漢字表記は『卵』のみで『玉子』についての説明は一切ありません。ちなみにこの辞書でランを引くと
(1)たまご。虫・魚・鳥などのめすの生殖細胞で外側は殻に包まれた丸いもの。
(2)特に、鳥のたまご。
となっています。他の辞書も引いてみて、タマゴは「殻または膜に包まれた生殖細胞」を指す言葉であり、「鳥、殊に鶏の生殖細胞」を指す言葉でもある、という傾向は見えてきましたが、『卵』と『玉子』の使い分けはこうだ!という記述はありませんでした。というより、そもそも『玉子』についての説明がありませんでした。
手元にある限られた数の辞書を引いただけなので保証はできませんが、とりあえずの自分の中での締めというか要点整理。
「国語辞典を引いても卵と玉子の違いは載っていない。」
辞書などでドンピシャの記載を見つけられた方、ぜひご教示下さい。
参考:新村出編「広辞苑」第4版 1955.5.25 株式会社岩波書店刊
松村明・山口明穂・和田利政編「国語辞典」改訂新版 1965.2.10 株式会社旺文社刊
西尾実・岩渕悦太郎・水谷静夫編「岩波国語辞典」第4版 1963.4.10 株式会社岩波書店刊
甲斐睦朗監修「小学新国語辞典」改訂版 2002.1.10 光村教育図書株式会社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます