暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

穴を掘る

2022年06月20日 | 古民家
 訳も無く、公園の砂場に行くと、穴を掘る・・・
アツアツの砂浜に駆け出すと・・・波打ち際で穴を掘る・・・
石や地層に詳しい人は・・・断層や、素人が見ても解らない土や石を見ると・・・
その場所を掘り進めたくなるように・・・
何かの歴史か・・・本能か・・・?
探し物を求めて・・・幼い頃から大人まで、人はいろんな場所を掘って来ました・・・。

竪穴式住居の前は・・・洞穴・・・?
命を守る為に・・・雨風をしのげる穴を見つけて暮らして・・・
少し器用になると・・・藁や木を使って住まいを造り、穴を掘って煮炊きや貯蔵・・・
意味ある行動をするようになって・・・住まいのカタチも、ずいぶんと洒落た造りになり・・・
食べるモノ・・・着るモノが流行るようになれば、人の暮らしは隆起したように盛り上がって行きました・・・。

古民家は・・・気候風土に合わせて、開放的で日差しを調整する暮らし方・・・
伝統工法の、力を受け流す造りに・・・定期的な修繕が地域のみんなで出来る造り・・・
持続可能で、地産地消に適した住いでしたが・・・
流行りモノに引っ張られ・・・軽はずみな暮らしに奪われ・・・
後戻りの難しいカタチに・・・どこの誰でも無い、自分達で文化を変えてしまいました・・・。
興味ある文化を掘り起こして来たのは・・・絶えず新しいモノを探す探求心・・・
良いモノを作り続ける行動力・・・。
穴があったら入りたいのでは無く・・・穴があれば、覗いてみたいのは、子供の記憶に残っている避けようの無い力で・・・
心変わりしない力が・・・残すべきカタチを造ってほしいと思います。

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種まき

2022年06月19日 | 古民家
 人差し指で開けた穴に・・・小さな種を蒔いて見て・・・
毎日覗いて見るけれど・・・退屈なくらい何も無くて・・・
呆れるくらい我慢していると・・・いつの間にか細くて小さな緑が見えて来る・・・。

じれったいほど、毎日の繰り返しで・・・このまま永遠に時が進まないのかも・・・
そう思っていると・・・
カチリ・・と、進みだした時間はとても早くて・・・
気が付けば・・・大きな花は旬を過ぎて・・・子供は大きく巣立って行く・・・。

後悔や思い違い・・・後で思い返せば、の・・・同じ繰り返しは誰もが経験して・・・
早く気付くか、諭す仲間がいるか・・・
元通りにはならなくても・・・この先に繋ぐ事は出来るはずで・・・
何てことの無い暮らしに残されて来た文化は・・・変わらないモノもあれば、変化して繋がる良さもあって・・・
無くなってしまっても・・・どこかでまたその良さを思い返す時が来るかもしれない・・・。
まんべんなく、すべて良しはありえないけれど・・・思いの外、失うまでの時間は早く儚くて・・・
どこかの時間で繋がる種まきは・・・今も、この先もずっと続けられたらと思います。

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遠くなる

2022年06月18日 | 古民家
 気の遠くなる手仕事に・・・美しさがあって・・・
細かな仕草に魅力は生まれて・・・
一生かけて些細なモノしか残せなくても、あるがままを受け入れ・・・無心でいられる・・・。
ある時代・・・暮らしを支える産業は自然の美しさに支えられて・・・
豊かさを・・・世界に広げてくれたけれど・・・
自然に、取って変わる時代が築かれて・・・窮屈な力で生まれ、暮らしを支える為に・・・
気の遠くなる作業は・・・次の世代を生きる事が出来なくなりました・・・。

木造の住まいを造るには・・・木材が必要で、そこに関わる人の数は途方も無く・・・
手仕事に関わる技術にも・・・長い時間は必要だったけれど・・・
それ以上に・・・自然が長い時間の中で生み出す複雑な仕組みは・・・
人の時間を越えて行きます・・・。

古民家の中にもう二度と手に入らない技術もあれば・・・
同じものは1つと無い・・・命があちらこちらに残されていて・・・
無知と・・・無関心が遠く置き去りにしてしまいました・・・。
今も、各地に残る空き家に古民家の住まいは・・・
大切な自然を一時借りて・・・命を守る住まいとしてさみしく・・・
気の遠くなる作業が忘れられて・・・ずいぶん時間が過ぎると・・・
その豊かさを学べる時間も持てなくなってしまいます・・・。
頑固や古臭いと言われても・・・美しく残せる暮らしはあるはずだと思います。


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扱い

2022年06月17日 | 古民家
 毎日が変わらない、と・・・退屈でも・・・変わり無い事が幸せだと気付くには・・・
両手の指ほど、歳を数えてみても・・・もう一人いないと足りないようで・・・。
そんな時・・・不意に訪れる来客は、心が動かされる一日となって・・・
数日前から、誰それが来るなんて聞けば・・・盆と正月が一緒に来たようなもので・・・。
一大事の特別な催しになるのは・・・それだけ娯楽が少なかったんだと思う・・・。

些細な幸せは・・・見るモノすべてに感謝出来て、ありがたさが身に沁みる暮らしを知っている・・・
裕福で当たり前の幸せは・・・感謝も薄く、背負うものも多い不自由さに気付かない暮らしで・・・
どちらかを選べる訳でもないけれど・・・どちらかになろうと努力は出来るのかも知れない・・・。
古民家の暮らしにも・・・同じような住み方の差はあって・・・
古くても存在感が有りすぎる古民家から・・・クタクタだけど、手直しすると、見栄えする隠れた古民家まで・・・
それらが・・・見知らぬ人から見れば、どれも同じに扱われる悲しさがあります・・・。

時代が過ぎて行くと・・・古屋として、残されてしまった古民家や・・・
見る影の無い・・・骨組だらけの古民家の残骸だったり・・・
骨董品ほど手軽でも無く・・・そこまで価値の無い古民家の世界・・・。
大工の棟梁・・・左官屋さんに建具屋さん・・・
お宝になるほどの伝統技術は、国宝になれば表舞台に立てても・・・
骨董品の芸術とは・・・一線引かれているような気がしてしまう・・・・。
地域で残される・・・退屈な昔ながらの文化や、古民家の良さに・・・
もっと、心動かされるようになってほしいと思います。
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文字

2022年06月16日 | 古民家
 言葉が集まり、その最後に・・・丸と付くのは、すべてが丸く納まる意味なのか・・・。
起承転結、整う文が・・・素晴らしい言葉遊びなのかは少し戸惑っていて・・・
ヨチヨチ歩きの平仮名も・・・カタコト、カタカナの羅列も・・・
並び順でこんなにも違うのかと気付かされ・・・
文字遊びも文章の並べ方で・・・文才があるのかも・・・と、気付かされる・・・。

巻かれた和紙に、畳まれた和紙・・・平らな和紙に書ければ嬉しいけれど・・・
たくさんの言葉を綴るのに・・・本を考えた人は素晴らしく・・・
それなりの量を、それなりの重さで運ぶには・・・とても持って来いな形のようで・・・
画面に映る・・・絶え間なく語り掛けて来るきれいな言葉を見ていると・・・
手書きのアンバランスや・・・決まりの悪い文字に、哀愁を感じるのは、贅沢な話なのかも・・・。

コチコチと文を打ち込む姿が美しいと思うのは、若い世代で・・・
背筋が整う、和装の似合った女性が綴る筆の流れは・・・お芝居のように踊って・・・
伝統文化を守る仕草のように、厳格に見えすぎてしまうと・・・
自由な文字の会話が・・・途端に窮屈になってしまう気もする・・・。
文字を読み書き出来ない子供が過ごす暮らしが・・・時代を作る事の無いように・・・
ただ書き殴るような言葉にも・・・生き生きとした暮らしが載っている事・・・
文字に出来る幸せを感じてほしいと思います。




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