月のない晩だった

寒さ物語るこの夕日　まるで永遠に
終わりを告げぬように
あたたかい未知の歌　聞きたくて

いつもの場所にかけよったけれど　
あなたはいない

どうして人は悲しい景色を眺める
でしょう

こんなにも晴れているのに・・・
雲がわたしを染めていく

あなたを待った　夜明け
時のたつのも　しばし忘れて

不機嫌なため息ついたけれど切な
さかみしめてまた息を吸う

何かを悟った　夜明け
涙流すのも　しばし忘れて
ぶっきらぼう所は変わってないのね

心のアルバムめくって　今日が別れ
の日と知っていても
あなたは来ない　朝日は瞳（め）にじむ



YouTube
Bill Evans - What Are You Doing the Rest of Your Life

https://www.youtube.com/watch?v=aWW8JQ6piRk

「素顔の幸福は」

「素顔の幸福は、しみもあれば
涙の痕もあります。
思いがけない片隅に、
不幸のなかに転がっています。

“屑ダイヤより小さいそれに”

気がついて掌にすくい上げること
の出来る人を、幸福というのかも
しれません。

「ライスカラーと幸運の方角」。

カレーライスの脇に
スプーンの立ったコップ。

「そのスプーンの柄は
幸運の方角を指している」


カレーライスの歴史は１４０年まえ、
その初期からスプーンはコップに
立てられてきた。

つねにスプーンの柄は幸運の
方角を差してきたのだが、気が
つく人はほとんどいなかった。

気がついたら、最近では
スプーンを立てない習慣が定着
してしまった。
もはや幸運の方角は闇の中で
ある。たまに信じられないもの
を出す店がある、お願いだから
せめてオマケとしてスプーンを
コップに立てて出してほしい。

幸運さえ分かれば
カレーライスがまずくても
どうにか我慢できます。

気持ちはまだ、テーブルの上あたりを彷徨（さまよ）っていた。

それなのに、夜空を埋め尽くす
星の光に照らされて、ベットは
明るい海のようだった。二枚の
シーツは、寄せては返す、白い
波。

わたしたちは裸になって、ただ、
そこに飛び込んでいけば良かった。

この秋の終わりに、わたしが
求めていたのは一瞬のきらめ
きで、彼が求めていたのは、
永遠だった。

けれど、わたしはその夜、
はっきりと知ることになる。

わたしの体で、理解することに
なる。一瞬と永遠はつまるところ、
同じひとつの輝きなのだと。


YouTube
らいおんハート

https://www.youtube.com/watch?v=jO6NQs5J4q4

ーそうずー 添水

『響き渡る軽やかな竹の音』

鹿威しの一種で、庭の遣り水に
仕掛けて音を楽しむ観賞用が
あります。

切った竹の一方に水を流し、
一定量の水がたまるとその重み
で竹は傾いて、

水は流れ出し、その反動ではね
返る、それを利用した粋な仕掛け。

平安時代初期、玄賓僧都（げんび
んそうず）という僧侶がいました。

玄賓は徳高く、天皇に重用されまし
たが、権力の座を捨てて農民の
ために力を尽くしました。

この鹿威しを「添水」というのは、彼
をしのんでつけた名といわれます。