ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

もうこのことを、終わりにしなくてはならない。

2018年11月21日 20時14分26秒 | owarai
振り払っても、振り払って
も、彼はわたしのあとから
付いてきた。

いいえ、彼がついてくるの
ではなかった。わたしが彼
を追いかけていたのだ。

追いかけ、追いすがり、追い
求めていた。蜘蛛の糸のよう
に張り巡された、恋という名
の欲望に搦(から)めとられて。


YouTube
メロディー 鈴木雅之 Masayuki Suzuki

https://www.youtube.com/watch?v=J0Q4JAijhO8

「こんなに優しい人なのに 」

2018年11月21日 08時07分23秒 | owarai
また一日、過ぎていく。
かげろうもえる窓辺で、頬杖を
ついている私がいた。二年前、
三年前の旅行を思い出して
いる。

京都では、どこの寺院の境内も
新緑が気持ちよかった。
人けのない庵のそばで、あなたは
いたづらっこのようにキスを
せがんだ。

玉砂利に数人の足音が聞こえ、
僧侶たちが通った時、ふたりで
あわてて石灯籠の影に隠れ
たっけ。

例年になく暖かい 11月の軽井沢は、
どこの道もすいていて、持ち主の
帰った別荘地を自転車で走り回った。



・・・こんなに優しい人なのに

あなたの優しさが、わからなく
なる時がある。女はたぶん、欲
が深く、いつでもときめきに
囲まれていたいと贅沢に思う。

「一日一日は、確実に過ぎてい
くんだし、細かいことに気にした
って仕方ない。今日の日にグッパ
イして、また一日始まる」

あなたは、細やかで、ナイーブに
見えても、さっぱりとした男
らしさがあって、やはりそれに
私は頼っている。


外は、本当に静かな、しめやか
かな雨が降っていた。

・・・これ以上、愛をねだる
なんて、贅沢な私・・・


胸があなたにふれた時
木々のざわめきがかき消され
敏捷(びんしょう)な小鹿の
ような瞳が

夜の闇へと とけていった。
・・・・

「矜持」きょうじ

2018年11月21日 05時32分13秒 | owarai
自分の能力を信じて抱く誇りとか
自負のことを言う。プライドと
言い換えてもいいかもしれない。

「きんじ」と慣用的に読む人がいる
が、本来の読みは「きょうじ」。
また「矜恃」と書くこともある。

最近は矜持を持つ若い人が少ない
ように見える。

子供に対する世界各国の比較調査
でも日本の子供は自己評価が低い。
社会も教育も子供の自信を失わ
せるようなことを一生懸命やって
いるようにしか見えない。

本物の実力とそれに見合った矜持
を持った人が求められていると
思うのだが。

「折り鶴」

2018年11月21日 02時06分05秒 | owarai



一旦、別れてまた合流する川の
ように、彼女の中から懐かしさ
が溢れ出す。それは長く忘れて
いた感覚で、出会いの頃の息苦
しいほどのときめきを伴って
いる。

帰って来たのは私の方だと彼女
は気付く。男に初めて会った、
あの日の自分に。

肩の力がふっと抜けた。喜びが
体の筋々に伝わって、ゆっくり
筋肉を弛緩させてゆく。

涙に濡れた顔が和む。舌が甘や
かな言葉を紡ぎだす。

―――そうだわ、明日、残り
の折りヅルをみんな燃やして
しまおう。もう、私には必要
がないだもの。

だって、私の中に灯が点った
のだから―――

夜明けの鏡はガスの災を優しく
映している。涙に曇った彼女の
目には、白いセーターの胸の
真ん中あたりが、ぽおっと
緋色に染まって見えた。

“楽しいだけが恋じゃない、
歓びだけでもない、楽しい
分だけ苦しみや危険がとも
なう、

それが当たり前。生きた形態が、
塑像(そぞう)として見えるた
めには、深い影を必要とするの
と同様に、

困難や危険や涙がともなうから、
恋がきらびやかでもあるわけだ”