逸翁美術館を出て歩いていると、「落語みゅーじあむ」を見つけた。入館無料。館内に入ってみた。
上方落語では「池田の猪買い」「池田の牛ほめ」「鬼の面」の三作で池田が舞台になっている。そして、勲章をもらった桂文枝が池田市民なのが、「みゅーじあむ」設立の理由らしい。
資料もたくさん揃っている。落語について何か調べものがあったら、ここに来よう。
「鬼の面」は、かつての大阪および大阪人が兼ね備えていた、谷崎がいう「愚かといふ貴い徳」がよく感じられる話で、私の最も好きな上方落語の演目の一つである。
落語みゅーじあむを出て歩いていると、気がつくと、池田駅とは逆方向の五月山方面に歩いていてた。知らず知らず、職安に通った失業者時代の気分に返っていたのだろう。
その途中で、「吾妻」といううどん屋さんを見つけた。外にまでお客さんが並んでいた。店の佇まいもいい感じである。検索すると、大阪うどんの名店らしい。最近は大阪のうどん屋もどこもさぬき風ばかりで、昔ながらのふなふなした柳腰風の大阪うどんが食べる機会は少なくなった。蕪村展は、前期後期開催なので、後期開催の折には、こちらのお店にぜひ寄ってみたいと思った。