クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

無量の光 上 津本陽著

2011-06-17 05:54:06 | 読書
 親鸞聖人の生涯を描いた小説です。親鸞に関しては、以前歎異抄を読んで知り興味がありました。親鸞は、宗教家でありながら、煩悩から脱却出来ない自分に苦しみ、より厳しい修行にチャレンジする。そんな中、法然に出会い、山を下りる。法然によれば、念仏さえ称えれば、煩悩があっても極楽浄土に導かれると説き、親鸞はこれに感銘する。法然は、念仏を称えるとどんな人間でも極楽に行ける、と説いて周り、このことが波紋を呼び、親鸞を含む全ての弟子達が賞罰を受け、法然、親鸞は島流しに処される。
 どんな罪人でも念仏を称えれば極楽に行ける。このことが、犯罪を犯しても、念仏すれば犯罪が消えると曲がった解釈につながる。法然は、犯罪、念仏を繰り返す者は、きちんと念仏していないから、犯罪を繰り返すのだと主張するが、認められない。法然が、この説を唱えたのは、当時の仏教界の堕落と貧困層の悲惨な生活から、人々を救いたいという時代背景がある。
 宗教とは、困った人を精神的に救うのが本来の姿だと思います。今、震災の被災地にも多くの宗教家が現地に赴いている。しかし、これは、宗教家からしてはほんの一部だと思う。多くの宗教家達は何をしているのだろう?そんな思いを持ちつつ読み進めていこうと思っています。
コメント
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