ある天文学者の恋文

これまでに観た映画の中でも5本の指に入る位感動しました。天文学と言えば、学生の頃から興味があったのですが、特に星の誕生と崩壊についての理論は、二転三転し、数学に物理学など、理解するには、かなりの技術と知識が必要で、かなり難解です。それは、なぜだろうとこれまで思って来ましたが、この映画を観て、何となく分かった様な気がします。人間の寿命に比べると、星の寿命なんて、永遠なんです。まず、人間には、星の命がゼロになる事なんて、想像が出来ない。永遠＝ゼロでは、矛盾するからです。主人公の恋人である、天文学者は、自分の命の終わりを知ったのですが、これからも続く恋人のために、自分の死後も、永遠に手紙やプレゼントを贈り続けようと考えた。しかし、そこで、限界を感じる。自分の命がゼロになった後の、彼女の人生は永遠に近い。人間は、ゼロを理解するのにかなりの時間がかかりました。しかし、未だに永遠については、理解出来ていない。その事が分かった天文学者は、手紙を書くのを辞め、彼の最後と星の終末についての研究を彼女に託したのだと思います。