にゃんこの置き文

行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず

腹腔鏡下胆のう摘出手術顛末記ー術後2週間

2021年10月22日 | 健康
まだたったの2週間かと思うと驚き。
体感的には2ヶ月ほど経ったような気がする。
それほどに、手術の痕跡は跡形もなく消えた。
お腹の傷跡はシワに変わり、点滴の針刺し失敗の跡の内出血もきれいに消えた。
(余談だけど、点滴の針を刺すのは、外科より内科の看護師の方が上手い)
生まれて初めて動脈採血というのをやったけど(痛かったよ~)、その痕ももう残ってない。

ちなみに手術を含めた治療は胆のう摘出の方がしんどくて大変だったけど、病気として危険だったのは、先に内視鏡手術をした「急性胆管炎」の方だったらしい。
「緊急入院して正解だった。手遅れになると死ぬ場合もあるんだよ」と言われてゾゾッ。
確かに途中で痛み方が変わったもんなぁ。
それまでは4日に一度くらいの頻度で、2時間くらいで治まっていたものが、連日(ひどい時は一日に何度も)起きるようになって、発作の時間も4時間以上になった。
多分9月8日前後に、胆のうの入り口にあった石が胆管に転がり落ちたんだと思う。
「胆石性胆のう炎」のままだったら、入院も手術も10月半ばになる予定だったから。
頻度が増して、疝痛発作の持続時間が長くなって、発熱や嘔吐を伴うようになったら要注意!!
私はタクシーで夜間外来に行ったけど、救急車を呼んでもよかったみたい。

さて、術後数日は痛み止めや吐き気止めを手放せず、この先どうなるんだろうと心配したけど、1週間を過ぎたあたりから急速に回復していった。
「胆のう摘出後症候群」という病気があるらしく、胆のうを取ったのに脂っこいものを食べると疝痛発作と同じような痛みが起きたり、下痢をしたり吐いたりするというので心配してたけど、幸いなことに今のところ異常なし。
9月から、おかゆとバナナと金時豆中心の食生活だったもんね。(入院直前に一度お好み焼きを作ったけど、発作が起こると怖いので卵抜きにした。卵抜きのお好み焼きを食べたのは60年ぶりじゃないかな)
とにかく卵が食べたくて、まずは温泉卵から挑戦。セーフ。
タコ焼きを食べた時だけ少し鈍痛がしたけど、焼きそばもピザトーストも刺身もアイスクリームも大丈夫だった。
術後1ヶ月を過ぎたら、天ぷらとフライものと豚まんに挑戦してみるつもり。

そんなこんなで、怒涛の2ヶ月でした。
まだ保険の請求や、入院セットの支払いや、傷病手当の申請とかの事後処理がてんこ盛りにあるけど、とりあえず「顛末記」は終了ということで。

下の写真は内科病棟の病室。
過ぎて見れば、ちょっと懐かしいかも(?)


腹腔鏡下胆のう摘出手術顛末記ー術後9日目

2021年10月15日 | 健康
今日は手術後初めての外来受診の日。
一番の気がかりは、「慢性胆のう炎で壁が肥厚している場合、しばしば癌ができていることがあります」という医者の怖いお言葉だったけど、病理検査の結果は「悪性の細胞はありませんでした」だった。
もし癌がみつかったら、今度は肝臓を削ると言われていたのでホッとした。
もう全身麻酔の手術はヤダよ。
煙草を吸う人は傷の治りが遅くなるとも言われてたけど、そっちも問題なし。
「次の受診日は?」と聞くと、もうこなくていいと言われた。
完全な放免。
病院嫌いの私にとって、こんなにありがたいことはない。

完全に手術前の体調に戻ったわけではないけど、本当に一日一日嫌な症状は消えていった。
ここまでの経過を時系列で並べると、
手術当日ーー酸素マスク、点滴、心電図、尿道カテーテルにつながれて身動きできず。息苦しさと吐き気。
一日目ーー10メートル歩くのが精一杯。吐き気、微熱。寝返りも起き上がる時も恐る恐る。ゲップや咳をすると激痛。
二日目(退院)ーー歩くと貧血。吐き気がひどく、食欲なし。微熱とお腹の膨満感。一日ほぼ寝て過ごす。
三日目ーー朝、お通じあり。食後は吐き気と腹痛。微熱のせいで眠く昼寝必須。腹部だけではなく左肩や背中も痛む。(手術で炭酸ガスを注入した影響か)
四日目ーー吐き気が軽くなった。微熱は続く。300メートル歩いたら貧血。
五日目ーー横になっている間は、お腹の痛みがなくなる。代わりに(?)食後胃痛。
六日目ーー咳やくしゃみをしても痛みを感じなくなった。吐き気、ほぼ消失。
七日目ーー術後初めて、昼寝せずにすんだ。
八日目ーー術後初めて、一日中平熱。
となる。
そして今日は病院、図書館、スーパーと回ったせいで疲れたのか、帰宅後微熱が出たものの吐き気や胃痛はなし。
もう少し体力が回復すれば、職場復帰も見えてくる感じ。

そういや血液検査の数値が笑っちゃうくらい正直だった。
症状がなかった頃(4月)、疝痛発作を起こしてた頃(9月)、手術後(10月)を順に並べてみると、
AST(基準値8~38)が、14→57→18、
ALT(基準値4~44)が、17→126→22というわかりやすさ。
肝臓さんもしんどかったんだろうなぁ。

今回痛感したのは、加齢のせいで無理はきかない身体になってるってこと。
この夏は晩御飯を抜いたり、暑いのでアイスクリームを食事代わりにしたりと無茶苦茶をやってた。
その上コロナ禍での自粛で外に出ず、一日の歩数が50歩に満たない日々を送ってた。
むしろ胆のう炎程度ですんでよかったのかもしれない。

これでやっと、本来の猫ブログに戻れるかな。
あ、でもまだ「顔面神経麻痺」が完治してないわ。
こっちは発症5カ月目で、どうも後遺症が残りそうな気配。
やれやれ。。。








腹腔鏡下胆のう摘出手術顛末記ー術後5日目

2021年10月11日 | 健康
今日も暇に任せてネットサーフィン三昧。
症状も回復具合も苦痛の感じ方も千差万別なことに、改めて感心してしまう。

私が術後一番の苦痛だったフットポンプについて触れているブログをみつけたが、その人が苦痛だったのは拘束感であって、安眠妨害ではなかった。
術後の症状についても、みんな痛みを苦痛の筆頭にあげていて、私のように吐き気でうろたえている人はほとんどいない。
お腹や傷の痛みについては延々と訴えているのに、「麻酔からさめた後水を飲んだら吐いちゃった(テヘッ)」とか、「術後初めての食事はすべて戻した」とかさらりと書いてあるだけ。

私の場合は何が嫌って、むかつきとか嘔吐が大嫌い。
ある人のブログでは「出産より痛かった」と書かれていた疝痛発作だが、その最中もネコのご飯を用意し、病院へも救急車ではなく、電話で配車を頼んでタクシーで行ったくらいに余裕があった。
あの内臓がひっくり返るまで繰り返す嘔吐がなかったら、今もまだ手術を決意できず、グズグズと様子をみていたかもしれない。

そんなわけで、今も一番戦々恐々としているのは吐き気。
摘出後色々食べてみて、吐くかどうかで大丈夫かどうか試しているツワモノもいたけど、私には絶対ムリッ。
なので今も低脂肪食継続中。(しかし絶食、手術、病院食、低脂肪食と揃い踏みなのに、まったく体重が減っていないのはなぜだ?)

今日の体調。
お通じは朝1回で問題なし。
痛みは本当によくなっている。ゲップや咳での痛みはほとんどなし。屈んで足下の物も拾える。腹筋を使って起き上がれるようになってきた。
吐き気は軽くある。
微熱継続中。
今日は術後初めて、昼寝をせずに過ごせた。

全体の調子はぜんぜん万全ではない。
とにかく疲れやすい。
術後1週間も経ってないのに、焦りすぎか?

ミクシィコミュニティで、うんうんとうなずける一文をみつけた。
「担当の内科医も、執刀した外科医も「何も気にせず普通に過ごしていいんだよ」とあっさり言うのですが、本人をみていると明らかに以前よりは体力が落ちた感じがするし、ここでのトピを見せてもらっても疲れやすかったりする人が多いようなので、医者から見た体調と、実際に胆嚢のない人の体調では、感じ方に差があるのかなぁと思います。」

本当に、激しく同意。


腹腔鏡下胆のう摘出手術顛末記ー術後4日目

2021年10月10日 | 健康
胆のうは不要な臓器なのか。
医学サイトとかを見ると、「単に胆汁を溜めておくだけの袋なので、摘出しても支障はない」と書かれているけど、ブログやコミュニティで体験者の声を読むと、摘出後体調不良に悩まされている人が多い。
ほとんどの人は、取ってしまえば健康体に戻れると思って手術を決意するわけで、「術後1年以上たっても油物を食べると嘔吐する」人がいるという事実はとてもショックだった。(全快したら天ぷらを食べようと楽しみにしていただけに)
他にも微熱、疲労感、貧血、吐き気といった症状が挙げられていて、どれも今の私に当てはまる。
医者は術後の症状として下痢しか言ってくれないので、他に大きな病気が隠れているのではないかと不安だったが、どれも胆のう摘出に因るものだとわかって、逆に安心した。

では今日までの流れ。
手術当日辛かったのは、前回に書いた通りフットポンプによる拷問。
「7つの黄金郷」というマンガで拷問長がアーサーに、「眠らせないこと。これが最高の拷問です」と告げるシーンがあったけど、まさにそれを実感した。
でも医者や看護師からしたら、血栓を予防できるなら、一晩くらい眠れなくても問題はない、ってことなのかな。
息苦しさも吐き気も綺麗に無視され、逆にうるさく聞かれたのは「ガスは出たか」「お通じはあったか」ってこと。
血栓の次に彼らが気にする合併症は、腸閉塞らしい。
全身麻酔で動きを止められた腸がちゃんと動きだすか、捻れたり詰まったりしないかってことだろう。
確かにお腹が張って苦しい。
傷の痛みの方はさほどでもなく、ゲップをした時響くくらい。
寝返りもさほど苦労せずに打てる。

術後2日目。
朝にガスは出たものの食欲がなく、昼食を無理して食べた後激しい吐き気に襲われた。
午後には退院予定だったので焦ったけど、吐き気止めを処方してもらって退院強行。
この前退院した時はルンルンだったけど、今回はフラフラで解放感どころではなかった。
この度の入院手術騒動で唯一、付き添いの必要性を痛感した次第。
だけどその為だけに結婚したり家族を持つわけにはいかんからなぁ。
どうせ元気になったら、「一人が天国」になるに決まってるわけだから。
この日の症状は、微熱、食欲不振、吐き気、貧血。
吐き気止めとロキソニンを服用。

術後3日目。
術後初のお通じがあり、お腹の張りがマシになった。
代わって出現した症状が、腹痛と左肩の痺れと痛み。
薄紙を剥ぐようなという言い回しがあるけど、1枚剥がれたら別の紙が貼りついてくる感じ。
微熱と吐き気が続く。
食欲は出てきた。
ロキソニン服用。

術後4日目。←今ここ
午前中リハビリがてら買い物に出たけど、貧血を起こして慌てて帰宅。
昼間2時間ほど寝ないと疲れが抜けない。
微熱と空腹時の吐き気と息苦しさあり。
傷口がチクチクと痛む。
ロキソニンと吐き気止め服用。

あ、忘れてた。
地域猫サクラには、帰宅後熱烈歓迎を受けました。
飛びつくは、よじ登るは、抱きつくはで、「ええい、しつこい」と放り投げてしまったくらい。
フミも通ってくれた人が来た時は飛んで逃げたらしいけど、私が「ただいま、生きて帰って来たよ」と声をかけたら逃げずにじっとしてた。
一応飼い主だと認識はしてくれているみたい。
金曜に退院しなければ、事務手続きの関係から明日の月曜まで退院できなかったわけで、吐きながらも退院して正解だった。
傍に猫がいるだけで、精神衛生上快適この上ない。

↓ 万歳してるサクラ


次回の外来受診日は金曜日。
それまでには、薄紙の4,5枚くらい剥がれてくれてるかなぁ。





腹腔鏡下胆のう摘出手術顛末記

2021年10月09日 | 健康
さて、この病気ブログ(違うってば)もいよいよ佳境に入り、本命の胆のう摘出手術と相成りました。

この前の内視鏡手術があまりにも楽ちんだったので、今回も「開腹にさえならなきゃ楽勝」気分で気軽に入院したものの、はっきり言って全身麻酔を舐めてた。

総胆管結石の手術の時は静脈麻酔。
スコンと意識がなくなるのは全身麻酔と同じ。違うのは目が覚めた時。
静脈麻酔の時はほどんと普段の目覚めと同じで、「あー、よく寝た」って感じで意識が戻る。点滴以外身体には何もつながってないし、だいたい起きた時ベッド周りに誰もいなかった。
ところが全身麻酔だと目覚めは朦朧。顔には酸素マスク、耳元で心電図の音が鳴り響き、ベッドの周りを4,5人の医師や看護師が取り囲んでいるという物々しさ。
気管挿管の管はすでに抜去されてて、巷よく聞く抜去時の痛みも喉の違和感もなかったが、とにかく息苦しくて吐き気がひどい。
本当に酸素がきてるのかよ、と思うくらい空気が薄く感じられ、酸素マスクがむしろ煩わしく感じられる。
「気分はどうですか」と聞かれたので、「息が苦しいです」と訴えたものの、酸素濃度に問題はないらしく真剣に受け止めてもらえなかった。
あの息苦しさは、私がヘビースモーカーである故か。
でも事前の肺機能検査では問題なかったし、トライボールとやらで呼吸訓練もしっかりやっていた。
やはり喫煙の有無以前に、いったん肺の動きを止めてしまうことからくる、避けられない症状なのかもしれない。(この内臓の動きを止めるという機序のせいで、麻酔から覚めた後も苦労は続いた。特に腸とかね)

手術室に向かったのが12時半。この時点で15時半。
ここから翌朝までが特に地獄だった。
眠ってやり過ごそうとしても、血栓予防で装着されたフットポンプのせいで眠れない。
ウトウトとしかけたところで叩き起こされるので、まるで拷問。
不眠症になったことがないので、眠れない夜があれほど長いものとは、この歳になるまで知らんかった。
朝の7時かと思ってよく見ると1時35分だったり、6時15分かと思うとまだ3時だったり。開けない夜はないというけど、もしかしたら私は実は死んでいて、時間が止まっているのではないかと思ったほど。
睡眠は術後の回復の為にも大切だと思う。
あのフットポンプは絶対に改良の余地ありだ。もっと静かでなだらかな動きにすることくらいできる筈。
もしこの先また全身麻酔を必要とする手術を受けなければならない事態になった時は、先にフットポンプを見せてもらって、その種類次第で病院を選ぼうとすら思ってる。

というわけで、手術自体は腹腔鏡で無事に終わった。
水曜日に手術。
その夜は回復室で地獄の一夜。
そして、(続く)