余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

紡ぐ糸

2021-10-23 22:23:38 | リンゴのいろ(短歌)
紡ぐ糸
ぼくの言葉は
色褪せて
世界のなかの
個人の眺め
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ネコと昼寝

2021-10-23 22:12:32 | マイブック(ま)
「ネコと昼寝」
      群ようこ 著

れんげ荘物語第3弾。
無職で独身、月10万円で生活するキョウコ。
日々をぼんやり過ごすなかで悩むのは、
幸せってなんだろう。
ネコが部屋へ訪れる。
食欲は大切な営みのひとつ。
そして衣もまたはじまるもの。


格差はなにを分断するのだろう。
引き裂かれるものは、こころと
そしてからだもまた同じく。
同じはまた格差を枝分かれさせる。
たとえば空を見るひとと空を見ない人、
それから月を見るひと。
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雷の

2021-10-22 23:44:19 | リンゴのいろ(短歌)
雷の
続いて響く
晴れた日の
面影のせいで
すこし寂しく
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死ぬ気まんまん

2021-10-22 23:42:01 | マイブック(さ)
「死ぬ気まんまん」
      佐野洋子 著

生と死。
互いは向き合い、背中合わせに、または反転して。
佐野洋子の奔放さは、
死が間近に迫ったとき、死を想う。
主治医との対談が挿み、死を語る。
いきものの生命。
死をそばで経験すること。
経験したこと。
性格は運命に紐づけられていたとしても、
ひとの魅力は正しさのなかで輝き、姿勢は艶やかを包み込む。
旅をする。
ときどきに。
見えるものと見えないものと、
出逢った日常と出会わなかった非日常と。
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ちょうちんそで

2021-10-22 22:41:44 | マイブック(あ)
「ちょうちんそで」
      江國香織 著

儚くすこしかなしい。
かなしみは思い出に閉じ込められている。
だからすこしかなしい。
思い出のなかで生きる雛子。
いなくなった妹の飴子の面影と共に生きている。
いないけどいる飴子とおしゃべりをして。
でも現実も生きている。
狭間。
狭間なのは知っている。
妹がいないことも、会えないことも。

記憶は十分にたゆまなくいつもながれている。
体中を隈なく。
一分にすべり込んだ、
あっと恋に寄る波や月と共に。
他者を夢に見る。
他者はあなたに変化して、恋をして、生きた、
大切なこころの揺れるまでを、
それを包み込む。
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