二代目モニカの日々・・・ときどき俳句

【日々のいろいろ、十七文字の世界】二代目モニカです✨日々の出来事やときどき俳句も🐰

白灯集巻頭作家特集~響焔11月号より~

2016年10月30日 | 俳句
私の所属する結社「響焔」の響焔誌11月号に

白灯集(会員ページ)の巻頭を飾った作家の特集がありました

新作8句と短文を発表しています

今日はそこから

私が全くの独断で「あ、これ好きだわ」「いいな」と思った句を

紹介したいと思います




十五日何も知らない夏の朝   京子

(十五日・・・終戦日。今となっては特に何をするわけではなく

 静かないつもと変わらない夏の朝。

 作者はふっと今日という日の意味を思い出す。
 
 なんでもない日常の幸せと過去への痛みなどが

 「何も知らない」に凝縮されていると思いました)      



オートバイ残暑うしろへ捨てていく   京子

(一読、疾走するオートバイの様子がわかります。

 スピード感を「うしろへ捨てていく」と表現。

 真夏の季語ではなく「残暑」が程良く、ほろ苦さを感じます)



夏至の夜点滴の掌に小さな手   せり奈

(冷たく落ちてくる点滴液。

 でもその掌には温かさや幸せなどを全て運んでくれる「小さな手」

 言葉は見えなくてもまなざしが見えてきました。

 季語の「夏至の夜」が効いていると思います)


メトロから土竜のように花の世へ   せり奈

(「花の世」がいいですね。

 土竜のように出てきた所が「花の世」なら素敵です)


ちちとははこの世に居たり昼寝覚   史

(昼寝の後は、しばしぼーっとしてしまうもの。

 夢か現か、間に身を置くひと時。

 夢で会えたのでしょうか。この世に居るような錯覚を

 「この世に居たり」と断定して詩にしています)


ゆるやかな菊坂の町十三夜   史

(「菊坂」「十三夜」・・・なんて風情がある句でしょう。

 十三夜の坂は、急な坂ではなくやはり「ゆるやかな坂」がいいですね)


かなかなしぐれ海からの電車遅延   碩才

(「海からの電車」とロマンティックに言っておいて

 「遅延」とは・・・!

 急に現実に引き戻されました。

 その意外性が面白いと思いました)


戦止むきっとはじまる虫の声   碩才

(戦が止んで、さて何が変わるのかと考えた時に

 「虫の声」がはじまると思うのは詩人の心。

 それも俳句という日本の詩を詠む日本人ならではですね。

 「きっと」という断定が効いていると思いました)


かまきり生まれる四畳半の子供部屋   美穂子

(かまきりが生まれるのが、庭ではなく「四畳半の子供部屋」!

 卵からかえしたのでしょうか。

 この意外性に惹かれました。

 夏の楽しい暮らしがそこにありますね)


無花果の熟れ裏庭の暮れ始む   美穂子

(別に無花果が熟れたから、裏庭が暮れ始まめたわけではないはず。

 でもそう捉えるのが詩人の心。

 甘く重い空気感すら感じます)


炎天十日曲がり角にて曲がる   モニカ

わんわんと人の声して油照    モニカ




いかがですか?

全て同人ではなく

まだ俳句をはじめて日が浅い会員の作品です

これを見ると響焔は層が厚いな~とつくづく思ってしまいます

山崎聰主宰や諸先輩方の下で

じっくりと

時にはゼイゼイ言いながら勉強した成果ですね

皆さまお疲れ様でした




・・・とまぁ、

今回はじめて他の方の句の感想などを書いてみたわけですが・・・



これって大変ね~~~

響焔誌では

主宰はじめ皆さんさらっと毎月こなされていらっしゃるけど

(しかももっと沢山の句を)

いやはやいやはや・・・

想像以上に労力いりますね

こんな感想で本当にいいのかと不安でもありますし・・・

『ちょ、モニカさんよ~、全然違うんですけど~そうじゃないんですけど~』

なんて思われたとしても

きっと皆さんお優しいので許してくれるはず・・・

でも

とっても勉強になりました



またやろうっと