DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

一歩を踏み出せるはず

2024-07-31 18:54:35 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 「一歩を踏み出せるはず」卒業生Bさんから
 2人が過ごした日々を後悔する必要はないと思います。 
元妻との間には、1人息子がいます。 私が仕事を頑張りすぎたことから、次第に家庭での生活がギクシャクしだし、妻ともうまくいかなくなりました。
 別居し、お互いを見つめ直そうとしているときに出会ったのがリエゾン調布です。 自分の気持ちを理解できない妻が悪いとか、妻と過ごした日々が無駄のように感じていましたが、リエゾン調布に行くようになり、自分が悪いことに気づき、自分の考えを改めるきっかけとなりました。 
かわいい息子と過ごした日々も、今の仕事での成功も、元妻が側で支えてくれていたから、あった幸せです。
 今は、元妻との出会いや過ごした日々を後悔していませんし、自分が成長するために必要だったのだと思っています。 
元妻には心から感謝をしています。 
子供の親として離婚した今でも、元妻と子供と3人で遊びに出かけることもできていますが、それは私があの頃より少しは変わったことが妻に伝わっているのだと思います。 
自分を変えることは難しいことですが、どんな自分になりたいか、将来どんな家族でいたいか、それを考えれば自分を変えるための一歩は踏み出せるはずです。 

リエゾンからのコメント
DV加害者プログラムに来たからと言って、パートナーから必ず許されるとは限りません。実際の話、許さなくて良いのです。
日本は謝ったら許そうね文化が長く続きました。その功罪で、謝られたら許さないといけない気がするようになってしまいました。
これはピアジェの他律的道徳観と自律的道徳観が関係していると言います。
太郎君と花子さんの話です。
太郎君はお母さんのお手伝いを積極的にしたのは良いのですが、お皿をなんと10枚も割ってしまいました。
花子さんはお母さんの手伝いを嫌々していたら、1枚お皿を割ってしまいました。小学生の3年生を境にこの評価が分かれます。
3年生以上の子ども達は花子さんが悪い、と言います。
3年生未満の子ども達は太郎君が悪い、と言います。
この差は、3年生以上は自立的道徳観(気持ちも含めて相対的に物を見る力)が働くからで、3年生未満の子ども達には他律的道徳観(他者がどう評価するか)が働くからだそうです。
翻訳の際に日本の翻訳者が違うニュアンスを加えてしまったそうです。
それは「気持ちがあれば許される。罪が軽くなる。」というものだそうです。ピアジェさんはそのような意味を含んでいなかったのですが、ここから日本の「謝られたら許そうね」の文化が始まったと教わりました。
そういえばアメリカでは謝罪は当たり前で、それがあろうとなかろうと罪は軽くなりません。謝罪は本心から言っているか、分かりませんものね。罪が軽くなるのは情報を「リーク」した場合です。(司法取引)
謝罪というあやふやな内容で罪を軽くすることはしないのです。
一方、日本はどうでしょうか。謝ることが第一優先で、謝られたら許すことが当然の流れになってしまいました.
これは大変な問題を生みました。謝ることが心を伴っていなくても優先されてしまったのです。学校の先生から、「ほら、謝っているよ。許してあげようね。」と言われたことはありませんか?
DVの問題で夫が良く言う言葉に「まだ言うの」「謝ったじゃないか」「何回謝れば済むんだよ」「許さないなんて心が狭いな」という不遜な態度に、「謝ったら許そうね」の文化が体よく使われている気がしてなりません。
でも流れは変わりつつあるそうです。学校での指導が、謝っても許さなくいいとなったようです。それならば、本当に謝りたい人が謝るようになるでしょう。
上記の記事のBさんは、妻から許されず、結果離婚となりましたが別れた後で、子どもの父親母親として協力し合える関係を持てるようになりました。二人は子どもに手紙をそれぞれ書き渡しています。
たとえ別れることになっても、子どもにとってお父さん、お母さんであることには変わらないこと、二人は協力し合って子どもを育てていくこと、いつでも頼って良いことを伝えています。
子どもにとって両親が別れてしまうのは、もの凄く寂しいでしょう。でも同時に安心したのではないかと感じます。離婚しても、どちらの親にも行き来が出来ること、どちらかの顔色も見ないですむことが子どもの為に良いのです。今、Bさんはまさにその通りになっています。新しいパートナーとも大変心地良い関係を持つことが出来ています。
それはBさんが一歩を踏み出したからだと思います。


コメント
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