試されるとき(続)60代男性Hさん
完全リタイアして半年になる。
最初は妻との距離のとり方を不安に思っていた。
まずは、会社の長期休暇の時のスタンスでスタートした。 市役所やハローワークなどの手続きも終わると、何も予定がなくなった。
その頃から妻と二人の貧乏旅行が始まった。 日帰りの都内散策、墓参りを兼ねた日帰り旅行、孫に会うための泊まりがけの旅行など、 月1回以上のペースで出かけていた。 猛暑の頃は、エアコンの効いたリビングで、ふたり揃って昼寝をして、夕方から散歩。
絵に書いた様な老後生活が始まっていた。
妻との大きな衝突もなく、リタイア後の不安は少しづつ減っていったように思う。
心に余裕が出来てきた頃、妻の変化に気がついた。
妻も、私との衝突を避けるように、気を使っていたのだ。
そのことに気がつき、妻の言動を意識して見ていくと、そのことがよく分かった。
妻の口癖は、「もう二人しかいない。」、「健康寿命を考えたら、先は長くない。」と 落ち込むような言葉が多い。
しかし、次から次へと貧乏旅行の計画を立てて提案してくる。 人生の残り時間が減ってきたので、無駄な衝突を避けて、楽しんで過ごしたい。 そのような妻の気持ちが伝わってきた。
妻の変化に対して、私がどの様に応えていくかが大切だと思うようになっている。
リエゾンからのコメント
Hさん、絵にかいたような老後の過ごし方がやってきていますね。
うらやましい、と思うリエゾンのメンバーはたくさんいるでしょう。と、同時に自分も後に続くぞ!と頑張るメンバーもいるでしょう。
卒業していったメンバーの行先は様々です。
願わくばHさんの後を続けられれば良いなと思います。
健康寿命、女性74歳、男性72歳です。自分で自分の事をできること、病気で寝込まないでいられることですが、平均寿命から健康寿命を差し引くと女性は約13年、男性は約9年になります。女性は13年寝たきり?になるかもしれない、男性は9年寝たきりになるかもしれないのです。
争っている場合ではありません。
2人で生きていくと決めたのなら、ゲームからの脱却をはかりましょう。
妻の変化に対して、私がどの様に応えていくかが大切だと思うようになっている。
その通りだと思います。