「俺が悪いのか!」(50代Bさん)
仕事を終えて帰宅すると、玄関のドアに鍵が掛かっていなかった。
玄関の中には、要冷凍の宅配便の荷物が置かれたままになっていた。
今日は妻の仕事が遅番だったので、前日の夜に「夕飯は作っておくね。」と妻が言っていたが、テーブルの上にはレトルトのカレーが置かれていただけだった。
妻が玄関の鍵を掛け忘れることはあまり無いが、鍵を失くすことは時々ある。
私は、妻の鍵の扱いがいい加減だから失くすと思っている。
だから、鍵を失くしたときは強く文句を言って妻と争いになっていた。
今回の件は、鍵の掛け忘れ以外もあるので、妻が帰ってきたらどの様に文句を言おうか思案していた。そして、また争いになるな。嫌だな。とも思っていた。
妻が帰ってくるまでには時間があったので、色々思案していた。妻が反発せず、次から気を付ける様になるには、どの様に伝えたら良いかを考えていた。
考えた結果は、理性で事実を伝え、妻に原因を聴くという内容だった。
帰宅した妻に事実を伝えると、妻が緊張していることが分かった。
理由を聴くと、荷物を沢山待った子どもを急に送っていくことになったが、出掛けに夕立が近づいていたこと。玄関を開けたところで宅配のお届けに鉢合わせしたこと。等を話してくれた。
「それは大変だったね。」と言うと、妻の緊張が少し解けたようで、「泥棒が入っていなかったよね。」と聞いてきた。「多分大丈夫だよ。」と答えると「ゴメン。」と妻が言った。
鍵を失くした時も、「ゴメン。」を一度も言ったことが無かったので少し驚いてしまった。
妻が鍵を失くし喧嘩になった時には、妻が悪いと真剣に思っていた。
しかし今回の件で、過去の争いは、私の対応が悪かった。と気が付いた。
リエゾンからのコメント
夫婦って本当に面白いですね。同じ相手に何を思って喧嘩になってしまっていたのでしょうね。
たぶん以前していたことはパワーゲームだったのではないでしょうか。
自分は悪くないぞ、だからここぞとばかりに責めてしまう、そこで優位に立とうとしなくても良いものをなぜか頑張ってしまう自分がいた。
交流分析を学んでいると、ストロークの授受の大切さが身に沁みます。
私たちはストロークをもらう為に生きているのです。(エリック・バーン曰く)
プラスのストロークをもらうことは容易ではありません。
マイナスのストロークの授受は簡単です。相手にゲームを仕掛ければ良いのですから。
相手もまんまと乗ってきます。そしてバトルになるのです。
ゲームから降りてプラスのストロークの授受をしあう為にはどうしたら良いのかをちょっと考えてみれば良いのです。
でも幼い時からこのやり取りを身につけていない子どもが多すぎます。
なぜなら、モデルである両親がマイナスのストローク授受を子どもに見せているからです。
それならできるわけがありませんよね。
見てきていないのですから。
だから学ぶのです。身に付けたら怖いものなしですよ。
鍵は開いてる、要冷蔵は置きっぱなし、話が違うレトルトカレー、この状況にBさん良く考えられましたね。
言い合いは嫌だな、と感じたこと、それはBさんが、もうマイナスのストローク授受ではなく、プラスのストローク授受を望んでいる証拠です。
プラスのストローク授受ができると、心がほっと温かくなりますね。