ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.71
( 2022年12月15日)
(ペルー要点)
・ 12月7日、議会クーデター。カスティージョ大統領を弾劾・解任し、ボルアルテ副大統領が昇格・就任。 / 議会による大統領弾劾には、議員の3分の2以上の賛成が必要(一院制130議席で87以上)。既に2度、賛成票不足で失敗していて、今回が3度目。 / 今回も事前にわかっている賛成票は87に達してはいなかった。だが、投票が行われる直前にカスティージョが、議会の一時閉鎖と臨時政府樹立による全権掌握を一方的に宣言。それに対して議会が反発し、101票の賛成で大統領弾劾を決議。 / カスティージョは、国家警察に逮捕され拘束された。
・ カスティージョの行動に不審な点があり、薬物を飲まされて利敵行為になるようなことをさせられた可能性がある。スペイン語のGranmaとteleSURが報じた。ただし英語版では、また他でも、報じられていない。確かな証拠が未だないためだと思われる。 / いずれにしても、人民は、議会によるクーデターだとしてカスティージョの復帰と反動議会の閉鎖を要求している。
・ 人民の抗議行動が全土で拡大し、全国的なストライキ闘争に発展。カスティージョを支持し、即時釈放と大統領への復帰、議会解散と新たな選挙、新憲法起草の制憲議会設立などを要求している。 / 幹線道路や空港を封鎖。全国的に交通がマヒ。抗議者たちのツイートには「テレビでは全て平穏だと言っているが、街頭では革命が起きている!」と。 / ボルアルテは、当初2026年7月の任期満了まで大統領を務めるとしていたが、人民の抗議行動の拡大、全国化、大規模化によって、総選挙の前倒しを表明せざるをえなくなった(11日に2024年4月に行うとしたが14日にはさらに早めて23年12月に)。
・ カスティージョ政権は2021年7月に発足。右翼政党が議会で多数を占め、公的機関の多くを右翼勢力が支配している下で、系統的・継続的に政権攻撃が行われ、16ヶ月の間に4回も政権改造を余儀なくされ、法案もほとんど成立させられず、選挙公約もほとんど実現できない状況になっていた。 / 不満をつのらせた人民の怒りが今回の事態をきっかけに爆発し、停滞していた状況が大きく動きはじめた。
・ キューバ、ベネズエラをはじめとして、ラ米カリブの多くの政府や諸組織がカスティージョ政権支持を表明。さらに、メキシコ、コロンビア、ボリビア、アルゼンチン政府は、選挙で示された民意を尊重しカスティージョ前大統領の人権を尊重するようにという共同声明を発表した。
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(ペルー)
teleSUR Published 14 December 2022
Boluarte Proposes Advancing Peruvian Elections to December 2023
(ペルー: ボルアルテ、選挙を2023年12月に前倒しすることを提案)
ディナ・ボルアルテは、大統領職に留まることができる日付について3度も考えを変えた。 / 水曜日(12/14)、彼女は総選挙を2023年12月、つまり彼女が当初最も適切な日付として提案した2024年4月の4ヶ月前に実施する可能性を示唆した。 / 12月7日にペルー大統領に就任したボルアルテは、2026年まで大統領職に留まることを誓ったが、大規模な抗議活動の圧力により火曜日(12/13)の夜、国家評議会と会議を開いた。
teleSUR Published 14 December 2022
Peruvian Prosecutor Requests 18 Months in Prison for Castillo
(ペルー検察当局、カスティージョに懲役18ヶ月を求刑)
この策謀により、ペドロ・カスティージョ前大統領は、今日で7日間の予備拘留が終了するにもかかわらず、収監されたままとなる。
teleSUR Published 13 December 2022
Protests Demand Closure of the Peruvian Congress
(ペルー議会の閉鎖を求める抗議行動)
ペルーでは今週火曜日(12/13)も、いくつもの地方で、議会の閉鎖、ペドロ・カスティージョ前大統領の釈放、ディナ・ボルアルテ大統領の辞任と新しい選挙の実施を改めて要求する集会が行われている。 / 地域メディアによると、リマ(首都)のダウンタウン、ランバイェケ、クスコ、イカ、タクナなどの地域で抗議デモが行われている。
teleSUR Published 13 December 2022
LATAM Progressive Governments Concerned About Peruvian Crisis
(ラ米カリブの進歩的な政府はペルーの危機を懸念している)
月曜日(12/12)、メキシコ、コロンビア、ボリビア、アルゼンチン政府は、ペルーにおける民意の尊重とペドロ・カスティージョ前大統領の権利を要求する共同声明を発表した。 / 「私たちの政府は、このプロセスに関わったすべての関係者に対し、投票で示された市民の意思を優先させるよう要請する。それが、『米州人権システム』に含まれる民主主義の概念の範囲と意味を解釈する方法である」と述べている。 / 「我々は、機関を構成する者に対し、自由な参政権を通じて表明された民意を覆すことを控えるよう強く求める。我々は、当局がカスティージョ大統領の人権を完全に尊重し、司法保護を保証するよう要請する」と共同声明は付け加えた。
teleSUR Published 13 December 2022
Cusco on Strike as Boluart Toughens Repression in Peru
(ペルー: クスコがストライキを実施し、ボルアルテが弾圧を強化)
ペルーの人々は、カスティージョ前大統領の釈放要求を弱めることなく、抗議行動を強化し続けている。 / ペルーで実際に起こっていることの報道拡散を妨げようとするメディア包囲網の中で、社会諸組織はクスコの街頭に立ち、ディナ・ボルアルテ大統領と議会に対して無期限のストライキを行っている。
Peoples Dispatch December 12, 2022 by Tanya Wadhwa
Five killed by police during anti-coup protests in Peru
(ペルーで反クーデター抗議デモで5人が警察に殺害される)
12月7日以降、民主的に選出された左翼のペドロ・カスティージョ大統領を失脚させ逮捕に至った議会クーデターを拒否するために、数万人のペルー人が各地で抗議活動を行い、警察の残忍な弾圧に耐え、議会の閉鎖、新しい選挙、立憲議会による新憲法制定を要求している。
市民の抵抗 この5日間、デモ隊は、カスティージョ前大統領の即時釈放と大統領への復帰を求め、国土全域で平和的な動員や道路封鎖を組織してきた。 / 首都リマでは、警察の激しい弾圧にもかかわらず、抗議者たちは議会前でほぼ常時抗議を続けている。抗議者たちのもう一つの中心的な要求は、右翼が支配する議会の実質的な解散である。また、立法府を変えるために新たな選挙を組織することも要求している。 / 副大統領のディナ・ボルアルテによる新大統領就任にも拒否感を示している。ボルアルテは選挙で選ばれた指導者ではないとして辞任を要求している。右翼と政治同盟を結んで政権を担ったことを非難している。また、新憲法を起草するための制憲議会を招集することを要求している。 / 首都に加え、全国各地でクーデターに反対する抗議が行われた。
警察の弾圧 警察は、こうした平和的なデモに対して、暴力と弾圧で対応している。【以下、具体的報道。略】
ペルー右翼の専制 支持率11%の野党多数派の右翼議会は、2021年7月末にカスティージョが就任するや否や、ほぼ絶え間なく打倒と政権の不安定化を図る試みを繰り広げてきた。12月12日、議会は攻撃を進め、カスティージョの免責を解除し、起訴に道を開く法案を承認した。賛成64票、反対35票、反対1票で決定した。 / カスティージョは7日間予備的に拘束されていた。免責が解かれたことで、検察庁は最大36ヶ月の予防拘禁を請求できるようになった。 / 検察庁は、カスティージョを議会解散を発表したことによる反抗と陰謀、職権乱用、公妨の罪で捜査している。カスティージョは、議会が寡頭政治に支配されていると主張している。 / ペルーの活動家ダニエラ・オルティスは、「Multipolarista」編集者ベン・ノートンとのインタビューで(M/P 2022/12/10)、カスティージョに対する議会のクーデターは、「右翼を政権に就けること」が目的だと指摘した。 / 右翼は、アルベルト・フジモリのような独裁政治を続けたいと考えている。現在、フジモリの娘であるケイコ・フジモリと、彼女の政党である「ポピュラー・フォース」は、基本的に権力を握り、誰にも行政権を握らせないことを目的としている。 / オルティスは、次のように付け加えた。「議会閉鎖の要求は民衆の要求だ。最近の行進、封鎖、デモの多くは、カスティージョが提出した議案を実行するよう迫るものだ。そして起こったことは、民衆が求めていたことを彼が実行したということだ。.我々の多くは、カスティージョの拘束が絶対に違法であることを理解している。彼らが課したルールの下でさえも」と。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.14 Wednesday)に全訳あり】
teleSUR Published 12 December 2022
Peruvians Take Over Arequipa Airport and Block Roads
(ペルー: アレキパ空港を占拠し道路を封鎖)
幹線道路網の少なくとも25の要所が、発火したタイヤとコンテナで封鎖されている。 / 月曜日(12/11)、ペルー全土で数千数万人の市民が、議会の閉鎖とディナ・ボルアルテ大統領の辞任を求めて街頭に立ち続けている。 / 午前中、国内第二の都市アレキパにある国際空港の施設と滑走路を占拠。民間航空局は、ターミナル内にいた人々の避難を命じ、空港の運営を閉鎖。 / アレキパの鉱山地帯であるチャラでは、最も強力な抗議活動が行われており、4,000人以上がボルアルテ政権を拒否している。 / また、イカ県などペドロ・カスティージョ前大統領が選挙で大きな支持を得た地域でも道路が封鎖されている。沿岸部のトルヒージョ州では、Viruの市民がパン・アメリカン幹線道路で封鎖を維持し、カスティージョの釈放を要求している。 / 道路封鎖は、プーノ、アバンカイ、ウヤカリ、タクナなど、南部や内陸部の他の県でも行われている。ペルー警察によると、6,000人以上のデモ隊が道路封鎖に直接関与している。交通は事実上、全国的に麻痺している。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.13 Tuesday)に全訳あり】
teleSUR Published 12 December 2022
Peruvian Congress Removes Immunity From Pedro Castillo
(ペルー議会、ペドロ・カスティージョの免責を解除)
月曜日(12/11)の早朝に開かれた異例の本会議で、ペルー議会は、12月7日に失脚して以来逮捕されたままのペドロ・カスティージョ前大統領から「特別免責」を取り除いた。 / 賛成67票、反対45票で承認されたこの国会決議は、カスティーヨが政治裁判にかけられることを妨げ、検察庁が反乱罪で彼の拘留を延長する道を直接開くものである。 / このようにして、議員たちは、元ペルー大統領の7日間の予防拘禁が12月14日に期限切れとなるのだが、刑務所に留まることを確実にしたのである。 / 草の根の社会・政治諸組織は、カスティージョの釈放を求め、ディナ・ボルアルテ大統領の辞任を要求して、街頭での抗議を続けている。 / ツイートには「今ペルーでは! テレビではリマは全て平穏だと言っているが、街頭では革命が起きている!」とある。
teleSUR Published 12 December 2022
Massive Protests in Peru Force Boluarte to Advance Elections
(ペルー: 大規模な抗議活動がボルアルテに選挙の前倒しを強制する)
この24時間、リマのAndahuaylasとChalaの自治体で強い抗議が行われ、約2000人がPan-American幹線道路を封鎖した。 / 月曜日(12/11)未明、ディナ・ボルアルテ大統領は、「社会的対立の激しい地域」に非常事態宣言を発した。そこでは数千数万人の市民が大統領の辞任と総選挙の実施を求めて街頭に出ている。 / 当初、ボルアルテは2026年7月に任期を終えると述べていた。しかし、抗議デモの後、総選挙を2024年4月に前倒しする法案を議会に送ると発表した。 / 彼女は、この法案の承認は最も迅速な手続きで承認されるべきである憲法改正を意味する、と説明した。 / カスティージョ前大統領が罷免されて以来、人民の不満は量的にも質的にも高まっている。
Plensa Latina December 11, 2022 Published by: Pavel López Lazo
Peru: protests continue opposing gov ' t change
(ペルー: 政府変更に反対するデモが続く)
抗議者たちは、不満を表明したデモの日に続き、政府変更に反対して街頭に立ち続けている。 / 大規模なデモの後、反乱者たちは、新政府の解任、追放されたペドロ・カスティージョ大統領の釈放、議会の解散、新たな選挙と小選挙区議会の招集を求めた。 / デモは土曜日(12/10)に激しく弾圧され、特にアンデス南部のアプリマック地方にあるアンダワイラス市では4人が負傷し1人が重傷となった。 / 国家人権調整官によると、法執行機関は、禁止されている金属弾の発射を含め、デモに対する活動で違法行為を犯している。 / 抗議行動の動員は、イカ、トルヒージョ、フアラルの沿岸都市や、南部のアレキパ、タクナや、アマゾンの諸都市イキトス、マドレ・デ・ディオスでも報告されている。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Reportan dos fallecidos tras represión a protestas en Perú
(ペルーで抗議デモの弾圧を受け、2名の死亡が報告された)
抗議者たちは、ペルー議会によって宣誓されたディナ・ボルアルテ大統領の政府を認めていない。 / 議会の外では、新たな選挙と制憲議会の召集を求めるデモが続いている。 / 警察の弾圧により2人が死亡、20人以上が負傷したこの日、ペルー議会の外に集まった数千人のデモ隊は、ペドロ・カスティージョ前大統領の釈放を要求した。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Organizaciones sociales de Ucayali se unen a protestas contra el Congreso de Perú
(ウカヤリ県の社会的諸組織がペルー議会への抗議行動に参加)
農民たちは、早期の選挙実施とカスティージョの釈放などを要求している。 / ウカヤリ県の1万人以上の農民が、議会の閉鎖を要求し、ペドロ・カスティージョ前大統領を支持して、月曜日(12/12)に抗議行動を行うと発表した。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Exmandatario Castillo denuncia un plan de la derecha en su contra
(カスティージョ前大統領、反革命右翼の陰謀を糾弾)
前大統領ペドロ・カスティージョは、同国大統領ディナ・ボルアルテ、司法長官パトリシア・ベナビデス、議会議長ホセ・ウィリアムスが自分に対する「マキャベリ的計画」の背後にいると述べた。 / 拘束されている特殊作戦本部で面会した際に、カスティージョからギジェルモ・ベルメホ下院議員に手渡された手紙の中で、「カモフラージュした医師のグループと顔のない検察官」が本人の同意なしに血液サンプルを採取しようとした、とカスティージョは非難している。
【「マキャベリ的計画」とは“手段を選ばぬ権謀術数”のこと。 / おそらく薬物でカスティージョを意識朦朧にさせて、用意してきた文書を読ませたのではないか。 / 弾劾に必要な票数が確保されていなかった下で、議会の一時的な解散を宣言するという議会を無視する暴挙をカスティージョに取らせ、大統領弾劾に反対してきた諸政党を賛成に回らせるという策謀! / 弾劾の論拠を与えるような行動をカスティージョが誰にも相談せずに取ったということに違和感があったが、新たに出てきた記事の内容で、その違和感は氷解する。】
【なお、今のところ英語版teleSURにはこのような記事は掲載されていない。まだ十分な証拠を確保できていないということか。 / スペイン語版Granma(12/10)からわかってきたのだが、Granmaも英語版には載っていない。】
teleSUR Publicado 10 diciembre 2022 (スペイン語)
Organizaciones sociales convocan a paro nacional indefinido en Perú
(ペルーで社会的諸組織が無期限全国ストを実施)
ペドロ・カスティージョ前大統領の逮捕を受け、ペルーで政治危機が激化する中、社会のいくつものセクターが12月12日と13日に全国ストライキを呼びかけた。 / 召集組織は、農民、社会、農民パトロール、先住民、農民共同体、女性組織で、「ペルー農民・農村戦線(FARP)」に統一されている。 / 各組織は、愛国的で平等でエコロジカルで複数国家的な新憲法を求めて、議会を閉鎖し、新しい社会契約とゲームの新しいルールの下での新しい選挙を要求する目的で、13日から無期限ストライキを批准した。 / 宣言の中で、招集主体はペドロ・カスティージョ前大統領の即時解放を要求している。
Granma 10 de diciembre de 2022 Autor: Redacción Digital (スペイン語)
Demanda de habeas corpus del expresidente Castillo es admitida por tribunal peruano
(ペルー: カスティージョ元大統領の人身保護申請が裁判所によって認められる)
謀反と陰謀の罪で予備拘束されている前大統領の即時釈放が求められている。 / ペルーの司法当局は、ペドロ・カスティージョの弁護士が、反乱と陰謀の罪で予備拘禁されている元大統領の即時釈放を求めて提出した人身保護令状を認めた。 / ペドロ・カスティージョ前大統領は、「薬物投与」の有無を調べるため、毒物検査を受けることになった。 / ジャーナリストの質問に、グイド・ベリド元首相は、「大統領は覚えていない」と答えた。 / グイド・ベリド元首相は、カスティージョが飲み物を飲まされて「意識が朦朧とし」、そのために「彼は震えながら読んでいた」と糾弾した。ベリド議員は、カスティージョが「何を読んだかを覚えていない」と断言した。 / 「票数不足で弾劾(罷免)されるはずのない大統領が、弾劾の論拠を示すことになるのは不思議だ」と無所属議員は語った。 / カスティージョは、11月7日に議会を解散し、新たな議会選挙を要求したが、その数時間後、議会は当時の大統領を解任し、国家警察は彼を逮捕した。
teleSUR Published 9 December 2022
Social Movements Demand the Holding of Elections in Peru
(ペルー: さまざまな社会運動が選挙を行うことを要求)
木曜日(12/8)、ペドロ・カスティージョを大統領から解任した議会の閉鎖を要求してリマ中心部で抗議した市民を、警察が弾圧。 / 「新ペルー運動(New Peru movement)」などの政治団体は、当局に対して総選挙の前倒しや制憲議会の召集を要求した。 / アレキパ、クスコ、アヤクコムその他の南部の諸州では、社会諸団体がカスティージョの投獄に抗議し、新しい選挙を要求するために首都に行くよう人々に呼びかけている。 / イカ、アレキパ、タクナで、市民が幹線道路を封鎖したほか、デモを行い、議会の閉鎖と新しい選挙を要求している。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.12.12 Monday)に全訳あり。「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.11 Sunday)にも】
INTERNATIONALIST 360°on DECEMBER 9, 2022 Gustavo Espinoza Montesinos
Peru: A Reactionary Coup is Consummated
(ペルー: 反動的なクーデターが完成する)
数時間の緊張の後、副大統領のディナ・ボルアルテが国家元首に就任し、「すべてのペルー人の団結」を呼びかけた。 / この結果は、いささか予想外であった。そしてそれは、突然引き起こされたものだった。カスティージョ自身が虚空への跳躍ともいうべき行動をとった。誰とも調整せず、社会的・大衆的組織の支持も求めず、軍や進歩的・先進的な立場の政治集団の支持も得ずに、他の政府機関を解散して緊急政府を樹立することを決めたのだ。 / 共和国議会は、今日、必要な87票を数えることができていない共和国大統領職の空席を審議することになっていたが、その目的遂行が容易になったのを見てとった。新しいシナリオでは、101人の議員が空席案に賛成し、反対票はわずか6票、棄権票は9票だった。 / 国の未来は危険にさらされている。内陸部では、退陣した大統領を支持する動員が行われるに違いない。それを恐れて、反動勢力は直接権力を握らず、ディナ・ボルアルテを「調停者」として受け入れるという反応を示したが、彼女には党も組織的な勢力もない。見通しではカスティージョ以上に困難な状況になることが予想される。 / 外交の面でも困難が実感される。特にメキシコ、ベネズエラ、ニカラグア、あるいはキューバなど、いくつかの同盟国との関係が「冷え込む」ことが予想される。
Peoples Dispatch December 08, 2022 by Tanya Wadhwa
Coup in Peru: President Pedro Castillo overthrown by conservative Congress
(ペルーでクーデター: ペドロ・カスティージョ大統領、保守派議会により倒される)
議会での投票は、現在失脚しているペドロ・カスティージョ大統領による阻止の試みの数時間後に行われた。カスティージョは議会の一時的な解散を宣言し、9ヵ月後に新たな議会選挙を要求し、立法府が更新されるまで国を統治する「緊急政府」を発足させていた。また、司法、公共省、国家司法委員会、憲法裁判所の再編成を要求した。さらに、全国で夜間外出禁止令(午後10時から午前4時)を命じた。 / 「私は、9ヶ月を超えない期間で新憲法を準備するための構成権を持つ新議会の選挙を要求する」と、カスティージョは国民に向けたテレビメッセージの中で述べた。 / しかし、極右議会の試みから身を守ろうとしたカスティージョの試みは裏目に出た。発表直後から内閣はほぼ総辞職し、保守系野党はカスティージョがクーデターを起こして違法に政権を奪取しようとしたと非難を始めた。2021年にカスティージョの大統領候補を後援していた左派政党「ペルー・リブレ」もカスティージョの動きを否定した。 / ペルー国軍と国家警察のトップも発言し、カスティージョを拒否した。午後には、副大統領ボルアルテが新大統領に就任し、ペルー史上初の女性国家元首となった。同時に、カスティージョは「反乱」の罪で国家警察に拘束された。 / OAS、クーデターを支持 米州機構(OAS)常設理事会もペルーでの事件に関連して特別会議を開催し、ボルアルテ政権へのOASの支持を表明した。 / 長いクーデター ペルーのいくつかの都市では、追放された大統領の支持者と反対者の間で、抗議と衝突が起こった。カスティージョの支持者たちは、彼の解任を拒否し、反対派は彼の解任を祝った。 / 特筆すべきは、この16ヶ月の任期中に、カスティージョは4回も内閣改造を余儀なくされたことである。議会との対立や意見の相違から、政治的な結束を保つために6ダース以上の閣僚を交代させた。 / カスティージョは、2021年7月末の就任以来、検察庁など国内の公的機関を支配する右翼寡頭勢力から常に攻撃されてきた。選挙での勝利を決して受け入れないとする極右勢力が、主流メディアで同氏と閣僚の追放を目的とした中傷キャンペーンを展開してきた。野党が多数派である議会は、こうしたキャンペーンに乗じて、カスティージョとその閣僚に対する弾劾訴追を繰り返し推進してきた。この国のいわゆる「独立した」司法は、彼らの根拠のない告発を支持していた。 / 地域的な衝撃波 ペルーの危機は、ラ米カリブ全域の指導者の懸念と反応を促した。 【この後は、メキシコ大統領、ボリビア大統領、ホンジュラス外務省、コロンビア大統領の、カスティージョを支持する言明。略】
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: Mexico Gets Asylum Request From Former President Castillo
(ペルー: メキシコ、カスティージョ前大統領から亡命要請を受ける)
カスティージョは水曜日(12/7)にメキシコの大統領府に電話して亡命を要請したが、公使館に到着する前に拘束された、とオブラドール大統領は木曜日(12/8)に述べた。
teleSUR Published 8 December 2022
7-Day Detention Against Former President Pedro Castillo
(ペドロ・カスティージョ前大統領に対する7日間の拘留)
ペルーの司法当局は、反乱と陰謀の罪で捜査されている前大統領ペドロ・カスティージョに対し、7日間の予備拘留を命じた。 / これは、カスティージョが昨日、議会の解散を宣言し、特例政府を樹立したことを受けてのことである。決議によると、「司法拘留の期間は2022年12月7日から13日まで」である。
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: President Dina Boluarte Not To Call Early Elections
(ペルー: ディナ・ボルアルテ大統領、早期選挙を呼びかけず)
木曜日(12/8)に行われた報道陣との短い対話の中で、ディナ・ボルアルテ大統領は、選挙を行う可能性を排除した。
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: Pedro Castillo is Transferred to Maximum Security Prison
(ペルー: ペドロ・カスティージョ、最高警備刑務所に移送される)
議会解散の試みが失敗した後、ペドロ・カスティージョは大統領職から解任され、憲法秩序違反に関連する罪で起訴された。 / 水曜日(12/7)の夜、カスティージョ前大統領はリマ近郊の最大警備の刑務所である特別作戦総局(DIROES)に移送され、裁判を待つ間ここに収監されることになった。 / 水曜日の朝、カスティージョは議会の一時的な閉鎖と「特例政府」の設立を決定したが、この決定は、内閣の大多数のメンバーからも、軍隊、警察、憲法裁判所、司法機関からも支持されなかった。
teleSUR Published 7 December 2022
Peru’s Crisis Prompts Reaction From Latin American Leaders
(ペルーの危機はラ米カリブの指導者たちのリアクションを引き起こす)
ペルー議会のペドロ・カスティージョ解任の決定は、メキシコ、ボリビア、コロンビア、チリの指導者と政府によって拒否された。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.12.09 Friday)に全訳あり】
Plensa Latina December 7, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Protests and brawls after new president of Peru is sworn in
(ペルー新大統領就任後の抗議行動と乱闘騒ぎ)
ペルーのいくつかの都市で報告された抗議と、解任されたペドロ・カスティージョの擁護者と反対者との間の乱闘は、ディナ・ボルアルテ新大統領が対話と統一を達成することの難しさを示している。 / カスティージョの支持者の方が多く、元大統領の解任を拒否した。反対派は、議会を牛耳る極右が求めていたカスティージョの罷免を祝賀した。 / 国内第二の都市アレキパをはじめ、北部のトルヒージョやチクラヨ、中央アンデスのフアンカベリカやフアンカヨなどでは、ボルアルテに反対するデモが行われた。 / カスティージョが拘留されているリマの国家警察地域本部前では、追放された大統領を支持する多数の人々と、前大統領の敗北を祝う少数のグループとの間で激しい対立があった。 / 抗議デモでは、参加者はボルアルテを「裏切り者」として拒否した。
Plensa Latina December 7, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
President of Peru detained after his dismissal
(ペルー大統領、解任後に拘束される)
ペドロ・カスティージョ大統領は、本日(12/7)、議会で解任が承認された後、政府宮殿を出た後に逮捕された。 / 最終的に決定的だったのは、軍と警察のトップが立法府の解散を支持することを拒否したことであった。
teleSUR Published 7 December 2022
Vice-President Takes Office in Peru After Castillo’s Dismissal
(ペルー: カスティージョ解任後、副大統領が就任)
ディナ・ボルアルテ副大統領は、議会を閉鎖して「特例政府」を設立しようとしたカスティージョ大統領を議会が解任した後、同国の最高指導者に就任した。 / 「私は、国民統合政府を樹立するための政治的休戦を要請します。この責任は、すべての人が負わなければなりません。私は、我が国を腐敗から救うための期限を要求します。私の最初の対策は、あらゆる危険な次元の汚職に立ち向かうことです」と大統領は述べた。
teleSUR Published 7 December 2022
Pedro Castillo, Ousted President of Peru Arrested
(ペルー: 大統領を解任されたペドロ・カスティージョが逮捕される)
この水曜日(12/7)、ペルー議会は、ペドロ・カスティージョ大統領に対する空位申し立てを承認した。カスティージョは国家警察によって逮捕された後、県庁に拘束されている。
teleSUR Published 7 December 2022
Peru Congress Approves Motion of Vacancy Against Pedro Castillo
(ペルー議会、ペドロ・カスティージョに対する空位申し立てを承認)
ペルー議会は、水曜日(12/7)、同国が直面している政治危機の中で、先に大統領が議会の解散を宣言した後、「道徳的無能力」を理由にペドロ・カスティージョ大統領の欠員を承認した。 / 現地時間15時に議会で宣誓した後、ディナ・ボルアルテ共和国副大統領が行政を担当することになる。彼女は、共和国200年の歴史で初めてこの役職に就く女性となる。 / 国民議会は、記名投票を終えた後、賛成101票、反対6票、棄権10票でこの措置を承認した。 / この措置はカスティージョ大統領と議会との政治的危機を加速させ、大統領が発表した議会の解散と緊急政権の樹立を拒否する政治家階級や治安部隊などと、大統領の宣言布告を支持する人民との間に分裂を生じさせている。
teleSUR Published 7 December 2022
President Castillo Installs a 'Government of Exception' in Peru
(ペルー: カスティージョ大統領、「特例政府」を設置)
水曜日(12/7)、ペドロ・カスティージョ大統領は、議会の一時的な解散を宣言し、司法と選挙権の再編成が行われる間、今後数ヶ月間ペルーを統治する「緊急政府」を設立した。 / これは、ペルーの議員たちが大統領に対する新たな弾劾案を審議すると予想される数時間前のことで、これによりカスティージョは直ちに同国の大統領職から解任される可能性があった。 / この決定には、ペルーの新憲法起草のための条件整備を目的とした新たな議会選挙を求めることも含まれている。この選挙は、9ヶ月以内に実施される予定である。また、大統領は12月7日から夜10時から朝4時まで全国的に夜間外出禁止令を発令した。 / これらの決定は、「ペルー・リブレ」を含むすべての政党の拒否を促進した。「ペルー・リブレ」党は2021年の大統領候補カスティージョを後援した政党である。【今回は危機的状況になっている。】
teleSUR Published 2 December 2022
Peru: President Castillo to Face Impeachment Trial on Dec. 7
(ペルー: カスティージョ大統領、12月7日に弾劾裁判)
弾劾手続きは、賛成73票、反対32票、棄権6票で承認された。 / カスティージョに対する弾劾手続きは今回が3回目。2021年12月に行われた1回目の却下請求は、申し立てが処理に認められなかったため回避された。その後、3月に行われた2回目の要求も、賛成票が55票しか得られなかったため認められなかった。 / ペルー憲法によると、カスティージョ大統領の解任は、本会議で130人中87人以上の議員の支持を得なければならない。
INTERNATIONALIST 360° on NOVEMBER 18, 2022 Abayomi Azikiwe
Peru: President Pedro Castillo Threatened by Attempts to Stage Right-Wing Coup
(ペルー: ペドロ・カスティージョ大統領、右翼クーデターの企てで脅迫される)
国家の将来をめぐって、野党勢力が左翼や労働組合員と衝突している。 / ペルーでは、社会主義者のペドロ・カスティージョ大統領が、中流階級や上流階級を代表する保守的な利益団体に包囲されており、緊迫した政治状況が展開されている。 / 現在、議会ではカスティージョ政権に対する不信任案を可決するための3回目の試みが行われている。前の2つの試みは、立法機関内の支持不足により失敗した。 / 野党勢力は、汚職の告発によって大統領に泥を塗ろうとしている。このような疑惑は、外国からの投資を抑制し、国家経済を衰退させることを意図している。 / ペルーの経済は、銅の採掘と輸出に大きく依存している。ペルーはチリに次いで世界第2位の銅の産出国である。銅の輸出はペルーの国内総生産(GDP)の6割を稼ぎ出している。
teleSUR Published 17 November 2022
Peru: Congress Processes Corruption Complaint Against Castillo
(ペルー: 議会がカスティージョに対する汚職の訴追)
ペルー大統領は、この告発は新しいタイプのクーデターの始まりを意味すると考えている。 / 水曜日(11/16)、ペルー議会の憲法訴追小委員会は、ペドロ・カスティージョ大統領に対して検察庁が提出した憲法訴追を推し進めることを認めた。
Peoples Dispatch November 14, 2022 by Peoples Dispatch
Peruvian movements and unions mobilize in defense of President Pedro Castillo
(ペルーのさまざまな運動と組合がカスティージョ大統領を擁護するために動員)
11月10日(木)、数万人のペルー人がペドロ・カスティージョ大統領を支持するために首都リマの街頭に立ち、一院制議会で多数を占める右派野党が起こした3回目の弾劾訴追に反対する集会を開いた。 / 反クーデターのスローガンを掲げながら、民主主義を守るために共和国議会まで行進した。 / デモ隊は、議会の閉鎖と新たな立法府の選挙を要求した。また、大統領に対し、社会と経済の大幅な変革という選挙公約を実現し、アルベルト・フジモリの独裁時代に制定され押し付けられた現行の新自由主義憲法に代わる新しい憲法の起草に向けた措置をとるよう要求した。 / カスティージョ大統領率いる左派政権と野党が支配する議会は、2021年7月の就任以来、対立している。
teleSUR Published 11 November 2022
Peru: Supporters of President Castillo March Against Congress
(ペルー: カスティージョ大統領支持者が議会に対して反対デモを実施)
木曜日(11/10)、数千人がリマの街に繰り出し、ペドロ・カスティージョ大統領の政権を妨害して陰謀を企てる議会に対して抗議した。 / 市民たちは、また、新憲法の起草とPatricia Benavides司法長官の辞任を要求した。 / 国旗や左派大統領を支持する文言が書かれたポスターを持って、全国から市民が首都に集まり、行政府と立法府の緊張関係が顕著な政治状況の中で統治能力を要求した。 / ペルー大統領を支持する社会団体は、極右野党がジャーナリストや裁判官を巻き込んだ陰謀によって「ソフトクーデター」を試みており、カスティージョを罷免しようとしていると非難している。
【首相は国民に対して大統領を擁護し議会を批判するよう求めている。】
Plensa Latina October 23, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Peru: President maintains hard core of support
(ペルー 大統領、ハードコアの支持を維持)
ペドロ・カスティージョ大統領は、土曜日(10/22)発表の調査によると、彼に対する汚職の非難にもかかわらず、彼を支持するハードコアの支持率は維持している。少数派ではあるが。 / 非公式な「ペルー研究所(IEP)」の月例調査によると、大統領は25%の支持と65%の不支持で、前回の数字を維持している。 / 極右勢力と中道が支配し、カスティージョ解任に躍起になっている議会は、支持率を11%から15%に上げた。不支持率は78%で、先月より6ポイント減少。
【発足当初から支持率は低かったようだ。実際の支持率を表しているかどうかは疑わしい。】
teleSUR Published 10 August 2022
Peruvian Police and Prosecutors Raid Presidential Palace
(ペルー: 警察と検察が大統領官邸を襲撃)
カスティージョ大統領は、議員グループ、検察庁、主要メディアが結託して自分を罷免しようとしていると糾弾した。
Granma august 5, 2022 Author: Milagros Pichardo Pérez
Has Pedro Castillo been the only one to have it impossible to govern Peru?
(ペドロ・カスティージョだけがペルーの統治を不可能にしてきたのだろうか?)
カスティージョは、歴代大統領10人が有罪判決を受けたり、司法制度との裁判に直面している国の大統領である。 / カスティージョの就任1年目は、複数の専門家が「5年の任期を全うすることはできないだろう」と指摘するほど、さまざまな障害に見舞われ、嵐のような1年となった。 / 当初、彼は、より左寄りのプログラムを実行しようとしたが、できなかった。絶え間ない内部の挫折(この1年間で19のポストを50人以上が通過した)、選挙公約の達成の困難さ、世界的な経済不況、国家機関の弱体化、蓄積された社会問題の恒久化、そして暗愚な反対勢力(野党が政府をボイコットしていると国民の53.6%が考えている)、これらが、ペルー人の76%をカスティージョ大統領不承認にしたという(Ipsosのデータによる)。 / 長年にわたる政情不安は、社会政策や公共政策への投資や効果的な実行を制限し、犯罪、物価高、失業、貧困、不十分な教育、ジェンダー暴力、不健康状態などの問題の蓄積をもたらしている。 / また、大統領たちの悩みの種である議会(一院制)の問題もある。3,300万人以上のペルー人を代表するわずか130人の議員で14の政治勢力を抱えているのだから無理もない。 / 大統領が政権を5年維持し不祥事も起こさないのが伝統となっているこの国で、カスティージョ現大統領にだけすべての大砲が向けられている。
( 2022年12月15日)
(ペルー要点)
・ 12月7日、議会クーデター。カスティージョ大統領を弾劾・解任し、ボルアルテ副大統領が昇格・就任。 / 議会による大統領弾劾には、議員の3分の2以上の賛成が必要(一院制130議席で87以上)。既に2度、賛成票不足で失敗していて、今回が3度目。 / 今回も事前にわかっている賛成票は87に達してはいなかった。だが、投票が行われる直前にカスティージョが、議会の一時閉鎖と臨時政府樹立による全権掌握を一方的に宣言。それに対して議会が反発し、101票の賛成で大統領弾劾を決議。 / カスティージョは、国家警察に逮捕され拘束された。
・ カスティージョの行動に不審な点があり、薬物を飲まされて利敵行為になるようなことをさせられた可能性がある。スペイン語のGranmaとteleSURが報じた。ただし英語版では、また他でも、報じられていない。確かな証拠が未だないためだと思われる。 / いずれにしても、人民は、議会によるクーデターだとしてカスティージョの復帰と反動議会の閉鎖を要求している。
・ 人民の抗議行動が全土で拡大し、全国的なストライキ闘争に発展。カスティージョを支持し、即時釈放と大統領への復帰、議会解散と新たな選挙、新憲法起草の制憲議会設立などを要求している。 / 幹線道路や空港を封鎖。全国的に交通がマヒ。抗議者たちのツイートには「テレビでは全て平穏だと言っているが、街頭では革命が起きている!」と。 / ボルアルテは、当初2026年7月の任期満了まで大統領を務めるとしていたが、人民の抗議行動の拡大、全国化、大規模化によって、総選挙の前倒しを表明せざるをえなくなった(11日に2024年4月に行うとしたが14日にはさらに早めて23年12月に)。
・ カスティージョ政権は2021年7月に発足。右翼政党が議会で多数を占め、公的機関の多くを右翼勢力が支配している下で、系統的・継続的に政権攻撃が行われ、16ヶ月の間に4回も政権改造を余儀なくされ、法案もほとんど成立させられず、選挙公約もほとんど実現できない状況になっていた。 / 不満をつのらせた人民の怒りが今回の事態をきっかけに爆発し、停滞していた状況が大きく動きはじめた。
・ キューバ、ベネズエラをはじめとして、ラ米カリブの多くの政府や諸組織がカスティージョ政権支持を表明。さらに、メキシコ、コロンビア、ボリビア、アルゼンチン政府は、選挙で示された民意を尊重しカスティージョ前大統領の人権を尊重するようにという共同声明を発表した。
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(ペルー)
teleSUR Published 14 December 2022
Boluarte Proposes Advancing Peruvian Elections to December 2023
(ペルー: ボルアルテ、選挙を2023年12月に前倒しすることを提案)
ディナ・ボルアルテは、大統領職に留まることができる日付について3度も考えを変えた。 / 水曜日(12/14)、彼女は総選挙を2023年12月、つまり彼女が当初最も適切な日付として提案した2024年4月の4ヶ月前に実施する可能性を示唆した。 / 12月7日にペルー大統領に就任したボルアルテは、2026年まで大統領職に留まることを誓ったが、大規模な抗議活動の圧力により火曜日(12/13)の夜、国家評議会と会議を開いた。
teleSUR Published 14 December 2022
Peruvian Prosecutor Requests 18 Months in Prison for Castillo
(ペルー検察当局、カスティージョに懲役18ヶ月を求刑)
この策謀により、ペドロ・カスティージョ前大統領は、今日で7日間の予備拘留が終了するにもかかわらず、収監されたままとなる。
teleSUR Published 13 December 2022
Protests Demand Closure of the Peruvian Congress
(ペルー議会の閉鎖を求める抗議行動)
ペルーでは今週火曜日(12/13)も、いくつもの地方で、議会の閉鎖、ペドロ・カスティージョ前大統領の釈放、ディナ・ボルアルテ大統領の辞任と新しい選挙の実施を改めて要求する集会が行われている。 / 地域メディアによると、リマ(首都)のダウンタウン、ランバイェケ、クスコ、イカ、タクナなどの地域で抗議デモが行われている。
teleSUR Published 13 December 2022
LATAM Progressive Governments Concerned About Peruvian Crisis
(ラ米カリブの進歩的な政府はペルーの危機を懸念している)
月曜日(12/12)、メキシコ、コロンビア、ボリビア、アルゼンチン政府は、ペルーにおける民意の尊重とペドロ・カスティージョ前大統領の権利を要求する共同声明を発表した。 / 「私たちの政府は、このプロセスに関わったすべての関係者に対し、投票で示された市民の意思を優先させるよう要請する。それが、『米州人権システム』に含まれる民主主義の概念の範囲と意味を解釈する方法である」と述べている。 / 「我々は、機関を構成する者に対し、自由な参政権を通じて表明された民意を覆すことを控えるよう強く求める。我々は、当局がカスティージョ大統領の人権を完全に尊重し、司法保護を保証するよう要請する」と共同声明は付け加えた。
teleSUR Published 13 December 2022
Cusco on Strike as Boluart Toughens Repression in Peru
(ペルー: クスコがストライキを実施し、ボルアルテが弾圧を強化)
ペルーの人々は、カスティージョ前大統領の釈放要求を弱めることなく、抗議行動を強化し続けている。 / ペルーで実際に起こっていることの報道拡散を妨げようとするメディア包囲網の中で、社会諸組織はクスコの街頭に立ち、ディナ・ボルアルテ大統領と議会に対して無期限のストライキを行っている。
Peoples Dispatch December 12, 2022 by Tanya Wadhwa
Five killed by police during anti-coup protests in Peru
(ペルーで反クーデター抗議デモで5人が警察に殺害される)
12月7日以降、民主的に選出された左翼のペドロ・カスティージョ大統領を失脚させ逮捕に至った議会クーデターを拒否するために、数万人のペルー人が各地で抗議活動を行い、警察の残忍な弾圧に耐え、議会の閉鎖、新しい選挙、立憲議会による新憲法制定を要求している。
市民の抵抗 この5日間、デモ隊は、カスティージョ前大統領の即時釈放と大統領への復帰を求め、国土全域で平和的な動員や道路封鎖を組織してきた。 / 首都リマでは、警察の激しい弾圧にもかかわらず、抗議者たちは議会前でほぼ常時抗議を続けている。抗議者たちのもう一つの中心的な要求は、右翼が支配する議会の実質的な解散である。また、立法府を変えるために新たな選挙を組織することも要求している。 / 副大統領のディナ・ボルアルテによる新大統領就任にも拒否感を示している。ボルアルテは選挙で選ばれた指導者ではないとして辞任を要求している。右翼と政治同盟を結んで政権を担ったことを非難している。また、新憲法を起草するための制憲議会を招集することを要求している。 / 首都に加え、全国各地でクーデターに反対する抗議が行われた。
警察の弾圧 警察は、こうした平和的なデモに対して、暴力と弾圧で対応している。【以下、具体的報道。略】
ペルー右翼の専制 支持率11%の野党多数派の右翼議会は、2021年7月末にカスティージョが就任するや否や、ほぼ絶え間なく打倒と政権の不安定化を図る試みを繰り広げてきた。12月12日、議会は攻撃を進め、カスティージョの免責を解除し、起訴に道を開く法案を承認した。賛成64票、反対35票、反対1票で決定した。 / カスティージョは7日間予備的に拘束されていた。免責が解かれたことで、検察庁は最大36ヶ月の予防拘禁を請求できるようになった。 / 検察庁は、カスティージョを議会解散を発表したことによる反抗と陰謀、職権乱用、公妨の罪で捜査している。カスティージョは、議会が寡頭政治に支配されていると主張している。 / ペルーの活動家ダニエラ・オルティスは、「Multipolarista」編集者ベン・ノートンとのインタビューで(M/P 2022/12/10)、カスティージョに対する議会のクーデターは、「右翼を政権に就けること」が目的だと指摘した。 / 右翼は、アルベルト・フジモリのような独裁政治を続けたいと考えている。現在、フジモリの娘であるケイコ・フジモリと、彼女の政党である「ポピュラー・フォース」は、基本的に権力を握り、誰にも行政権を握らせないことを目的としている。 / オルティスは、次のように付け加えた。「議会閉鎖の要求は民衆の要求だ。最近の行進、封鎖、デモの多くは、カスティージョが提出した議案を実行するよう迫るものだ。そして起こったことは、民衆が求めていたことを彼が実行したということだ。.我々の多くは、カスティージョの拘束が絶対に違法であることを理解している。彼らが課したルールの下でさえも」と。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.14 Wednesday)に全訳あり】
teleSUR Published 12 December 2022
Peruvians Take Over Arequipa Airport and Block Roads
(ペルー: アレキパ空港を占拠し道路を封鎖)
幹線道路網の少なくとも25の要所が、発火したタイヤとコンテナで封鎖されている。 / 月曜日(12/11)、ペルー全土で数千数万人の市民が、議会の閉鎖とディナ・ボルアルテ大統領の辞任を求めて街頭に立ち続けている。 / 午前中、国内第二の都市アレキパにある国際空港の施設と滑走路を占拠。民間航空局は、ターミナル内にいた人々の避難を命じ、空港の運営を閉鎖。 / アレキパの鉱山地帯であるチャラでは、最も強力な抗議活動が行われており、4,000人以上がボルアルテ政権を拒否している。 / また、イカ県などペドロ・カスティージョ前大統領が選挙で大きな支持を得た地域でも道路が封鎖されている。沿岸部のトルヒージョ州では、Viruの市民がパン・アメリカン幹線道路で封鎖を維持し、カスティージョの釈放を要求している。 / 道路封鎖は、プーノ、アバンカイ、ウヤカリ、タクナなど、南部や内陸部の他の県でも行われている。ペルー警察によると、6,000人以上のデモ隊が道路封鎖に直接関与している。交通は事実上、全国的に麻痺している。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.13 Tuesday)に全訳あり】
teleSUR Published 12 December 2022
Peruvian Congress Removes Immunity From Pedro Castillo
(ペルー議会、ペドロ・カスティージョの免責を解除)
月曜日(12/11)の早朝に開かれた異例の本会議で、ペルー議会は、12月7日に失脚して以来逮捕されたままのペドロ・カスティージョ前大統領から「特別免責」を取り除いた。 / 賛成67票、反対45票で承認されたこの国会決議は、カスティーヨが政治裁判にかけられることを妨げ、検察庁が反乱罪で彼の拘留を延長する道を直接開くものである。 / このようにして、議員たちは、元ペルー大統領の7日間の予防拘禁が12月14日に期限切れとなるのだが、刑務所に留まることを確実にしたのである。 / 草の根の社会・政治諸組織は、カスティージョの釈放を求め、ディナ・ボルアルテ大統領の辞任を要求して、街頭での抗議を続けている。 / ツイートには「今ペルーでは! テレビではリマは全て平穏だと言っているが、街頭では革命が起きている!」とある。
teleSUR Published 12 December 2022
Massive Protests in Peru Force Boluarte to Advance Elections
(ペルー: 大規模な抗議活動がボルアルテに選挙の前倒しを強制する)
この24時間、リマのAndahuaylasとChalaの自治体で強い抗議が行われ、約2000人がPan-American幹線道路を封鎖した。 / 月曜日(12/11)未明、ディナ・ボルアルテ大統領は、「社会的対立の激しい地域」に非常事態宣言を発した。そこでは数千数万人の市民が大統領の辞任と総選挙の実施を求めて街頭に出ている。 / 当初、ボルアルテは2026年7月に任期を終えると述べていた。しかし、抗議デモの後、総選挙を2024年4月に前倒しする法案を議会に送ると発表した。 / 彼女は、この法案の承認は最も迅速な手続きで承認されるべきである憲法改正を意味する、と説明した。 / カスティージョ前大統領が罷免されて以来、人民の不満は量的にも質的にも高まっている。
Plensa Latina December 11, 2022 Published by: Pavel López Lazo
Peru: protests continue opposing gov ' t change
(ペルー: 政府変更に反対するデモが続く)
抗議者たちは、不満を表明したデモの日に続き、政府変更に反対して街頭に立ち続けている。 / 大規模なデモの後、反乱者たちは、新政府の解任、追放されたペドロ・カスティージョ大統領の釈放、議会の解散、新たな選挙と小選挙区議会の招集を求めた。 / デモは土曜日(12/10)に激しく弾圧され、特にアンデス南部のアプリマック地方にあるアンダワイラス市では4人が負傷し1人が重傷となった。 / 国家人権調整官によると、法執行機関は、禁止されている金属弾の発射を含め、デモに対する活動で違法行為を犯している。 / 抗議行動の動員は、イカ、トルヒージョ、フアラルの沿岸都市や、南部のアレキパ、タクナや、アマゾンの諸都市イキトス、マドレ・デ・ディオスでも報告されている。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Reportan dos fallecidos tras represión a protestas en Perú
(ペルーで抗議デモの弾圧を受け、2名の死亡が報告された)
抗議者たちは、ペルー議会によって宣誓されたディナ・ボルアルテ大統領の政府を認めていない。 / 議会の外では、新たな選挙と制憲議会の召集を求めるデモが続いている。 / 警察の弾圧により2人が死亡、20人以上が負傷したこの日、ペルー議会の外に集まった数千人のデモ隊は、ペドロ・カスティージョ前大統領の釈放を要求した。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Organizaciones sociales de Ucayali se unen a protestas contra el Congreso de Perú
(ウカヤリ県の社会的諸組織がペルー議会への抗議行動に参加)
農民たちは、早期の選挙実施とカスティージョの釈放などを要求している。 / ウカヤリ県の1万人以上の農民が、議会の閉鎖を要求し、ペドロ・カスティージョ前大統領を支持して、月曜日(12/12)に抗議行動を行うと発表した。
teleSUR Publicado 11 diciembre 2022 (スペイン語)
Exmandatario Castillo denuncia un plan de la derecha en su contra
(カスティージョ前大統領、反革命右翼の陰謀を糾弾)
前大統領ペドロ・カスティージョは、同国大統領ディナ・ボルアルテ、司法長官パトリシア・ベナビデス、議会議長ホセ・ウィリアムスが自分に対する「マキャベリ的計画」の背後にいると述べた。 / 拘束されている特殊作戦本部で面会した際に、カスティージョからギジェルモ・ベルメホ下院議員に手渡された手紙の中で、「カモフラージュした医師のグループと顔のない検察官」が本人の同意なしに血液サンプルを採取しようとした、とカスティージョは非難している。
【「マキャベリ的計画」とは“手段を選ばぬ権謀術数”のこと。 / おそらく薬物でカスティージョを意識朦朧にさせて、用意してきた文書を読ませたのではないか。 / 弾劾に必要な票数が確保されていなかった下で、議会の一時的な解散を宣言するという議会を無視する暴挙をカスティージョに取らせ、大統領弾劾に反対してきた諸政党を賛成に回らせるという策謀! / 弾劾の論拠を与えるような行動をカスティージョが誰にも相談せずに取ったということに違和感があったが、新たに出てきた記事の内容で、その違和感は氷解する。】
【なお、今のところ英語版teleSURにはこのような記事は掲載されていない。まだ十分な証拠を確保できていないということか。 / スペイン語版Granma(12/10)からわかってきたのだが、Granmaも英語版には載っていない。】
teleSUR Publicado 10 diciembre 2022 (スペイン語)
Organizaciones sociales convocan a paro nacional indefinido en Perú
(ペルーで社会的諸組織が無期限全国ストを実施)
ペドロ・カスティージョ前大統領の逮捕を受け、ペルーで政治危機が激化する中、社会のいくつものセクターが12月12日と13日に全国ストライキを呼びかけた。 / 召集組織は、農民、社会、農民パトロール、先住民、農民共同体、女性組織で、「ペルー農民・農村戦線(FARP)」に統一されている。 / 各組織は、愛国的で平等でエコロジカルで複数国家的な新憲法を求めて、議会を閉鎖し、新しい社会契約とゲームの新しいルールの下での新しい選挙を要求する目的で、13日から無期限ストライキを批准した。 / 宣言の中で、招集主体はペドロ・カスティージョ前大統領の即時解放を要求している。
Granma 10 de diciembre de 2022 Autor: Redacción Digital (スペイン語)
Demanda de habeas corpus del expresidente Castillo es admitida por tribunal peruano
(ペルー: カスティージョ元大統領の人身保護申請が裁判所によって認められる)
謀反と陰謀の罪で予備拘束されている前大統領の即時釈放が求められている。 / ペルーの司法当局は、ペドロ・カスティージョの弁護士が、反乱と陰謀の罪で予備拘禁されている元大統領の即時釈放を求めて提出した人身保護令状を認めた。 / ペドロ・カスティージョ前大統領は、「薬物投与」の有無を調べるため、毒物検査を受けることになった。 / ジャーナリストの質問に、グイド・ベリド元首相は、「大統領は覚えていない」と答えた。 / グイド・ベリド元首相は、カスティージョが飲み物を飲まされて「意識が朦朧とし」、そのために「彼は震えながら読んでいた」と糾弾した。ベリド議員は、カスティージョが「何を読んだかを覚えていない」と断言した。 / 「票数不足で弾劾(罷免)されるはずのない大統領が、弾劾の論拠を示すことになるのは不思議だ」と無所属議員は語った。 / カスティージョは、11月7日に議会を解散し、新たな議会選挙を要求したが、その数時間後、議会は当時の大統領を解任し、国家警察は彼を逮捕した。
teleSUR Published 9 December 2022
Social Movements Demand the Holding of Elections in Peru
(ペルー: さまざまな社会運動が選挙を行うことを要求)
木曜日(12/8)、ペドロ・カスティージョを大統領から解任した議会の閉鎖を要求してリマ中心部で抗議した市民を、警察が弾圧。 / 「新ペルー運動(New Peru movement)」などの政治団体は、当局に対して総選挙の前倒しや制憲議会の召集を要求した。 / アレキパ、クスコ、アヤクコムその他の南部の諸州では、社会諸団体がカスティージョの投獄に抗議し、新しい選挙を要求するために首都に行くよう人々に呼びかけている。 / イカ、アレキパ、タクナで、市民が幹線道路を封鎖したほか、デモを行い、議会の閉鎖と新しい選挙を要求している。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.12.12 Monday)に全訳あり。「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.12.11 Sunday)にも】
INTERNATIONALIST 360°on DECEMBER 9, 2022 Gustavo Espinoza Montesinos
Peru: A Reactionary Coup is Consummated
(ペルー: 反動的なクーデターが完成する)
数時間の緊張の後、副大統領のディナ・ボルアルテが国家元首に就任し、「すべてのペルー人の団結」を呼びかけた。 / この結果は、いささか予想外であった。そしてそれは、突然引き起こされたものだった。カスティージョ自身が虚空への跳躍ともいうべき行動をとった。誰とも調整せず、社会的・大衆的組織の支持も求めず、軍や進歩的・先進的な立場の政治集団の支持も得ずに、他の政府機関を解散して緊急政府を樹立することを決めたのだ。 / 共和国議会は、今日、必要な87票を数えることができていない共和国大統領職の空席を審議することになっていたが、その目的遂行が容易になったのを見てとった。新しいシナリオでは、101人の議員が空席案に賛成し、反対票はわずか6票、棄権票は9票だった。 / 国の未来は危険にさらされている。内陸部では、退陣した大統領を支持する動員が行われるに違いない。それを恐れて、反動勢力は直接権力を握らず、ディナ・ボルアルテを「調停者」として受け入れるという反応を示したが、彼女には党も組織的な勢力もない。見通しではカスティージョ以上に困難な状況になることが予想される。 / 外交の面でも困難が実感される。特にメキシコ、ベネズエラ、ニカラグア、あるいはキューバなど、いくつかの同盟国との関係が「冷え込む」ことが予想される。
Peoples Dispatch December 08, 2022 by Tanya Wadhwa
Coup in Peru: President Pedro Castillo overthrown by conservative Congress
(ペルーでクーデター: ペドロ・カスティージョ大統領、保守派議会により倒される)
議会での投票は、現在失脚しているペドロ・カスティージョ大統領による阻止の試みの数時間後に行われた。カスティージョは議会の一時的な解散を宣言し、9ヵ月後に新たな議会選挙を要求し、立法府が更新されるまで国を統治する「緊急政府」を発足させていた。また、司法、公共省、国家司法委員会、憲法裁判所の再編成を要求した。さらに、全国で夜間外出禁止令(午後10時から午前4時)を命じた。 / 「私は、9ヶ月を超えない期間で新憲法を準備するための構成権を持つ新議会の選挙を要求する」と、カスティージョは国民に向けたテレビメッセージの中で述べた。 / しかし、極右議会の試みから身を守ろうとしたカスティージョの試みは裏目に出た。発表直後から内閣はほぼ総辞職し、保守系野党はカスティージョがクーデターを起こして違法に政権を奪取しようとしたと非難を始めた。2021年にカスティージョの大統領候補を後援していた左派政党「ペルー・リブレ」もカスティージョの動きを否定した。 / ペルー国軍と国家警察のトップも発言し、カスティージョを拒否した。午後には、副大統領ボルアルテが新大統領に就任し、ペルー史上初の女性国家元首となった。同時に、カスティージョは「反乱」の罪で国家警察に拘束された。 / OAS、クーデターを支持 米州機構(OAS)常設理事会もペルーでの事件に関連して特別会議を開催し、ボルアルテ政権へのOASの支持を表明した。 / 長いクーデター ペルーのいくつかの都市では、追放された大統領の支持者と反対者の間で、抗議と衝突が起こった。カスティージョの支持者たちは、彼の解任を拒否し、反対派は彼の解任を祝った。 / 特筆すべきは、この16ヶ月の任期中に、カスティージョは4回も内閣改造を余儀なくされたことである。議会との対立や意見の相違から、政治的な結束を保つために6ダース以上の閣僚を交代させた。 / カスティージョは、2021年7月末の就任以来、検察庁など国内の公的機関を支配する右翼寡頭勢力から常に攻撃されてきた。選挙での勝利を決して受け入れないとする極右勢力が、主流メディアで同氏と閣僚の追放を目的とした中傷キャンペーンを展開してきた。野党が多数派である議会は、こうしたキャンペーンに乗じて、カスティージョとその閣僚に対する弾劾訴追を繰り返し推進してきた。この国のいわゆる「独立した」司法は、彼らの根拠のない告発を支持していた。 / 地域的な衝撃波 ペルーの危機は、ラ米カリブ全域の指導者の懸念と反応を促した。 【この後は、メキシコ大統領、ボリビア大統領、ホンジュラス外務省、コロンビア大統領の、カスティージョを支持する言明。略】
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: Mexico Gets Asylum Request From Former President Castillo
(ペルー: メキシコ、カスティージョ前大統領から亡命要請を受ける)
カスティージョは水曜日(12/7)にメキシコの大統領府に電話して亡命を要請したが、公使館に到着する前に拘束された、とオブラドール大統領は木曜日(12/8)に述べた。
teleSUR Published 8 December 2022
7-Day Detention Against Former President Pedro Castillo
(ペドロ・カスティージョ前大統領に対する7日間の拘留)
ペルーの司法当局は、反乱と陰謀の罪で捜査されている前大統領ペドロ・カスティージョに対し、7日間の予備拘留を命じた。 / これは、カスティージョが昨日、議会の解散を宣言し、特例政府を樹立したことを受けてのことである。決議によると、「司法拘留の期間は2022年12月7日から13日まで」である。
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: President Dina Boluarte Not To Call Early Elections
(ペルー: ディナ・ボルアルテ大統領、早期選挙を呼びかけず)
木曜日(12/8)に行われた報道陣との短い対話の中で、ディナ・ボルアルテ大統領は、選挙を行う可能性を排除した。
teleSUR Published 8 December 2022
Peru: Pedro Castillo is Transferred to Maximum Security Prison
(ペルー: ペドロ・カスティージョ、最高警備刑務所に移送される)
議会解散の試みが失敗した後、ペドロ・カスティージョは大統領職から解任され、憲法秩序違反に関連する罪で起訴された。 / 水曜日(12/7)の夜、カスティージョ前大統領はリマ近郊の最大警備の刑務所である特別作戦総局(DIROES)に移送され、裁判を待つ間ここに収監されることになった。 / 水曜日の朝、カスティージョは議会の一時的な閉鎖と「特例政府」の設立を決定したが、この決定は、内閣の大多数のメンバーからも、軍隊、警察、憲法裁判所、司法機関からも支持されなかった。
teleSUR Published 7 December 2022
Peru’s Crisis Prompts Reaction From Latin American Leaders
(ペルーの危機はラ米カリブの指導者たちのリアクションを引き起こす)
ペルー議会のペドロ・カスティージョ解任の決定は、メキシコ、ボリビア、コロンビア、チリの指導者と政府によって拒否された。
【「ブエノス・アミーゴス」(2022.12.09 Friday)に全訳あり】
Plensa Latina December 7, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Protests and brawls after new president of Peru is sworn in
(ペルー新大統領就任後の抗議行動と乱闘騒ぎ)
ペルーのいくつかの都市で報告された抗議と、解任されたペドロ・カスティージョの擁護者と反対者との間の乱闘は、ディナ・ボルアルテ新大統領が対話と統一を達成することの難しさを示している。 / カスティージョの支持者の方が多く、元大統領の解任を拒否した。反対派は、議会を牛耳る極右が求めていたカスティージョの罷免を祝賀した。 / 国内第二の都市アレキパをはじめ、北部のトルヒージョやチクラヨ、中央アンデスのフアンカベリカやフアンカヨなどでは、ボルアルテに反対するデモが行われた。 / カスティージョが拘留されているリマの国家警察地域本部前では、追放された大統領を支持する多数の人々と、前大統領の敗北を祝う少数のグループとの間で激しい対立があった。 / 抗議デモでは、参加者はボルアルテを「裏切り者」として拒否した。
Plensa Latina December 7, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
President of Peru detained after his dismissal
(ペルー大統領、解任後に拘束される)
ペドロ・カスティージョ大統領は、本日(12/7)、議会で解任が承認された後、政府宮殿を出た後に逮捕された。 / 最終的に決定的だったのは、軍と警察のトップが立法府の解散を支持することを拒否したことであった。
teleSUR Published 7 December 2022
Vice-President Takes Office in Peru After Castillo’s Dismissal
(ペルー: カスティージョ解任後、副大統領が就任)
ディナ・ボルアルテ副大統領は、議会を閉鎖して「特例政府」を設立しようとしたカスティージョ大統領を議会が解任した後、同国の最高指導者に就任した。 / 「私は、国民統合政府を樹立するための政治的休戦を要請します。この責任は、すべての人が負わなければなりません。私は、我が国を腐敗から救うための期限を要求します。私の最初の対策は、あらゆる危険な次元の汚職に立ち向かうことです」と大統領は述べた。
teleSUR Published 7 December 2022
Pedro Castillo, Ousted President of Peru Arrested
(ペルー: 大統領を解任されたペドロ・カスティージョが逮捕される)
この水曜日(12/7)、ペルー議会は、ペドロ・カスティージョ大統領に対する空位申し立てを承認した。カスティージョは国家警察によって逮捕された後、県庁に拘束されている。
teleSUR Published 7 December 2022
Peru Congress Approves Motion of Vacancy Against Pedro Castillo
(ペルー議会、ペドロ・カスティージョに対する空位申し立てを承認)
ペルー議会は、水曜日(12/7)、同国が直面している政治危機の中で、先に大統領が議会の解散を宣言した後、「道徳的無能力」を理由にペドロ・カスティージョ大統領の欠員を承認した。 / 現地時間15時に議会で宣誓した後、ディナ・ボルアルテ共和国副大統領が行政を担当することになる。彼女は、共和国200年の歴史で初めてこの役職に就く女性となる。 / 国民議会は、記名投票を終えた後、賛成101票、反対6票、棄権10票でこの措置を承認した。 / この措置はカスティージョ大統領と議会との政治的危機を加速させ、大統領が発表した議会の解散と緊急政権の樹立を拒否する政治家階級や治安部隊などと、大統領の宣言布告を支持する人民との間に分裂を生じさせている。
teleSUR Published 7 December 2022
President Castillo Installs a 'Government of Exception' in Peru
(ペルー: カスティージョ大統領、「特例政府」を設置)
水曜日(12/7)、ペドロ・カスティージョ大統領は、議会の一時的な解散を宣言し、司法と選挙権の再編成が行われる間、今後数ヶ月間ペルーを統治する「緊急政府」を設立した。 / これは、ペルーの議員たちが大統領に対する新たな弾劾案を審議すると予想される数時間前のことで、これによりカスティージョは直ちに同国の大統領職から解任される可能性があった。 / この決定には、ペルーの新憲法起草のための条件整備を目的とした新たな議会選挙を求めることも含まれている。この選挙は、9ヶ月以内に実施される予定である。また、大統領は12月7日から夜10時から朝4時まで全国的に夜間外出禁止令を発令した。 / これらの決定は、「ペルー・リブレ」を含むすべての政党の拒否を促進した。「ペルー・リブレ」党は2021年の大統領候補カスティージョを後援した政党である。【今回は危機的状況になっている。】
teleSUR Published 2 December 2022
Peru: President Castillo to Face Impeachment Trial on Dec. 7
(ペルー: カスティージョ大統領、12月7日に弾劾裁判)
弾劾手続きは、賛成73票、反対32票、棄権6票で承認された。 / カスティージョに対する弾劾手続きは今回が3回目。2021年12月に行われた1回目の却下請求は、申し立てが処理に認められなかったため回避された。その後、3月に行われた2回目の要求も、賛成票が55票しか得られなかったため認められなかった。 / ペルー憲法によると、カスティージョ大統領の解任は、本会議で130人中87人以上の議員の支持を得なければならない。
INTERNATIONALIST 360° on NOVEMBER 18, 2022 Abayomi Azikiwe
Peru: President Pedro Castillo Threatened by Attempts to Stage Right-Wing Coup
(ペルー: ペドロ・カスティージョ大統領、右翼クーデターの企てで脅迫される)
国家の将来をめぐって、野党勢力が左翼や労働組合員と衝突している。 / ペルーでは、社会主義者のペドロ・カスティージョ大統領が、中流階級や上流階級を代表する保守的な利益団体に包囲されており、緊迫した政治状況が展開されている。 / 現在、議会ではカスティージョ政権に対する不信任案を可決するための3回目の試みが行われている。前の2つの試みは、立法機関内の支持不足により失敗した。 / 野党勢力は、汚職の告発によって大統領に泥を塗ろうとしている。このような疑惑は、外国からの投資を抑制し、国家経済を衰退させることを意図している。 / ペルーの経済は、銅の採掘と輸出に大きく依存している。ペルーはチリに次いで世界第2位の銅の産出国である。銅の輸出はペルーの国内総生産(GDP)の6割を稼ぎ出している。
teleSUR Published 17 November 2022
Peru: Congress Processes Corruption Complaint Against Castillo
(ペルー: 議会がカスティージョに対する汚職の訴追)
ペルー大統領は、この告発は新しいタイプのクーデターの始まりを意味すると考えている。 / 水曜日(11/16)、ペルー議会の憲法訴追小委員会は、ペドロ・カスティージョ大統領に対して検察庁が提出した憲法訴追を推し進めることを認めた。
Peoples Dispatch November 14, 2022 by Peoples Dispatch
Peruvian movements and unions mobilize in defense of President Pedro Castillo
(ペルーのさまざまな運動と組合がカスティージョ大統領を擁護するために動員)
11月10日(木)、数万人のペルー人がペドロ・カスティージョ大統領を支持するために首都リマの街頭に立ち、一院制議会で多数を占める右派野党が起こした3回目の弾劾訴追に反対する集会を開いた。 / 反クーデターのスローガンを掲げながら、民主主義を守るために共和国議会まで行進した。 / デモ隊は、議会の閉鎖と新たな立法府の選挙を要求した。また、大統領に対し、社会と経済の大幅な変革という選挙公約を実現し、アルベルト・フジモリの独裁時代に制定され押し付けられた現行の新自由主義憲法に代わる新しい憲法の起草に向けた措置をとるよう要求した。 / カスティージョ大統領率いる左派政権と野党が支配する議会は、2021年7月の就任以来、対立している。
teleSUR Published 11 November 2022
Peru: Supporters of President Castillo March Against Congress
(ペルー: カスティージョ大統領支持者が議会に対して反対デモを実施)
木曜日(11/10)、数千人がリマの街に繰り出し、ペドロ・カスティージョ大統領の政権を妨害して陰謀を企てる議会に対して抗議した。 / 市民たちは、また、新憲法の起草とPatricia Benavides司法長官の辞任を要求した。 / 国旗や左派大統領を支持する文言が書かれたポスターを持って、全国から市民が首都に集まり、行政府と立法府の緊張関係が顕著な政治状況の中で統治能力を要求した。 / ペルー大統領を支持する社会団体は、極右野党がジャーナリストや裁判官を巻き込んだ陰謀によって「ソフトクーデター」を試みており、カスティージョを罷免しようとしていると非難している。
【首相は国民に対して大統領を擁護し議会を批判するよう求めている。】
Plensa Latina October 23, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Peru: President maintains hard core of support
(ペルー 大統領、ハードコアの支持を維持)
ペドロ・カスティージョ大統領は、土曜日(10/22)発表の調査によると、彼に対する汚職の非難にもかかわらず、彼を支持するハードコアの支持率は維持している。少数派ではあるが。 / 非公式な「ペルー研究所(IEP)」の月例調査によると、大統領は25%の支持と65%の不支持で、前回の数字を維持している。 / 極右勢力と中道が支配し、カスティージョ解任に躍起になっている議会は、支持率を11%から15%に上げた。不支持率は78%で、先月より6ポイント減少。
【発足当初から支持率は低かったようだ。実際の支持率を表しているかどうかは疑わしい。】
teleSUR Published 10 August 2022
Peruvian Police and Prosecutors Raid Presidential Palace
(ペルー: 警察と検察が大統領官邸を襲撃)
カスティージョ大統領は、議員グループ、検察庁、主要メディアが結託して自分を罷免しようとしていると糾弾した。
Granma august 5, 2022 Author: Milagros Pichardo Pérez
Has Pedro Castillo been the only one to have it impossible to govern Peru?
(ペドロ・カスティージョだけがペルーの統治を不可能にしてきたのだろうか?)
カスティージョは、歴代大統領10人が有罪判決を受けたり、司法制度との裁判に直面している国の大統領である。 / カスティージョの就任1年目は、複数の専門家が「5年の任期を全うすることはできないだろう」と指摘するほど、さまざまな障害に見舞われ、嵐のような1年となった。 / 当初、彼は、より左寄りのプログラムを実行しようとしたが、できなかった。絶え間ない内部の挫折(この1年間で19のポストを50人以上が通過した)、選挙公約の達成の困難さ、世界的な経済不況、国家機関の弱体化、蓄積された社会問題の恒久化、そして暗愚な反対勢力(野党が政府をボイコットしていると国民の53.6%が考えている)、これらが、ペルー人の76%をカスティージョ大統領不承認にしたという(Ipsosのデータによる)。 / 長年にわたる政情不安は、社会政策や公共政策への投資や効果的な実行を制限し、犯罪、物価高、失業、貧困、不十分な教育、ジェンダー暴力、不健康状態などの問題の蓄積をもたらしている。 / また、大統領たちの悩みの種である議会(一院制)の問題もある。3,300万人以上のペルー人を代表するわずか130人の議員で14の政治勢力を抱えているのだから無理もない。 / 大統領が政権を5年維持し不祥事も起こさないのが伝統となっているこの国で、カスティージョ現大統領にだけすべての大砲が向けられている。