アメリカの地理的中心地に位置し「Heart of America」と呼ばれるカンザスシティ。『オズの魔法使い』の故郷でもあり、以前から興味を持っていたが、郊外の街オレイサで開催されるオズ・マラソン参加のタイミングで、ついに初訪問が実現した。
カンザスシティのメトロポリタン・エリアはカンザス州とミズーリ州にまたがっており、市の中心部はむしろミズーリ州側となる。見どころは大きく分けて3つ。ナイトライフの中心地Power & Light地区を含むダウンタウン・エリア、世界最大のグリーティングカード会社Hallmarkのあるクラウンセンター、そしてカンザスシティ随一の名所として名高いカントリークラブ・プラザ地区である。
それぞれの地区はメトロバス(1回1ドル50セント) でつながっており、代表的な見どころだけなら車がなくても回れる。アメリカの地方都市の中では、比較的観光しやすい街といえるだろう。
カントリークラブ・プラザは1922年に作られたアメリカ最古のショッピングモールで、地元では単に「The Plaza」 と呼ばれる。スペインのセビーリャを街並みをモデルにしており、15のブロックエリアはスペイン建築で統一。このエリアに150軒を越える質の高いショップとレストランが並んでいる。
さらに「The Plaza」を特徴づけているのが、あちこちに彫刻と噴水が置かれていることである。ショッピングのみならず芸術鑑賞をも楽しんでいるうちに、いつのまにかアメリカにいることを忘れ欧州の街を歩いているような感覚になってくる。ニューオリンズのフレンチクウォーターのような「疑似欧州体験」ができるというのが魅力だ。
そして、 カンザスといえば欠かせないのが『オズの魔法使い』グッズ。そして極上のバーベキューソース。ローカル風味あふれるお土産は「Rally House」と「The Best of Kansas City」の各店舗で入手できる。
★壁の3面に時計のあるスペイン様式のクロック・タワー。
★大型書店ブランド、Barnes & Nobleが入っている建物。
★「The Plaza」のあちこちに掲げられたオールスター・ゲームのフラッグ。2012年のMLBオールスター・ゲームは地元カンザスシティ・ロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムで開催される。
★セラミックの壁に描かれた3枚の闘牛図。
★「The Plaza」内に数多く置かれた彫刻のひとつ、海神ネプチューン。3匹のシーホースの鼻の穴から噴水が吹きあがるようになっている。
★果実の女神ポモナ。こちらも噴水とのコラボレーション。
★小鳥とたわむれる子供たちの彫刻。風光明媚なブラッシュ・クリークを見下ろす土手近くに置かれている。
★手回しオルガン弾きの彫刻。かつて「The Plaza」内で演奏していたプレイヤーらしい。肩に乗せているのは同胞のサル。
★ローカルなお土産を扱う「Rally House」。MLBカンザスシティ・ロイヤルズのオフィシャルショップでもある。
★青を基調にしたロイヤルズのユニフォーム。殿堂入りの名選手ジョージ・ブレットを擁し1985年のワールドシリーズを制した当時は「青い竜巻」と恐れられた強豪チームだったが・・・
★こちらは女性向けTシャツだが、なかなかデザインがいい。
★ロイヤルズの帽子。チェック柄などは、なかなかのお洒落。
★「Rally House」はオズ関連のアイテムも豊富。こちらはTIN MAN(ブリキ男)の心臓をかたどった「ハート・クロック」と、オズのメイン・キャラクターが描かれたマウスパッド。
★本のしおり、シール、キーホルダー等々、小物も多く揃っている。
★魔女とその手下フライング・モンキーが睨みを利かせるミニ・フィギュアも。
★「Rally House」で入手したエコバッグとTシャツ。
★クラウンセンターのお土産屋「The Best of Kansas City」(「The Plaza」内にも店舗あり)。ここもオズ・グッズを扱っている。
★クラウンセンター内の噴水。夏ともなれば子供たちの遊び場となる。
★クラウンセンターにある神秘の青い噴水。オズの住民の好む色「青」にこだわりを見せるのが、いかにもこの街らしい。
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4月21日(土曜日)、米国17州目、カンザス州のオズ・マラソン(正式名称「Garmin Marathon In the Land of Oz」)を走る。
レースが開催された場所はアメリカの心臓部に位置する都市カンザスシティから南西方向へバスで1時間の距離にある街オレイサ(Olathe)。驚くべきことに、この田舎町にかの有名なガーミン本社ビルがあるのだ! 自分はガーミン信者ではないのだが、信者であれば一度は巡礼しておいたほうがいいかもしれない。
フルの参加者は600人に満たないローカル大会なのだが、いわゆる「マニアック率」が高く、全米からのMarathon Maniacsのメンバーが50人以上を数える。人気の秘密はいうまでもなく、カンザスを舞台にした名作『オズの魔法使い』のモチーフを前面に打ち出しているところ。ハーフの部は「Wickedly Fast Half」、5kmの部は「Dorothy Dash 5K」、キッズレースは「Munchkin Marathon」というふうに、すべてオズの物語にちなんだネーミングになっている。
フルマラソンのコースは、タイトルスポンサーにもなっているガーミンの本社ビル前を出発し、12マイルまではダウンタウン・オレイサのハイウェイと住宅街。それ以降は伝説のエメラルド城に向かう森林トレイルの旅となる。
午前7時。気温は10℃前後。よく晴れた快適なコンディションの中、レースはスタートした。
Mile 01: 8分22秒(08分22秒)
Mile 02: 8分46秒(17分08秒)
Mile 03: 8分24秒(25分32秒)
Mile 04: 8分29秒(34分01秒)
Mile 05: 8分07秒(42分08秒)
Mile 06: 8分12秒(50分20秒)
スタート直後は西方向にまっすぐ伸びるハイウェイ。ここから一度草原地帯を迂回して3~5マイルはグレートモールと呼ばれるオレイサ最大のショッピングセンターの敷地内を1周する。例によって序盤戦はペース調整。8分20秒台から徐々にピッチを上げながら、この日の適正速度を探っていく。5マイルを過ぎたところで最初の折り返しがあり、そこから北に折れたところで再び草原地帯を経て、6マイル以降の住宅街に入っていく。
Mile 07: 8分18秒(58分38秒)
Mile 08: 8分23秒(1時間07分01秒)
Mile 09: 8分16秒(1時間15分17秒)
Mile 10: 8分19秒(1時間23分36秒)
Mile 11: 8分17秒(1時間31分53秒)
Mile 12: 7分56秒(1時間39分49秒)
Mile 13: 8分24秒(1時間48分13秒)
中間地点通過: 1時間49分00秒
住宅街に入ると、ゆるやかなアップダウンと90度のジグザグな曲がり角が目立ってくる。できればマイル8分15秒以内を維持したいところだったが、そこまでペースが上がらなかったので、無理をせず後半に向けてエネルギーを温存する戦法を取る。
9マイルでは前日のEXPO会場でも見かけたオズ・キャラクターの看板が立ち並び、写真スポットも用意されていたが、今回は一応本気レースなのでそのまま通過。10マイル、11マイルは比較的まっすぐな道を南下していく。
11マイルを過ぎ、トレイルに向かう道に折れ曲がったところで魔女の攻撃に備えてエナジー・グミを補給。マラソンは「見えない敵」との虚々実々の駆け引きでもあるので、それに備えて周到な準備が必要だ。12マイルでは本物のオズ・キャラクターたちが応援。ドロシーをはじめ、かかし、ブリキのきこり、臆病なライオン、魔法使いグリンダの姿も見える。途中まで一緒だったハーフのランナーと別れた12マイル以降は、いよいよ森林トレイルに突入。伝説のエメラルド城への旅が佳境に入ってきた。
ハーフの通過タイムは1時間49分00秒。単純計算で後半をイーヴンで行ったとしても3時間38分。自己ベストを狙うにはちょっと苦しいところだが、展開次第ではそれに近いところまで挽回できるかもしれないという気持ちは、まだ十分に残っていた。
Mile 14: 7分57秒(1時間56分10秒)
Mile 15: 8分19秒(2時間04分29秒)
Mile 16: 8分18秒(2時間12分47秒)
Mile 17: 8分11秒(2時間20分58秒)
Mile 18: 8分17秒(2時間29分15秒)
Mile 19: 8分22秒(2時間37分37秒)
Mile 20: 8分27秒(2時間46分04秒)
森林トレイルは、とにかく景色が素晴らしい。渓流にかかる木造りの橋を何度も渡りながら、これがスピードを競うレースではなく普通のジョギングだとしたらどんなに楽しいだろうかと思った。いやレースでも十分楽しい、と自分に言い聞かせる。おそらく2度と来ることはないであろうカンザスの大自然を満喫しながら、快適な「走り旅」を続けた。
12マイルあたりからAustin Marathonのシャツを着た同年輩らしき男性ランナーが前方に見えてきたので、このランナー(仮にAustinと呼ぶことにする) が視界から消えないように追い続けた。勝負どころで抜かしてやろうと思っていたのだが、Austinは予想以上に手ごわかった。18マイル過ぎの折り返しではまだまだ射程距離かと思っていたが、19マイル、20マイルと徐々に差が開いていき、ついに見えなくなってしまった。仕方がないので、ターゲットを別の女性ランナーに変更し、一人また一人と追い抜いていくという戦法に切り替えることにした。
また、18マイル過ぎの折り返しでは男性のドロシーも見かけた。この時点ではかなり前方を走っていたので追い抜くことは難しいと思っていたのだが、20マイル過ぎの終盤戦になると、はからずも彼(彼女?)がペースメーカーの役割を担うことになる。
Mile 21: 8分33秒(2時間54分37秒)
Mile 22: 8分48秒(3時間03分25秒)
Mile 23: 8分24秒(3時間11分49秒)
Mile 24: 8分56秒(3時間20分45秒)
Mile 25: 9分01秒(3時間29分46秒)
Mile 26: 8分48秒(3時間38分35秒)
ゴールまでのラスト・クウォーター。前回と前々回のフルではここで驚異の大爆発を演じており、今回も3匹目のどじょうを狙っていた。しかし違っていたのは、思っていたよりアップダウンの多いコースだったため脚を使い切っていたということ。どこかの情報で「Flat and Fast」と聞いており、さらにカンザスは平地という先入観があったため高速コースと決め込んでいたが、実際はそうではなかった。特に森林トレイルの部分は小刻みな上り下りと急な曲がり角が多く、魔女の手先フライング・モンキーがあちこちから襲いかかってきそうな雰囲気さえあった。
というわけで、ここからはタイムを意識することなく、純粋に「前を行くランナーを追い抜く」という一点に集中した。すると21マイルあたりだろうか、先ほどの折り返しで見かけた男性ドロシーが視界の前方に入ってきた。気温の上昇も影響しているのか、やや苦しそうで、カツラを手に持ち、衣装も半分脱ぎかけている。仮装で全力疾走するのも大変だ。
こちらも脚が限界に来ており明らかにペースは落ちていたが、彼(彼女?)を命綱にして必死に追いかけた。そして24マイルの手前で一気に追い抜く。ここで再びオズ・キャラクターたちの応援。魔女の姿は見えなかったので、おそらくコース上に潜んでいたのだろう。フルマラソンでよく見かける「前半気持ちよく飛ばして後半撃沈」というパターンは間違いなく魔女にやられている。相手は賢いので、こちらも学習能力を持たないとダメだ。
そして最後の1マイル。脚は重かったが、それなりの踏ん張りでゴールゲイトに向かっていく。ゴールの手前には黄色いレンガ道、エメラルド城への「イエローブリック・ロード」が描かれている。そういえばエメラルド城はどこだったんだろう?
と思っていると、ゴールゲイトの向こうには燦然と輝くガーミン本社ビルが!
「そうか、あれがエメラルド城だったのか・・・」と妙に納得しながらゴール。
今や魔法のような最新テクノロジーで世界を制覇しつつあるガーミン王国の粋な演出だった。
Finish Time 3時間40分35秒(8:26/mile)。
自己歴代3位。
今年3月のB&Aトレイル(3:35:20)、昨年12月のリホボスビーチ(3:38:07)で記録した驚異的なタイムには及ばなかったものの、コースの難易度を考えれば順当というか、よく頑張ったほうではないだろうか。どうやら平坦コースという情報を流して油断させるというのが、今回の魔女の戦術だったようだ。こちらもそれに抵抗して撃沈はせず、前半ハーフ(1:49:00)と後半ハーフ(1:51:35)の落差を2分35秒にとどめたので、勝負は引き分けというところだろう。
闘いが終わったあとの「ご褒美」も良かった。何といっても巨大なスケアクロウ・メダルにはびっくり。リフレッシュメントは照り焼きバーガーとヨーグルト、そしてビアガーデンでは飲み放題の缶入りマルガリータとベルギースタイルの麦ビールを満喫。バーベキューと地ビールには定評のあるカンザスならではの風味だった。
これでアメリカ国内17州+DCを制覇。アメリカの心臓部カンザス州を手中に収め、夢の50州制覇への旅はいよいよ中盤戦に入っていく。
★EXPO会場で参加者の様子をうかがっていた魔女。やはり一筋縄ではいかない強敵だ。
★今回はオズの住民が好む色(青)と魔法使いを表わす色(白)の組み合わせで勝負。
★黄色いレンガ道(イエローブリック・ロード)の彼方には燦然と輝くエメラルド城が・・・?
その正体は、なんとガーミン本社ビルだった。
ガーミン社の共同創設者の一人であるゲイリー・バレル(Gary Burrell)は生粋のカンザス人なので、もしかしたら『オズの魔法使い』の物語にヒントを得てGPSナビゲーション・システムを開発したのかもしれない。
★ゴール後、ビアガーデンにて。右手に持っているのが缶入りマルガリータ。
★レモンスカッシュ?・・・と思いきや、これがレモネード風味の麦ビール。
★女性ドロシーとの一枚。彼女はハーフの部参加なのでゼッケンの色は緑。
メダルは空飛ぶ魔女のデザイン。
★21~24マイルまで激戦を演じた男性ドロシーも加わって記念撮影。
その横の女性はフライング・モンキー?・・・かと思いきや、よく見るとライオンらしい。
★巨大スケアクロウの完走メダルとゼッケン。デザインはともかく、そのデカさには驚いた。
ディズニーのグーフィーズ・メダルといい勝負かもしれない。
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4月7日(土曜日)、「Scotland Run 10K」に参加。スコットランド文化を紹介する「タータン・ウイーク・ニューヨーク」のイベントの一環として、毎年行なわれる大会である。晴天で華氏42度(摂氏6度)。昨年の秋以降、出場するレースはことごとく天候に恵まれているが、今回も絶好のコンディションとなった。
セントラルパークのウエストドライヴ63丁目付近から時計回りに1周するコース。自分としては、最初の1マイルでいきなりノースヒルに直面する102丁目スタートの反時計回りのコースよりは、こちらのほうが好ましい。
Mile 01: 7分41秒
Mile 02: 7分34秒(15分15秒)
Mile 03: 7分24秒(22分39秒)
Mile 04: 7分44秒(30分23秒)
Mile 05: 7分17秒(37分40秒)
Mile 06: 7分16秒(44分56秒)
黄色コラル(青、赤に続く3番目のコラル) からスタート。多少混雑しているものの、今年1月の10Kレースよりはマシな状態で、周囲のランナーもほぼ自分と同じペース。前半は10Kというよりハーフマラソンのつもりで80%の出力で走り、後半の勝負どころで100%に持っていく作戦。スピードよりも「制球力」を意識してレースを進めていく。
最初の1マイル目は7分40秒台。2マイル目で7分30秒台に上げる。
時計回りコースの場合はノースヒルのようなキツい上り坂はなくなるものの、断続的なアップダウンは相変わらず存在するので、ペースを保つのは決して楽ではない。
3マイル目では体が温まってきたのか7分20秒台まで上がる。
正念場は4マイル目。調子が悪い時期だと8分以上かかってしまうことも多い難所なので、できるだけ粘りながら最小限のペースダウンにおさえていく。今回のレースではキルトのスカートをはいたNY中毒患者のRFさんが終始視界の前方にいて、はからずもペースメーカーの役割を果たしてもらった。
7分44秒。予想通り落ちたものの、無難に乗り越える。
比較的平坦な5マイル目からは90~100%の出力にペースアップ。
反時計回りの時は上りだった猫坂が、ここでは下りになる。
7分17秒。前半抑えたレース展開が功を奏し、計算通りに上がってきた。
この時点で46分台でのフィニッシュは確実という状況。あとは自己ベストの46分35秒にどこまで近づけるか? あるいは少しでも上回ることができるか? 手に汗握る勝負になってきた。
6マイル目。一度見失ったRFさんを再び視界にとらえて最後の追い上げを試みる。
断続的にダッシュを繰り返して7分16秒。
6マイル地点を過ぎてから0.2マイル先のゴールまで微妙な上り坂があり、最後の最後まで楽をさせてくれないコースだが、渾身の力をふりしぼり、ゴールゲイトに向かって力走!
自己ベストに届いたか? 届かなかったか?
まさに秒単位の闘いでフィニッシュラインを通過した。
ゴールの瞬間、手元の時計を止め、表示された数字を見る。
3秒・・・3秒上回っている・・・
そして、あとで確認したオフィシャルサイトでも同じタイムが記録されていた。
Finish Time 46分32秒(7:31/mile、AG Grade 68.17%) 。
自己歴代1位!
な・なんと、2008年4月のScotland Run以来4年ぶりに10Kの自己ベストを更新!
一時は50分を切るのも厳しくなり、半ばあきらめかけた種目だったが、まだ成長の余地が残っていた・・・ということだろうか。
わずか3秒差なので、スピードが段違いに速くなったわけではない。
どちらかといえば、レース運びの進歩というか、制球力の差で上回ったように思える。
実は最近、練習方法も変えているところがあり・・・詳しくは後日に譲ることにして、その成果がフルやハーフの長距離種目だけではなく、10Kのような短距離種目にも現われてきたということは特筆していいかもしれない。
ともかく2週間後のオズ・マラソンに向けて、いい刺激になった。
★レース前にスタート地点に向かって行進するバグパイプの楽隊。
★レース後のステージで演奏する民族色豊かなスコティッシュ・バンド。
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4月1日(日曜日)、春恒例のレース「New York Colon Cancer Challenge」に参加する。
その名の通り「直腸ガン(Colon Cancer)」撲滅のためのチャリティ大会で、毎年4マイルの部と15kmの部が行なわれているが(他に1.7マイルのヘルスウォークもあり)、今回は年代別上位進出を狙って4マイルの部に出場した。NYRRレースの中では参加人数が比較的少ないので穴場のレースでもある。
薄曇りの天気で、スタート時の気温は華氏44度(摂氏8度)と走るには申し分のないコンディション。
セントラルパークのイーストドライヴ68丁目をスタートして反時計回りに4マイル。途中102丁目でショートカットしてから、ウエストドライヴを南下。ストロヴェリーフィールド近くの72丁目の通りを左に折れ曲がったところでゴールとなる。
Mile 01: 7分27秒
Mile 02: 7分12秒(14分39秒)
Mile 03: 7分38秒(22分17秒)
Mile 04: 7分07秒(29分24秒)
2番目の赤コラルからスタート。セントラルパークでの4マイルの場合、基本的にはコースの起伏に合わせて「緩・急・緩・急」 のペース配分になるが、「緩」の部分も最低7分30秒台を維持していかないと最低ラインの30分を切るのは苦しくなる。タフなコースを「捨てマイル」なしで最後まで走り抜かねばならないので、スタート時はかなり緊張するのである。
最初の1マイルは77丁目の猫坂を一気に駆け上がり、その後は息を整えながらペースを維持して7分27秒。
ここで7分30秒を切れているかどうかで精神的にだいぶ違う。
続く比較的平坦な2マイル目で、できるだけ貯金すべく100%に近い出力でダッシュ。7分12秒。
もう少しタイムを稼ぎたかったものの、ここまで14分39秒であればまずまずの序盤戦。
29分台は間違いないが、28分台はどうか?・・・という状況になった。
最難関の3マイル目。断続的な3段坂の起伏がじわじわと脚を蝕んで、徐々にペースが落ちてくる。
以前にも書いたかもしれないが、ここは走力よりも「馬力」 を試されるところ。経験がどうのこうのより、とにかくパワーがなければどうしようもない。どうにか粘って7分38秒。
下り勾配の4マイル目では前を行くランナーを無理やり追い抜きながらペースを上げ、7分07秒。
吐き気を催しそうになるほどの勢いで加速しながら、渾身の力でゴールゲイトに到達した。
Finish Time 29分24秒(7:21/mile, AG Grade 67.7%)。
今回は通算14回目の4マイルレースだったが、2008年4月に出した驚異的な28分台を別にすれば、4年ぶりに29分台前半に突入することになった。ここからマイル平均6秒づつ短縮できれば、再び28分台に返り咲くことも可能なのだが、それは次の機会を待つことにしよう。
注目の年代別順位は88人中9位。
NYRRの短距離レースとしては初めて10位以内にランクインした。
来年はエイジグループが一つ上がるので、今の走力を維持できればさらに上位を狙えるようになる。
来たるべき「黄金時代」を夢見て、地道なトレーニングを続けることにしよう。
やがて私の時代が来るだろう。
-グスタフ・マーラー(作曲家)
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アメリカ合衆国には「古都」(かつて首都だった街)に該当する都市が意外に多く存在する。これは、現在のワシントンD.C.に確定する1800年までの間に、米国議会が開催される場所があちこち移動していたというのが理由で、メジャーなところではフィラデルフィア、ボルティモア、ニューヨークがいずれもかつて首都だった街、つまり「古都」と認定されている。ややマイナーなところではNJ州のトレントンや、PA州のランカスターなども短期間ではあったが合衆国の首都としての役割を担っていた時期があった。それらの中で、最も「古都」らしいたたずまいを残している街、それがメリーランド州の州都アナポリスである。
アナポリスが合衆国の首都だったのは、独立宣言を公布して間もない1783年11月から1784年8月までの9ヶ月。アナポリスとは「アンの街」という意味で、まだ植民地時代だった17世紀の終わりに英国のアン王女にちなんで名づけられた。歴史の古さを反映してか、アメリカというよりは欧州の雰囲気に近い。赤レンガ造りの建物や道路。マリーナに停泊する帆船。「Sailing Capital」といわれるだけあって、ヨットやボートがひっきりなしに出入りしている。実にのどかな旅情を感じさせる港町である。
しかしながら、この街を何よりも有名にしているのが米国海軍兵学校(U.S. Naval Academy)の存在だろう。アメリカ海軍の将来を担う若きエリートたちが、日々厳しい訓練を送っている広大なキャンバス。しかし制服姿で街を練り歩く彼らは、颯爽としながらも意外に遊び好きな感じもする。飲み屋でも見かけたし、ガールフレンドらしき女性と笑いながら語り合っているのも見かけた。やはりアメリカの将来を担う大物となるためには、いろいろな経験をしなければならないのだ。単なるエリート養成所で終わらせないところに、アメリカならではの懐の深さがあるようだ。
★かつて奴隷貿易が行なわれていたアナポリス港には、あの『ルーツ』の主人公クンタ・キンテも上陸した。この一角にはクンタ・キンテの13代目の子孫であるアレックス・ヘイリー(『ルーツ』の作者)が子供たちに黒人の歴史について語る姿が記念碑として残されている。
★B&Aトレイルマラソンの打ち上げで訪れた1750年創業の「Middleton Tavern」。海軍兵学校の学生たちが練り歩いている姿も見える。
★赤レンガのメインストリートをゆっくり上るトロリー。レトロな雰囲気が街並みにぴったり。
★メインストリートにある「Annapolis Running Shop」。
★小高い丘の上に立つメリーランド州議事堂。1779年完成で、アメリカ合衆国の州議事堂としては最も古い建造物。アナポリスが合衆国の首都だった1783年11月から1784年8月までの9ヶ月間は国会議事堂としても利用されていた。
★B&Aトレイルマラソン前日に宿泊したHistoric Inn Of Annapolis。3つの歴史的建造物を合計124室のホテルとして経営している。外観はとてもホテルのように見えない。
★海軍兵学校の入口。キャンパスに入るには身分証明書の提示が必要。
★広大な敷地を誇る海軍兵学校の案内地図。
★いたるところに案内板があるので、初めて訪れる人でも道に迷う心配はない。
★ここが帽子を放り投げる卒業式で有名なフットポール・グラウンドだろうか。
★フランス・ルネッサンス様式の礼拝堂。一度に1600人を収容できる広さがある。
★Visitor Centerのギフトショップではロゴ入りのシャツ類も豊富に揃っている。
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3月18日(日曜日)、ハーフマラソン3戦連続100分切りを目指し、3年ぶりにNYCハーフに出場する。
2006年にNIKEのスポンサーで始まったNYCハーフマラソンは、当初は7~8月の夏期開催だったので暑さがネックだったが、ここ3年間は3月中旬開催で定着し、ちょうどいい気候の中で走れるようになった。今回もスタート時の気温は8℃前後で絶好のコンディション。ただし前半がセントラルパークの起伏あるコースなので、坂が連続する区間(特に4~5マイルにかけて)をいかに乗り越えるかがポイントとなる。
スタートコラルは3番目。ロンドン五輪のマラソン代表選手を含むエリートランナーから数分遅れでレースは始まった。
Mile 01: 7分46秒
Mile 02: 7分46秒(15分32秒)
Mile 03: 7分31秒(23分03秒)
Mile 04: 7分43秒(30分46秒)
Mile 05: 7分48秒(38分34秒)
まずは序盤戦。セントラルパークのウエストドライヴ63丁目付近をスタートし、反時計回りに1周していく。起伏の多い5マイルまでは、できれば7分40秒台を維持したいという思惑通り、最初の1マイル目と猫坂の2マイル目は7分46秒のラップで通過。比較的平坦な3マイル目で少しタイムを稼いだあと、いよいよ4マイル目の難所ノースヒルを上っていく。
いつもの短距離レースなら8分かかっても仕方がないと思うところだが、もしもハーフで100分切りを目指すならば、8分以上のマイル区間を作ってしまったら苦しくなるので、できるだけペースを落とさないように集中して走る。そしてどうにか7分40秒台を維持。続く5マイル目も上り下りが続く難所なので、引き続きなるべくペースダウンしないように頑張る。かなり無理をしながら、ここも7分40秒台で通過。
いやぁ、これは疲れる。ロックンロール・フィリーとか先日走ったSt.Peteのような平坦コースならこのような闘いはないので、やはりNYCハーフは難易度が高い。
それでも難所らしい難所はこれでおしまい。あとは徐々に疲れを抜きながら、後半への爆発を目論んでいくレース展開となる。
Mile 06: 7分26秒(46分00秒)
Mile 07: 7分21秒(53分21秒)
Mile 08: 7分31秒(1時間00分52秒)
Mile 09: 7分36秒(1時間08分23秒)
Mile 10: 7分33秒(1時間15分59秒)
6マイル目は上り坂から解放された勢いで7分26秒にペースアップ。途中10Kのラップを今年1月の10Kレースと大差ない47分36秒で通過しているので、ほとんど全力疾走で飛ばしているということになる。実際このくらいの勢いで走らないと、ハーフの100分切りはできないのだ。
7マイル目。いよいよセントラルパークを出て、摩天楼が建ち並ぶ7番街をまっしぐらに南下。ここだけは何度走っても気分が舞い上がるハイライトだ。そしてタイムズスクエア42丁目で西に折れてハドソン川沿いを南に下るハイウェイへ。平坦ではあるが路面が硬いので意外に疲れてくる正念場でもある。それに加えて、前半のセントラルパークでの坂との闘いのためにすでに疲れが溜まっており、なかなか思うようにペースアップできなくなっていた。7マイル目こそ最速ラップの7分21秒をマークしたが、それ以降は必死に7分30秒台を維持するという闘い。どこかで爆発したいところだが、余力がないのでそれ以上どうにもならないうちに10マイル地点を越えて終盤戦に突入した。
Mile 11: 7分33秒(1時間23分32秒)
Mile 12: 7分42秒(1時間31分14秒)
Mile 13: 7分24秒(1時間38分38秒)
最後の追い込みをかけたい気持ちがやまやまの終盤戦。11マイルまではどうにか7分30秒台を維持していたが、12マイル目はいっぱいいっぱいになり7分40秒台に落ちる。しかし落ちたままでゴールはしたくないという意地もあり、最終マイルだけは必死で踏ん張る。バッテリーパークのトンネルに突入したタイミングでスピードを上げ、起死回生の反撃へ!
大爆発とまではいかなかったが、再び7分20秒台まで盛り返し、沿道の大歓声に後押しされながら、サウスストリート・シーポートのゴールゲイトに到達した。
Finish Time 1時間39分20秒(7:35/mile)。
自己歴代2位。
さすがに完全フラットのSt.Peteには及ばなかったが、昨年9月のロックンロール・フィリーと同タイムのセカンドベストでフィニッシュ。コースの難易度を考えたら大健闘と思えるようなタイムで、ハーフマラソン3戦連続100分切りを達成した。
ちなみにAG Grade(年齢ごとの偏差値)は69.8%に達し、ローカルエリートの目安ともいえる70%の大台にあと一歩と迫った。
これで通算30回目のハーフマラソンを完走。1時間50分台から1時間40分台を経て、ようやく1時間30分台がスタンダードになってきた。次に自己ベストを狙うとすれば、やはり平坦コースのロックンロール・フィリーだろうか。少なくともこのくらいのタイムを維持していけば、来年はエイジグループも55-59に上がるので、小規模から中規模の大会であれば、年代別上位入賞を狙えるようになるはずだ。
★スタート前のコラルにて(写真左)とゴール直後(写真右)。
★2マイルの猫坂付近を走る(Photo by 飛脚さん)。
★10マイル地点手前、ハドソン川沿いのハイウェイを走る(Photo by 飛脚さん)。
★おびただしいランナーが集まったサウスストリート・シーポートのゴール会場。
今回の完走人数は、なんと史上空前の15336名(男子7456名、女子7880名)。
★一緒に参加したNJ州在住ランナー、ヒロヤスさん、Yuさんと記念撮影。
★「375・・・」には少し足りなかったゼッケン番号と完走メダル。
★今回のEXPO会場は18丁目のMetropolitan Pavillion。
★女性向けランニング専門ブランド「runningskirt.com」の出店。
セント・パトリックの時期ということで、グリーンのランスカが鮮やかに目立っていた。
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3月4日(日曜日)、米国16州目、メリーランド州のB&Aトレイルマラソンを走る。
19世紀の創業以来、1980年代までボルティモア(B)アナポリス(A)間を運行していたB&A鉄道の線路のあった敷地を往復する大会。トレイルマラソンという名がつくものの実際は舗装されたバイク・トレイルを走るので、内容的にはロードと変わりはないのだが、住宅地ではなく自然の木立ちに囲まれた一本道を疾走できるところが魅力で、いかにも電車になって走っているような感覚がある。
フルの参加者は300人台。ハーフと合わせても1000人弱というローカル大会で、有名な海軍兵学校のあるアナポリス近郊ということもあり、ネイビーブルーのシャツを着た海軍兵学校の学生ランナーや職員たちが多数参加していた。スタート時はかなり冷え込んでいたものの、12月のリホボスビーチでのフルと同様、マラソンを走るには絶好のコンディション。気になるとすれば北方向に走るコースでの向かい風くらいだった。
Mile 01: 7分56秒(07分56秒)
Mile 02: 8分25秒(16分21秒)
Mile 03: 8分18秒(24分39秒)
Mile 04: 8分30秒(33分09秒)
Mile 05: 8分18秒(41分28秒)
Mile 06: 8分09秒(49分37秒)
アナポリス近郊の街Severna Parkにある高校の敷地内からスタート。しばらくは住宅地のコースだが、1マイルを過ぎたところで細長くまっすぐに伸びるB&Aトレイルに突入する。まずは南のアナポリス方向へ。ここから6マイルまでは目立った坂もなく平坦な木立ちの中を疾走。ところどころ古ぼけた鉄橋を渡ったり、踏切やプラットホームがあった場所を通過するところがあり、なんともいえないノスタルジーを感じさせる。そういうレトロな雰囲気を楽しみながらもペースマネージメントは抜かりなく、設定通りの8分15秒から20秒前後のペースに調整しながら序盤戦を乗り越えていく。
Mile 07: 8分17秒(57分54秒)
Mile 08: 8分31秒(1時間06分25秒)
Mile 09: 8分22秒(1時間14分47秒)
Mile 10: 8分04秒(1時間22分51秒)
Mile 11: 8分12秒(1時間31分03秒)
Mile 12: 8分22秒(1時間39分25秒)
Mile 13: 8分24秒(1時間47分49秒)
中間地点通過: 1時間48分38秒
6マイルを過ぎてから折り返し地点後の7マイル手前にかけて、このコースで唯一上り下りが連続する区間に入る。7マイルの表示を過ぎるとボランティアの人たちから「No More Hills!」の声援。もしかするとかなりの難所なのでは・・・と思われた坂もあっという間に終わり、ここから19マイルで再び折り返すまではボルティモア方向への平坦な道をただひたすらに疾走する一本道。実にありがたいコースである。
9マイル過ぎで、先行していた前村さんを追い抜く。その勢いもあって10マイル目ではかなり速いラップ(8分04秒)を計時。以前の自分であればここで一気にロングスパートをかけて、行けるところまで行くという戦法を選んだかもしれないが、経験を踏んでいる現在では、ここはまだ時期尚早でしばらく我慢するほうがいい、と理性的に判断することができた。前半でのランナーズ・ハイは当てにならないのである。11マイル過ぎでウエストバッグに用意していたエナジー・グミを補給。勝負をかけるのは、あくまで後半。今はそれに向けて準備することのほうが大切だ。
ハーフの通過タイムは1時間48分38秒。単純計算で後半をイーヴンで行ったとすれば3時間37分台に収まるペース。自己ベストを狙うにはギリギリの展開で、これ以上は落とせない。どこかでタイムを稼いでおかないと最後まで気を抜けないだろうな、と思いつつ、勝負のタイミングを虎視眈々を待つことにする。
Mile 14: 8分25秒(1時間56分14秒)
Mile 15: 8分36秒(2時間04分50秒)
Mile 16: 8分27秒(2時間13分17秒)
Mile 17: 8分18秒(2時間21分35秒)
Mile 18: 8分17秒(2時間29分52秒)
Mile 19: 8分11秒(2時間38分03秒)
Mile 20: 7分53秒(2時間45分56秒)
13マイルの手前でハーフのランナーが大量に抜けて一気に人数が少なくなり、遙か前方のランナーを追いかけていくような形になる。まっすぐなコースなので迷うはずはないとわかっていても、1人ぼっちで走るとどうしても不安になるので、なるべく先を行くランナーを見逃したくないのである。
15~16マイルが最も疲れを感じてきた区間。たいてい中盤のヤマ場がこのあたりに来る。野球でいえばやや相手の攻撃に押され気味になっている状態。何か流れを変えるきっかけが欲しい・・・と思っているところへ、4~5人の集団がどどっと追いついてきた。その集団にいた青いウェアの女性ランナーがいい感じで走っていたので、ここからは彼女をペースメーカーにして17マイル、18マイルと徐々に調子を上げていく。
そして折り返し地点が近づいた19マイル付近で、思い切って彼女を追い抜く。「ここが勝負どころだ!」と直感したのだ。そのカンは見事に当たり、ゲームの流れを一気に変えるタイムリーヒットとなった。折り返しを過ぎて再び南向きコースになると、ますますペースが上がっていく。 20マイル目はなんと7分台(7分53秒)を計時。この時点でのランナーズハイは本物だ。
Mile 21: 7分43秒(2時間53分39秒)
Mile 22: 7分52秒(3時間01分31秒)
Mile 23: 8分04秒(3時間09分35秒)
Mile 24: 8分13秒(3時間17分48秒)
Mile 25: 8分01秒(3時間25分49秒)
Mile 26: 7分57秒(3時間33分46秒)
このマラソンを走るにあたって、レース中のバックミュージックとして思い出すことができるように、数日前から電車にちなんだ名曲を脳細胞にinputしてあった。デューク・エリントンの『A列車で行こう』、グラディス・ナイト&ピップスの『夜汽車よジョージアへ』、ゴダイゴの『銀河鉄道999』等々。
しかし最も異彩を放つのは、なんといっても本田美奈子の『止まらないRAILWAY』(作詞:秋元康/作曲:筒美京平)だろう。シングルカットされていないので一般的な知名度は低いが、スピード感あふれる傑作。「♪右へ行くか、左なのか、迷っても、夢は進む・・・」
その歌詞の通り、果てしない夢に向かって突き進む暴走列車となって21マイルで最速ラップ(7分43秒)を計時。30kmの壁だろうが、35kmの壁だろうが、問答無用で強行突破していく。その勢いも24マイルで多少落ち着いてあとはゆっくりウイニング・ラン・・・と思いきや、最後の2マイルで再び怒濤のごとくペースを上げ、スタート地点と同じSeverna Park高校の敷地内に作られた最終ターミナルに向かって爆進! 26.2マイルを文字通りノンストップで走り続け、記憶する限りでは給水を口にしたのもわずか2回だけというミナコ超特急の旅は感動のゴールで幕を閉じた。
Finish Time 3時間35分20秒(8:13/mile)。
なんと、前半ハーフ(1:48:38)よりも後半ハーフ(1:46:42)のほうが2分近く速いネガティヴスプリットで自己ベストを更新! 昨年12月に達成したばかりのBQタイムを3分近く上回った。
これで9月フィラデルフィア(ハーフ)、10月デトロイト(フル)、12月リホボス・ビーチ(フル)、2月St.Pete(ハーフ)、3月B&Aトレイル(フル)・・・と、NYC以外の地方遠征レースで5回連続PRを達成。NYCではいつも坂の多いコースを走らされるので、地方大会ではなるべくタイムの出やすい平坦コースを選んでいることもあるのだが、気象条件もことごとく恵まれているのが不思議で、天のはからいというのか、巡り合わせの良さを感じないではいられない。
こういうことは長いランニング人生でも滅多にないだろう。
★午前7時30分、Severna Park高校敷地内の出発ターミナルを発進。
★ネイビーブルーのランシャツを着た海軍兵学校の学生ランナーたち。
★コスメル前村さん(25州目制覇)とゴール後の記念撮影。
★Annapolis Stridersのトレードマーク、ウサギの図柄入りの完走メダル。
★NJからの「謎のランナー」も含めて、アナポリスのイタリアンレストランで前夜祭。
★オフィシャルフォト撮影によるゴール直前のポーズ。
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2月12日(日曜日)、フロリダ州St. Petersburgで行なわれたロックンロール St. Peteハーフマラソンに参加。
今回の2泊3日の旅行は、もともと2011年1月にリニューアル・オープンしたばかりの「ダリの美術館」を見学するために企画していたものだったが、たまたま2012年からロックンロールシリーズのハーフマラソンが開催されることになったので、日程を合わせてついでに参加してみようということになった。フルではなくハーフというのも、息抜きのプチ・バケーションとしてはちょうどいい、と思ったのである。
年間の晴天日が360日に達することから「サンシャイン・シティ」とも呼ばれるSt. Petersburg(通称St. Pete)。
気温も高いだろうし、お気軽なリゾート・ランとして楽むつもりでいたのだが・・・
予想をくつがえすドラマが待っていた。
まず、現地に来てみると、思いのほか涼しい。
St. Peteに到着してEXPOに参加した金曜日こそ20℃を越えていたが、土曜日は強風の影響もあって10℃前後に下がり、レース当日は風こそ弱まったものの体感温度は0℃近くまで冷え込んだ。はからずもリゾート・ランより本気レースにふさわしいコンディションに恵まれてしまったのである。
そしてもうひとつ、旅行中に衝撃の出来事があった。
レースの前日Mieさんと一緒に夜のカーボローディングを終えて、レストランからホテルの自室に戻り、翌日に備えて早目に寝ようと思いながら何気なくCNNニュースのチャンネルをつけてみたら・・・
画面に現われたのは、なんとホイットニー・ヒューストンの訃報!
びっくりして目が醒めてしまい、延々と流れる緊急ニュースに釘付けになった。
これではまずいと思い、とにかく寝ようとする。しかしなぜかテレビをつけっぱなしにしたままベッドに入ってしまったので、寝ているのか起きているのかわからないような状態で朝4時になってしまった。ここまで来たら、もう起きているしかない。この日はハーフマラソンに参加するランナーのために朝5時から朝食が出るというのでロビー横のラウンジに下りてみたら、そこでもホイットニーの映像が延々と流れている・・・というわけで、一晩中聴かされた「I Will Always Love You」の歌声が脳裏にこびりついたままの状態でMieさんと待ち合わせ、レース会場に向かう羽目になってしまった。
とにかく、この朝は寒かった。ジャケットを羽織っていても寒いので、小走りでウォームアップしながらスタート会場に向かった。レースも本気で走らないと寒いだろうと思ったので、この時点で覚悟はできていたのだが、それでも昨年9月にロックンロール・フィリーで記録した「驚異の自己ベスト」を上回る自信はまったくなかったので、とりあえず確実にセカンドベストを狙える線で行こうと思い、設定ペースはマイル7分40秒台。だいたい1時間40分前後のフィニッシュを想定してレースを組み立てることにした。
Mile 01: 7分47秒
Mile 02: 7分47秒(15分34秒)
Mile 03: 7分46秒(23分20秒)
Mile 04: 7分42秒(31分02秒)
Mile 05: 7分36秒(38分38秒)
まずは序盤戦。MLBタンパベイ・レイズの本拠地トロピカーナ・フィールドの北側からスタートし、ぐるっと取り囲むような感じで再び北側のセントラル・アヴェニューに出て海岸のほうに向かっていく。コラル1のスタートだったので混雑もなくスムーズ。沿道には例によって1マイルごとにロックバンドの演奏があり、小規模ながらチアガールの応援も楽しめる。最初の4マイルまでは想定通りの快適なペースで7分40秒台。やがて南に向かう道に折れて5マイルを過ぎるころには、いい感じで体が温まってきたようで、自然に7分30秒台のペースに上がってきた。この時点で、このまま行けばセカンドベストに相当する1時間40分前後は間違いなかろうという感触になった。
Mile 06: 7分23秒(46分01秒)
Mile 07: 7分35秒(53分36秒)
Mile 08: 7分37秒(1時間01分13秒)
Mile 09: 7分30秒(1時間08分43秒)
Mile 10: 7分34秒(1時間16分17秒)
6マイル目ではさらにペースが上がり7分23秒。なんとなく昨年9月のロックンロール・フィリーに似たような調子になってきた。ひょっとしたら意外に行けるんじゃないか・・・と思っているうちに再び北向きのコースとなり、7マイルを通過。いよいよヤシの木の連なる風光明媚なタンパベイ沿岸が見えてきた。
そして、ここで決定的なターニング・ポイントを迎える。
ちょうど7マイルを過ぎたところで演奏していたバンドが、どこかで聞き覚えのあるイントロを奏で始めた。そう、フレディ・マーキュリー(QUEEN)の「I Was Born To Love You」だ!
この曲を聴くと不思議に燃えてくるのである。体の奥底に眠っている闘志に火がつくような感じで、普段の自分では考えられないような底知れぬエネルギーが湧き出てくるのだ。これこそ良い意味でのロックンロール効果というものだろうけど、あまりにもタイムリーだった。
高揚した気分のまま8マイルの手前でダリの美術館を通過。前日は3時間かけて「ロック世代の絵画」ともいうべき傑作の数々を鑑賞したのだが、その強烈な印象はレース時にも消えることがなかった。考えてみれば、マラソンもまさにイメージとリアリティが融合した「非日常」の世界。自分の内部に眠っている潜在的な力を引き出すためには、あえて過酷な環境に身を置いてみることも必要だ・・・などと妄想しているうちに、St. Pete観光の中心地「The Pier」に向かってまっすぐに伸びる桟橋に出る。「The Pier」の建物をぐるっと1周したところが9マイル。ここからしばらくは桟橋を逆に戻っていく折り返しコースとなる。
この折り返しでは一緒にスタートしたMieさんの姿を探しながら走る。しかし見つけることができないまま右に折れ、ベイショア・ドライヴを北に向かうコースへ。ヤシの木が連なる南国情緒満点の道路を走りながら10マイルの表示を越えた。残り3マイル。まだまだ余力はある。この時点で、起死回生の一発を狙ってみようか・・・という気持ちになってきた。
Mile 11: 7分34秒(1時間23分51秒)
Mile 12: 7分22秒(1時間31分13秒)
Mile 13: 7分04秒(1時間38分17秒)
最後の追い込みをかける終盤戦。11マイル目は今までのペースを維持しながらラスト・スパートに向けてのエネルギーを充電していくことを意識する。12マイルに向かう途中でこのレース唯一の橋越え。ここは一気に駆け上りながら勢いをつけるという戦法に出る。最終マイルはロケットエンジン全開の大爆発。先を行くランナーを次々にぶっちぎりながら猛然とスパートする。その勢いがあまりにもすさまじかったようで、追い抜かれた女性も「すごい!このまま頑張って!」(もちろん英語で)と歓声を上げるほどだった。
13マイル目のラップは短距離レースでもなかなか出せない7分04秒。どうしてそんな力が出てくるのか、わけがわからない。最後はノースショア・ドライヴの直線コースを全力疾走し、沿道の大歓声を浴びながらゴールゲイトに飛び込んだ。
Finish Time 1時間38分56秒(7:33/mile)。
自己歴代1位!
な・なんと! 最後の1マイルで難攻不落に思えたフィリーのタイム(1時間39分20秒)を逆転! 54歳のバースデー・イヴを飾る劇的な自己ベスト更新となった。
レース後は無料のビールがふるまわれるビア・ガーデンでMieさんと乾杯。
そしてロックンロールシリーズ名物のヘッドライナー・コンサートへ。
大物ラッパー、フロー・ライダー(Flo Rida) 登場でいつにも増して盛り上がった。
それにしても会心のレースだった。 昨年9月にハーフマラソンで初めて100分切りを達成した時、「おそらくこのコース(フィラデルフィア)でなければ、ここまでの神風は吹かないだろう」と書いたが、それからわずか5ヶ月後に、別のコースでそれ以上の神風を体験してしまった。
2度の神風が実現するとは、まさに「元寇」の再現である。
このレースで殊勲賞をあげるとすれば、前日多大なイマジネーションを与えてくれた巨匠ダリだろうか。あるいは夜中じゅう天使の歌声をプレゼントしてくれたホイットニーか、7マイル地点で眠れる闘志に火をつけてくれたフレディ・マーキュリーか。
いずれにしても天才の凄さを思い知らされた旅となった。
★MLBタンパベイ・レイズの本拠地トロピカーナ・フィールド内で行なわれたEXPO。
★トロピカーナ・フィールドの前で。この日は半袖でも大丈夫な気候だったが・・・
★13マイル地点通過。ここからゴールまでは一直線のコース。
★ヤシの並木道の彼方にゴールゲイトが見える。
★ゴール後の1枚。思わぬ自己ベスト達成で満足以上。
★ヘッドライナー・コンサートに登場した大物ラッパー、フロー・ライダー(Flo Rida)。
★最後は上半身裸になり、観客の群れに飛び込んでの大熱演。
★南国の色彩に彩られたゼッケンと完走メダル。
★オフィシャル・フォト(1)。9マイル目の桟橋を「The Pier」に向かって走る。
★オフィシャルフォト(2)。10マイルに向かうBay Shore Driveの石畳を走る。
12月10日(土曜日)、米国15州目、デラウェア州のリホボスビーチマラソンを走る。
今年で第2回目。フルの参加者600人台というローカル大会だが、いわゆるマニアックなランナーの間では人気があり、コースと運営に関してはmarathonguide.comのレヴューで★5つの高評価を得ている。実際、ロードとトレイルがうまくMIXされたコースは今までに参加したレースの中で間違いなく5本の指に入ると思えるほどの素晴らしさだった。
スタート時の気温6~7℃。薄曇りで絶好のコンディション。問題があるとすれば中盤で予想される向かい風との闘いだった。
Mile 01: ******(07分33秒)・・・表示見当たらず。
Mile 02: ******(15分06秒)・・・表示見当たらず。
Mile 03: ******(22分39秒)・・・ここまで22分39秒。ということは平均7分33秒(驚)
Mile 04: 8分29秒(31分08秒)
Mile 05: 8分28秒(39分36秒)
Mile 06: 8分30秒(48分06秒)
夏はデラウェア州有数の観光地としてにぎわうレホボスビーチのボードウォーク付近の広場からスタート。おしゃれなレストランやショップの建ち並ぶまっすぐな目抜き通りを走り、北に折れて住宅地のコースへ。海岸近くのオーシャンドライヴを北上していくが、なかなか距離表示が見当たらないまま10分、20分が過ぎていく。ローカルレースではこういうこともあるので、とにかく体感を頼りにしながらペースを刻む。やがて最初の折り返しを過ぎて、ここでようやく3マイルの表示を発見。22分39秒。なんとマイル平均7分33秒で突っ込んでいることに気がついた。身の程知らずに前の方からスタートしたので、速いランナーのペースに煽られたのだろう。ハーフマラソンではあるまいし、こんなペースでは撃沈必至なので、4マイル目以降は自分の力に見合ったイージーなペースに引き下げて走ることにする。
Mile 07: 8分35秒(56分41秒)
Mile 08: 8分21秒(1時間05分02秒)
Mile 09: 8分34秒(1時間13分36秒)
Mile 10: 8分49秒(1時間22分25秒)
Mile 11: 8分37秒(1時間31分02秒)
Mile 12: 8分36秒(1時間39分39秒)
Mile 13: 8分23秒(1時間48分02秒)
中間地点通過: 1時間48分54秒
6マイルを過ぎたところでCAPE HENLOPEN州立公園のトレイルに突入。実は3マイルあたりから右のアキレス腱に軽い違和感が出てきたので、足に負担のかからない土のトレイルはありがたかった。牧草地を抜けるとまっすぐに続く木立の道。途中、クリークにかかる木造の橋を越えたりしながら美しい自然を存分に楽しむ。9マイル付近で再びアスファルトの道に出てハーフのランナーと別れたあと、NJ州CAPE MAYへのフェリーが発着しているLEWESの街へ。このあたりで北東からの向かい風が強くなり、足が思うように進まなくなる。通りすがりの大柄なランナーたちを風除けに利用しつつ、忍耐の闘い。「とにかく後半勝負。急がない、あわてない」と自分に言い聞かせながら、足に負担をかけない省エネ摺り足走法で乗り越えるよう心がけた。
ハーフの通過タイムは1時間48分54秒。後半の落差を2分以内に抑えれば3時間40分を切れるペース。最後まで気を抜けないギリギリの闘いになるだろう、という予想通りの展開となった。
Mile 14: 8分24秒(1時間56分26秒)
Mile 15: 8分32秒(2時間04分58秒)
Mile 16: 8分36秒(2時間13分34秒)
Mile 17: 8分31秒(2時間22分05秒)
Mile 18: 8分24秒(2時間30分29秒)
Mile 19: 8分32秒(2時間39分02秒)
Mile 20: 8分29秒(2時間47分31秒)
中間地点を過ぎると風光明媚なHENLOPEN岬をめぐるコースに突入。ここからの約3マイルは多少起伏のあるところ。できるだけイーブンペースを保つようにしながら小刻みなローリングヒルを走っていく。道はアスファルトのままだったが、歴史のある灯台をはじめとして次々と変化する景色が素晴らしい。特に14マイル過ぎの坂を上りきったところで一望のもとに見渡せるデラウェア北岸の絶景は感動ものだ。
15マイルあたりからはロックンロール・フィリーの青いシャツを着た男性ランナーとその連れ(こちらも男性)をペースメーカーにして走った。16マイルでエナジーグミを補給。17マイルの給水所で男性2人組をかわし、若干ペースを上げていく。ここからは中間地点まで走った道を引き返すコース。18マイルから20マイルにかけての「30km越えの山場」を無難に切り抜け、いよいよ勝負どころのラスト・クウォーターに突入していく。
Mile 21: 8分22秒(2時間55分53秒)
Mile 22: 8分17秒(3時間04分10秒)
Mile 23: 8分15秒(3時間12分25秒)
Mile 24: 8分11秒(3時間20分36秒)
Mile 25: 8分05秒(3時間28分41秒)
Mile 26: 7分52秒(3時間36分33秒)
さて、ここからがミナコ史上永遠に残るであろう激走。前半を走っている時は「勝負は後半」と言い聞かせ、中間地点を過ぎてからは「勝負は最後の10km」と言い聞かせながらあくまで8割の力で闘ってきたが、ここからは文字通り全力投球。温存してきたエネルギーを全開しつつ、21マイルから思い切ってペースを上げていく。
22マイルで再び州立公園のトレイルに突入。ここからの区間は紫色のウェアを着た大柄な女性ランナーがいいペースメーカーとなった。一度追い抜いたものの、すぐに抜き返され、明らかに相手もこちらを意識している様子。できるだけ引き離されないように、すぐ後ろを追いかけていく。23マイルでさらにペースアップ。何人ものランナーを追い抜きデッドヒートを繰り広げながら、トレイルを抜ける直前の24マイルでついに女性ランナーを振り切った。この時点で「勝った!」と思った。残り2マイル、まだまだ余力がある。なんと38km過ぎになって、いまだかつて経験したことのないようなランナーズ・ハイが訪れた。
まさに異次元空間を飛翔する火の鳥のごとく! 人知を超越するような力が体の奥底から湧き出てくる!
そして25マイル。勝利を確信したウイニング・マイル。目抜き通りの大声援に後押しされ、歴史的なゴールを目指しての全力疾走。万感の思いがあふれ出てくる。
長年待ちわびていた1日! ついにその日は到来したのだ!
Finish Time 3時間38分07秒(自分の時計では3:38:09)
10月のデトロイトマラソンのタイムを3分16秒上回る自己ベスト!
そして・・・2013年ボストンマラソン(レース時55歳)のQualified Timeに到達!
足かけ8年。通算34回目のフルマラソンでようやくここまで来た。
3時間41-49分台でゴールすること17回。
若さや体力などのアドヴァンテージもなく、ひとつの壁を越えるのに膨大な時間がかかったが、地道に走り込んだ距離だけは裏切らなかったということだろうか。
成長が遅いのも、ある意味、亀ランナーの勲章かもしれない。
デラウェア州は建国にかかわった13州の中で1787年12月にアメリカ合衆国憲法を最初に批准した州であることから「First State」と呼ばれるが、自分にとっても念願のBQを最初に達成した州として忘れられない場所となるだろう。
★スタート地点にて。NJ州在住の某「謎のランナー」に撮影してもらう。
★州立公園のトレイルを走る。(オフィシャルフォトによる撮影)
★後ろに「SAVANNAH RD」という表示が見える。おそらく20マイルを過ぎたあたり。
(オフィシャルフォトによる撮影)
★ゴール手前の力走。(オフィシャルフォトによる撮影)
★ゴールの瞬間、手元の時計は3時間38分09秒を示す。2年後の2013年ボストンマラソン出場が確定した歴史的瞬間。
★完走メダルを手に、リホボスビーチのボードウォークで記念撮影。
★特定の時間のみオープンしている「サンタクロースの家」の前で1枚。
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11月23日(木曜日)、この日はアドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦さんの「PEACE RUN 2011 アメリカ横断5000キロ ランニングの旅」がゴールを迎える日。ここに至るまでの経過は折にふれてLAやミシガン在住の北米ラン仲間から伝え聞いていたが、いよいよニューヨークのゴールに近づくにつれて、高繁さんと歴史的な一瞬を共有しようというプロジェクトが急速に進展した。そしてこの日は感謝祭の祝日ということもあり、最終的には地元在住の多くのラン仲間に感動の輪が広がることになったのである。
さて、当初の予定では午前7時にフォートリーで高繁さんと落ち合いスタートするはずだった。
が、その15分前に自宅近くのホテルで待ち合わせることになっていたチーム・ミシガンの到着が道中のアクシデントにより遅れるという連絡がYoshiさんから入り、あらかじめ手配していたフォートリー行きのTAXIを30分遅らせることになった。そうなると予定の時間での到着が間に合わないので、先にフォートリーに集まったメンバーで出発してもらい、チームミシガン+自分はあとから追いかけるという段取りに変更することになった。
というわけで、予定より30分遅れてYoshiさん、Opa!さん、コスメル前村さんと一緒にフォートリーを出発。ハドソン川にかかる全長1067メートルの巨大な吊り橋、ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡ってマンハッタン178丁目に到達する。よく考えてみれば、NJ州からNY州への州越えランはこれが初めての体験となる。
その後、閑散とした早朝のハーレムをジョグとは思えない猛スピードで南下。Broadway→St. Nicholas Ave→Amsterdam Aveを経て、ようやく135丁目付近で高繁さん+先発隊(まっくさん、かなぶんさん、ねこぴさん、シャカリキさん、かんぺいさん)に追いついた。
110丁目からセントラルパークに突入。さまざまな色のウェアに身をつつんだジョガーの行き交うイースト・ドライブを南下する。ニューヨークシティマラソンの創始者フレッド・リボウの銅像のある90丁目の手前あたりでよっしーさんも加わる。59丁目の出口はパレードの交通規制のため高繁さんのバギー(手押し車)は通れず、少し迂回して5番街へ。途中で巨大クリスマスツリーが準備中のロックフェラセンターに寄り道しつつ、さらに南下を続ける。
25丁目のマジソンスクエアパークが近づくと、進行方向に日の丸発見。ここで新たな一隊(飛脚さん、アンジーさん、馬次郎さん、ヒロヤスさん夫妻)と合流。ゴールまで5kmの旅を残すのみとなった。ブロードウェイを南下し、新たな高層ビルが建設中のグラウンド・ゼロに立ち寄り、デモ隊が集まるウォール街の広場の横を通過し、いよいよバッテリーパークへ。
午前10時55分、LAをスタートして183日目、走行距離5285kmに及ぶアメリカ横断の旅がついに感動のゴールを迎えた。
並みの言葉では言い表すことができない、歴史的な偉業。
しかもこの旅は、これまで高繁さんが経験してきた世界のごく一部にすぎない。
これからも新たな旅は続く。
またいつか、一緒に走る時間を共にする日が来るだろう。
KAY'S BLOG http://kaytaka.blog35.fc2.com/
PEACE RUN公式サイト http://www.peace-run.com/
★ハーレムの坂道を走る高繁さん+有志の仲間たち。
★秋晴れの下、バギーを押しながらセントラルパークを走る。
★5番街のランドマーク、エンパイアステート・ビルを通過。
★バッテリーパークでのゴール後、TV局のインタビューに応じる高繁さん。
★ゴール後の記念撮影タイム。
★夜は日本食レストランで打ち上げ。地元NY・NJのランナーのほか、チームミシガンの面々、たまたま遊びに来ていた西海岸のラン仲間も加わった。
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