働き方コンサルタント 椎葉怜子のブログ

株式会社ルシーダ代表。理性と感性のキャリアカウンセラー。
テレワーク、女性の働き方、起業が専門。

ビジネス書:<就活>廃止論

2010年02月16日 | 日記
ジョブウェブの佐藤孝治さんの著書『<就活>廃止論 (PHP新書)』を読みました。



タイトルからしてセンセーショナルな本ですが、企業の人事部や学生学生だけでなく、
いずれ<就活>の洗礼を受ける高校生、大学生のお子さんがいらっしゃる
親御さんにも「<就活>のトレンドをこの本で把握していただきたい」と思う本でした。
親の世代と子どもの世代では、時代が大きく変わっているので
子どもに適切なアドバイスをするために、大人も勉強が必要だからです。

就職活動の準備がまだ充分にできていない大学3年生が読むと、ちょっと
ショックを受けてしまう内容かもしれません。ヤバい、と思った人は
自分なりの方法で巻き返しを狙いましょう。

著者によると、新卒採用では、企業の人事担当者は大企業であれば何千、
何百もの学生に会うわけですが、「欲しい人材」に出会う確率は100人中5名、
つまりたった5%。

その5%の学生は複数の企業から内定をもらえるのに、残りの95%は
何社受けても内定をもらえないという現象が起きているそうです。

もう一つ、興味深いデータが提示されていました。
日本企業全体の97.7%が中小企業なのに、<就活>で学生が向う先は0.3%の大企業。
その大企業が採用したいのは、学生のうちの5%なのですから採用する企業と
学生との間に大量のミスマッチが発生します。

これでは、残り97%の学生が<就活>で苦戦するのは当然のこと。
大企業側も大量のお金と時間を投入して、大勢の学生に会うけれど実際に
採用するのはその中の一部なのですから、採用の効率は決して良いとは言えません。

キャリアの最終地点との関連性がある「終身雇用制度」や「年功序列制度」は
崩壊の方向に向かいつつありますが、キャリアの入り口の<就活>には
ミスマッチにも関わらず今のところ大きな変化がないようです。

この本は日本の<就活>、新卒採用に一石を投じる、意義深い一冊だと思います。

実は著者の佐藤さんとは、10年来の知り合いです。
先日の人材業界新年会で数年ぶりに再会しました。若者を優しい目線で応援する
佐藤さんの周りには、当時と同じように彼を慕う大学生、社会人の若者が
大勢集まっていました。あれだけの人気者はなかなかいません。

●佐藤孝治さんの『<就活>廃止論』公式ブログ
●佐藤孝治さんのTwitterページ

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