今朝は、日本中がWBC決勝の中継を見ていたのではないでしょうか。
中には、午前中を休みにした会社があったといいます。
娘も、仕事上の連絡は、「空気を読め」と言われそうで、
しなかったのですが、
先方からも、この時間には、何の連絡もなかったそうです。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック World Baseball Classic)は、
メジャーリーグベースボール(MLB)機構と
MLB選手会により立ち上げられた
ワールド・ベースボール・クラシック・インクが主催する、
野球の国・地域別対抗戦で、
つまり、世界一決定戦。
原則として、4年に1度の開催で、
リーグ戦のオフシーズンに行われる。
選手は下記のいずれかに該当する場合、各代表チームへの出場資格を持つ。
1 当該国の国籍を持っている
2 当該国の永住資格を持っている
3 当該国で出生している
4 親のどちらかが当該国の国籍を持っている
5 親のどちらかが当該国で出生している
6 当該国の国籍またはパスポートの取得資格がある
7 過去のWBC で当該国の最終ロースターに登録されたことがある
それで、日本人の母を持つ大リーグのヌートバー選手が
日本代表になれたわけ。
日本で開催された1次ラウンドを全勝で勝ち進み、
準々決勝はイタリアに勝利して、アメリカへ。
準決勝では、メキシコに負けていたものの、
9回裏に村上宗隆が逆転サヨナラヒットを打って、勝利。
そして、今日行われたアメリカとの決勝では、
投手陣がアメリカの打撃を封じ、
3対2の最小得点差で優勝。
その幕切れがすごかった。
8回のダルビッシュの時にホームランで1点差に詰め寄られ、
9回は大谷翔平が登板。
先頭打者をフォァボールで出塁させるも、
次打者はダブルプレーで2死。
最後のバッターはエンゼルスでチームメートのトラウト。
3ボール2ストライクのフルカウントになり、
スライダーで空振り三振させ、ゲームセット。
準決勝の逆転サヨナラといい、
9回の無死走者といい、
その後のダブルプレーといい、
最後の、3度のMVP受賞者トラウト選手との対決といい、
フルカウントでの三振決着といい、
これ以上ないほどドラマチックで、
まるで野球漫画を見るような展開。
第1回大会(2006年)、第2回大会(2009年)での優勝のあと、
第3回(2013年)、第4回(2017年)は3位に沈んだ日本、
14年ぶりの世界一。
そして、MVPは、大谷翔平。
日本からMVPが選ばれるのは、
第1回と第2回大会での松坂大輔以来。
1次ラウンドの中国戦と、準々決勝のイタリア戦で
ピッチャーとして2勝をあげ、
バッターとしてもオーストラリア戦で、
東京ドームの看板を直撃するスリーランホームランを打つなど、
誰も文句のつけようがない大活躍。
優勝チームには金メダル、
準優勝チームには銀メダルが選手・監督・コーチの全員に授与される。
しかし、ベスト4の2チームには、
銅メダルなどは無く、何も授与されない。
そして、伝わって来たエピソード。
試合前のロッカールームでの円陣で
声出しを務めたのは大谷。
それは、こうだった。
「僕から一個だけ。
憧れるのをやめましょう。
ファーストにゴールドシュミットがいたり、
センターを見ればマイク・トラウトがいるし、
外野にムーキー・ベッツがいたりとか、
野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。
今日一日だけは。
やっぱ憧れてしまっては超えられないのでね。
僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。
今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、
勝つことだけ考えていきましょう。
さあ、行こう!」
すごいね、大谷。
こんなことを言える日本人がいるとは。
ロッカールーム全体に拍手が響き、
大谷の一言で最高のムードが出来たという。
この言葉で、日本選手たちの大リーガーに対する劣等感や
引け目や萎縮を払拭してしまった。
彼らも同じ人間だと。
アメリカチームも強かったが、
日本チームには、勝つことへの執念があった。
この大谷の言葉がそれに貢献した。
その動画は、↓で。
https://youtu.be/YiU9KwxZeho
この模様を侍ジャパン公式ツイッターが紹介すると
「憧れるのをやめましょう」という名言に大反響が起きているという。
「めちゃめちゃ格好いい言葉」
「素敵な言葉!!」
「もう泣いちゃうよ」
「素晴らしすぎる声出し!」
「憧れを捨てろはカッコよすぎだろ」
「言うことまでもがカッコイイ」
「憧れたら越えられないって名言すぎる」
「そんなあなたにみんな憧れてます」
「俺も今日は憧れるの辞めます」
今回のWBCは、
日本人の誇りと自信を取り戻す出来事だった。