[ドラマ紹介]
スウェーデン発の事件ドラマ。
2004年、スウェーデンのリンシェービング、
通り魔殺人で8歳の小学生と52歳の主婦が殺される。
捜査官のヨンが捜査本部を立ち上げる。
現場に凶器のバタフライナイフもあり、
犯人の血液も残されており、
目撃者もいて、
すぐに解決出来ると思われたが、
周辺の年齢該当者の検体の提供を受けても、一致しない。
目撃者も犯人の顔の記憶がなく、
催眠術をかけられる始末。
1年がたち、2年が経っても事件は解決しない。
ヨンが捜査に没頭するため、
妻に離婚され、
生まれたばかりの息子との間も裂かれる。
16年経過した時、
未解決事件への移行を通告される。
それまで残された時間は2週間しかない。
そこへ、一人の学者が登場する。
DNAによる家系図で、
古い殺人事件の犯人を突き止めた系譜学者だ。
ヨンはその学者のパーに最後の望みを賭けるが、
データが不足している。
その上、記者が気付いて、
違法捜査の疑いを掛け、
報道するという。
パーの解任まで2日しかなく、
家系図は大詰めを迎えるが・・・
家系図解析で昔の事件の犯人を突き止めた前例が
アメリカにあるのは知っているが、
これはヨーロッパ初の例だという。
捜査行き詰まりによるヨンの苦悩や
被害者遺族の悲しみ、
ヨンの家庭破綻、
パーの家族の問題など、
かなりていねいに描かれ、密度は濃い。
事件解決後の遺族の反応や、
犯人の家族、ヨンの息子との関係など、
しっかりと描かれている。
北欧ドラマらしい暗く味わいのある
「当たり」のドラマ。
監督はリサ・シーヴェ、
脚本はオスカル・セーデルルンド、(原作あり)
捜査官ヨンをピーター・エガースが、
パーをマティアス・ノルドクヴィストが演じ、
共に渋い。
検体を集めるうち、
ある人物から提供されたDNAが
犯人につながるきっかけになったのは、皮肉。
Netflixで視聴。
4話合計2時間37分。
題名の「ブレイクスルー」の意味は、
これまでにない革新的な考え方で
目の前にある障壁を突破すること。
16年間停滞した捜査が
家系図という新技術で解決したのだから、
題名のとおり。