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映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

2023年07月03日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作

「スター・ウォーズ」のように番号が付けられているわけではないが、
便宜上、番号を付けてシリーズ作品を紹介すると、
1:レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)

2:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年)


3:インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年)


4:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)


5:インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年)
(原題は全て「INDIANA JONES」で、
 「インディ・ジョーンズ」は、日本だけの表記)

考古学者インディアナ・ジョーンズの
世界各地での、遺物を巡る敵との争奪戦を描くのがパターンで、
各作の内容を記すと、
1:1936年、エジプト。敵はナチス、遺物はモーセの十戒の石版を納めた聖櫃
2:1935年、インド奥地。敵は邪教集団、遺物は秘石「サンカラ・ストーン」
3:1938年、ヴェネチア、ベルリン、遺跡。敵はナチス、遺物はキリストの聖杯
4:1957年、ペルー、アマゾン奥地。敵はソ連、遺物は水晶製の頭蓋骨
5:1969年、モロッコ、ギリシャ、シチリア。敵はナチスの残党、遺物はアルキメデスの時空のダイヤル

というわけで、新作は15年ぶり
「1」で、39歳だったハリソン・フォードは、
「5」では、81歳になった。(撮影時は79歳
本来、もっと早く作るはずだったが、
諸事情によって遅れて年齢が進んだ。
「4」でインディの息子を演じたシャイア・ラブーフを主役にする案もあったが、
これもラブーフの事情により果たせず、
撮影時79歳のハリソンが頑張ることになった。

冒頭、1944年のドイツで、
ナチスが略奪した秘宝「ロンギヌスの槍」を
インディは友人の考古学者バジルと共に奪還しようとしていたが、
ナチスの科学者フォラーが偶然見つけたもう一つの秘宝
アルキメデスの「アンティキティラのダイヤル」の半分を偶然手に入れる。

その25年後の1969年。
大学で教鞭を取っていたインディは
定年退職の日を迎えるが、
旧友バジルの娘ヘレナから話を持ち掛けられたことをきっかけに、
「アンティキティラのダイヤル」の調査に乗り出す。
同時期に元ナチスの科学者フォラーも
インディに奪われたダイヤルを取り戻すべく、
ナチスの残党と共に動き出していた・・・。

というわけで、アルキメデスの発明品を巡って、
アメリカ、モロッコ、ギリシャ、シチリアへと場所を移しての争奪戦が闘われ、
馬の疾走、トゥクトゥクでのカーチェイス、飛行機上、海底探索、遺跡の探検、
と展開するわけだが、
「1」以降、様々な映画でもっと派手にやっているため、
もはや誰も驚かない。

「4」の後、権利がディズニーに移ったため、
パラマウントのマークの背景にある山が
様々な似た形のもの(山、ゴングの模様、砂漠の奇岩、動物の巣)に
重なるという冒頭の仕掛けもなくなっている。
これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグ
ジョージ・ルーカスと共に製作総指揮に回り、
「フォードvsフェラーリ」などのジェームズ・マンゴールドが監督を担当した。
新監督は悪くはないが、
やはり、スピルバーグの作り上げた世界を突き抜けることはできなかった。
敵の設定はまたもやナチスで新味はないし、
謎解きや遺跡の不気味さ、アクション全てに既視感がつきまとう。
ハリソン・フォードの年齢については言わない。

死ななくてもいいと思われる人がどんどん殺されるのも、疑問。
アントニオ・バンデラスはよく似た人だな、
と思っていたら、
エンドクレジットでバンデラスだと知った。
マッツ・ミケルセンはやはり、いい。

海に潜る時、海中にeel(ウナギ)が居る、と告げられて、
蛇嫌いのインディがビビるのは、笑わせたが、
実際はウツボ(moray eel)。
さては、字幕翻訳の大御所は、
映像を見ないで仕事をしたのか。

ただ、終盤の展開は予測していなかった
「4」ではUFOを登場させて顰蹙を買ったスピルバーグだが、
今回のアレは、予想を越えていたので、びっくりした。
情報は流れてこなかったから、
製作時秘密にしていたようだ。
予告編でも匂わせていない。
個人的には、インディはあの世界に残った方がいいのではないかと思った。

ラストのキスのくだりは、
「1」を観ていないとわからない。

「5」を観るにあたり、
「1」~「4」を予習
権利が移ったおかげで、ディズニー・プラスで全部観れる。 
「1」は最後の聖櫃を開けるシーン、
「2」はトロッコのシーン、
「3」は、ペトラ遺跡のシーンを堪能した。
「4」は、ほとんど記憶にないシーンの連続で、
それでもスピルバーグらしい悪趣味は横溢している。
ラストの円盤はやはり、がっかり。
「5」は、終盤の驚きはまた味わいたい。

ハリソン・フォードの年齢を考えても、
このシリーズは今回で終わるようだが、
シリーズでは一貫して、 
辺境での遺跡、秘宝を巡る闘いなど、
少年の冒険心を刺激する内容は心を弾ませた。
そういう意味で、感謝するしかないシリーズの終焉である。
ジョン・ウィリアムズの音楽もこれで終わりだという。

5段階評価の「3.5」。

拡大上映中。

 



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