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アカデミー賞授賞式

2024年03月11日 23時00分00秒 | 映画関係

今日はアカデミー賞の授賞式
アメリカ時間では3月10日、日曜日です。

冒頭、ノミネート作品を上手につないだ映像の最後に、
「バービー」で主演したマーゴット・ロビーのいるベンチの隣に
男性が座り、

3週間食事していなくて、
腹がへった、などと言い、
「これからアカデミー賞に行かなければ」
と言うと、
授賞会場での上映映像に変わり、


そのまま男性がステージに現れる。
男性は、今宵の司会者、ジミー・キンメル


昨年に続いての大役登場です。
司会は手堅く、安定しています。

会場はハリウッドのドルビー・シアター

立ってのおしゃべりの中で、
「タクシードライバー」(1976)で共演して共にノミネートされた
ロバート・デ・ニーロジョディ・フォスター
今回も共に助演賞でノミネート、
リリー・グラッドストーンは先住民初のノミネート、
「落下の解剖学」と「関心領域」の主演はどちらも
ドイツ人女優のサンドラ・ヒュラー
などと触れていきます。
昨年はストライキで大変でしたが、
それを支えた陰の立役者たちの
現場スタッフを舞台に上げたりも。

今回は、演技部門の授賞は、新機軸となりました。
というのは、往年受賞者が5人現れ、


それぞれの候補者について賞賛の言葉を述べる。


受賞者のメンバーが豪華で、
なかなかの趣向でした。

で、助演女優賞は、
「ホルトオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」の
デヴァイン・ジョイ・ランドルフ

助演男優賞は、
「オーッペンハイマー」のロバート・ダウニー・ジュニアが受賞。

長編アニメ賞は、
「スパイターマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を抑えて、
宮崎駿「君たちはどう生きるか」            
(アメリカでの題名は「The Boy and the Heron =少年と鷺」) 
が受賞。


ところが宮崎監督も鈴木敏夫プロデューサーも欠席
なぜ?
宮崎監督がオスカー像を贈呈されるところを見たかったのに。

番狂わせだったのは、
「哀れなるものたち」が、
美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞と、
本命視されていた「バービー」「マエストロ:その音楽と愛と」
を抑えての受賞。
実は、番狂わせはもう一つあるのですが、
それは後で触れます。

会場には、「落下の解剖学」に出演した犬も。

スタントマンの仕事の紹介がありましたが、


これは、スタントマン賞増設の兆しでしょうか。
前からスタントマン賞が提案され、
話し合いが持たれているといいます。


他にキャスティング・ディレクターを表彰するキャスティング部門
2025年度から新設されることが発表されています。
2018年には、幅広い映画ファンの人気に応える、
ポピュラー映画部門の新設も発表されましたが、
見送られています。

司会者が今年はある出来事の50周年だと紹介。
というのは、第46回(1974年)授賞式の最中、
デヴィッド・ニーヴンの背後から
全裸の男がステージを横切り、
生放送が一時中断されるというハプニングが発生。

当時はストリーキング(死語)が流行っていました。
それを記念して(?)全裸の男性
(ジョン・シナって誰? 体格がいいから、レスラー?)
発表が委ねられるというハプニング


あまり趣味のいい仕掛けとは言えませんね。

なお、2004年の第38回スーパーボウルにおいて
生放送でジャネット・ジャクソンが歌っている最中に
胸が露出されてしまう不祥事があったため、
2005年の中継からは5秒遅らせて放送されているといいます。

「ツインズ」の凸凹コンビ、


アーノルド・シュワルツネッガーダニー・デビートがプレゼンターをつとめたのは、
視覚効果賞」。
何と、日本の「ゴジラ-1.0」が受賞
これは画期的なこと。
日本のCG技術が本場アメリカを凌いだということを示すからです。
しかも低予算で。
往年の円谷英二監督をはじめ、
「特撮もの」は日本のお家芸。
日本の手作り技術が認められたことになります。

「ゴジラのテーマ」の音楽で送られて
ステージに立った山崎貴監督
「40数年前、
『スターウォーズ』と『未知との遭遇』に衝撃を受け、
 この道を志しまし。
 ハリウッドから遠い場所にいる私が
 このステージに立てる日が来るとは
 夢にも思いませんでした。
 ノミネートの知らせを受けててからは
 ロッキーになった気分でした。
 つまり、これからリングに上がって、
 強敵と闘うんだという気持ちでした。
 それ自体が奇跡でしたが、
 でも、今、ここに立っています。
 ハリウッド以外で作品を制作しているアーティストの皆さん、
 ハリウッドは皆さんの作品を見てくれています。
 私たちの受賞がその証拠です」
と英語でスピーチしました。
そして、昨年亡くなったプロデューサーの阿部秀司さんに
受賞を報告しました。

長編ドキュメンタリー賞は、
「実録 マウリポリの20日間」が受賞。
ロシアのウクライナ侵略が始まった20日間を描くもので、
監督は、「このような映画かは作りたくなかった」
と逆説的にスピーチ。
「この賞と引き換えに、
 事実を変えられるなら、そうしたい。
 ロシアのウクライナ侵攻をなかったことにしたい」
とロシアの侵略を止めることを世界に訴えました。

短編アニメ賞も反戦もので、
ジョン・レノンとオノ・ヨーコの曲
「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」を原案とした
「War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko」が受賞。

シンシア・エリヴォアリアナ・グランデが音楽賞のプレゼンターに。

主題歌賞は、
「バービー」から
「What Was I Made for?」

「キラーズ・オブ・ザ・フラホームーン」から
「Wahzhazhe(A Song for My People」

「フレーミングホット! チートス物語」から
「The Fire Inside 」

「ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー」から
「It Never Went Away 」

同じく「バービー」から
「I'm Just Ken」が歌われ、


最終的に、
ビリー・アイリッシュフィニアス・オコンネルが歌った
「What Was I Made for?」が受賞。

作曲賞は「オッペンハイマー」のルドウィグ・ゴランソンが受賞。

追悼パフォーマンスでは、


日本人では坂本龍一が紹介されました。

主演男優賞の往年の受賞者として登壇したのは、
ブレンダン・フレイザー(昨年の受賞者)、
ニコラス・ケイジ、マシュー・マコノヒー、
ベン・キングスレー、フォレスト・ウィテカー
という豪華メンバー。


受賞者は「オッペンハイマー」の
キリア・マーフィーでした。

監督賞も往年の受賞者が出るかと思ったら、
スティーヴン・スピルバーグ一人で、


「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーランが初受賞。

主演女優賞の往年の受賞者は、
ミシェル・ヨー(昨年の受賞者)、
サリー・フィールド、ジェニファー・ローレンス、
シャーリーズ・セロン、ジェシカ・ラング
こちらも豪華メンバー。


受賞者はリリー・グラッドストーンかと思ったら、
ストーン違いの
エマ・ストーン


これも番狂わせ。
「ラ・ラ・ランド」(2016)に続く、
7年で2度目の主演女優賞です。

そして、作品賞のプレゼンターは、
「ゴッドファーザー PART2」の50周年を記念して、
アル・パチーノ


そして、作品賞は「オッペンハイマー」
監督賞・主演男優賞・助演男優賞・撮影賞・編集賞・作曲賞と
主要部門を取ったのですから、順当な受賞。


原爆を開発した、
天才科学者オッペンハイマーの
栄光と没落の生涯を描く作品は、
日本人には複雑な気持ちで受け取られ、
公開も延び、3月29日公開です。
広島・長崎に触れていないというので、
どんな作品になっているのでしょうか。

結果は「オッペンハイマー」が13ノミネートで7部門受賞
「哀れなるものたち」が11ノミネートで4部門受賞
「関心領域」が5部門ノミネートで2部門の受賞でした。

特に事件もなく、平穏に終わった授賞式。


ジミー・キンメルは例年、
マット・デイモンいじりをするのですが、
会場にいなかったのか今回はやらず。
ところが受賞式が終わった後で、
ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにある
マット・デイモンの星に
「落下の解剖学」の犬が
オシッコをしようとして片足を上げている映像が出ました。


増々悪趣味だね。

 



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