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褒められる日本

2024年01月20日 23時00分00秒 | 様々な話題

週刊大阪日日新聞に、
ニューヨーク在住経験のある
Spyce Media LLC 代表の岡野健将氏が、
「日本はそんなに住みにくい国なのか? 
 海外から見た日本のスゴさ」
という記事を掲載している。

趣旨は、次のとおり。

日本は、経済成長の実感がなく、
人口は減少期に入り、
「失われた30年」と言われ、
経済も収入も増えずに来た。
しかし、そんな停滞感いっぱいの日本に今、
海外から観光客が大挙して訪れるのはなぜか。
しかも、彼らは一様に口をそろえて
「日本は良い!サイコー!!」と言う。

その理由はまず、安全であること。
街がきれい、人が親切、時間に正確。
と日本人にとって当たり前のことを、
「すごいこと」として評価してくれている。
外国人にとって日本は物価が安く安定し、
そのうえモノやサービスの質が高いと評価されている。
1000円以下でこんなにおいしい食事ができる国は
他にはない、と。

世界では、戦渦で家を失い
逃げまどう日々を送る人が何百万、何千万人もいる。
インフレ率が二桁を遥かに超える国は多数あり、
毎月のように銃による大量殺人が発生し、
街がゴミであふれて異臭を放つ大都市や
スラム化した地区を抱える都市は世界中にある。

豊かな国のはずの米国は、
スラム街ではホームレスや貧困層の人が
希望もなく生活している。
米国には日本のような義務教育がなく、
高い学費を出さなければ、進学できない。
州立大学でさえ、
年間授業料が300万円を超える。

日本のような国民皆保険がないので
高額な民間保険に加入せざるをえない。
しかし、目や歯の治療はカバーされないことも多いため、
米国に滞在する日本人は、
虫歯になったら飛行機で日本に帰国し、
治療した方が安いと言われるほどだ。

これだけ考えても、
日本が米国より生活がしにくいとは思えない。

世界最高レベルの安全な社会で暮らし、
義務教育どころか高校進学率も9割を超える。
その上、国民のほとんどが
充実した社会保障制度から
多大な恩恵を受けて日々を過ごしている。

消費税が高いと言うが、
欧米では20%以上の国がある。
コロナの際には給付金や補助金を支給してくれた。
経済力のない国ではそのような支援はできない。

仕事で外国人に接することが多いが、
彼らは異口同音に「日本はすばらしい」と褒めてくれる。
各国の事情を聞くと、確かに日本人は恵まれていると強く感じる。

「この国もまだまだ捨てたものではない」──
そう思う日本人が増えると、
自然と社会自体にも活力が生まれ、
すべてがより良い方向に向かって動き出すはずだ。

と。

これに対して、ネットの意見には賛同が多い。

○姪がカナダへ留学し、娘がイタリア人と結婚していますが、
2人ともこの記事にあるようなことを言っています。
日々の食事は、ソーセージやポテトなどで、
毎日同じような短調な味、
冷凍したの解凍して食べることが多く、
朝や昼はテイクアウトの軽食でも1500円から2000円。
所得は年々上がりますが、
物価はそれ以上に高くなり、
家を借りられず車で生活する人も多いとか。
娘たちも、病気、特に歯科にかかるときは
日本に帰国して治療しています。
一番の違いは、カナダやオーストラリアでも治安が悪く、
人種差別が露骨、日本のようなほんわかした雰囲気はないとか。
ヨーロッパは、移民や難民が多いため治安が悪化して
人種、民族差別が厳しいだけではなく、
相続税がない国が多く格差が固定され、
搾取される人はずっと搾取されるとか。
若者は、EUから外へ流れているそうです。

○EU各国でも、
電車は日本のバス並みかそれ以上に遅れて来る、
水道の水は飲めないどころか石鹸で泡が立たない、
ひったくりにバッグを引っ張られてるのにみんな知らんぷり、
犯罪にあって警察に届けても大ケガしてなければ放置、
盗難にあっても盗られた奴が悪いと言わんばかりの対応。
自動販売機もコンビニもなくて、
日曜日は商店が閉まってる。
日本人は我慢できないでしょう。
南米で珍しく時間通りに列車が来たと思ったら
「前の日の列車が24時間遅れで来たので指定席に座れなかった」
ということもあるそうです。
日本なら新聞に載ります。

○賃金が上がらないと言っても
先進国の水準は維持しており、
物価は先進国の中で最低レベルですので
海外へ出なければそれなりに生活出来ますし、
何より治安が良いのはありがたいでしょう。
警察官が他国より良く頑張っている事もありますが
何より日本人の教育水準が
世界レベルでも高い事が影響していると思います。

○1人当たりGDPや
生産性という数字ばかりに注目しているから、
また、バブルの後遺症たる
失われた30年なる言葉に囚われているから、
日本はもうお終いで、外国の方が素晴らしいのでは無いかと
勘違いされているだけじゃないのか。

○訪日外国人が大勢来るのは、ただ、単に円安だけではあるまい。
日本には世界中の人々を惹きつけてやまない魅力があるからではないか。
外国人は日本の良さを分かっているから、
コロナ禍が落ち着いて来た途端、訪日を再開したのだ。
日本が100点満点の完全無欠の理想郷だと言うつもりはないが、
少しは自国に対して自信を持っても良いと思う。

○北欧メーカー代理店に勤務し
本社スウェーデンやフランス、ドイツなどから営業が来て
夜の食事会などで話すと
ほぼ全員が
「日本ほど安心安全快適美食清潔な国はない」と言っていた。
先進国と呼ばれる北欧などはやる事がなく
仕事終わってからは家に帰るだけ
娯楽や余暇の楽しみも少なく
日本のようにエンタメやレジャー施設もない。

○物価が上がるのに給料は上がらない、
日本は30年間停滞し何も進歩していないと
批判ばかりしているのはマスコミで、
マスコミは誰かを批判し自分が正義であるかのように見せただけ。
それを真に受けている人も自分を正義と思いたいだけ。
30年間にG7の他の国は
みんな200%以上物価が上がり、
アメリカでは年収1000万円以上あっても中流以下と言われている。
それに比べたら日本は30年間で
20%しか物価は上がっていない。
つまり給料上昇は他国の10分の1でも同じということである。


上記の方が書いたように、
「日本はダメだ」という論調がマスコミに多い。
日本を貶めることが自分たちの使命のように感じているらしく、
それを読んだ人が、そうかな、と元気を無くしてしまう。

よく、外国旅行をして帰国した人が、
「日本がいい国だということが分かった」
と言うが、外から眺めて、
初めて日本の良さが分かる。

それと同じで、
外国人の目を通して、
日本の良さを知る、ということだろう。

一方、ライターの中川淳一郎という人が、
日本は「衰退途上国」であるとして、
日本を褒める外国人に対して、
斜めからの視線を与えている。

その要旨は、次のとおり。

近年の日本人、
そして日本のメディアは外国様から少しでもホメられると、
やたらと反応してしまう。
朝の情報番組や夕方のニュース番組などでも
「外国人が日本の素晴らしさに感動」
「日本人にとっては当たり前のアレに、外国人が大注目」
といった企画を作っては、日本の良さを発信し続けている。
まるで日本人が「ソト」からホメられ続けていないと
プライドが持てない、
卑屈で情けない民族のように思えてくる。

私は1987年から1992年までアメリカに住んでいたが、
もうウンザリするくらいアメリカ人の愛国心と自信を見せつけられてきた。
「何事においても、アメリカが最強で、最高!」
と信じて疑わないのがアメリカ人なのだ。
アメリカ人の愛国心は確かに鼻に付くが、
「外国からどう見られようが気にしない。
俺たちの国が一番だ」
という揺るぎない自信は、日本人も多少見習うほうがいい。

旧知の編集者A氏の意見。

「誰だって自国のことを海外の人からホメてもらえれば
悪い気はしないだろうし、
事実、日本は安全で暮らしやすい国だと思う。
でも、他国からどう評価されるかを自分の愛国心の支えにしたり、
外国人のリップサービスを真に受けたりする日本人が増えているのだとしたら、
なんだか惨めな話ですよね」                           
更に、著名な経営者から聞いたという話が続く。

「日本で暮らす外国のビジネスパーソンたちの間では
『テキトーに日本のことをホメそやして、
〈日本最高!〉みたいな本でも出せば、
ちょっとした小遣い稼ぎが簡単にできるぜ』
なんてジョークが酒飲み話などで語られているのだとか。
『日本人は、外国人から日本のことをホメてもらえると、
尻尾を振る犬のごとく喜ぶ』
と感じている外国人は多いらしい。

と。

この人の見解は、少々うがち過ぎではないか。

外国人が「日本は素晴らしい」と言っているのは事実。
YouTubeには、その手の企画があふれている。
外国人に街頭インタビューして、
日本の良さを礼賛する番組。


外国旅行者を和食店に連れて行って食事させ、
日本の食べ物のおいしさに驚嘆する姿を写す企画。


韓国から後輩を呼び寄せ、
日本の食べ物や街並みや自然を
ほめそやし、「日本を誤解していた」と言わせる番組。


祖国から父母を呼び寄せ、
日本の素晴らしさに触れさせる番組。
東アジアを旅行したヨーロッパの人が
中国と韓国に失望した後、
日本を訪れて、その素晴らしさに驚く番組・・・
そのことごとくが
10万単位のアクセス数を誇っている。
つまり、そういう番組が
日本人の自尊心をくすぐっていることも確かだ。

だが、それらのYouTubeが、
日本人を喜ばすため、
アクセス数を増やすためだけにやっている、
と考えるのは、ちょっと違う。
そもそも、外国人が日本の良さを
ほめそやしている事実があるからだ。

私は日本人は幸福な国民だが、
自分が幸福であることを
気づいていないという不幸がある、
と常々思っているが、
そのことを外国人が指摘してくれているのだから、
ありがたく受け取った方がプラスというものだ。



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