[映画紹介]
アメリカのカンザスシティで暮らし、
学校でも孤立している13歳のアレックス。
メキシコ系ということがいじめられる原因だった。
夏休みに、母がメキシコの親族を訪ねるように言い、
アレックスは、嫌々祖父の牧場を訪ねる。
納屋で、アレックスは思ってもみなかった生き物と出会う。
それは、伝説のチュパカブラの子供で、
科学者たちに追われて、逃げていたのだ。
アレックスは、「チュパ」と名付けたこの生き物を
親のもとに返すために、冒険の旅に出かける。
「チュパカブラ」というのは
有名な南米のUMA(未確認生物)。
1995年に最初に目撃例が報告され、
南米地域で社会を賑わせる存在となった。
家畜(主にヤギ)の血を吸うと言われ、
「ヤギの血を吸う者」の意味である「チュパカブラ」と呼ばれた。
目撃例は沢山あるが、その存在は謎のまま。
全身は毛に覆われ、赤い目で、口には牙、
背中にはトゲ状のものがあるという、
怖くておどろおどろしいイメージで
語られることの多いチュパカブラだが、
本作では、犬に翼が生えたような外見で可愛らしい。
だが、大人のチャパカブラは、ものすごく恐ろしい。
「E.T.」で代表される、
「子どもが不思議生物と遭遇し、守ってあげる」系の作品。
新味はないが、もはやジャンル化した内容。
後は、どうストーリー展開するかと、
その生物の造形だが、
そのどちらも、そこそこうまくできている。
訪問先の牧場は、
祖父チャヴァと、いとこのメモ、メモの姉ルナ。
自分の知らなかった血族に触れ、
アレックスは自分の居場所を見つけたように感じる。
チャヴァは元プロレスラーで、
半分ぼけているのに、
フロレスのマスクをつけるト、シャキッとするのが笑わせる。
科学者クインがチュパを捜して追いかけてくる。
チュパが捕まれば、研究材料にされてしまうので、
古巣に戻してあげようといいうストーリー。
製作はあの「グレムリン」、ハリーポッターシリーズなどで
おなじみのクリス・コロンバス。
監督はホナス・キュアロン。メキシコ人。
そう、「ゼロ・グラビティ」(2013)、
「ROMA/ ローマ」(2018)のアルフォンソ・キュアロンの息子。
「ゼロ・グラビティ」の脚本に参加し、
2015年の「ノー・エスケープ自由への国境」で監督デビュー。
アレックスをエヴァン・ウィッテン、
祖父チャヴァをデミアン・ビチル、
いとこのメモをニコラス・ベルドゥーゴ、
メモの姉ルナをアシュリー・シアラが演ずる。
科学者をクリスチャン・スレイター。
親族との絆を深め、
人生の困難に直面しても、
自分ひとりで抱えなくたっていいことを
この冒険の教訓として得て、
最後はアレックスがメキシコ人の血に誇りを感ずるラストもいい。
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