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けっして「××タマと××ポコ」ではないのですが、そう見えてしまうので、この字形のことを「タマポコ」と呼ぶことにします。
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篆書ではタマポコみたいに見えた「心」が、隷書になった時点で、現在でも使われている「心」とほぼ同じ字形になっていたということになります。
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そのことをわかりやすくするために、一画ごとに色を変えて書いてみました。
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この1画目と4画目を簡略化してみると、次のようになります。
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さらに、それぞれの画の位置を調節してみると、次のようになります。
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篆書の「心」から隷書の「心」になるまで百年くらいはかかったんだと思いますが、こうした変化があったのではないかと思いました。わりと自然な変化だったんじゃないかという気がします。
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この時代、4000くらいの文字があったんだそうですけど、その中に「心」に相当する文字はなかったんだそうです。この話も凄いことだと思いました。「心」がなかったということは、それを部首とする文字、思想志忘忠念急怒恐怠忍息恵恋愛応恥添怪性怖忙快怯などなどもなかったということですからね。
「心」という文字が現れたのは、西周(紀元前 1024~771年)の時代からなんだそうです。「心」を部首とする文字も現れてくることになりますけど、かなり時間がかかったみたいです。
孔子が生きていた時代(紀元前552~479年)には、「志」や「惑」などという文字はなかったそうです。孔子は、十五にして学を■し、四十にして■わなかったということになります。
「心」をそういう形の文字としたのは、紂王? 妲己? などと考えてみると楽しいわけですが、カエサルとしては「始皇帝犯人説」を提出したいと思います。
篆書は、戦国時代(紀元前443~221年)に発達・整理され、始皇帝が統一書体として制定したものです。戦国時代までの「心」はこんな字形じゃなかったのに、始皇帝がこの字形にしてしまったという可能性があります。
そうじゃないとしても、始皇帝は「心」がこの字形であることを容認したということになります。そのことによって、現在でも、篆書体で「心」を書くとき、この字形を用いなければならなくなっているわけです。
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前漢(紀元前206~8年)では、隷書への移行が加速されたようです。政権が変わったということで「始皇帝の決めた字体なんか使えるか」などという気分もあったと思いますし、「心」については「こんなタマポコみたいな字を使いたくない」と思った人も多かったんじゃないかという気がします。
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