瀬名・佐藤・伊坂については、もっと年齢差があるような気がしていたので、へへぇと思いました。まあ、それくらいです。
でも、松崎有理と円城塔については、名前も知らなかったのですよ。ちょっと気になったので、ちょっと調べてみたら、2人とも理学部とのことです。しかも、松崎さんは(たぶん)生物学科。なんか嬉しくなってしまって、じゃあ、読んでみようか・・・なんて思ったわけです。
「SF連作短編集」ということになっていますけど、SFじゃないのもあるし、連作とは言い難いところもあります。SFっぽい小説の、連作っぽい短編集というところでしょうか。仙台市と東北大学を舞台として、理系の学生や博士号取得済研究員や教授などなどが登場する現代小説と考えた方がよいような気がします。ただし、架空の学説なんかも出てきますよ・・・という感じかな。
極めて語弊のある言い方ではあるのだけど、「STAP細胞みたいな話」と言ってもいいんじゃないかと思います。超一流の研究機関から出た論文が超一流の雑誌に掲載されて、それで、あんなドタバタ騒ぎになってしまうわけですけど、そういう世界があるんですね。そういう世界について書かれたお話だと思えばいいんじゃないでしょうか。
お話の性格上、いろんな学説や研究方法などについて説明されることになるわけですけど、それがすごくわかりやすいんですね。感心しました。面白かったです。もっとも、高校生物程度の基本的な知識は必要だと思いますけどね。
こっちの方は「SF連作短編集」ということで間違いないと思います。プロローグ+第一部(10編)+第二部(10編)+エピローグという構成なんだけど、とにかく不思議な作品です。
基本的には、巨大知性体(コンピュータの進化したもの?)が主役で人間は脇役みたいな世の中です。そこに「多宇宙」とか「時間束の破砕」とかが絡んできて、極めて難解な世界になっています。そうした世界を背景に、理屈を捏ね回したような文章が続きます。「意味不明な文章の羅列」と言ってもいいと思うのだけど、不思議なことに読めてしまうのです。
何がどうなっているのかはわからないままに、スリルとサスペンスみたいなものを感じたり、牧歌的な雰囲気を味わえたりします。カタルシスが得られるというようなわけではないのだけど、なんか引き込まれちゃうんですね。不思議です。
それに、カエサルが読んだ本については「読書メーター」というところにコメントを書いているんですね。興味のある方は覗いてみてください。
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