ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

オウエンとムゼイ

2007年02月21日 | 本のハナシ

2004年12月26日、インド洋スマトラ沖の海底地震で大津波が発生。
大きな被害が出ました。
その犠牲になったのは人間だけではなく、野生の生き物たちも同様です。
その地震で独りぼっちになってしまった赤ちゃんかばが心を開いたのは、
なぜか亀のムゼイでした…。

オウエンとムゼイ

日本放送出版協会

このアイテムの詳細を見る

知り合いから紹介されて読んでみたんですけど、文章もとても読みやすく、興味深い本でした。


先日、「英語でしゃべらナイト」というNHKの番組にゲストで出ていたビッキー。この本の翻訳をしたそうです。知らなかった~。
英語と日本語、直訳しても気持ちが通じにくい部分が多々あるそうです。
ちゃんと伝えようと詳しく訳しても、くどくなったりしますしね。
翻訳する時の苦労が少しではありますが理解できた気がします。

テレビでも数日前紹介されていました。
本に掲載されている写真もとてもいいですが、
実際にオウエンとムゼイが寄り添ってあまがみしあう動く姿は、
心が慰められるようでした。

最近心がささくれ立っているので、
もう少し、気持ちをゆっくりにしてあげないといけませんね。
亀とカバが心を通じさせることが出来るんだもの。
人間同士もいつかきっと…
と思いたい
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仕事を辞めるということ

2007年02月01日 | 本のハナシ

え~、色々ととっちらかっておりまして、
ちょっとお疲れ気味のひいらぎです。

えーと。
インターネットが整備されて、いろいろと便利になりました。
市内の図書館、公民館蔵書の本が、ネットで予約でき、
さらに近くの公民館で受け取ることが出来、大変助かっております。
先日のフランス語教室で、最近読んだ本は、と聞かれまして、
その時読んでる本は話題にするほどのこともなかったので、
3冊予約街をしているということを話しました。
その中の1冊がこれです。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

光文社

このアイテムの詳細を見る


ところがねー。
教室に通っている女性2名が、ともに早くに仕事を辞めてしまった方だったんです。
お一人は2年で、もうお一人は3ヶ月で。
「しまった~」
と思いつつ、言葉を重ねて必死にフォローしようとすればするほど、
墓穴を掘ってしまいます。
ああ、空気読めよ、ひいらぎ。
「こういう本についてどう思いますか」
と先生に問われた方は、
「余計なお世話、放っておいて」
さらに、
「自分に合わない仕事は、さっさと辞めればいい」
とのコメント。

この、「自分に合わない仕事は、さっさと辞めればいい」という言葉に、
ものすご~く違和感を感じてしまったんですね。
もう、この感覚が、ジェネレーションギャップってやつですか?

世代の問題なのかどうか分かりませんが、
こういう感覚でもって仕事を決めるのは、やっぱり若者だなあ、
なんて思ってしまいます。
「むいている、むいていない」ということで言えば、
はっきり言って、私、今の仕事向いていません。
ストレスで具合が悪くなったことが何度もあります。
それでも辞めきれないのは、私が田舎の保守的なところで育ったせいもあるとは思います。
就職してからずうっと、「辞めたい、辞めたい」といい続けてるんですが、
それでも「向かないから辞める」という選択肢自体がなかった気がします。
どっちがいいということではなくて、仕事というものに対する「感覚」自体が、
世代(地域も?)でずいぶん違うんだなあ、ということかもと感じた次第です。
とか書いた時点で、やっぱり違うかも、とか思い始めました。
「変化」に対する耐性がないんです、私。
だから、胃液吐いても辞められないのかも。
向いている仕事自体思いつきません。
転職してもやっぱり胃液吐くんだろうなあ、と思うと、
転職する勇気も出てきません。
つまりは、続けるのも良し、転職も良し、
自分のスタンスで考えるしかないということでしょうか。

お?
ちょっと待てよ。そういえば最近胃液吐いていないぞ。
その代わり、10キロ太ったよ。
え~この本、やっと手元に届きましたので、読み終わったら、
感想を書こうと思います。
取り合えず、今日はここまで。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「俺が、つくる!」

2007年01月25日 | 本のハナシ
俺が、つくる!

中経出版

このアイテムの詳細を見る


実は、職人というものに憧れている私。
「モノを作る」ということに憧れるのと、根っこは同じ気がします。
この本は、「痛くない注射針」を作ったということでも有名な岡野さんの語りを
文章化したもののようです。
もうね、「人のやれないことをやる」というタイプの職人さんですから、
思い切り「俺様」な発言の連続です。
自分の仕事は安売りしない。
それもこのくらい自負も大きなものがあると、痛快ですらあります。
こういうオヤジと話すのは楽しいだろうなあ。
自分の父親だったら「このくそオヤジ!」と言いたくなる事もあるかもしれないけど。
で、また、奥さんも偉いね。
年収3万5千円なんて時期もあったそうですから。
会計は全て奥さん任せだったそうですから、
どうやってやりくりしたんだろう
なまじっかでない成功を収めるためには、目先だけの利益にとらわれてはいけない。肝を据えることが出来るかどうか。また、半端でない努力を惜しまないということも肝要のようです。俗人には全く望むべくも無いですが。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

君について行こう

2007年01月12日 | 本のハナシ

滅多にドラマを見ないのですが、今夜は珍しく見てます。

向井千秋~夢を宇宙に追いかけた人~向井千秋~夢を宇宙に追いかけた人~

わはは、石黒賢さん、「万起男さんカット」が似合いすぎる~

君について行こう〈上〉女房は宇宙をめざす

講談社

このアイテムの詳細を見る


向井さんのお話は、この本を読んでいて、ちょっとは予備知識がありました。
「割れ鍋に綴じ蓋」じゃないけれど、
ユニークな夫婦像が軽妙な文体で綴られています。

実は、私は子どもの頃宇宙飛行士に憧れていて。
でも、日本で宇宙飛行士になるのは無理だろう。
私が大人になる頃には、NASAの力を借りてなら実現できるかもしれない。
なんて事を考えてたんでした。
ふ。無知な子どもにしては、ちょっとは先見の明があった?

でも、このユニークすぎる夫婦。
本のタイトルは「君についていこう」ですが、
夫の万起男さんは、決しておとなしい付いていくタイプではありません。
けど、それでも千秋さんの訓練期間はアメリカまで行って「家庭を守る」なんてことまでしちゃいます。
何かをやり遂げようと思ったら、こんなに突き抜けた人でないと無理なんだろうなあ。
この人が夫だったからこそ、千秋さんも思うように目標に突っ走れたんじゃないかと思ったりします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買えない味

2006年11月28日 | 本のハナシ
「買えない味」
ふとしたことで、この本の存在を知りました。
気になったので、図書館で借りることにしました。

買えない味

筑摩書房

このアイテムの詳細を見る


筆者は平松洋子という方。フードジャーナリストだそうな。
いったい何者ですか、それは。
すみません、そんな仕事のジャンルがあるなんて知りませんでした。

グルメな薀蓄本をイメージしたのですが、ちょっと違いました。
台所に関するエッセイ集です。

題材をちょっと取り上げてみると、
・箸置き
・器(磁器、陶器、豆皿、大皿、取り皿、竹の皮)
・用具(トング、笊とボウル、まな板、土瓶に土鍋、キッチンクロス、さらし、etc)

一文を引用しますと、

 熱い湯がじくじく厚い土肌を温めてゆく。いったん熱を抱きこんだ土瓶はぬくい陽溜まり。時間を誘い込み、とうに忘れていた遠い日を連れて帰ってくる。
(土瓶~のんきなティータイムより)


う~ん、なかなかに情緒的。

センターカラーの写真がまた温かみがあり、すばらしい。幸せな気分になれます。
食べ物をめぐるあれこれが、食卓を豊かにしているのが伝わってきます。食事って、単なる栄養補給じゃない。
好き嫌いは、人生の幸せを半減すると言うけれど、味を彩る様々なものを愛することで、食卓も人生も、ずいぶん豊かになる。
おいしくものが食べられるって、実に幸せなことですよね。食事が単なる栄養補給の習慣になってしまっている私にすらそう感じさせる、これは、そういう本です。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の骨は1本すくない

2006年10月04日 | 本のハナシ

今日は、小田空さんの「中国の骨は1本すくない」をご紹介します。


中国の骨は1本すくない

創美社

このアイテムの詳細を見る


変なタイトルでしょ?何故こんな変なタイトルになったのか。
答えは、表紙のタイトル文字の中にあります。


何だか変ですよね?日本の「ほね」の字はこう。三、四画目の向きが違うのにお気づきでしょうか。
つまり。私も初めて知ったのですが、中国の「ほね」という漢字は、日本の漢字の「ほね」より1画少ないんです。それはなぜか。
気が抜けるようなほんとの理由は本書を読んでのお楽しみ。

知っているようで知らない中国。この本は、香港について詳しく書いてありますが、そこは小田さんのことですから、普通の観光本にはなっていません。

かねてから、パソコンでの中国語の文字の入力はどうするんだろうと思っていましたが、この本を読んで謎が解けました。
日本語のローマ字のように「音」を入力して変換する方法と、漢字の部分を分解して、入力する方法があるとか。
針=金+十  というのは理解できますが、
繰=女+火+口+口+木  はわかるような分からないような。
パーツを組み合わせて、文字を作るらしいです。
もうひとつ、日本語で言う「カタカナ」に当たる文字で入力する方法もあるそうです。
現地にいないと分からないような情報を、地域密着型で提供してもらえます。

また、大いに共感させられたのが、中国の情報統制の話。
情報統制のある中国で、アフリカの学生の普通の寮生活を見ることはできるのに、
そんな画像、日本で見ることはまずありません。
なぜなら、視聴率とスポンサーとに日本の番組は縛られているから。
情報統制など無いはずの日本で見られる画像が、真実を映しているとは限らない。
そんな辛口のコメントがチラッと見られたりするのも、小田さんのエッセイ漫画ならでは。
ちなみに店頭では、赤いカバーの上にさらにカラフルな青いイラストのカバーがかけてあります。ううん、贅沢



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オトナ語の謎

2006年09月25日 | 本のハナシ

ラジオとテレビで「これってほめ言葉」の歌詞が違うと聞き、ラジオの前でスタンバイ。

調べたら、土曜日は4時10分から第2ラジオで放送されるとのことなので、
4時前から準備していました。
なのに、延々と気圧情報が続きます。
聞いたことあります?地域名の後に○ヘクトパスカルと、気圧やら風向きやらの情報を淡々と読み上げ続ける番組です。
4時10分をとうに過ぎてもまだ続いています。
念のため確認したら、14時10分の放送でした。
悔しいので、日曜日、9時過ぎの放送を聴きました。
「まじ、ヤバイ」と「よくなくない」でした。
たしかにこれって、褒められてる気がしない。
よし、ちゃんと聞いたわ。満足。

さて、「これってほめ言葉」は若者言葉を取り上げていますが、
実はオトナもオトナの間だけで通用する言葉を無意識に使っていたりします。
若者から見るとな言葉を集めた本。それが「オトナ語の謎」です。
オトナ語の謎。

東京糸井重里事務所

このアイテムの詳細を見る

例によってアマゾンの紹介を引用します。
出版社/著者からの内容紹介
ほぼ日刊イトイ新聞にて連載開始され、異常ヒット数を記録した人気企画が待望の書籍化。
「なるはやで仕上げて、午後イチにはお届けできるかと」
「見切り発車の垂直立ち上げでしたから物理的に難しいんです」
「要は、クリティカルなアイテムがマストかと思われます」
学校では絶対に教えてくれない謎めいた言葉、「オトナ語」を、おもしろおかしく徹底的に解説。
昔話や歌謡曲の「オトナ語」バージョンも抱腹絶倒。

内容(「BOOK」データベースより)
「バンザイ」と「バンバンザイ」の違いとは何か。家でも学校でも教わらないが、カイシャのオトナたちが、自由自在に使いこなす不思議で奇怪な言葉の数々。全国津々浦々のオフィスで密かに増殖していた未確認言語を大発見!オトナはときに「とんでもございません」とへりくだり、ときに「無理は承知」で果敢に攻める。言葉に込めたオトナの意図、意志、謀略を伝授する社会人の新教養。


ふと気付けば、「バンザイ」と「バンバンザイ」もちゃんと使い分けられているから、いつの間にか、ちゃんとオトナ語使ってるんですね。
オトナも若者も、知らず知らずのうちに、「仲間内だけで通じる言語」を作りたがるのは同じなんですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月館の殺人

2006年09月01日 | 本のハナシ

今日は、九月に入ったばかりなのに、結構涼しかったです。
うれしい。

さて、今日はこの本をご紹介。
月館の殺人 上 IKKI COMICS

小学館

このアイテムの詳細を見る

月館の殺人 (下)??

小学館

このアイテムの詳細を見る


原作の綾辻行人さんは、謎解き本格ミステリーを描かれる方です。
作画の佐々木倫子さんはちょっと変わったおとぼけコメディを描かれてきています。綿密に取材していながら、力が抜けた感じの作風の方。
動物のお医者さん (第1巻)

白泉社

このアイテムの詳細を見る

おたんこナース (1)

小学館

このアイテムの詳細を見る

Heaven?―ご苦楽レストラン (1)

小学館

このアイテムの詳細を見る

この辺りが有名かと。

このお二人が組んで作品を作るだなんて、一体何処の誰が企画したんでしょう。
えらいわ。

内容は、というと、まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する沖縄の女子高生・雁ヶ谷空海。雪の北海道を行く特別急行〈幻夜〉で、彼女を待ち受ける運命とは…? 未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。

という感じ。
ミステリーなのに。殺人事件だって起きちゃうのに。
出てくるテツ(鉄道マニア)の面々がとっても個性的で、笑えます。
ディープなテツの世界が垣間見えます。
本格としてもコメディとしても読める、ミステリー好きで漫画(さらにコメディ)も好きという方には、楽しめる本です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海馬

2006年08月08日 | 本のハナシ

今日も暑いですねえ。
車についている温度計をふと見ましたら、
39度
アスファルトからの照り返しもあるんでしょうが、
数字を見ただけでぶっ倒れそうです。

さて、10年続けているフランス語での行き詰まりを感じて数年。
いや、主な原因は、「勉強」という努力ができない怠け者体質だということは分かってるんです。
講座を受けているだけで上達できるレベルには、やはり限界があります。
それにしても、ある年代を境にして、がくんと記憶力が落ちたのを感じます。
やっぱり、脳細胞は年々減るばかりだから仕方ないかなあ、
などと考えていた時にこの本を読みました。
海馬―脳は疲れない

新潮社

このアイテムの詳細を見る

脳科学者の池谷さんとコピーライター糸井さんとの対談です。(脳についてのウンチク本ではありません。あくまで対談本です)
数年前にこの本が出ていたのは知っていたのですが、最近になってやっと読むことができました。科学の進歩は目覚しいものがあるので、もしかしたら新しいデータが出てきているかもしれませんが、基本線は変わっていないだろうということで、この本に書いてあったことをいくつか紹介します。

海馬とは、「タツノオトシゴ」の別名。脳の中の記憶をつかさどる部分の形がタツノオトシゴに似ているためにこの名が付けられたようです。
子どもの頃の驚異的な記憶力を無くしてから久しいのですが、
池谷さんによると、脳がその実力を発揮するのは30歳からだそうです。
たしかに機械的な記憶力は若い頃の方がいいのでしょうが、関係を把握し、過去データと比較し、応用力を生かし始められるのが30代とか。
確かに脳細胞は常に死に続けているけれども、それを心配する必要が無いくらい「余剰」の部分がたくさんあるから、全く気にする必要なし!
こう聞くと、何だか希望がわいてきません?
記憶を定着させるために、海馬は夢を見る。眠らないと起きている状態でも夢を見る。
どういうことかといいますと、幻覚を見るんだそうな。
睡眠時間をむやみに削って勉強するのは、意味がないということになりますね。
勉強もした上で、しっかり睡眠時間を取るのが肝心なようです。
あ、それから、脳はマンネリがダメだそうなので、常に新鮮な刺激を与えてあげることは大事だそうです。
また、刺激がまるでないような状況では脳は退化するようで、
きちんと働きをキープするためには、適度な刺激がある環境を作ることが大切だとか。
やる気が出ない時の解決方法はというと、取り敢えずやり始めることだそうです。やっている間に、脳のテンションは上がっていくのだとか。そういえば、思い当たる節が。
脳は疲れないので、とにかく使い倒してOKだそうな。
使い倒すほど脳を使ったことはまだない気がしますので、私の脳の余地はまだまだあるということでしょうか。
使い倒す。
どのくらい使ったら、使い倒せるんだろう。


ん?それまでの蓄積を使って総合的に働き始めるのが30歳って事は…
若い頃から怠け者で、蓄積があまりあるとは思えないひいらぎの脳の総合力はどのくらい期待できるんだろう
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心療内科を訪ねて―心が痛み、心が治す

2006年08月04日 | 本のハナシ

久しぶりに、本の話をします。
夏樹静子さんは、私の好きな作家の一人です。
最初に読んだのが「天使が消えていく」。
母親の視点からのミステリー。これは、男性には絶対に書けない。
そこから作家読みを始めました。
どの作品からも、真面目で真摯で誠実な作者の姿勢が感じられました。
その夏樹さんがある日原因不明の腰痛に悩まされるようになり、
それは立っても座ってもいられないほどの激痛にまでなり、
治療法を求めて、それこそ奔走するに至ります。その時の様子を書いたのが、
この本です。
腰痛放浪記 椅子がこわい

新潮社

このアイテムの詳細を見る


あらゆる検査をして、器質的な異常は全く見られず、
考えられるのは心因的なものだけ。
客観的に見て、それ以外考えられないのに、
当の本人、あの聡明な夏樹さんがどうしても納得することができませんでした。
激痛に悩まされながら民間療法にまで手を出したり、
入院はしてみても気持ちがあちこちに揺れたり。
生々しくありながら冷静に分析する作家の目を持つ文章で綴られているこの本は、
すいません、
これまで読んだ夏樹さんの本の中で、一番面白かったです。
というと語弊があるかもしれませんが、それくらい勢いがあって、
一気読みしてしまいました。

「心因性でここまでの激痛が生まれるはずが無い」と言う夏樹さんに対し、
「心が生んだものだからこそ、どんな痛みでもありえるんです」
と答えるお医者さん。
実際、病気を認め受け入れ始めたところから、症状は軽減していきました。

そういった、自身の経験から心身症に大きな関心を持ち、心身症患者の方に夏樹さんがインタビューして書かれた本が、これです。
心療内科を訪ねて―心が痛み、心が治す

新潮社

このアイテムの詳細を見る

本当に色んな症状があります。
ここでインタビューに答えられているのは、病気を受け入れ、ある程度以上快方に向かっている方ばかりですので、何が病気の原因だったのかが本人の口から語られます。中には、家族の軋轢や仕事上のトラブルなど、一般的にストレスの元となるような原因が全く見られない方もいました。
心療内科にかかることにしても、お医者さんとの相性が大切だと言うことも語られています。(心療内科に関らず、お医者さんとの相性は大切だよ~。看護婦さんとの相性もね

「全部できていなくても、7,8割で自分にokを出してあげよう」
というような意味のことをお医者さんがおっしゃってます。
自分にだけでなく、周りの人にも。
これって、心身症に限らず大事なことですよね。
できていない自分も認めてあげる。
症状に拘泥するのではなく、病気そのものを受け入れていく。
免疫力だって気の持ちようで簡単に上下しますもんね。
心が治すことのできる病気は、思うよりたくさんあるのかもしれません。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする