ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

続き。

2009年12月25日 | Weblog
今日、同僚から「萩尾さん?どんな漫画描いてるヒト?」
と尋ねられて、ショックを受けている私。
説明が必要なんですか?
手塚治虫といえば、何の説明も要らないでしょ?
私にとってはその手塚さんと同等以上の方なんですが。
い、いや。今の若者の中には確実に手塚作品を読んでいない人もいるか。
Tさんは私より年上だけれども。読まない人は読まないジャンルかも。
じゃあ、行きます、Tさん。よく聞いてくださいね。

えーとね。
何で私が今回こんなに興奮するかというと、
私にとって、萩尾望都という漫画家さんがトクベツな人だからです。

野球で言えば、土橋さん。
歌手で言えば、さださん。
そして、漫画といえば、萩尾さんなのだ。
私の中では、土橋さん、さださんの、さらに上なのだ。

とか言っても、興味のない人にはまったく意味のない比較だけれども。

小さいころから本を読むのが大好きで、
漫画はもっと大好きで、
かなり読み込んでいるけれども、
萩尾さんの漫画を読んでいなければ、
ここまではまっていなかったかもしれない。
最初の衝撃は、「11人いる!」でしたね。
11人いる! (小学館文庫)
萩尾 望都
小学館

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少女マンガでここまで本格的なSFが読めるとは!
次の衝撃は「百億の昼と千億の夜」(光瀬龍原作のSF)。
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)
光瀬 龍,萩尾 望都
秋田書店

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衝撃のあまり1週間ぐらい放心していました。
その時点ですでに発表されていた「ポーの一族」も、「小鳥の巣」も読んではいたけれど、ここまでの衝撃はなかった。何だか人生観とか、世界観とかがぐわっっとひっくり返った気がしました。
萩尾望都Perfect Selection 6 (フラワーコミックススペシャル)
萩尾 望都
小学館

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この後しばらく私、ノートのあらゆるところに、この話の主人公の一人「少女・あしゅらおう」(興福寺の阿修羅王像がモデルと思われます)の顔を描き続けてましたね。
ああ、そうか。今仏像が好きで、その中でも阿修羅王像が好きなのも、このときにベースができたのね。

後で原作のほうも読んだけれど、やはり私は萩尾さんの描いた「百億…」の世界にヤラレタのだと確信しました。
後は、ほら、私は基本的にコレクターだから、手に入る限りの萩尾作品を読みましたよ。
初期の作品は読んでいなかったけど、全集が発売され、そちらも読むことができました。
そしたら、本格SFやシリアスなドラマだけでなく、日常的な日本の女の子の姿とか、とにかく幅広くて、それもすごくピンポイントで私の気持ちの芯の部分をついてくる感じ。
とにかく、10代前半の一番感受性の強い時期の私に1番影響を与えた作家さんなのです。
(そして、さださんの歌の世界に染められて、今の私のベースができた。

もちろんその後の作品も追い続けていて、これまで発表された作品の9割以上は読破している自信があります。

「銀の三角」なんて、これはもう、ほかの人には絶対描けない世界でしょう。
銀の三角 (白泉社文庫)
萩尾 望都
白泉社

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あ、「イグアナの娘」の原作といえば思い当たるかも。
テレビドラマにもなったけど、原作のほうがはるかに面白くて深いから。
イグアナの娘 (小学館文庫)
萩尾 望都
小学館

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それから忘れてはいけないのは、「半神」
半神 (小学館文庫)
萩尾 望都
小学館

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腰の部分がつながっている双子の話。
この深い深い話が、なんと16ページ作品ですよ!
これはもう、萩尾さんを語るときには外せない作品であることは間違いないです。

他にも、「スターレッド」だとか「残酷な神が支配する」「マージナル」「メッシュ」などなど、独自の世界を描き続けてこられました。
ああ、「小夜の縫うゆかた」とか「天使の擬態」とかも好きだわ、私。
(こんな話は、さださんで言うと、「サンデイパーク」や「タイム・ラグ」がすきというのに近い、のかな?)
テレビドラマになったり、アニメになったりするような派手な売れ方をする作家さんではないけれども、
間違いなく現代の漫画の礎を築き、なおかつ現役でハイクオリティの作品を書き続けている、日本の漫画界を代表するような、そんなすごい方なんです。


分かりました?Tさん。