2020年8月12日の朝日新聞に、
鵬雲斎大宗匠と、藤代健介さん、矢島里佳さんとの対談が載っていました。
その中で心に残った大宗匠の言葉をご紹介したいと思います。
文章は基本的にそのまま引用します。
学徒出陣し、特攻隊員となり、戦後、六十数か国を訪問、
茶道を通して世界平和の実現に向けて活動してきた大宗匠にとって
「平和」とは何なのか。
平和ということを安易に使うのが嫌なのです。
米国大統領には、戦いといえども広島、長崎に原爆を落としたことに「すまなかった」と言ってほしかった。
また、戦争を知らない人たちが口だけで「平和、平和」と言うが、プラカードを掲げて行進しても平和は来ない。平和という言葉を使う前に、自分たちの周囲を見てほしい。
親子や夫婦がけんかし、殺すことさえある。なぜそこから平和ができるだろうか。
自分たちを省みて、生活から見直さないと。
世界中を回ってきて思うのは、
日本人は心の中に「情」という優しさを持っているということです。
万葉集を読んでほしい。・・・・若い人にもっと日本の古典を知ってもらいたい。
万葉集には人の情け、情の深さが詠まれています。
野の花を持ってきて、ちょっと花入れに挿してみる。
掛け軸をかけてみる。
そうすると心の中に泉が湧いてくる。
コロナでうちにこもっていてもイライラせずにいられる。
そしてお茶を「どうぞ」と人に勧めてみる。
昔はそうしていた。貧しくても仲良く物を分け合っていた。
自分たちだけでなく、
どれだけ他の人のために生きる心を持つか。それが生きることの要
ではないでしょうか。
私が英語で一番好きな言葉は「after you」です。
「お先にどうぞ」と相手に譲ることはお茶の心に通じる。
お茶の精神性を伝えることが大事。
階級制度のあった戦国時代、みんな平等だよ、差別してはいけないと利休は唱えました。
人は心の中に田んぼを与えられています。
そこに何を植え、どう耕し、成長させるかを考えることが大事。
「田」に「心」を付けてみて下さい。「思」。それは思想です。
親から与えられた心という田んぼをどう育てるかを考えてほしい。
私も、きょう一日、生きていることに感謝し、世界の人たちが穏やかに仲良く手を握り、助け合っていくことに、一盌のお茶をもって役立ちたいと思っています。
大宗匠は、海軍に茶箱を持っていき、特攻出撃の前に、配給のようかんを切ってお茶を点てた。
その時、戦友たちはそれを飲んで、「うまいなあ。お母さーん」と
故郷の方を向いて叫んだという話を初めて聞いた時は衝撃でした。
茶道は私にとっては趣味であり、平和そのものでした。
戦争と茶箱が繋がるなんて思いもしなかった。
でもそうではない時代があって、その頃を乗り越えた人たちがいて、今がある。
大宗匠の一碗に込める思いをかみしめ、感謝して向かわなくてはと改めて思いました。
大宗匠は今も戦友たちの「お母さーん」という声が聞こえてくる、
戦争は自分が死ぬまで終わらない、海軍に行ったのは国の為ではなく、
家族のために自分が死ねば日本が戦争をやめるのではないかと思ったからだとも言っていました。
戦争はならぬものだと改めて思いました。
私も自分の為だけでなく、誰かのために一碗を点て続け、お茶の精神を伝え、色々な人と手を携えて平和を守っていきたい。
戦争はならぬもの
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/f02258efefcc9a1f02592692172a5690
古い記事ですが、ご参考まで。
茶箱 和敬点
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/53cf1905f469a0ff7d51e58dd3b4a9bb
鵬雲斎大宗匠と、藤代健介さん、矢島里佳さんとの対談が載っていました。
その中で心に残った大宗匠の言葉をご紹介したいと思います。
文章は基本的にそのまま引用します。
学徒出陣し、特攻隊員となり、戦後、六十数か国を訪問、
茶道を通して世界平和の実現に向けて活動してきた大宗匠にとって
「平和」とは何なのか。
平和ということを安易に使うのが嫌なのです。
米国大統領には、戦いといえども広島、長崎に原爆を落としたことに「すまなかった」と言ってほしかった。
また、戦争を知らない人たちが口だけで「平和、平和」と言うが、プラカードを掲げて行進しても平和は来ない。平和という言葉を使う前に、自分たちの周囲を見てほしい。
親子や夫婦がけんかし、殺すことさえある。なぜそこから平和ができるだろうか。
自分たちを省みて、生活から見直さないと。
世界中を回ってきて思うのは、
日本人は心の中に「情」という優しさを持っているということです。
万葉集を読んでほしい。・・・・若い人にもっと日本の古典を知ってもらいたい。
万葉集には人の情け、情の深さが詠まれています。
野の花を持ってきて、ちょっと花入れに挿してみる。
掛け軸をかけてみる。
そうすると心の中に泉が湧いてくる。
コロナでうちにこもっていてもイライラせずにいられる。
そしてお茶を「どうぞ」と人に勧めてみる。
昔はそうしていた。貧しくても仲良く物を分け合っていた。
自分たちだけでなく、
どれだけ他の人のために生きる心を持つか。それが生きることの要
ではないでしょうか。
私が英語で一番好きな言葉は「after you」です。
「お先にどうぞ」と相手に譲ることはお茶の心に通じる。
お茶の精神性を伝えることが大事。
階級制度のあった戦国時代、みんな平等だよ、差別してはいけないと利休は唱えました。
人は心の中に田んぼを与えられています。
そこに何を植え、どう耕し、成長させるかを考えることが大事。
「田」に「心」を付けてみて下さい。「思」。それは思想です。
親から与えられた心という田んぼをどう育てるかを考えてほしい。
私も、きょう一日、生きていることに感謝し、世界の人たちが穏やかに仲良く手を握り、助け合っていくことに、一盌のお茶をもって役立ちたいと思っています。
大宗匠は、海軍に茶箱を持っていき、特攻出撃の前に、配給のようかんを切ってお茶を点てた。
その時、戦友たちはそれを飲んで、「うまいなあ。お母さーん」と
故郷の方を向いて叫んだという話を初めて聞いた時は衝撃でした。
茶道は私にとっては趣味であり、平和そのものでした。
戦争と茶箱が繋がるなんて思いもしなかった。
でもそうではない時代があって、その頃を乗り越えた人たちがいて、今がある。
大宗匠の一碗に込める思いをかみしめ、感謝して向かわなくてはと改めて思いました。
大宗匠は今も戦友たちの「お母さーん」という声が聞こえてくる、
戦争は自分が死ぬまで終わらない、海軍に行ったのは国の為ではなく、
家族のために自分が死ねば日本が戦争をやめるのではないかと思ったからだとも言っていました。
戦争はならぬものだと改めて思いました。
私も自分の為だけでなく、誰かのために一碗を点て続け、お茶の精神を伝え、色々な人と手を携えて平和を守っていきたい。
戦争はならぬもの
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/f02258efefcc9a1f02592692172a5690
古い記事ですが、ご参考まで。
茶箱 和敬点
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/53cf1905f469a0ff7d51e58dd3b4a9bb
大宗匠のお話は心に響きます。
私の父母は、今の北朝鮮平壌で大きな料亭をしておりました。
数人の若い兵隊さんが来ると、ありったけの料理でもてなしたそうです。「この人達は明日飛んで行くんだ」とわかったそうです。
食事が終わると、母は必ずお抹茶を差し上げたそうです。そうした中、ある兵隊さんが、茶杓の箱に「茶是仏心」と書き残して行ったそうです。
戦争に負け、大変な思いをしながら帰ってきた母の懐には、茶杓と茶入だけが忍ばせてあり、これだけは、何があっても手放さないと決心して持ち帰ったと言っておりました。
淡交会のお茶会で、使いましたが、「母が平壌持ち帰ってきたものです」から、話がそちらにそれてしまい、お客様が涙ぐむといった茶会になってしまい、それ以来門外不出になってしまいました。
大宗匠の特攻隊のお話を聞くと父母を思いだします。
今も、何だか涙ぐんでおります。
ご両親の貴重なお話をして下さり、ありがとうございました。
兵隊さんの書いた「茶是仏心」、切ないです。
75年も前とよく言われますが、私はまだたった75年前と思います。
日本人がほんのちょっと前まで今とは考えられないような思想で生きて、戦争をしていたなんて。
苦労してお母様が大切に持ち帰られた茶杓と茶入、宝物ですね。
門外不出とはもったいない、私はそういう思いのこもったお茶会に伺いたいです。
昨日、NHKで放映された「太陽の子」というドラマを見ました。特攻隊で数日間の休暇で実家に戻ってきた弟、日本の原爆開発に携わっていた兄、その母親と幼馴染の少女の葛藤や思いが描かれていて胸がしめつけられました。
皆、戦争に疑問を持ち、苦しみながらも精いっぱい生きるしかなかった。
あのような時代が来ないように、祈ります。